二二難

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難経 第二十二難

     ank022

ゆっくり堂の『難経ポイント』 第二十二難

※ 二十二難のポイント其の一は、

是動病は気の病。

所生病は血の病。

経脉は気血の通路であり、気は脉外を循り、血は脉中を循る。
その脉外の気が病を起こすときは是動病(ぜどうびょう)となり、
脉中の血が病を起こすときは所生病(しょせいびょう)となる。

※ 二十二難のポイント其の二は、

この様な病状をする場合の治療方法は、
是動病の気を整える治療を先にやり、所生病の血を整える治療を後からやりなさいと。

※ 二十二難のポイント其の三は、、(2016.2.04、記帳)

氣は之(これ)を呴(あたた)むることを主(つかさど)る。
血は之を濡(うるお)すことを主る。

鍼術は身体を温(あたた)め潤(うるお)す治療技術です。
だから血行が良くなり細胞が元気になって病気が改善されます。
これが、病気を治す鍼術のメカニズム、補法・瀉法の奥義です。

 難経 第二十二難 原文

(『難経』原本は底本:『難経』江戸・多紀元胤著、『黄帝八十一難経疏証』(国立国会図書館所蔵139函65号)オリエント出版、難経古注集成5(1982年)に影印)を参考にしています。

二十二難曰.
經言.
脉有是動.有所生病.
一脉輒變爲二病者.何也.
然.
經言
是動者.氣也.
所生病者.血也.
邪在氣.氣爲是動.
邪在血.血爲所生病.
氣主呴之.血主濡之.
氣留而不行者.爲氣先病也.
血壅而不濡者.爲血後病也.
故先爲是動.後所生病也.

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 二十二難の訓読

(井上恵理先生の訓読・解説:経絡鍼療(435号)と本間祥白先生の解説、福島弘道先生の解説を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)

二十二の難に曰く。
經に言う。
脉に是動(ぜどう)あり、所生病(しょせいびょう)あり、
一脉変じて二病となるものは、何んぞや。
然るなり。
經に言う、
是動とは、氣なり。
所生病とは、血なり。
邪、氣に在れば、氣、是(これ)がために動(どう)ず。
邪、血に在れば、生ずる所の病いを生ず。
氣は之(これ)を呴(あたた)むることを主(つかさど)る。
血は之を濡(うるお)すことを主る。
氣留って行かざるものは、氣先づ病むことをなす。
血壅(ふさが)って濡さざるものは、血後に病をなすなり。
故に是動をなすことを先にし、所生を後にするなり。


詳しくは各先生の文献を参照されたし。
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 二十二難の解説

(井上恵理先生の解説:経絡鍼療(435号)と本間祥白先生の解釈、福島弘道先生の解釈を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)


二十二難の解説をします。

黄帝内経・霊枢の経脉篇から難経的に考察するに。

経脉に是動病と所生病とがある。

一つの経脉に二種類の病気があるのは、どの様な訳なのか説明しなさい。

お答えします。

経脉は気血の通路であり、気は脉外を循り、血は脉中を循る。
その脉外の気が病を起こすときは是動病(ぜどうびょう)となり、
脉中の血が病を起こすときは所生病(しょせいびょう)となる。

病邪が気の部分にあれば、気が変動を起こして病気になり、
病邪が血の部分にあれば、血が変動を起こして病気になる。

気は陽であり、身体を温める作用があるり、
血は陰であり、全身に水分をめぐらし潤(うるお)わせている。

気が留まって動かない時に病気になる。気は陽性であるから先に発病する。
血が塞がって身体を潤さない時に病気になる。血は陰性であるから後で発病する。
この様な病状をする場合の治療方法は、
是動病の気を整える治療を先にやり、所生病の血を整える治療を後からやりなさい。


詳しくは各先生の文献を参照されたし。
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 二十二難の詳細解説

(井上恵理先生の訓読・解説:経絡鍼療(435号)と本間祥白先生の訓読・解釈、福島弘道先生の訓読・解釈を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)詳しくは各先生の文献を参照されたし。

山口一誠の考察により原文・訓読・解説(解説補足)の順に文章を構成します。

〔原文〕二十二難曰.
〔訓読〕二十二の難に曰く。
〔解説〕二十二難の解説をします。

〔原文〕經言.
〔訓読〕経に言う。
〔解説〕黄帝内経・霊枢の経脉篇から難経的に考察するに。

〔原文〕脉有是動.有所生病.
〔訓読〕脉に是動(ぜどう)あり、所生病(しょせいびょう)あり、
〔解説〕経脉に是動病と所生病とがある。

〔解説補足〕経脉は脉診の「脉」ではない。  経脉とは経絡の流注をさす。

〔原文〕一脉輒變爲二病者.何也.
〔訓読〕一脉変じて二病となるものは、何んぞや。
〔解説〕一つの経脉に二種類の病気があるのは、どの様な訳なのか説明しなさい。

〔原文〕然.
〔訓読〕然(しか)るなり。
〔解説〕お答えします。

〔原文〕
經言
是動者.氣也.
所生病者.血也.
〔訓読〕
經に言う、
是動とは、氣なり。
所生病とは、血なり。
〔解説〕
経脉は気血の通路であり、気は脉外を循り、血は脉中を循る。
その脉外の気が病を起こすときは是動病(ぜどうびょう)となり、
脉中の血が病を起こすときは所生病(しょせいびょう)となる。
〔原文〕
邪在氣.氣爲是動.
邪在血.血爲所生病.
〔訓読〕
邪、氣に在れば、氣、是(これ)がために動(どう)ず。
邪、血に在れば、生ずる所の病いを生ず。
〔解説〕
病邪が気の部分にあれば、気が変動を起こして病気になり、
病邪が血の部分にあれば、血が変動を起こして病気になる。

〔原文〕氣主呴之.血主濡之.
〔訓読〕
氣は之(これ)を呴(あたた)むることを主(つかさど)る。
血は之を濡(うるお)すことを主る。
〔解説〕
気は陽であり、身体を温める作用があるり、
血は陰であり、全身に水分をめぐらし潤(うるお)わせている。

〔原文〕
氣留而不行者.爲氣先病也.
血壅而不濡者.爲血後病也.
故先爲是動.後所生病也.
〔訓読〕
氣留って行かざるものは、氣先づ病むことをなす。
血壅(ふさが)って濡さざるものは、血後に病をなすなり。
故に是動をなすことを先にし、所生を後にするなり。
〔解説〕
気が留まって動かない時に病気になる。気は陽性であるから先に発病する。
血が塞がって身体を潤さない時に病気になる。血は陰性であるから後で発病する。
この様な病状をする場合の治療方法は、
是動病の気を整える治療を先にやり、所生病の血を整える治療を後からやりなさい。

 

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