顔面診

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   顔面診

 小項目 番号 b202

 

※ 目の間、手面範囲の色・艶・生理的か病的変化の識別、五色の分別が重要です。

黄帝内経「霊枢」五色論篇 第四十九、 顔面部位・ 五竅(五臓の疲れを知る所)

黄帝内経「素問」刺熱論篇 第三十二、二章、一節

刺熱論、熱病における顔色の所見。 訳文。

肝の熱病の場合、左頬がまず赤くなる。
心の熱病の場合、額(ひたい)がまず赤くなる。
脾の熱病の場合、鼻がまず赤くなる。
肺の熱病の場合、右頬がまず赤くなる。
腎の熱病の場合、頤(あご)がまず赤くなる。

黄帝内経「素問」風論篇 第四十二、第三十二、二章、一節を参考に製作されています。

顔面診 五臓色体・刺熱論・風論篇・五色論 表gbk11

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顔面部位・五竅・刺熱論・風論篇 図 gbk21

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顔面診のポイント。

例えば顔 の五行的配当は、

前額部(ひたい)は心

鼻部は脾

右頬(ほほ)は肺

左頬は肝

顎(あご)は腎、を診る。

これは母親が子供に熱がありそうな時、額に手を当ててその有無を知る。
極一般的に行っている動作である。
また顎の辺りの皮膚炎や湿疹は、腎経と係わりが深い場合が多い。
臨床的にも大いに役立つている。

続いて、五竅(表・図)望診における 五臓の色体(分類)表、参照〕

目は肝・鼻は肺・耳は腎・唇は脾・舌は心、 これらは臨床的に価値が高い。

しかし素問金匱真言論、でいう、
目は肝・鼻は肺・唇は脾・舌は心・二陰は腎、 という観点に立つ時にはやや実行しにくい。

望診の中心とも言える五色の色艶についてであるが、これはいつも意識して観察し続けないと、中 々習得困難である。

―  以下に五色の生色・死色の表を掲げて参考に供する。

五色の生色・死色の表(原論p284)

生色 :艶やかな色。 青:川蝉艶 ・ 赤:鶏冠艶 ・黄:蟹腹艶 ・白:豚膏艶・ 黒:烏濡羽艶。

死色 :光沢の無い色。 青:草絞汁・赤:古血 ・黄:カラタチの実の如く光沢なし。白:枯骨 。黒:煤如。

五色を知るには、
顔面や尺部(前腕前面)を窺い、 全身の経絡変動を推し測り、 診察診断を進める。

またこれには異説もあるが、
青は痛み、赤は熱、白は冷え、黄色は栄養障害、黒は慢性痼疾を表すと診る。
これもまた臨床的に価値が高い。

目の五行  (望診)

(イラスト図 gbk22 )参照。

gbk22

-参考文:小里勝之先生-

目は肝の外口であり、目に異変が生じた時は一応肝臓の病と考えられるが、

目にも五行があって、

瞳は腎水、
虹彩は肝木、
白眼は肺金、
内眥・外眥は心火、
上下の瞼は脾土と、
それぞれ主る。

目の病には、
視力に障害をきたすもの、赤く腫れ痛むもの、涙を流すもの、眼瞼下垂症、ものもらい等種々ある。

いずれも五行の主りを考えた上で証の弁別をすること。

機関紙:経絡鍼療 「論考 身体各部の病症と経絡鍼灸治療」小里勝之先生の発表より。

※  柳下 登志夫 先生 語録集

【診断:肝木の目にもその虚実、五色で五臓の変動がある。】

例えば「目」に関する基本実例として、
目は肝木・肝臓、寒さに当たって沁みて涙が出るは「陰性で虚の状態」。
目が熱いは「陽性で実の状態」。
自然に目が閉じてしまうのは虚。
目が開いて閉じないのは実。

※ 目が開いている時、あるいは目が閉じていても、「色」が見える患者がいる。

青い光は肝木の変動。
赤いものは心火の変動。
黄色の輪が見えるのは脾土の変動。
キラキラ光る白いものが現れ飛ぶときは肺金の変動。
黒い点・線・棒・面が現れるは腎水の変動。

五臓の色体表を実際に活用する場合は陰陽五行論と一体化し、 証決定の手順を踏みそのひとつの条件として見なすべきである。

経絡治療学原論上巻臨床考察‐基礎・診断編‐ 頁:86・平成15年7月 収録より。

 

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