六難

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難経六難

 ank06

『難経ポイント』  第六難
※ 六難のポイント其の一、
「陰陽実虚」を脉診で診断する事は鍼灸術の原則である。

 難経 第六難 原文

(『難経』原本は底本:『難経』江戸・多紀元胤著、『黄帝八十一難経疏証』(国立国会図書館所蔵139函65号)オリエント出版、難経古注集成5(1982年)に影印)を参考にしています。

六難曰.

脉有陰盛陽虚.陽盛陰虚.何謂也.

然.

浮之損小.沈之實大.故曰陰盛陽虚.

沈之損小.浮之實大.故曰陽盛陰虚.

是陰陽虚實之意也.

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六難の訓読

(井上恵理先生の訓読・解説:経絡鍼療(420号)と本間祥白先生の解説、福島弘道先生の解説を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)

六の難に曰(いわ)く、

脉に陰盛陽虚、陽盛陰虚、有りとは何の謂ぞや。

然るなり、之を浮べて損小、之を沈めて実大、故に陰盛陽虚と曰う。

これ沈めて損小、これを浮して実大、故に陽盛陰虚と曰う。

是れ陰陽虚實の意なり。

詳しくは、各先生の文献を参照されたし。
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六難の解説

(井上恵理先生の解説:経絡鍼療(420号)と本間祥白先生の解釈、福島弘道先生の解釈を参考にして、 山口一誠の考察文にて構成しました。)

六難の解説をします。

脉には陰の部が盛んな時には陽の部は虚し、
陽の部が盛んな時には陰の部は虚すと言う法則が有るが、
この法則について説明しなさい。

お答えします。

指を浮かした陽の部を診ると「損小」つまり虚になっている。
指を沈めた陰の部を診ると実大になっている。
だからこれを「陰盛陽虚」つまり現代の脉診では「陽虚陰実」と言う。

指を沈めた陰の部を診ると「損小」つまり虚になっている。
指を浮かした陽の部を診ると実大になっている。
だからこれを「陽盛陰虚」つまり現代の脉診では「陰虚陽実」と言う。

これが、診断における「陰陽実虚」の鍼灸術の原則であると。

 

詳しくは各先生の文献を参照されたし。
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六難の詳細解説

(井上恵理先生の訓読・解説:経絡鍼療(420号)と本間祥白先生の訓読・解釈、福島弘道先生の訓読・解釈を参考にして、 山口一誠の考察文にて構成しました。)

詳しくは各先生の文献を参照されたし。

山口一誠の考察により原文・訓読・解説(解説補足)の順に文章を構成します。

〔原文〕六難曰.
〔訓読〕六難に曰く。
〔解説〕六難の解説をします。

原文:脉有陰盛陽虚.陽盛陰虚.何謂也.
訓読:脉に陰盛陽虚、陽盛陰虚、有りとは何の謂ぞや。
解説:脉には陰の部が盛んな時には陽の部は虚し、
陽の部が盛んな時には陰の部は虚すと言う法則が有るが、この法則について説明しなさい。
〔解説補足〕
脉診は、まず、中脉を取り、そして、そこから沈めた所が陰脉で、浮かした所が陽脉です。
その陰陽の脉の状態の法則を述べています。「陰陽実虚」経絡診断の法則です。
盛は実脉の事です。 虚は虚脉の事です。
陰盛陽虚とは、陰の部が強くて陽部が虚している。 現代の脉診では「陽虚陰実」です。
陽盛陰虚とは、陽の部が強くて陰部が虚している。 現代の脉診では「陰虚陽実」です。

〔原文〕然.
〔訓読〕然(しか)るなり。
〔解説〕お答えします。

原文:浮之損小.沈之實大.故曰陰盛陽虚.
訓読:之を浮べて損小、之を沈めて実大、故に陰盛陽虚と曰う。
解説:指を浮かした陽の部を診ると「損小」つまり虚になっている。
指を沈めた陰の部を診ると実大になっている。
だからこれを「陰盛陽虚」つまり現代の脉診では「陽虚陰実」と言う。

原文:沈之損小.浮之實大.故曰陽盛陰虚.
訓読:これ沈めて損小、これを浮して実大、故に陽盛陰虚と曰う。
解説:指を沈めた陰の部を診ると「損小」つまり虚になっている。
指を浮かした陽の部を診ると実大になっている。
だからこれを「陽盛陰虚」つまり現代の脉診では「陰虚陽実」と言う。

原文:是陰陽虚實之意也.
訓読:是れ陰陽虚實の意なり。
解説:これが、診断における「陰陽実虚」の鍼灸術の原則であると。

 

 

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