「胃は人間の中心」 胃と嘔吐症のお話し。 ki10.

胃と嘔吐症のおはなし。

(気の絵本パート7.)

「気の絵本」 タイトル(仮)

「親子で読んで欲しい東洋医学の本」 サブタイトル(仮)

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  • 「小学生にも読んで欲しい東洋医学の本」と言う視点から漢方の古典を解説します。
  •  古典エッセイ風に書いてみます。
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「胃は人間の中心です。胃と嘔吐症。」のお話し。

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 pastelアート: Miyu Gondo
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pastelアート:福重歌織
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pastelアート:福重歌織
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「胃は人間の中心、胃と嘔吐症。」のお話し。

著作:山口一誠

  • 東洋医学では、人が快適に生きる為には「先天の気」と「後天の気」の両方が必要だと考えます。
  • 「先天の気」は、父母より受け継いだ生命「気血」の源(みなもと)です。
  • 「後天の気」は、生命を維持する為に食物を消化吸収することによって身体を養うものです。
  • そして、「胃」が食物を受容し「後天の気」を作る中心です。
  • だから、胃は人間の中心になります。
  • 「食べれない」ことにも色々とあります。
  • 一、食不思(ショクフシ)は、食欲がなく「食べたくない」状態です。
    二、不食(フショク)は、食欲があっても「食べられない」状態です。
    三、不味(フミ)は、何を食べても味がしない状態です。
    四、食滯(ショクタイ)は、吐くことも下痢もしない食中毒の症状です。
    五、停食(テイショク)は、消化不良のことで食もたれ症状です。
    六、痰聚(タンシュウ)は、胃のもたれ症状です。
  •  
    胃の調子が悪くなると食事をすることが出来なくなります。
  • そして、胃の調子が悪くなる事での「嘔吐症」があります。
  • 東洋医学では「嘔吐」を「嘔」と「吐」の二つに分類します。
    「嘔」は、声あって物無し、吐き気だけです。
    心配事がある時は「嘔」が多いです。
    「吐」は、声あって物有り、本当に吐く事です。
  • 「嘔吐症」になる人は、胃が虚弱になっています。
  • 嘔吐の病症にはそれぞれの原因があります。
  • 「内傷の気」が自分自身を内攻して心因性の嘔吐を誘発します。
    「内傷の気」とは七情のことです。
    七情とは、怒、喜、憂、思、悲、驚、恐、の感情の事です。
    「停食」や「痰聚」の状態になり易い人は、心配事が多く思い考え過ぎる人です。
    心配事があると精神を労して心因性胃炎を起こし「嘔吐症」になります。
  • 婦人の「つわり症状」から嘔吐を誘発します。
  • 酒の飲みすぎで嘔吐します。
  • そして、次のような状況に置かれると嘔吐の症状がさらに悪化します。
  • 身体が冷える寒い所や、湿気の多い所に長時間いた場合です。
    或いは暴飲暴食や胃腸に悪い食べ物を取った時です。
    また、嘔吐物に血の雑(まじ)った物を吐く場合があります。
    これは、心下部に瘀血(オケツ:古血)の固まりがあり胃潰瘍や胃癌を起こしている場合です。
  • 嘔吐の治療方針を正しく出すためには患者の「脉状」と「病状」を良く診て治療方法をだします。
  • 鍼灸では「胃の気」の脉診法があります。
    浮脉と沈脉の間に中脉というのがあります。
    身体と言うのは生まれてから後は食物によって栄養されています。
    栄養されていると言う事は五臓の全てはが「胃の気」の恩恵を受けていると言う事です。
    その「胃の気」が、中脉にしっかり診れる人は死にません。
  • 嘔吐の病気になっている患者の脉状で、
    脉状が「実大の脉」固くて大きい脉のときは治療が難しいです。
    脉状が「虚細の脉」細くて虚しているときは治し易いです。
  • 寒い所にいて身体が冷えた時の「嘔吐症」は、
    脉状は、沈ずんで緊張した「沈緊」の脉になっています。
    病状は、手足が冷たくなり、飲食が入らない為に「嘔」声あって物無しの「吐き気け」の症状です。
  • 暑邪に侵され身体が熱くなった時の「嘔吐症」は、
    脉状が、速くなりピーンと張った弦の様な「弦数」の脉になっています。
    病状は、胸息れがして喉がカラカラになり嘔吐します。
  • 嘔吐症の治療方法
  • 一、鍼灸での「嘔吐症」の治療方法は、
  • 心因性が原因の「嘔吐症」の治療方法、
    この時は「嘔」声あって物無しの「吐き気」の症状が多いです。
    怒り、気持ちがイライラしての「嘔吐症」には、肝経の気の調整をします。
    心配事が多く憂いての「嘔吐症」には、肺経の気の調整をします。
    仕事のことで思い考え過ぎての、嘔吐症には、脾胃経の気の調整をします。
    驚き、恐れ、悲みからの、嘔吐症には、腎経の気の調整をします。
  • 二、漢方薬での「嘔吐症」の治療方法は、
  • 暑邪に侵され時の治療法は、涼しくする清涼剤の漢方薬を処方します。
    「停食」消化不良になる食もたれには消化剤を処方します。
    「痰聚」症状、胃部のもたれには気を巡らし胃を温める処方します。
    「つわり症状」の場合は、嘔吐の治療だけでなく、婦人病を考えて処方します。
    二日酔いは、苦しんでもほっとけばいいです。
  • 「嘔吐症」の治療方法での注意点。
  • 嘔吐の病状に対して、決して、軽々しく「利藥」吐き気止めや下剤を用いてはいけませんよ。
    嘔吐の症状があり、腹が痛んで大きくなっている時は、その原因をよく診断した後に適切な治療をしなさい。
    例えば、
    一、子供の嘔吐で、腹痛、緊張した症状には、温めて治療するのが良いです。
    二、腹が痛んで大きくなっている時は、「食滯」で体のどこかに故障があると考えその治療をした後に下剤を用いてよい。
  • ※ 東洋医学治療原則まとめ

    嘔吐症を治す事は基より、東洋医学で扱う全ての病気改善の治療原則を述べます。
    三因詳論及此、不可不審。(サンインノ ショウロン コレニオヨビ ツマビラカニ セズバアルベカラズ)
    當先氣調而後治標邪。(マサニ サキニ キヲトトノエ シカシテノチニ ヒョウジャヲ チス)

    東洋医学の診断の初めに考察されるのが「三因論」です。

    そして、鍼灸の基本の治療原則は「気を調(ととの)える」治療です。

    「三因論」は、病気が起きる原因を三つに分類したものです。

    内因、外因、不外内因の三種類です。

    一、内因
    これは心が疲れて病気になる事です。
    心には七つの感情があります。
    これを「七情」と言います。
    七情は、怒、喜、憂、思、悲、驚、恐の感情です。
    精神的気苦労から内面的な感情が強くなり過ぎ消耗された結果、七情を担当する肝心脾肺腎の五臓が虚してきます。
    そこに、外邪が侵入して発病します。
    二、外因
    人体に外から害を与える外邪が主な原因で病気を起こす事です。
    これは六つあり、六淫(りくいん)の外邪と呼ばれています。
    風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪の六種です。
    三、不外内因
    これは、自分自身の行いが主な原因で病気を起こす事です。
    暴飲暴食、働き過ぎ、遊び過ぎ、勉強のし過ぎ、房事過多です。
    アルコールの飲みすぎと、胃腸を冷やす飲み物食べ物がいけません。
    身体に無理を強いる活動もいけないことになります。

    ※ 鍼の治療法はシンプルなものです。

    『虚実補瀉(きょじつほしゃ)』に尽きます。
    虚とは生気が不足する事です。
    実とは邪気が充満する事です。
    従って鍼の治療法は、
    生気の不足を補うことが『補法』の鍼術であり 、
    生気の働きを妨害する邪実を取り除くことが『瀉法』の鍼術です。

     
    ※ 気の医学が東洋医学です。

    當先氣調而後治標邪。(マサニ サキニ キヲトトノエ シカシテノチニ ヒョウジャヲ チス)
    訳文:気を調(ととの)るをえて、而(しか)して後に標邪を治すべし。
    解説:
    病気を治す為には、五臓六腑十二経絡の気を調(ととの)る「本治法」を初めに行い、その後に「標治法」を行ないなさい。

    ※ 「本治法」と「標治法」について。

    「本治法」

    「本治法」とは、気を調(ととの)る鍼灸の施術手技です。
    病気の根本原因を改善する、一番大事な一番初めに行なう鍼の施術手技です。
    本治法を施すことで、五臓六腑十二経絡の「気」が正しく調整され「血」の流れを正しく順行させます。
    そのことで、生命力の強化がなされ、病気を治す「自然治癒力」を増強させます。
    「本治法」は病気の根本原因を改善する為の施術手技に成ります。

    「標治法」

    標治法とは、患者の病状・症状を直接に緩和させる手技です。
    標治法の方法は、体表より観察できる患部の「虚実」の状態に対して直接に「補法、瀉法」を行なって、これを調和させ病状を緩和させます。

    そして、
    本治法と標治法をうけることで、現在の病状が改善されると同時に、病気をぶり返さない身体になります。
    以上、「胃と嘔吐症」のお話しを終わります。

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詳しくはHPをリンクしてご覧頂ければ幸いです。
井上恵理先生の講義録「南北経驗醫方大成による病証論」第八、嘔吐・HP
http://yukkurido.jp/keiro/bkb/mk/8ot/
『難経ポイント』 第五難
※ 中脉(ちゅうみゃく)について。
(井上恵理先生の難経第五難講演より。山口一誠の考察文章含む。)
http://yukkurido.jp/keiro/nankei/5nan-2/
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