変動のまとめ五大病症 c209

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   経絡変動のまとめ五大病症

                小項目 番号 c209

項目

1、変動のまとめ五大病症の文章 と 変動のまとめ五大病症の図 c2091図

2、本間祥白編 鍼灸経絡観察図&東洋はり医学会実践検証より。

3、柳下先生、五大病症変動のまとめ1、(経絡治療学原論上巻臨床考察)を参考に。

4、柳下先生、五大病症変動のまとめ2、コンパクト版と相剋つり合いについて。

5、五大病症、ゆっくり堂鍼灸院篇(2013年5月)

病症の経絡弁別においては、四診からえられた情報を整理する作業になります。

それは、十二経絡の変動が五つの経絡変動(肝心脾肺腎)の変動に集約されます。

そして、

このコーナーではよりシンプルに、病症をまとめ、

実際の経絡鍼灸の診断を決定する「証決定」の手引きになります。

・1、変動のまとめ五大病症の文章

肝木の変動

①心窩部につかえある。
②脇腹張り痛む。
③目眩する。
④筋ゆるんでくよくよする。
⑤内分泌疾患。

心火の変動。

①身熱し、
②むないきれする、
③五感器障害、
④精神障害。

脾土の変動

①消化・吸収障害、
②疲れやすく、
③身体重く、
④関節が痛む。

経金の変動

①咳嗽、
②寒熱往来、
③肩こり、
④気の病、
⑤皮膚病。

腎水の変動

①足の冷え、のぼせ、
②体液の漏れ出血、
③元気衰弱、
④泌尿器・生殖器疾患。

・ 変動のまとめ五大病症の図 c2091

c2091

 2、本間祥白編 鍼灸経絡観察図&東洋はり医学会実践検証より。

肝木の変動

⑫ 足の厥陰肝経 :  胆を絡い、肝を主る。

流注:

足、第一指外側 太敦穴、膝、大腿の内側、陰部、胃、肝、胆、眼、唇、百会穴、肺、中焦。

実すれば、

眩暈、眼病、生殖器病、胸下堅く、寒熱往来、腹満、気分不快、怒る、月経不順・痛み、 腰痛、腹痛。

虚すれば、

心下堅く満ち、立ちくらみ、手足に力なく、気力減ず、脱腸、性欲減退、 失禁、視力減退。

⑪ 足の少陽胆経

流注:

鋭眥(まなじり)、内眥、側頭、耳の中、欠盆、胸中、肝、胆、脇の下、李脇、股関節、 足の外側、足臨泣穴。

実すれば、

頭重痛、悪寒し発熱汗出ズ、口苦く腹が満つ、るいれき、怒る、外側痛、飲食下らず。

虚すれば、

眩暈、眼黄ばむ、ため息、手足の筋が緩んで力がない、面垢づき光沢なく、クヨクヨしてよろめく。

心火の変動。

⑤ 手の少陰心経 ・・

流注:

心、小腸、肺、咽、目、腋下、手の内側、掌、小指内端少衝穴に至る。

実すれば、

身熱し、胃張る、四肢重し、大便不利、咽乾く。

虚すれば、

心下痛、不安、言難く、意識朦朧。

⑥ 手の太陽小腸経

流注:

小指外端の少沢穴、背面、肘、肩甲、缺盆、鋭眥(めじり)、耳の中、鼻、内眥、心、胃、小腸。

実すれば、

身熱し、自汗、下腹痛、胸苦しい、口中瘡を生ず、咽痛み、 頸(くび)腫れ、回顧すべからず。

虚すれば、

編頭痛、耳後ろ痛む、耳聾(じろう:つんぼ)、目黄ばむ。

⑨ 手の厥陰心包経

流注:

胸中、心包、三焦、腋下、手掌、中指の先端の母指側の中衝。

実すれば、

心痛、顔黄色ばみ、充血、臂肘引きつる、腋下腫れ又は痛む、胸脇張りお苦しい。

虚すれば、

胸苦しい、手掌熱し、動悸甚だしい。

⑩ 手の少陽三焦経

流注:

手の四指端関衝穴、背面の中央、欠盆、ダン中穴(督脈経)、心包、三焦、項(うなじ)、あぎと、 耳後、耳の中。

実すれば、

腹の気満ち、小腹堅く、小便不能、頭・ 顔赤く熱し、自汗、耳鳴り甚だしく聞 えぬ、 咽喉腫れ、喉しびれ、耳後腫れ痛む、 鋭眥(めじり)、痛む。

虚すれば、

腹冷え、呼吸苦しく、或いは呼吸微弱。

脾土の変動

④ 足の太陰脾経

流注:

隠白穴、足の内側、脾、胃、舌本、心。

実すれば、

胸苦しく臥すること得ず、食中り、下痢、嘔吐、足冷え、脛(すね)熱す。

虚すれば、

泄注し、腹満ち、嘔吐、黄疸、放屁、身だるい、疲れやすい、臥するを好む、 噫(あくび)、不眠、食不味。

③ 足の陽明胃経

流注は

鼻柱、上歯、唇口、耳前、こめかみ、額、頸、欠盆、乳、胃、脾、下腿の前外側、 第二指の外端厲兌穴。

実すれば、

腹中堅く痛み熱して自汗、唇口乾く、臆する、乳癌、狂う、関節腫れ痛む。

虚すれば、

脛寒がる、悪寒、腹中痛んで虚鳴、唇口乾き、顔が腫れる、食欲減退、 手足が重く疲れやすい、 欠食・多食してやせる、気鬱症。

経金の変動

① 手の太陰肺経

流注:

中焦、胃、口、肺、脇下、上腕、前腕、手の母指橈側爪根部、少商穴。

実すれば、

悲しみ愁い、肩こり、欠盆の中痛む、痔が出る、実熱、上気、喘咳、喉の腫れ物、肺張って自汗。

虚すれば、

呼吸困難あるいは微弱、咳嗽、咽乾き、手足冷え、痺れ、皮膚痛、皮膚感覚麻痺。

② 手の陽明大腸経

流注:

示指端の商陽穴、背面橈骨側、肩、欠盆、肺、大腸、頸、頬、下歯齦、鼻、口。

実すれば、

痔、悪寒、戦慄、身熱し、喉痺れ、歯痛、鼻血出る、咽乾き、喘咳、頸頬腫れる、腹満。

虚すれば、

腸鳴り白き大便を泄す。咽渇き、唇が乾く。

腎水の変動

⑧ 足の少陰腎経

流注:

足小指の下、足の心、足の内側、腎、膀胱、肺、舌本、心。

実すれば、

喀血、吐血、下血、生殖器病、小腹張満、咽舌乾き、胸騒ぎ、喘咳、足下熱して、恐れる。

虚すれば、

身体が重く冷えて足腰寒く、小便赤黄色、消耗熱、物忘れ、精液不足、性欲減退、耳鳴り、眩暈(ぐるぐる回る)、 耳聾(じろう)、手足のしびれ、食欲あっても食べれない、下痢、便秘。

⑦ 足の太陽膀胱経

流注:

目の内眥、百会、脳、耳の上角、項背、背中、膀胱、 膕(ひかがみ:膝の後ろのくぼみ)、足の後ろ、足小指外端の至陰(しいん)穴

実すれば、

頭痛、後頭痛、涙が出る、目が痛い、鼻血が出る、癲癇、 脳の病気。

虚すれば、

後頭痛、腰痛、痔、足が痛む、肩こり、脚気。

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3、柳下先生、五大病症変動のまとめ1、

(経絡治療学原論上巻臨床考察)を参考に。

肝木の変動

肝経・変化は激しく変わり易い性格「経絡」。
人情に厚く、世話好き(魂仁)
眩暈も重い軽いメマイやや実。吐き気。怒る。。
虚せばクヨクヨと物事を案じ、欝状態に近づく。
肝経の経絡の虚実は、情動の変化に深く係わる。
眼・筋・爪・皮膚に変化胸腺の賦活・引きつりの痙攣。
力なく起立できない、真っ直ぐに歩けない。肝の臓は意思や感情を支配し筋を主る・背の第九胸椎辺りが肝の変動ポイント。
肝木体質:治療室への出入り、衣服の脱着も早く、周囲を意識しない。脉診をしようとすると自分から手を出すか、術者の動きに合わせず手を動かさない。問診中、術者の質問事項に加えて自分の考え方や感じも訴える等々・・
陽性〔実証〕体質者は、病状があっても我慢するか、逆にテレビや健康雑誌を信じて実行し、病気を悪化させる場合がある。
陰性〔虚証〕体質の患者は、血色が悪く、病気を悪い方にばかり考えたり、わが身の不運を嘆き、気の病、脳神経障害等にも罹りやすい。肝木が実し、世の中が嫌になり、涙を流してただ横になりたいという状態に陥る患者もいる。
特にそれが相剋的に現れるものを難病と診るのである。

・胆経は半表半裏を広く廻り、使用経穴の頻度高い。
人工股関節症。また膝より下の経穴は肝経と表裏をなしており、精神的な活動にも大いに係わる。結膜出血・側頭部眼窩部・耳・頚肩部・眩暈胆経の処置功大。全身の違和感解消効果。寒熱往来胆経の実邪をとれば、長年、患者を苦しめていた愁訴をあっさり纏めて解消する事が出来る。胆脉「実脉」口が苦い苦情。意思決定と行動力は「胆の腑」の虚実によると言われている。頭痛・側胸・側腹・股関節。第四指・第五指の損傷等々適応症が並ぶが、正治・誤治ともに施術側の反対側に影響が出やすい事にも注意が必要。

心火の変動。

心経・注意欠陥他動性症候群・老人性の痴呆症・欝症状、
臓象論:心臓の変動反応:左に反応を触知。舌の諸症状。舌が痺れる・舌の先が苦い・喋る時に舌の動きが悪い・舌が乾く・舌の口内炎。身体が熱ぽく、無気力、不眠、苦しい。苦しみを伴う数脉・徐脉・不整脈。瞬間的に意識を失う回数が多い。或いは患者の話す事と現実が時々一致しない。
心臓病は現代医療との「併用医療」「混合診療」が望ましい。

・小腸経 少沢穴:骨折・脱臼後遺症、水腫に刺絡治療は有効。
小腸経の反応穴は心臓病・また膀胱経との繋がりもあって、背や腰の寒気・冷え・痛みに大抵はこれを補って対処する。治療穴:養老穴付近の反応で、
目・耳の病、心臓や消化器に大いに関連し、眩暈・耳鳴・頭鳴に対し効を奏する。
難聴、顎関節の痛み、耳前、耳下部腫脹、これら《頭部に病症》

・心包経はサラッと刺鍼、鍼を長く留めないのがコツ。肺臓切除・乳がん手術後等、胸部の内部や表面が大きく変化した患者。臓象論:脾経との相生関係で使う場合が多い。
治療穴:心包は「心の臓」の邪実を表す、見逃さず、瀉法する。胸内苦悶・心痛・呼吸促迫・特に不安感。
心包経の実について、普通には左の肝経の太衝穴を補えば、右の心包経の正実になる。〕 しかし、― 心包経に邪が客していると、流注上に湿疹や皮膚炎や異常物が現れる状態になり邪実を表す。これは速やかに瀉すべき状態である。

・三焦経「気」の特性合致。証に係わらず補瀉すると快適になる。暖冷房病・暑さ寒さ・肘関節・体感。異常に暑がり、或いは暑さに弱い人。寒熱感・霧中感・不安定感・眩暈・思考力減退。心窩部に物が痞える・疲れる・背腰部に凝り痛みを感じる・手足が痛重い・体が重い・やる気はあるが中々実行できないなどを治す。便秘・下痢・膀胱炎・生理痛・目・耳の病や首の凝り下焦の病、婦人科、泌尿器疾患、二便の排泄障害・
薬指の変化。

脾土の変動

太陰脾経
脾土体質:肥満・痩身に関係があり、現代の日本は食に恵まれ、肥満の傾向にあり、そのための疾病に悩まされる。陽性〔実証〕体質は、消化器関係の疾病に侵されると激しい症状を示すが治り易いタイプが多い。しかし、肥満は命を脅かす生活習慣病の予備軍と考えて良い。よって、経絡鍼灸の適応症である。 陰性〔虚証〕体質は、病が慢性に陥りやすく長引く。他愛も無い周りの環境にも左右され易い。「頭位置変換性の眩暈」実が多く、虚は足が地に着かず身体がふらつく。
病症 : 【実すれば】:嘔吐下痢を起こし・・
風邪ウイルス、霍乱。
【虚すれば】:腹が張り、時には硬く盛り上がる
こともある。

・陽明胃経
五味を受け、胃の気、営血を臓し、脾臓と共に後天の原気の根源に関与している。
欠盆穴辺りのナソ所見は、躁鬱の治療穴。
鳩尾穴上脘穴あるいは下脘穴にかけて、任脉経上に硬い紐の様な索条物を触れる。施療〔鍼灸治療〕は、この反応物の下端より始めると、治療回数を重ねるつどに建里・中脘・上脘・巨闕穴の方向で解消されて行き、それにつれて病も癒えてくる場合が多い。大腹も目に見えて病状の変化を現す部のひとつである。実すれば食欲に異常を生じ、、特に冷たいものを好む。
虚せば食欲無く、体の前面が冷え、寝るときはうつ伏せになり、人と接することを避ける。 実した時も人ごみを嫌い、他人との係わりを忘れ、発作的に荒々しい行動発作を起す。しかもその行動について本人はハッキリと意識している。意識しているのに、異常な行動を抑えられないという悲しむべき状態が起こる。
また虚した時は周りとの係わりを嫌いじっと動かず、部屋に引きこもる。(引きこも裏症候群となる) 経絡治療では、胃経を補瀉して効を奏することが多い。患者の訴えで、身体の前が寒く、何もしたくないと言う時は虚を認め、じっとしていられず、走り、高き所に登り叫びたいという患者がいる。これは胃経の実で起こる。

経金の変動

・肺経
臓象論:背の第三胸椎辺りが
肺の変動ポイントここで捕らえる肺臓は鼻喉を始め、
呼吸器全般と診る。肺臓の生理:肺臓は天空の清らかな気を全身に送り、
全身に生じた老廃物を放出する。片肺摘出手術後も、「肺の働きの変調」として
心気症・神経症・精神疾患・肺経が大腸を纏っている為、「痔の病」にも大いに関係する。
「脱肛」も肺経の虚実によって起こる。呼吸器の、虚実。陰性〔虚証〕体質の咳嗽は長引き易く、
中には咳嗽で、肋骨を骨折する患者もいる。アトピー性皮膚炎、清潔潔癖症。皮膚炎と気管支喘息。
日光アレルギー・接触性湿疹・中耳炎・小便が近い・失禁症・頻尿・心及び心経の実に相剋されて虚す場合もあって
肺、肺経の虚を救う目的で心火に処置を加える事もかなりの例がある。精神的、病は肺経の気を整えつことによって好転させれれる。夢診断:気が休まらない夢は、肺実。気がゆったりするような夢なら肺虚。
肺経は気を主っているので十分に気を捕え、気を漏らさない様に左右圧を十分かけることを忘れてはならない。

・大腸経は全身的な病症に用いて効果大・歯の経絡・触覚所見:皮下のコロコロ治療に応用して効果大である。
大腸経の流注上、肩関節痛、腱鞘。熱や寒気。【適応側】大抵は温度の高いほうが適応側になり、反応点もそちらに現れることが多い。原論: この経の経絡、即ち目、歯、咽喉、およびこの経、過ぐる所、 手の第二指(人差し指)に及んで腫れ痛む。 腹痛、腹が鳴る、下痢、便秘、悪寒戦慄す。(付記): この経の流注は湿疹や皮膚炎があり、邪気が客していたり、その後に血の滞りを残している時がある。これらを処置する時は、〔症状は〕軽いが長年患者を苦しめていた病症を消失させる事にも繋がる。

腎水の変動

腎経 の虚は人を老いさせ、日常生活が過ごし難く、慢性疲労症候群に似た状態になる。 腎経は基本的には生殖・利尿に関与し、耳・骨・髪に症状が現れ、逆気して泄らす、殊(こと)に心が脅かされ、恐れ慄いて心休まず、身痩せて心身ともに衰弱する。腎経を考える時これらの病症に対して宜しく対処できるものである。
腎水体質:虚体・実体共に手足、特に足先が本人の自覚が無くても冷たく、また本人が冷えを自覚している場合もあるが、逆気が元で起こる病気に罹りやすい。陽性〔実証〕体質者は運動器疾患は骨の変形になり、症状が激しく重症に見えても治りが良い。陰性〔虚証〕体質者の改善は中々はっきりしない。【湧泉穴は障害児が痙攣を起こし意識不明時の治療穴である。鍉鍼の頭部を湧泉穴に当て、尾部を「トットーン、トットーン」と叩く。その際、湧泉穴は適応側であるという条件が必要である。】【救急法:腎経。治療穴:復溜穴は逆気している時の補法が有効だが、顔色が青ざめて、手足の先が冷え手いるときには注意が必要である。】【治療穴:子宝のツボ:先天の原気と後天の原気を組み合わせると子宝に恵まれる。】【腹診:臍下丹田付近の虚実を確実に察知する事から始めるのが良い。】【治療穴:復溜穴は腎臓疾患・排尿器疾患に効果あり。 】薬害。

・膀胱経は外邪性に関する実の病から、慢性的な虚に起因するものに至るまでその範囲が広く、部分的にも脳神経・目・鼻・耳に始まり臓腑に纏わる兪穴で構成されてい。【左志室穴辺りの左の固い骨の様な結状物は腰、下肢の異常、腹内・骨盤内の臓腑周辺の病変に係わ。】涙目には晴明穴。天柱穴はその名に相応しく、上焦の病に対し或いは全身の種々な病症に対し用いて、陰に陽うに働き有効な経穴である。心兪穴・魄戸・膏盲穴等は心臓疾患・精神神経障害、心気症等に有効なツボである。腎経は反応が深いが、腎臓疾患の時には浅く反応が出る。この経は、浅き処置して効を上げる時、後に誤治反応の様な不快感を残さない。

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4、柳下先生、五大病症変動のまとめ2、コンパクト版

 

相剋つり合いについて。

  相剋つり合いが悪いと。
 脾と肝   興味の減退
 肝と脾  考えがまとまらない
 腎と心  計算障害
 腎と脾  物忘れ
 心と肺  注意力減退

肝木の変動

肝木経、実すれば、怒り。

肝木、虚すれば、取り越し苦労をする。

仁:慈しみ、慈愛、情、思いやりの心、哀れみ、身近かな人から他人におよぶ愛、これを肝の主る人間の気持ちと考える。

魂:たましい、人間の霊、思い、心持ち、

心火の変動。

〔心火経、実すれば〕喜び、良くない事も非常に喜んだり笑う。

〔心火経、虚すれば〕無感動、何も感動しない状態になる。

礼:人と人の道、礼儀作法、立ち振る舞い、人に敬意を示す、社会の秩序、

神:、尊い、神秘的なもの変化して極まりない、精神、

・心経の変動:「熱」の司りである。

物を読んだり、見たり、聞いたり、特に考えをまとめようとすると意識がハッキリせず、
意識がぼやけ、疲労感がして眠くなり、気温は寒くないのに身体が冷え、特に手足が冷たく、鼻の奥にたえず濃い鼻汁が留まっていてなかなか出ない。

心火が虚している時は体温が低く、心火が正実した時は体温が上がると同時に外界の寒さにも抵抗がつき、
体全体、或いは一部の冷えも温めると怱(にわ)かに温まるという事である。
鼻の奥は心火の司る所。
・小腸経の変動:軽い耳鳴り。

・心包経の変動:
人が傍にいないと不安でたならない、寒さがこたえる。
手足が冷たくなかなか温まらない、 鼻の奥に濃い鼻汁が留まる。

・三焦経の変動:2週~3週目に月信を見る。生理が十日前後続く。

 

脾土の変動

脾土経、実すれば〕思い過ごす。

脾土経、虚すれば思いが起こらない。

信:真剣な事、嘘でない、真実、訪れる宗教の信仰。

意智・知智:心ざし、思い、考え、意識してものを思う、

謀は、意味、訳、思う、考え、

(脾経の変動):
食物はわずかしか摂っていないのに、ミゾオチにつかえ、もたれ、食欲無く、 冷たい飲み物や果物は特に欲しくない。しばしば軽い腹痛を感じ、便意をもよおすが思うように出ないが、少しでも排便すると非常に気持ちが良く腸の中が空になった様な気がする。
睡眠は割り合い良いが、しばしば目が覚める。疲れやすく少し動くとあちこちが痛くなり、寝ているのが一番楽だが、時々心蔵の鼓動が急に高まって思わず寝ていられなくなる事がある。
急いで歩いたり、小走りに走ると心蔵が非常に苦しくなる。

(胃経の変動):熱も無いのに寒く、特に腹部が冷える感じがする。

経金の変動

〔肺金経、実すれば〕悲しみ、憂い、原因も無く泣けて涙が止まらない。

〔肺金経、虚すれば〕体も心もじっと動かず悲嘆に暮れる。

腎水の変動

〔腎水経、実すれば〕何者とも知れないものに捕らえられそうになって、じつとしていられないで逃げ回る。

〔腎水経、虚すれば〕足腰が立たない、動けない、わずかの光、小さな音などに恐れおののく。智:頭の働き、知恵、悟る、賢い、謀が事が腎の働きです。

精志:精志、精は米などをついて穀物を取り白く混じり気がない、えり抜きの精密、心、気力、精気、精神、巧み、高名、正しい、明らか、清潔、鋭い、志は心の向かう所、考え、思慮、目的、物を贈る、気持、望み、希望、目指す心、覚えている、書き記す、記録、


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5、五大病症ゆっくり堂鍼灸院篇

(2013年5月)

肝木の変動

青魂仁角音鶏春東風眼筋爪色臊酸呼泣怒握歩
弦脉
みぞおちにつかえがある。脇腹が張り痛む。メマイ。イライラ感。内分泌疾患。食欲はないが食べられる。脂こい物は食べられない。吐き気。消化不良。未消化の下痢がザーッと出る。便秘と下痢が交互にくる。尿失禁。尿がでない。不眠症。興奮して眠れない。爪にツヤがない。サメ肌。肌、カサカサして艶がない。薬疹。回転性のメマイ。側頭部の痛み。頭蓋内部の痛み。肩こり。 慢性の頚肩腕症候群。右肩甲間部のこり。五十肩。前かがみ(前屈)で腰痛が悪化。 腰を回すと腰痛が悪化(胆経)。 寝返りが困難(肝実)。 下肢にかけての痛みを伴う。 側腹部にかけて痛む。わき腹の痛み。卵巣の病気。上腹部の痛み。(へそより上)下腹部の痛み。膝の靱帯や腱に病変。膝がカクッとなる。テキパキとした動作、話し方。声が大きい。イライラする。怒りぽい。

肝経:肝將軍之官.謀慮出焉(策謀思慮は肝より出る)

生体の意志の発動や行動に大きく関与する重要臓器である。すなわち、この経と肝臓に病変が起こると
「眼・筋・爪」に症状が現れ、血色が悪くなり、
病症としては「メマイ・筋の引きつり或いは弛緩してよろめく・イライラして怒り出し、頭痛・胸痛・腰痛等」を発症する。足の厥陰肝経は肝臓を中心として内分泌ホルモン系の総元締めといえる。外邪との戦いにおいて、この経は常に病実となる場合が多い。そして、その病が慢性化すると生気が虚損し、虚証をていする。その病は、眩暈し、胸肋や心下満ちる。男女生殖器病、腰痛甚だしく、面垢づきて身体に光沢なく、神経症(イライラ)、胸満ち(胸痛)、嘔気し、下痢する。脱腸、尿閉あるいは失禁する。 解毒に関する皮膚病、リュウマチ等をなす。肝の旺気:心下満やメマイ。不眠、中途覚醒。朝早く目が覚める。頭痛。 めまい、差し込み、苦悶、激痛等、総ての激しい苦痛に耐えんとして、 心下部に力を入れるさま、
これ肝木の証となる。
膽者.中正之官.決斷出焉.強い意志と決断力を有し、裁判官の任。胆経は身体の側面を
めぐるので、半表半裏の病を起す。
脇痛み、寝返りできず。
クヨクヨして
よろめく。

心火の変動。

赤神礼徴音羊夏南暑舌血脉毛臭焦苦言汗笑云視
洪脉

〔心〕身体が熱い。胸に蒸されるような熱気がある。
五感器障害。精神障害。胃が張る(膨満感)。緊張すると下痢になる。尿量が少ない。色が濃い。夢を多くみて眠れない。
昼間、横になりたい。疲れが取れないで眠い。かゆみ。
手の平のほてり。小水疱。側頭部の痛み。頭蓋内部の痛み。耳鳴り。心臓病。動脈硬化症。右の肩背のこり(三焦経)。
五十肩で後頭部に手を回すと痛い(三焦経)。
左の肩背のこり(小腸経)。 五十肩で腰に手を回すと痛い。背中から腰にかけて痛む。消化不良。清水を吐く。膝のリュウマチ。よく笑う。

心経.君主之官也.神明出焉
心経は最も高度にして上級の機能、すなわち意識活動や五官器の働きを支配し、生命の根源となる。その病は、君火であり、神明を主するので、意識や感覚障害を来す。
発熱、咽喉乾き、心痛す。  脇、上腕、前腕の心経の通りが痛んで手掌中熱 心実すれば、夜が冴え、不眠 胸いきれし 咽喉渇き発熱

小腸経.
受盛之官.化物出焉.
小腸は固形物と水分を分けるを主するので、利尿に関係し便秘、下痢の病をおこす。
耳や目を患い、顎、項、肩、肘、前腕等の所に折れるかと思うほどの激しい痛みを発する。

心包経膻中者.臣使之官.喜樂出焉
心包はその生体が生き抜くための生理機能を主る。
すなわち、排便、睡眠、その他反射運動、呼吸、循環作用を担当している。
その病は、
胸内苦悶、心痛、呼吸速迫し不安感がある。顔赤く、みだりに笑い、
目黄ばみ、前腕と肘が引きつり、
手の中熱す。

三焦者.決涜之官.水道出焉.
その病は、耳塞がり、耳鳴り、耳聾、目の鋭い眥痛、咽頭腫れる。
妊娠、下焦の病を発する。

脾土の変動

脾胃者.倉廩之官.五味出焉

脾と胃は食料倉庫の管理者

黄意智信宮音牛土用中央飲食労倦唇肌肉乳味香甘歌涎思噦座
緩脉

仙骨や仙腸関節が痛む。
膝の痛み。
膝の内側の痛み。
膝の外側の痛み。
膝に水が溜まる。
膝の冷え。
現実の事で思い悩む。

〔脾〕消化・吸収障害。
食欲はあるが食べられない。
ゲップが出て不快。
食べてもすぐお腹がへる。
食欲旺盛。
常識では考えられないものまで食べて平気。
甘いものが好き。
便秘。軟便。下痢。
オナラをすると病状が改善する。
排便をすると病状が改善する。
便意はあるが出ない。
夜明け前に下痢をする。
腹が張ってその痛みが移動する。下腹部の痛み。みぞおちの痛み。精神的ストレスから腹痛。
消化不良で清水を吐く。
尿が出にくい。
尿に泡が多い。
朝、起きれない。健忘症。
寝ても寝たりない。
子宮の病変(子宮筋腫)。
ヘルペス(帯状疱疹)。湿疹。
前頭部の痛み。
締めつけられる様な頭痛。メマイ。フラツキ。フットなる。
肩や背中がだるい。
睡眠中、痛みで目が覚める。

脾の病は、胃経と共に後天の原気を主るので、消化器の病はこの経に属する。
身体重く、関節痛み、疲れやすく、食事進まず、

身体痩せて、心下部につかえて嘔吐し、腹痛、泄潟、便秘、
黄疸、尿閉等を起す。股膝の内、腫れて足の第一指用いられず。
急性リュウマチは多くこの経に属す。
更に脾経は心臓を絡い、舌の根元に終わっているので、胸いきれ、心下痛、舌強 張り、浮腫みの病なす。
臨床上、心の病は脾虚症によるものが多い。全身倦怠感。寝つきが悪く、床ばなれ悪い。
その流注から、腹部、胸部の内臓諸器官を総て支配しその病の治療に深く関与する。
急性病を呈する場合、本証は脾虚証となることが多い。
その現す病床は、全身倦怠、関節の痛み、食欲不振、嘔吐、下痢、胸苦しい、舌の強張りなどを現す。
腎臓疾患は脾経の流注より、本証は脾虚証となることが多い。

脾胃者.倉廩之官.五味出焉.
胃経が虚すると悪寒戦慄し、身の前寒く消化不良となって腹が張る。
また、実すると身の前熱して消化亢進し、貪食して不飽、常識では考えられない物まで食べて平気である。
鬱病を発し、更に進めば躁病となり走りわめく。
鼻の病、歯痛、顔面痛、扁桃炎、乳腫れ、心下痛、大腿部より漆関節、下腿前面、足の先まで胃経の循る所が腫れ痛む。

経金の変動

白魄義商音馬秋西寒鼻皮膚息声月星辛哭涕憂咳臥
毛脉

肺者.相傅之官.治節出焉 肺は君主心を助け守る官職で各臓器の機能を按配、
調節する.肺経は主として、呼吸器病や神経症が多い。肺の病としては、咳出で胸苦しく、
肩こり上気し、肩から缺盆、上腕、前腕にかけての痛み痺れや運動不全を来し、小便頻数、
増悪すれば失禁する。また、気に属する病(精神不安)。皮膚の病。これ肺金の証。

大腸者.傳道之官.變化出焉.呼吸器に関する熱症や気道の主治症が多い。
流注における鼻・上歯・のど等の急性熱症や皮膚病、化膿性疾患に効く穴が多い。
鼻、歯、咽喉等を循っているのでこの部の病をおこし、この大腸経の循るところ、頸、肩、上腕、前腕にあたって腫れ痛み、悪寒戦慄する。
下痢、便秘等もこの経の主どりである。
肺経と共に皮膚病、できものに関係がある。
〔肺〕咳が出る。身体が寒くなったり、熱ぽくななったりが交互にくる。
肩こり。そう うつ躁鬱病。皮膚病。何度もトイレに行く。 便を出して、脱肛する。
昼間の小便の回数が多い。寝つきが悪い。皮膚病がある。アトピー肌。尋常性乾癬。枯燥。肌のきめ細かい。頭が重い。肩こり。五十肩で側方に手を上げると痛い。 :五十肩で前方に手を上げると痛い。風邪を引いて腰痛になった。寝返りが困難。じっとしていても腰痛を覚える。便秘を伴う腹痛。昼間の頻尿を伴う腹痛。気魄がなくなり腹痛。膝の皮膚が乾燥。
気魄がなくなる。非現実的な事で思い悩む。欠伸が多い。手足の冷たさ。
全身の湿り気。上焦の汗。風を冷たく感じる。

腎水の変動

黒精志智羽音豚冬北湿耳骨髪液腐鹹呻唾驚震立
石脉

腎者 作強之官・伎功出焉 腎は精力の維持管理をし細かい巧みな仕事をする.

その病は、逆気しても泄らす、飢えて食を欲せず、面色黒く息づかい荒く,咳唾すれば血あり、立ちくらみ、咽頭痛み口渇き、心脅かされるが如く慢性下痢、或いは便秘し、むくみ、心下痛、黄疸、出血、臥す事を好みて痩せる、足の裏熱して痛む。 骨、生殖器の病をなす。頻便・残便感。浅い眠り、多夢。
足の冷え。 顔のほてり。小便の出が悪い。

膀胱者.州都之官.津液藏焉.氣化則能出矣.

その病は、外邪を受けると頭、項、肩背、腰足の後面小指に及んで、強張り、激痛を発する。虚する時は、これらの部がコリ疲れて、冷え痺れ虚痛する。鼻水、じく衂(鼻血)、痔の病。また、便秘、利尿に関係がある。この経が実するとき、目を抜くが如き、頭が割れるが如き、背腰足の筋引き裂かれるが如き痛みを呈する。また、この経虚する時は、冷えしびれて運動不全となる。

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