帯状疱疹 (ヘルペス)後遺症の改善例

帯状疱疹 (ヘルペス)後遺症の改善例

プロフィール: 女性 54歳 国内と海外にて野外アート彫刻家&創作料理店経営

来院年月:平成2x年5月 漢方相談薬局のご紹介で来院されました。

一番改善したい病状の特徴と経過:

帯状疱疹の後遺症による激痛が1日に5~6回、昼夜を問わず突然起きる。

右腹部と右背部に4~6ミリ経の茶色に色素沈着した湿疹が多数点在しています。

茶色の湿疹に一点づつ、バラバラに激痛が出ます。

背部は面的に焼きゴテを押しつけるような痛みが数分間出る事もあります。

そして、痛む時はただ耐えるのみで声も出せません。

自動車での移動時にも道路の凹凸の振動で激痛が走りますので、自分での運転はできません。

帯状疱疹の遠因としては、

2年前にM国にて、野外アート彫刻責任者として12月~5月の半年間、休みなく働いていました。
痛みが出だしたのは一年3ヵ月前で、

皮膚が真っ赤になり、熟れたザクロを開いた様なヘルペス特有のプチプチの真っ赤な湿疹となり。

大学病院にて、即入院。

漢方診断:

睡眠は寝つきは良いのですが、帯状疱疹の後遺症による激痛が夜間も突然起き目覚めます。

この激痛があと半分になり、自分で車の運転が出来れば他に言う事はないそうです。

触診:
体全体に生気があり、手足の陽部は艶と程よい張りがあります。
臍型は正気得る丸臍型です。
背腰部も筋肉質で左右の均整も良く、艶と張りがあります。

脉診  1、脉状診・・・「浮・数・実」(古タイヤを並べたような脉)

漢方診断四診法から、総合的に判断して、「肺肝剋調整証」としました。

治療の予測:

元来健康で体全体に生気があり、声には艶と力、張りともにあり喋り方も明るいので、「良」と診ました。

治療方針:

帯状疱疹の後遺症が継続していると言う事は、依然として免疫力の低下がある訳ですから、本治法によって免疫力を上げる事を中心に行い。

気血を整え、生命力の強化をはかり健康を根本から促す事。

標治法はナソ、ムノ治療を適切に行い、局所の反応点をその日の状況に応じて処置し、また奇経治療の反応を診ながら処置をし、適宜、頭部から足先まで柳下円鍼にて虚の部分を撫で擦る手技を行ないます。

そして、治療の終わり方は、患者の自然治癒力が湧き出す方向に程よく向けた時を終わりとします。

また、今回は痛さのレベルを自己申告してもらうことにしました。

(現在をレベル10として、痛みが減少して0になれば完治になります。)

施術内容と治療の経過:

1回目:5月25日

本治法: 基本の手技処置。
脉を診ますと、古タイヤを並べたような脉が少し柔らかくなっています。

標治法:左右の緊張・弛緩を整える為に虚した部に補鍼をしました。
頭部から足先まで柳下円鍼にて虚の部分を撫で擦る手技を行ない、程よく気がみ順った所で、
1回目の治療を終了しました。

2回目:5月28日、痛さレベル10。1回目の治療と同様に処置しました。

5回目:6月6日、痛さレベル7。

14回目:8月2日痛さレベル3~5で落ち着いている。

激痛が半分になり、自分で車の運転が出来るまでになれたので、治療終了となりました。

治療経過のまとめ :

患者さんの求めには答える治療には成りましたが、結果として完治には至らず終了になったことは、私の理と術の現状を現わすものです。

今回は経絡鍼療第476号平成22年6月号の「ヘルペス・帯状疱疹」中田光亮先生の講義を読みながら、治療過多にならないように一つずつ手技を重ね、または入れ替えて治療を試みました。

このような症状をお持ちの方は、週に一回のペースで健康促進の鍼灸治療をお勧めしたいのですが・・・

元来元気なので、鍼灸院には足が向きません・・・

でも、何かの時に頼りにしてもらえればと思います。

・・

全文はゆっくり堂のHP『帯状疱疹 (ヘルペス)後遺症』をご覧ください。

http://yukkurido.jp/shinkyu/tirei/01-2/ti023/

 

                                 ゆっくり堂鍼灸院の病気の改善例(23)

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