難経 第五十四難
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ゆっくり堂の『難経ポイント』第五十四難
※ 五四難のポイント其の一は、五四難の法則について。
臓病は治るのが難(むつか)しい。腑病は治り易(やす)い。
※ 五四難のポイント其の二は、病の証が相剋に伝わるものは治り難(がた)い。
※ 五四難のポイント其の三は、病の証が相生に伝わるものは治り治り易(やす)い。
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※ 難経五十三難臨床&エトセトラより。
※ 病気が治る方向に向かうか否かの参考図表(図表nk5411)
(図表nk5411)の説明。123の順番に病気は治る方向に向かう。
1、相剋関係の図(NB3)
2、間藏の理論の図1.(NB2)o
3、相生関係の図:間藏の理論の図2.(NB4)
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難経 第五十四難 原文
(『難経』原本は底本:『難経』江戸・多紀元胤著、『黄帝八十一難経疏証』(国立国会図書館所蔵139函65号)オリエント出版、難経古注集成5(1982年)に影印)を参考にしています。
五十四難曰.
藏病難治.府病易治.何謂也.
然.
藏病所以難治者.傳其所勝也.
府病易治者.傳其子也.
與七傳間藏同法也.
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五十四難の訓読
(井上恵理先生の訓読・解説:経絡鍼療(461号)と本間祥白先生の解説、福島弘道先生の解説を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)
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五十四の難に曰く。
藏病は治し難(がた)く、府病は治し易(やす)し、とは何の謂ぞや。
然るなり、藏病の治し難き所以のものは、其の勝つ所に伝うなり。
府病の治し易きは、其の子に伝うるなり。
七伝間藏と法を同じうするなり。
詳しくは各先生の文献を参照されたし。
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五十四難の解説
(井上恵理先生の解説:経絡鍼療(461号)と本間祥白先生の解釈、福島弘道先生の解釈を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)
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五十四の難の解説をします。
臓病は治るのが難(むつか)しいが、腑病は治り易(やす)いとはどう言う意味かと。
お答えします。
臓病を治し難い理由は、病証の変化が相剋に伝わるからです。
腑病は治り易(やす)い理由は、病証の変化が相生に伝わるからです。
この五四難は前難(五三難)の七伝間藏の理論法則と同じである。
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五十四難の詳細解説
(井上恵理先生の訓読・解説:経絡鍼療(461号)と本間祥白先生の訓読・解釈、福島弘道先生の訓読・解釈を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)詳しくは各先生の文献を参照されたし。
山口一誠の考察により原文・訓読・解説(解説補足)の順に文章を構成します。
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原文:五十四難曰.藏病難治.府病易治.何謂也.
訓読:五十四の難に曰く。藏病は治し難(がた)く、府病は治し易(やす)し、とは何の謂ぞや。
解説:五十四の難の解説をします。
臓病は治るのが難(むつか)しいが、腑病は治り易(やす)いとはどう言う意味かと。
原文:然.藏病所以難治者.傳其所勝也.
訓読:然るなり、藏病の治し難き所以のものは、其の勝つ所に伝うなり。
解説:お答えします。
臓病を治し難い理由は、病証の変化が相剋に伝わるからです。
第五四難での言葉の意味:
「其の勝つ所」とは、五行論の相剋関係を示します。
相剋(ソウコク)関係とは、一方が他方を抑制する関係です。
これを、木剋土・土剋水・水剋火・火剋金・金剋木と、呼称します。
経絡鍼灸 教科書、 五行論のHPを参照されたし。
http://yukkurido.jp/keiro/bkb/c101/
原文:府病易治者.傳其子也.
訓読:府病の治し易きは、其の子に伝うるなり。
解説:腑病は治り易(やす)い理由は、病証の変化が相生に伝わるからです。
第五四難での言葉の意味:「其の子に伝う」とは相生関係を示します。
相生(ソウショウ)関係とは、これは母子関係ともいわれ、互いに生み生まれた、仲の良い間柄です。これを、木生火・火生土・土生金・金生水・水生木と、呼称します。
原文:與七傳間藏同法也.
訓読:七伝間藏と法を同じうするなり。
解説:この五四難は前難(五三難)の七伝間藏の理論法則と同じである。
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※ 病気が治る方向に向かうか否かの参考図表(図表nk5411)
(図表nk5411)の説明。123の順番に病気は治る方向に向かう。
1、相剋関係の図(NB3)
2、間藏の理論の図1.(NB2)o
3、相生関係の図:間藏の理論の図2.(NB4)