気虚の症状・血虚の症状について
分類 番号 g106
気虚とは、
精神的な疲れや呼吸障害によって生気を失ったもので、
皮膚が枯草の様に乾燥したり、皮膚に艶とはりが無く緩んだ状態。
体力がない。
脉は微弱で艶と潤いがない。
多くは脾肺の主りであり、
気持ちにが沈みがちで、悲愁して楽しまず。
少気、耳鳴り、喘息、頭痛等の病症を伴う。
鍼灸治療に於いては、極く細鍼か円鍼、テイ鍼等を用いる。
気を漏らさないよう注意すべき証です。
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血虚とは、
血液、体液、栄養の不足より来るもので、失血、下血、流産、
食事の不摂生、
貧血に起因する場合が多く、
筋骨緩み、
手足痿(な)え、
脉は力がなく締まりがない。
多くは肝腎の主りである。
病状は、耳鳴り、心悸亢進、めまい、腹痛、頭痛、便秘、全身疼痛等、頑固な病症を現わす。
また婦人の生理不順、難産、子宮筋腫、不妊症等。
鍼灸治療に於いては治療過多に成らないように注意を要する。
血を潤す如くその手法には工夫をしなければならない。
お血症に対しては刺絡治療が治療効果が上がる。
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以上は、経絡治療学原論(上巻)p259を参考にして本文を構成しました。
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次の文章は『経絡治療学原論上巻臨床考察』と『本間祥白先生の鍼灸経絡診察図』を参考にしています。
五臓六腑と精神的な疲れによる気虚の症状について。
1、肝虚の症状:
取り越し苦労をする。
クヨクヨと物事を案じ、欝状態に近づく。
力なく起立できない、真っ直ぐに歩けない。
血色が悪く、病気を悪い方にばかり考える。
わが身の不運を嘆き、気の病、脳神経障害等にも罹りやすい。
≪ 肝胆全体の変動特徴:胸脇痛心下満。≫
肝の虚:心下堅く・(心下)満・立ちくらみ・手足にちからなく・気分減ず・脱陽・性欲減退・小便漏れやすい・視力減退。
肝の倶虚:意識朦朧(もうろう)・神経衰弱・呼吸微弱・時々自驚す。
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2、心虚の症状:
何ごとにも感動しない状態になる。 無気力です。
タイプとしては、咳が長引き易く、中には咳で肋骨を骨折する人もいます。
≪心、小腸、心包、三焦の全体の変動特徴:身熱。≫
心の虚:心下痛・心動悸亢進・不安・言難く・意識朦朧(もうろう)。
心小腸の倶虚:身四肢凍えて苦しむ・呼吸微弱・下痢。
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3、脾虚の症状:
思いが起こらない。
病症:脾虚すれば腹が張り、時には硬く盛り上がることもある。
タイプとしては、病が慢性に陥りやすく長引く。
他愛も無い周りの環境にも左右され易い。
「頭位置変換性の眩暈」の脾虚は足が地に着かず身体がふらつく。
≪脾胃全体の変動特徴:体重節痛。≫
脾の虚:泄注・腹満ち・嘔吐・黄疸・放屁・身だるい・疲れやすい・臥すこと好む・噫(あくび)・不眠・食不味。
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4、肺虚の症状:
体も心もじっと動かず悲嘆に暮れる。
肺経が大腸を纏っている為、「痔の病」にも大いに関係する。
「脱肛」も肺経の虚実によって起こる。
夢診断:気がゆったりするような夢なら肺虚。
≪肺大腸全体の変動特徴:喘咳寒熱。≫
肺一般:悲愁(ひしゅう:悲しみ愁い)・肩こり・欠盆の中痛む・痔出る・実熱。
肺の虚:呼吸困難あるいは呼吸微弱・咽乾く・手足冷え・痺れ・皮膚痛み或は感覚麻痺。
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5、腎虚の症状:
心が脅かされ、恐れ慄いて心休まず、身痩せて心身ともに衰弱する。
足腰が立たない、動けない、わずかの光、小さな音などに恐れおののく。
腎経の虚は人を老いさせ、日常生活が過ごし難く、慢性疲労症候群に似た状態になる。
虚体・実体共に手足、特に足先が本人の自覚が無くても冷たく、また本人が冷えを自覚している場合もあるが、逆気が元で起こる病気に罹りやすい。
≪腎膀胱全体の変動特徴:小腹痛み逆す。≫
腎一般:喀血(かっけ)・吐血・下血・生殖器病。
腎の虚:体重身冷・足腰寒く・小便赤黄色・消耗熱・物忘れ・精液不足・性欲減退・耳鳴り・眩暈・耳聾・手足痺れ・食欲あって不食(食べられない)・下痢または便秘。
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もう少し詳しくは次のリンクコーナーをご覧ください。
c204 肝木経の変動
c205 心火経の変動
c206 脾土経の変動
c207 肺金経の変動
c208 腎水経の変動
c209 変動まとめ五大病症
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