三九難

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難経第三十九難

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ゆっくり堂の『難経ポイント』第三十九難

※ 三十九難のポイント其の一は、
左右の腎の内訳は、左腎を腎として、右腎を命門とみるのである。
命門は、精神の働きをする元になる藏である。
男子は子孫を創る精子(種)を宿し、女子はその種から子孫を育む子宮に預かるのである。

※ 三十九難臨床&エトセトラより。
経絡では十二経絡の六臓六腑なり、実態臓腑では五臓五腑なり、五臓六腑とはこれ如何に。
命門、三焦の成せるわざ、気が付かないと判りませんと解く。

 難経 第三十九難 原文

(『難経』原本は底本:『難経』江戸・多紀元胤著、『黄帝八十一難経疏証』(国立国会図書館所蔵139函65号)オリエント出版、難経古注集成5(1982年)に影印)を参考にしています。

三十九難曰.
經言.
府有五.藏有六者.何也.
然.
六府者.正有五府也.
五藏亦有六藏者.謂腎有兩藏也.
其左爲腎.右爲命門.
命門者.謂精神之所舍也.男子以藏精.女子以繋胞.其氣與腎通.故言藏有六也.
府有五者.何也.
然.
五藏各一府.三焦亦是一府.
然不屬於五藏.故言府有五焉.

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三十九難の訓読

(井上恵理先生の訓読・解説:経絡鍼療(451号)と本間祥白先生の解説、福島弘道先生の解説を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)

三十九の難に曰く。.
經に言う。
府に五有り、藏に六有るとは、何ぞや。
然るなり。
六府は、正に五府有るなり。
五藏亦(また)六藏有るものは、謂(いわゆ)る腎両藏有ればなり、
其の左を腎となし、右を命門となす。
命門は、精神の舍(やど)る所なり、男子は以って精を藏し、女子は以って胞を繋(かか)ぐ、
其の氣腎と通ず、故に言う藏に六有りと。
府に五有るものは、何ぞや。
然るなり。
五藏に各各一府、三焦も亦(また)是(これ)一府、
然も五藏に属せず、故に言う、府に五有りと。


詳しくは各先生の文献を参照されたし。
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三十九難の解説

(井上恵理先生の解説:経絡鍼療(451号)と本間祥白先生の解釈、福島弘道先生の解釈を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)

三十九難の解説をします。

陰陽五行理論から考察すると。

腑は五つ有る、胆・小腸・胃・大腸・膀胱 と、
臓は五臓の肝心脾肺腎であるのに、臓に六つ有るとはどうゆう訳か説明しなさい。

お答えします。

六府と言うが、実は五府であって、他の一府は三焦である。
五藏もまた六藏有ると言うのは、いわゆる左右の腎を二たつ数えるからである。

左右の腎の内訳は、左腎を腎として、右腎を命門とみるのである。
命門は、精神の働きをする元になる藏である。
男子は子孫を創る精子(種)を宿し、女子はその種から子孫を育む子宮に預かるのである。
左右にわけた腎であるが、お互いに其の気を通行して左腎と右命門は協力し合っている。
左右の腎の役割から二たつに分けたので藏は六つあると言う事になる。

五藏に対応して、五腑あると言うがこれについて説明しなさい。

お答えします。

五藏にはそれぞれ対応する腑がある。
五藏の肝心脾肺腎に対して、五腑の胆小腸胃大腸膀胱の五つになる。
三焦もまた一府であるが、藏としての形が無いのでの組み合わせにならない。
だから腑に五有りとなると。


詳しくは各先生の文献を参照されたし。
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三十九難の詳細解説

(井上恵理先生の訓読・解説:経絡鍼療(451号)と本間祥白先生の訓読・解釈、福島弘道先生の訓読・解釈を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)詳しくは各先生の文献を参照されたし。

山口一誠の考察により原文・訓読・解説(解説補足)の順に文章を構成します。

〔原文〕三十九難曰.
〔訓読〕三十九の難に曰く。
〔解説〕三十九難の解説をします。

〔原文〕經言.
〔訓読〕経に言う。
〔解説〕陰陽五行理論から考察すると。

〔原文〕府有五.藏有六者.何也.
〔訓読〕府に五有り、藏に六有るとは、何ぞや。
〔解説〕
腑は五つ有る、胆・小腸・胃・大腸・膀胱 と、
臓は五臓の肝心脾肺腎であるのに、臓に六つ有るとはどうゆう訳か説明しなさい。

〔原文〕然.
〔訓読〕然(しか)るなり。
〔解説〕お答えします。

〔原文〕六府者.正有五府也. 藏亦有六藏者.謂腎有兩藏也.
〔訓読〕
六府は、正に五府有るなり、五藏亦(また)六藏有るものは、謂(いわゆ)る腎両藏有ればなり。
〔本間祥白先生解説〕
六府と言うが、実は五府であって、他の一府は三焦である。
五藏もまた六藏有ると言うのは、いわゆる左右の腎を二たつ数えるからである。

〔原文〕
其左爲腎.右爲命門.
命門者.謂精神之所舍也.男子以藏精.女子以繋胞.其氣與腎通.故言藏有六也.
〔訓読〕
其の左を腎となし、右を命門となす。
命門は、精神の舍(やど)る所なり、男子は以って精を藏し、女子は以って胞を繋(かか)ぐ、
其の氣腎と通ず、故に言う藏に六有りと。
〔解説〕
左右の腎の内訳は、左腎を腎として、右腎を命門とみるのである。
命門は、精神の働きをする元になる藏である。
男子は子孫を創る精子(種)を宿し、女子はその種から子孫を育む子宮に預かるのである。
左右にわけた腎であるが、お互いに其の気を通行して左腎と右命門は協力し合っている。
左右の腎の役割から二たつに分けたので藏は六つあると言う事になる。
〔原文〕府有五者.何也.
〔訓読〕府に五有るものは、何ぞや。
〔解説〕五藏に対応して、五腑あると言うがこれについて説明しなさい。

〔原文〕然.
〔訓読〕然(しか)るなり。
〔解説〕お答えします。

〔原文〕
五藏各一府.三焦亦是一府.
然不屬於五藏.故言府有五焉.
〔訓読〕
五藏に各各一府、三焦も亦(また)是(これ)一府、
然も五藏に属せず、故に言う、府に五有りと。
〔解説〕
五藏にはそれぞれ対応する腑がある。
五藏の肝心脾肺腎に対して、五腑の胆小腸胃大腸膀胱の五つになる。
三焦もまた一府であるが、藏としての形が無いのでの組み合わせにならない。
だから腑に五有りとなると。

 

 

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