「痢病(りびょう )のお話し。」
(気の絵本パート8.)
- 「気の絵本」 タイトル(仮)
- 「親子で読んで欲しい東洋医学の本」 サブタイトル(仮)
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- 「小学生にも読んで欲しい東洋医学の本」と言う視点から漢方の古典を解説します。
- 古典エッセイ風に書いてみます。
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「痢病(りびょう )のお話し。」
著作:山口一誠
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- 中国の明(みん、1368年-1644年)の時代の医学書「醫書大全」に下痢症についての東洋医学の見解が記載されています。
- 下痢症の起こる理由について説明します。
下痢症が起こる原因は、食べ過ぎ、飲み過ぎの暴飲暴食により、脾〔膵臓〕と胃が調和しなくなり食物が腸と胃の間にたまって消化する事が出来ない為です。 - また、暴飲暴食をしている人が風寒暑湿の外邪に晒〔さら〕されて、さらに酷い下痢症を起こすことになります。
- 暴飲暴食をしている人が外邪〔1風邪・2寒邪:冷邪・3暑邪・4湿邪・5燥邪・6火邪:熱邪〕に侵(おか)されたときの、
- 六種類の便の状態について説明します。
1.熱邪に侵される時は、赤い下痢便になります。
2.冷邪(寒邪)に侵される時は、白い下痢便になります。
3.風邪に侵される時は、清血がでます。
4.湿邪に侵される時は、消化不良の下痢便になります。
5.冷えると身体は熱を出す作用があり、熱を出すと冷え様とするので、白い便が出たり、赤い便が出たりします。
6.この他に、子供の下痢便では、キョロキョロした寒天状の消化不良の下痢便になる事があります。 - 下痢症の治療方法について説明します。
- 漢方薬での治療方法としては、
まず初めに下剤の漢方薬を処方します。
これは、臓腑に滞っている飲食物を下してしまう事が目的です。
その後で冷熱風湿の症状を診て症状に適した漢方薬をあたえます。 - 鍼灸での治療方法としては、
虚証を中心に補法を行ない経絡の調和が主になります。
胃腸カタルの泄瀉(つつくだしの事で、ドッと出て気持ちの良い下痢。嘔吐、吐き気を伴う場合もあり)には脾虚証の治療方法が多いです。
大腸カタルの痢病(渋り腹の事で、裏急後重があり、何回も便所に行きたがる下痢)には腎虚証の治療方法が多いです。
子供の〈赤痢様〉の下痢で熱がある場合は、
皮膚鍼、脾経、胃経、心包経、三焦経、次に腹と背中を軽く皮膚鍼、脉が実の時は、金門穴とか三間穴の瀉血も良いです。
そうすると一晩で熱も下痢も治まります。
中毒して下痢もなく発疹するジンマシンの様な物には、裏内庭穴の灸がよく効きます。 - 症状別の漢方薬の治療方法について。
1.熱邪に侵される時は、冷やす漢方薬を処方します。
2.冷邪(寒邪)に侵される時は、温める漢方薬を処方します。
3.風邪と湿邪に相兼ね侵される時は、これを分利する漢方薬を処方します。
4.冷熱相兼ねる時は、温涼の漢方薬を処方しこれを整えます。 - 下痢症を治す漢方薬の注意点として、
胃の気を整える事を第一として、慌てて下痢を止める漢方薬を処方してないけません。
下痢を止めた為に出でる物が出なくなり非常に危険な状態になります。
下痢を止めようとせず出る物は出した方が良いのです。 - 鍼灸での治療方法としては、
風邪・冷邪・湿邪による下痢症には、これは温めるのが一番良く、大人は知熱灸、子供は温湿布がよいです。
大便をたくさん出して治します。 - 下痢症の脉状について説明します。
- 下痢症が改善しやすい脉状は、
微小(びしょう)の脉:微(かす)かに小さい脉状です。
滑大(かつだい)の脉:滑脉は実脉のようで虚脉、そして大脉は大きいけれど力がない脉状です。
これらの脉状の患者は改善効果が早く出ます。 - 下痢症が改善しにくい脉状は、
浮洪の脉:浮いて洪水の様な脉状です。
弦急の脉:ピンと張って速い脉状です。
これらの脉状の患者の治療は難しいです。 - 下痢症の患者で、
身体が冷えている人は改善して生きることができます。
熱が下がらない時は死にます。
時には、瘧(ぎゃく)の病状と下痢症を兼ねるものがあります。 - 患者の陰陽虚実をよく診断して、脾を整え胃の働きをよくする治療をしなさい。
- そして明らかに毒物による下痢症の時は解毒の処置をします。
- 下痢症は複雑であり、風邪によって起こる胃腸性の下痢などと色々な症状があります。
- 東洋医学の診断治療法に精通して正しい治療をしましょう。
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参考文・HP
瘧(ぎゃく)の病状:
1日とか2日おきに周期的に悪寒戦慄と発熱を繰り返すという特徴のある病状のこと。
瘧(ぎゃく)の病状:
1日とか2日おきに周期的に悪寒戦慄と発熱を繰り返すという特徴のある病状のこと。
HP:六、瘧論 (ぎゃくろん)
http://yukkurido.jp/keiro/bkb/mk/6gy/
http://yukkurido.jp/keiro/bkb/mk/6gy/
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詳しくはHPをリンクしてご覧頂ければ幸いです。
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詳しくはHPをリンクしてご覧頂ければ幸いです。
南北経驗醫方大成による病証論 第七、痢病(りびょう ) ・HP
http://yukkurido.jp/keiro/bkb/mk/7rib/
http://yukkurido.jp/keiro/bkb/mk/7rib/
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