経穴と主治、任脈 13r

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 経穴と主治、任脈 (24穴)

          経穴と主治、13r

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経穴目次、任脈 (24穴)

、☆の記号は『鍼灸重宝記』で取り上げている経穴です。

経穴名
1  会陰 えいん
2  曲骨  きょくこつ   ☆
3  中極  ちゅうきょく  ☆
4  関元  かんげん   ☆
5  石門  せきもん  ☆
6  気海  きかい  ☆
7  陰交  いんこう  ☆
8  神闕  しんけつ  ☆
9  水分  すいぶん  ☆
10 下脘  げかん    ☆
11 建里  けんり    ☆
12 中脘  ちゅうかん  ☆
13 上脘  じょうかん  ☆
14 巨闕  こけつ    ☆
15 鳩尾  きゅうび
16 中庭  ちゅうてい
17 膻中  だんちゅう  ☆
18 玉堂  ぎょくどう
19 紫宮  しきゅう
20 華蓋  かがい
21 璇璣  せんき    ☆
22 天突  てんとつ   ☆
23 廉泉 れんせん   ☆
24 承漿  しょうしょう  ☆

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経穴と主治詳細、任脈 (24穴)

注1、文一行目は鍼灸学校にての流注番号、経穴名、所属経絡、取穴部位の記載です。

注2、『鍼灸重宝記』の経穴と主治は、

経穴名:
取穴:
灸法:
針法:
主治:
の順に掲載します。

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1 会陰 (えいん) 所属経絡:任脈・  取穴部位::会陰部の中央に取る.

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2 曲骨(きょくこつ) 所属経絡:任脈・ 取穴部位:正中線上で、恥骨結合の上際に取る.

『鍼灸重宝記』 曲骨 きょくこつ(一穴)

取穴: 臍(へそ)の下五寸、 横骨の上、毛際の陥中。
灸法:灸七壮より四十九壮まで、
針法:針二寸一寸あるひは六分、留こと七呼。
主治:
五蔵虚弱、冷極て小腹張痛み、小便通ぜず、淋瀝(りんれき:尿がさびしくしたたる)、遺精、赤白帯下を治す。

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3 中極(ちゅうきょく) 膀胱経の募穴・所属経絡:任脈・ 取穴部位:神闕穴の下4寸、曲骨穴の上1寸に取る.

『鍼灸重宝記』中極 ちゅうきょく(一穴)

取穴: 臍(へそ)の下四寸。
灸法:灸五壮より百壮まで、
針法:針六分、留ること十呼、気を得て即ち瀉す。
子なき婦には四度針すれば子あり  、又孕(はら)婦にはいむ。
主治:
積塊心に上り 、疝気(せんき:腰や下腹の内臓が痛む病気。)、陰寒陽気虚憊(きょはい:弱り疲れる)、水腫、 小便頻数、遺精、 さんご悪露行らず胎衣下らず、 月経調ず、 子門腫いたみ、 淋病、恍惚、 尸厥(しけつ)(突然倒れて人事不省となり仮死状態になる)、 飢えても食すること能はず、を主る。

子なき婦には四度針すれば子あり  、又孕(はら)婦にはいむ。

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4 関元(かんげん)小腸経の募穴・ 所属経絡:任脈・ 取穴部位:神闕穴の下3寸に取る.

『鍼灸重宝記』 関元 かんげん(一穴)

取穴:  臍(へそ)の下三寸。
灸法:灸七壮より三百壮まで、
針法:針一寸二分留ること七呼、或は八分留ること三呼、 瀉五吸、 妊婦は禁針。
主治:
精冷虚乏く 、 臍中絞いたみ、寒気腹に入ていたみ 、疝気(せんき:腰や下腹の内臓が痛む病気。)、労熱、積聚(しゃくじゅう:難経 第五十五難)、風眩、 づっう 、洩利、 小便通ぜず、淋病、 失精、 白濁溺血、 下血、崩漏、 月水通ぜず、 帯下を拾す。

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5 石門 (せきもん)三焦経の募穴・ 所属経絡:任脈・ 取穴部位:神闕穴の下2寸に取る.

『鍼灸重宝記』 石門 せきもん(一穴)(一の名は丹田)

取穴:  臍(へそ)の下二寸。
灸法:灸七壮より二百壮ま 、
針法:針五六分、留ること七呼、或は八分、留ること三呼、気を得て即ち瀉す。
婦人此穴に針灸すれば一生懐妊せず。
主治:
傷寒、小便赤く通ぜず、泄瀉(せしゃ:下痢便が下す)止ず、血淋、吐血、積塊、せんき 、腹いたみ、不食、水腫、 血塊、崩血を治す。

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6 気海(きかい)所属経絡:任脈・ 取穴部位:神闕穴の下1寸5分に取る.

『鍼灸重宝記』 気海 きかい(一穴)

取穴: 臍(へそ)下の一寸半。
灸法:灸七壮、
針法:針八分。気を得て瀉し 、瀉して後に補ふべし 。
主治:
傷寒、湯水を多飲て腹脹、気喘き 、心の下痛み、冷病、面赤く 、真気不足し 、一切の気病久しく差(いえ)ず、痩嬴(そうえい:やせるなり)、四支力弱く、積聚(しゃくじゅう:難経 第五十五難)、せんき 、血塊、 臍(へそ)の下冷えていたみ、心痛、 中悪、泄痢(しゃり:下痢便が漏れる)、大小梗通せず、崩漏、帯下、月水調はず、産後悪露止ず、臍腹痛み、うちみ腰いたみ、小児の遺尿を治す。

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7 陰交(いんこう)下焦の衛気 所属経絡:任脈・  取穴部位:神闕穴の下1寸に取る.

『鍼灸重宝記』 陰交 いんこう (一穴)

取穴: 臍(へそ)の下一寸。
灸法:灸廿一(21、二十一、にじゅういち、)壮より百まで。 娠婦には忌、
針法:針八分、気を得て即瀉す、瀉して後に補ふべし 。
此穴に灸針すれば一生子を孕(はら)まず。
主治:
心腹いたみ陰中に引て小便通ぜず、疝気(せんき:腰や下腹の内臓が痛む病気。)、陰汗撞かゆく 、腰膝つりいたみ、 臍(へそ)下熱し 、 鼻血、 婦人の崩漏、月水たへず、帯下、産ご悪露止ず、 臍の繞(まとう)り冷痛み、 陰痒く 、 積塊、 小児顖(幼児の頭蓋骨の泉門(せんもん))陥るを治す。。

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8 神闕(しんけつ)所属経絡:任脈・  取穴部位:臍の中央に取る.

『鍼灸重宝記』 神闕 しんけつ(一穴)

取穴: 臍(へそ)の真中なり 。
灸法:灸も軽き病には猥(みだり)にすべからず。 急症・重き病には塩か味噌を布てすべし 。
:卒中風甦(よみがえ)らざるに灸百壮すれば甦る 、 それにでも 甦ずは又百壮すへし 。
針法:禁針也、もし刺せば 臍(へそ)の中、悪き瘍(ヨウ:かさ)を生じて死す。
主治:
中風卒倒甦(よみがえ)らず、久く冷て泄痢(えつり:下痢)止す、水腫、鼓脹、腸鳴り、臍腹いたみ、小児驚風、てんかん、反張、脱肛を治す。

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9 水分(すいぶん)所属経絡:任脈・  取穴部位:神闕穴の上1寸に取る.

『鍼灸重宝記』 水分 すいぶん(一穴)

取穴: 下院の下一寸、臍の上一寸。
灸法:水病には灸四十九壮より四百壮にいたる 、大によし。
針法:針五分、留ること三呼。水腫に刺せば水っきて即死す。
主治:
水腫、脹満、小便通せず、転筋、不食、臍腹いたみ、心に沖き 、腰背こはり 、腸鳴り 、鼻衂血(はなぢ) 、小児顖(せん)陥るを治す。 。

小児顖陥る:幼児の頭蓋骨の泉門(せんもん)のこと。
骨がまだ接合していないために脈動に合わせてひくひく … てひくひく動く、頭頂のやわらかい部分。

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10 下脘(げかん)所属経絡:任脈・ 取穴部位:神闕穴の上2寸に取る.

『鍼灸重宝記』 下脘 げかん (一穴)

取穴: 建里(けんり)の下一寸、 臍の上二寸。
灸法:
針法:
主治:
臍下より動気上り 、腹堅く 、胃脹、腹いたみ、六府の気寒じ 、穀転化す 、羸痩(るいそう:疲れやせる)、便赤く 、 翻胃、 不食を治す。

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11 建里(けんり)所属経絡:任脈・ 取穴部位:神闕穴の上3寸、中脘穴の下1寸に取る.

『鍼灸重宝記』 建里 けんり(一穴)

取穴: 中脘(ちゅうかん)の下一寸、臍の上三寸。
灸法:灸五壮、
針法:針一寸二分あるひは五分 、留ること十呼。
主治:腹脹、 身腫、 心痛、 不食を治す。

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12 中脘(ちゅうかん)胃経の墓穴・腑会・中焦の栄気 所属経絡:任脈・  取穴部位:神闕穴の上4寸に取る.

『鍼灸重宝記』 中脘 ちゅうかん  (1穴)

取穴: 上院の下一寸、臍腐の上四寸。
灸法:灸日に十四壮より三四百壮まで。
針法:針一寸二分あるひは八分、留るこ と七呼、 瀉法五吸、はやく針を出す。
主治:
膈噎(かくえつ:むせぶ)、翻胃、不食、端息、腹脹、中悪、心腹いたみ、痢疾、疝気、積聚(しゃくじゅう)、傷寒、疫病、温瘧(おんぎやく) 、 先腹いたみ先づ瀉すし 、震乱、洩出を知ず、身冷、俛き抑きしがたきを。

積聚(しゃくじゅう)については、難経 第五十五難にリンクしてご覧ください。
http://yukkurido.jp/keiro/nankei/55nan/

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13 上脘(じょうかん) 所属経絡:任脈・ 取穴部位:胸骨体下端の下3寸、中脘穴の上1寸に取る.

『鍼灸重宝記』 上脘 じょうかん(一穴)

取穴: 巨けつの下一寸、隣の上五寸。
灸法:灸日に十四壮より百壮にいたる 、未愈ずはこれを倍すべし。
針法:針八分。 先捕し 後に講す。風痛、熱病は 先づ潟し 、後に補して即愈。

主治:
腹鳴痛み、食化せず、震乱、吐利、腹いたみ、身熱し、汗出ず、翻胃、嘔吐、不食、腹張り、気満、心松れ、驚悸(驚き動悸する)、嘔血、痰涎(たん、よだれ)多く  、虫積、黄疸、虚労、吐血をつかさ どる。

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14 巨闕(こけつ)心経の募穴・ 所属経絡:任脈・ 取穴部位:胸骨体下端の下2寸に取る.

『鍼灸重宝記』 巨闕 こけつ(一穴)

取穴: 肋骨の真中のはづれ、蔽骨より二寸下。
灸法:灸七壮より七々壮(49壮)まで。
針法:針六分留ること七呼、気を得て即ち瀉す、
主治:
上気、咳逆、胸っかへ短気、背いたみ、心痛み、痰飲、霍乱(かくらん:もがいて手を振り回す、日射病や暑気 .)、吐逆、驚悸(驚き動悸する)、怔仲(せいちゅう)、腹張、暴にいたみ、 心恍(しんこう:何かに心を奪われて、うっとりすること。ぼうっとして我を忘れているさま。 「恍惚」)、、不食、傷寒、心煩、嘔逆、発狂、狐疝(せんき:気のむすぼれ・聚(じゅう))、小腹張、尸厥(しけつ)(突然倒れて人事不省となり仮死状態になる)、妊婦子心へ衝て昏悶するを主る。

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15 鳩尾(きゅうび)任脈の絡穴 所属経絡:任脈・  取穴部位:胸骨体下端の下1寸、神闕穴の上7寸に取る.
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16 中庭(ちゅうてい) 所属経絡:任脈・  取穴部位:膻中穴の下1寸6分、胸骨体正中線上に取る.
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17 膻中(だんちゅう)

相火:⑨手の厥陰心包経の募穴

八会:気会・上焦の宗気・所属経絡:任脈・
取穴部位:両乳頭を結ぶ線が、胸骨体正中線上に取る.(乳頭は第4肋間の高さ)

『鍼灸重宝記』 膻中 だんちゅう (一穴)

取穴: 両乳の問、踊の真中。
灸法:灸七壮五十壮、
針法:禁針。
主治:
中気、上気、短気、咳逆、嘻膈(きかく:むねがああ~) 嘔吐、不食、端促、咳嗽、胸塞がり 、心胸いたみ、肺癰(はいよう:肺に膿がたまる)、唾膿、乳汁少きを拾す。

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18 玉堂(ぎょくどう) 所属経絡:任脈・  取穴部位:左右第3肋間の高さで、胸骨体正中線上に取る.
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19 紫宮(しきゅう) 所属経絡:任脈・  取穴部位:左右第2肋間の高さで、胸骨体正中線上に取る.
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20 華蓋(かがい)  所属経絡:任脈・  取穴部位:天突穴の下2寸、胸骨角上際正中線上に取る.
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21 璇璣 せんき 所属経絡:任脈・  取穴部位:天突穴の下1寸、胸骨柄正中線上に取る.

『鍼灸重宝記』 璇璣 せんき (一穴)

取穴: 天突の下一寸。
灸法:灸五壮、
針法: 針三分。
主治: 胸の骨痛み、煩れ(わずらわしい:心が悩まされるさま)、喉痺(こうひ:のどしび)れ、 咽喉腫るを主どる。

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22 天突 てんとつ  所属経絡:任脈・ 取穴部位:頚窩の中央に取る.

『鍼灸重宝記』 天突 てんとつ (一穴)

取穴: 頚の結喉の下 四寸、宛々たる中。
灸法:灸三壮五壮、
針法:針一分五分、留ること三呼、気を得て瀉す。若、針を直に下し手を抵るときは、五蔵の気傷れて短命なり 。
主治:
面熱し 、上気教逆、気暴に端し 、咽腫、咽冷、声破(こえかれ)、喉中瘡を生し 、膿血を咯(は)き 、瘖(お)して言こと能(あたわ)ず、寒熱、頚腫、哮端(こうぜ:ほえるように咳する)、喉中鳴、胸中魚鯁(うおのぎ:どに刺さる小さい魚の骨。)の立たるごとく、舌の下急に、心と背 と相引て痛、膈嘻(かくき:むねがああ~) 、 嘔吐を治す。

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23 廉泉 (れんせん) 所属経絡:任脈・  取穴部位:喉頭隆起上際で舌骨との間に取る.

『鍼灸重宝記』 廉泉 れんせん (二穴)(一名舌本)

取穴: 結喉の上四寸、推ば舌の根へ応る処、仰て鮎(てん)す。
灸法:灸三壮、
針法:針二三分、留ること七呼、気を得て潟す。
主治:咳嗽、上気、端息、舌下腫、 口瘡を治す。
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24 承漿(しょうしょう) 所属経絡:任脈・  取穴部位:オトガイ唇溝の正中に取る.

『鍼灸重宝記』 承漿 しょうしょう(一穴)

取穴: 下唇の赤肉の少下、陥中、口を開て点す。

灸法:
此穴に灸すること一日に一七壮づっ、七日に四十九壮灸るなり 。
然れども毎日つづけて灸すること勿れ。
只一日に七壮灸しては、 四五日も間を置ては又七壮灸す、
日数を積で四十九壮に至れば、 血詠通じ病立どころに愈る。

針法:針三分、気を得て即潟、留ること三呼、 徐々に気を得て出す。

主治:
偏恩半身遂はず、口眼喎斜、 面はれ、 消渇、 口歯疳蝕、 瘡うを生じ 、 暴に瘖して言こと能ず、 男子の七疝、 女子の積聚を主る 。

積聚(しゃくじゅう)難経 第五十五難
http://yukkurido.jp/keiro/nankei/55nan/

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13、任脈(24穴)おわり

 

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