病因論
項目 番号 c104。
三因論と當先氣調
- 東洋医学の診断の初めに考察されるのが「三因論」です。
- そして、鍼灸の基本の治療原則は「気を調(ととの)える」治療です。
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「三因論」は、病気が起きる原因を三つに分類したものです。
- 内因、外因、不外内因の三種類です。
一、内因
- これは心が疲れて病気になる事です。
心には七つの感情があります。
これを「七情」と言います。
七情は、怒、喜、憂、思、悲、驚、恐の感情です。
精神的気苦労から内面的な感情が強くなり過ぎ消耗された結果、七情を担当する肝心脾肺腎の五臓が虚してきます。
そこに、外邪が侵入して発病します。
二、外因
- 人体に外から害を与える外邪が主な原因で病気を起こす事です。
これは六つあり、六淫(りくいん)の外邪と呼ばれています。
風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪の六種です。
三、不外内因
- これは、自分自身の行いが主な原因で病気を起こす事です。
暴飲暴食、働き過ぎ、遊び過ぎ、勉強のし過ぎ、房事過多です。
アルコールの飲みすぎと、胃腸を冷やす飲み物食べ物がいけません。
身体に無理を強いる活動もいけないことになります。
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※ 鍼の治療法はシンプルなものです。
- 『虚実補瀉』に尽きます。
- 虚とは生気が不足する事です。
- 実とは邪気が充満する事です。
- 従って鍼の治療法は、
- 生気の不足を補うことが『補法』の鍼術であり 、
- 生気の働きを妨害する邪実を取り除くことが『瀉法』の鍼術です。
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気の医学が東洋医学です。
當先氣調而後治標邪。
- 十二経絡の気を調(ととの)る「本治法」をえて、
- 而(しか)して後に「標治法」をすべし。
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「本治法」と「標治法」について。
「本治法」
- 本治法は経絡鍼灸治療の根幹です。
- 「本治法」とは、病気の根本原因を改善する為の施術手技です。
- 病気を治す方向を最良のものとする、
- 一番大事な一番初めに行なう鍼の施術手技です。
- 本治法の方法は、
十二経絡の「気」を調整し、「血」の流れを順行させ、
全身の健康状態を改善することで、病気を治す「自然治癒力」を増強させる手技です。
病気の根本原因を改善する為の施術手技に成ります。 - 本治法として使用する経穴は、
五行穴、五兪穴・五要穴・原穴・郄穴・絡穴です。
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「標治法」
- 標治法とは、患者の病状を直接に緩和させる手技です。
- 標治法の方法は、
体表より観察できる患部の「虚実」の状態に対して、
直接に「補法、瀉法」を行なって、これを調和させ病状を緩和させます。 - 本治法と標治法の関係について、
病状を一時的に緩和、改善することは標治法でも可能です。
しかし、
病気になった根本の問題を解決する方法ではありませんので病状は繰り返し出てきます。
本治法は、全身の健康状態を改善する根本療法になります。
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- そして、
本治法と標治法をうけることで、
現在の病状が改善されると同時に、病気をぶり返さない身体になり、将来の病気を防ぐ「未病を治す」健康法になります。
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参考HP
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参考HP
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「胃は人間の中心です。胃と嘔吐症。」のお話し。
- まとめ、「三因詳論及此、不可不審。」
- 内因、外因、飲食の邪を不内外因として三因を審(つまび)らかにして治療をします
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「風の お話し。」
- 中風(ちゅうふう)の治療方法の原則を説明します。
- 南北経驗醫方大成 第一、風論 より。
- 原文:
- 若因七情六淫而得者、當先氣調而後治風邪。
- 訳文:
若し七情六淫によって得る者は先(ま)ず気を調(ととの)えて而(しか)して後に風を治すべし。 - 解説:
- 内因である七情(怒、喜、憂、思、悲、驚、恐)の感情が消耗して弱く虚になっているところに、
風邪(ふうじゃ)に侵され中風(ちゅうふう)の病気を起こした時の
漢方薬と鍼灸の基本の治療法は、
先(ま)ず五臓や経絡の何処に風邪が侵入したかを診て、
その気を調(ととの)える本治法を施して、
その後に中風の症状に応じた標治法で治すのが治療原則です。
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以上、
以上、
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