四十難

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難経第四十難

ank040

ゆっくり堂の『難経ポイント』 第四十難

※ 四十難のポイント其の一は、

五行の色体(よそおい)表の考察。

五臓の肺・心・腎においての

五行・金・火・水
五役・声・臭・
五竅・鼻・耳・
五方・西・南・北
十二・申・巳

の関連を述べてある。(難経 第四十難の表1、2を参照の事)

※ 難経四十難臨床&エトセトラより。

難経では四季と土用の関係から五行論を展開する事があります。
それが「五行の四方・中央の配置」になります。
それは東西南北の方角位置とその中央が脾土に位置するものです。
西方が金・東方が木・北方が水・南方が火・中央が土です。
相生関係は、火生金・金生水・水生木・木生火となります。

参考図「五行の四方・中央の配置nk12」文末に掲載します。

 難経 第四十難 原文

(『難経』原本は底本:『難経』江戸・多紀元胤著、『黄帝八十一難経疏証』(国立国会図書館所蔵139函65号)オリエント出版、難経古注集成5(1982年)に影印)を参考にしています。

四十難曰.
經言.
肝主色.心主臭.脾主味.肺主聲.腎主液.
鼻者肺之候.而反知香臭.
耳者腎之候.而反聞聲.其意何也.
然.
肺者西方金也.金生於巳.巳者南方火也.火者心.心主臭.故令鼻知香臭.
腎者北方水也.水生於申.申者西方金.金者肺.肺主聲.故令耳聞聲.
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 四十難の訓読

(井上恵理先生の訓読・解説:経絡鍼療(451号)と本間祥白先生の解説、福島弘道先生の解説を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)

四十の難に曰く。
經に言う。
肝は色を主り、心は臭(におい)を主り、脾は味を主り、肺は声を主り、腎は液を主る。
鼻は肺の候にして、反って香臭を知る、
耳は腎の候にして、反って声を聞く、其の意何んぞや。
然るなり。
肺は西方の金なり、金は巳に生ず、巳は南方の火なり、火は心、心は臭を主る、
故に鼻をして香臭を知らしむ。
腎は北方の水なり、水は申に生ず、申は西方の金なり、金は肺、肺は声を主る、
故に耳して声を聞かしむ。

詳しくは各先生の文献を参照されたし。
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四十難の解説

(井上恵理先生の解説:経絡鍼療(451号)と本間祥白先生の解釈、福島弘道先生の解釈を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)

四十難の解説をします。

五行理論(四季と土用の関係)から考察すると。

現代の五行の色体(よそおい)表から見て、五臓と五役の主(つかさど)りは一致している。
肝は色を主り、心は臭(におい)を主り、脾は味を主り、肺は声を主り、腎は液を主ると。
五行色体表の分類にある様に
鼻は肺金に属している、それなのに心火の香を主るとはどの様な訳か。
耳は腎水に属している、それなのに肺金の声を主るとはどの様な訳か。
よく理解できるように説明しなさい。

お答えします。

肺は西方の金に属しており、金の相生関係は火生金より金は巳(心火)に生ず、巳(心火)は南方の火に属している、心は臭を主ている、だから鼻の五竅をして香臭を知る事ができるのである。

腎は北方の水に属しており、水の相生関係は金生水より水は申(肺金)に生ず、申(肺金)は西方の金に属している、肺は声を主ている、だから耳の五竅をして声を聞く事ができるのである。


詳しくは各先生の文献を参照されたし。

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  四十難の詳細解説

(井上恵理先生の訓読・解説:経絡鍼療(451号)と本間祥白先生の訓読・解釈、福島弘道先生の訓読・解釈を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)詳しくは各先生の文献を参照されたし。

山口一誠の考察により原文・訓読・解説(解説補足)の順に文章を構成します。

〔原文〕四十難曰.
〔訓読〕四十の難に曰く。
〔解説〕四十難の解説をします。

〔原文〕經言.
〔訓読〕経に言う。
〔解説〕五行理論(四季と土用の関係)から考察すると。

〔原文〕肝主色.心主臭.脾主味.肺主聲.腎主液.
〔訓読〕肝は色を主り、心は臭(におい)を主り、脾は味を主り、肺は声を主り、腎は液を主る。
〔解説〕
現代の五行の色体(よそおい)表から見て、五臓と五役の主(つかさど)りは一致している。
肝は色を主り、心は臭(におい)を主り、脾は味を主り、肺は声を主り、腎は液を主ると。

〔本間祥白先生の五臓と五役(五色・五香・ 五味・五声・五液)の発生説明解説〕

肝は木に属し、木は色々な色を表すので、肝木は五色を主る。
心は火に属し、火は万物を燃焼し臭気を発生させるので、心火は五香を主る。
脾は土に属し、土は食物を育むので、脾土は五味を主る。
肺は金に属し、金属は色々な音声を発するので、肺金は五声を主る。
腎は水に属し、水は身体の水分液に関わるので、腎水は五液を主る。

参考HPリンク「五行の色体(よそおい)表」
http://yukkurido.jp/keiro/bkb/c101/c202/

〔原文〕
鼻者肺之候.而反知香臭.
耳者腎之候.而反聞聲.其意何也.
〔訓読〕
鼻は肺の候にして、反って香臭を知る、
耳は腎の候にして、反って声を聞く、其の意何んぞや。
〔解説〕
五行色体表の分類にある様に
鼻は肺金に属している、それなのに心火の香を主るとはどの様な訳か。
耳は腎水に属している、それなのに肺金の声を主るとはどの様な訳か。
よく理解できるように説明しなさい。

〔原文〕然.
〔訓読〕然(しか)るなり。
〔解説〕お答えします。
〔原文〕肺者西方金也.金生於巳.巳者南方火也.火者心.心主臭.故令鼻知香臭.
〔訓読〕
肺は西方の金なり、金は巳に生ず、巳は南方の火なり、火は心、心は臭を主る、
故に鼻をして香臭を知らしむ。
〔解説〕
肺は西方の金に属しており、金の相生関係は火生金より金は巳(心火)に生ず、巳(心火)は南方の火に属している、心は臭を主ている、だから鼻の五竅をして香臭を知る事ができるのである。
〔解説補足〕
難経では四季と土用の関係から五行論を展開する事があります。
それが「五行の四方・中央の配置」になります。
それは東西南北の方角位置とその中央が脾土に位置するものです。
西方が金・東方が木・北方が水・南方が火・中央が土です。
相生関係は、火生金・金生水・水生木・木生火となります。

参考図「五行の四方・中央の配置nk12」文末に掲載します。

また、〔井上恵理先生の難経解説〕では、自然は身体と同一と言う考えから、人が身体を南方に向けて立つと、頭の上の方が陽であって心火が属し、下が陰で腎水が属し、右手西に肺金が属し、左手東に肝木が属し、立つているところが中心であり脾土がある訳です。
そして、
十二支の「子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)」も各各五行に配当が在る。

〔原文〕腎者北方水也.水生於申.申者西方金.金者肺.肺主聲.故令耳聞聲.
〔訓読〕
腎は北方の水なり、水は申に生ず、申は西方の金なり、金は肺、肺は声を主る、
故に耳して声を聞かしむ。
〔解説〕
腎は北方の水に属しており、水の相生関係は金生水より水は申(肺金)に生ず、申(肺金)は西方の金に属している、肺は声を主ている、だから耳の五竅をして声を聞く事ができるのである。


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nk12

参考図 「五行の四方・中央の配置nk12」について。

難経では四季と土用の関係から五行論を展開する事があります。
「五行の四方・中央の配置」があります。
それは東西南北の方角位置とその中央が脾土に位置するものです。
西方が金・東方が木・北方が水・南方が火・中央が土です。

相生関係は、火生金・金生水・水生木・木生火となります。

相剋関係は、金剋木・水剋火を意味しています。(これは七十五難で出て来ます)

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難経 第四十難の表1、nk401

nk401

難経 第四十難の表2、nk402

nk402

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十二支(じゅうにし)は、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥 。

子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・
未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)。

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現代の五蔵の色体(よそおい)表からにリンクして見てください。
http://yukkurido.jp/keiro/bkb/c101/c202/

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