四四難

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難経 第四十四難

  ank044

 

ゆっくり堂の『難経ポイント』第四十四難

※ 四十四難のポイント其の一は、
口から食べ物が入って肛門から出るまでの七つの門についての解説です。

※ 難経四十四難臨床&エトセトラより。・・・・・・

〔解説〕唇のことを飛門と言います。
飛は動くの意味です。唇が動くから声が出る訳です。

〔井上恵理先生の難経解説から、〕
唇なんて言うのは役に立たな い様ですが、唇が動かなか ったら声は出ない。
声帯から声が出るなんて言いますが、唇を動かさないで声を出してご覧なさ い。
声は出るけど言葉にならない。

「母と言えば一度会う、婆と言えば二度会うものは何んぞや? 」と言う謎かけがありますが、
これは 唇の事ですね。
「はは 」 と言う発声では唇を一度開きます。
「ばばあ 」と言う発声では唇を二度開きますね。

 

 難経 第四十四難 原文

(『難経』原本は底本:『難経』江戸・多紀元胤著、『黄帝八十一難経疏証』(国立国会図書館所蔵139函65号)オリエント出版、難経古注集成5(1982年)に影印)を参考にしています。

四十四難曰.
七衝門何在.
然.
脣爲飛門.
齒爲戸門.
會厭爲吸門.
胃爲賁門.
太倉下口爲幽門.
大腸小腸會爲闌門.
下極爲魄門.
故曰七衝門也.
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 四十四難の訓読

(井上恵理先生の訓読・解説:経絡鍼療(453号)と本間祥白先生の解説、福島弘道先生の解説を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)

四十四の難に曰く。
七衝門は何(いず)くにか在(あ)る。
然るなり。
唇を飛門となし、
齒を戸門(しもん)となし、
会厭(えいん)を吸門となし、
胃を賁門(ふんもん)となし、
太倉(たいそう)の下口幽門となし、
大腸、小腸の会を闌門(らんもん)となし、
下極(げきょく)を魄門(はくもん)となす。
故に七衝門と曰う也り。

詳しくは各先生の文献を参照されたし。
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 四十四難の解説

(井上恵理先生の解説:経絡鍼療(453号)と本間祥白先生の解釈、福島弘道先生の解釈を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)

四十四難の解説をします。

口から食べ物が入って肛門から出るまでの間に七つの気の通じる関所があると。

これについて説明しなさい。

お答えします。

1、唇のことを飛門と言います。
飛は動くの意味です。唇が動くから声が出る訳です。

2、歯のことを戸門(しもん)と言います。
歯は飲食物の入口の戸の役目をしているから戸門となる訳です。

3、会厭(えいん)は食道の入口と気管の部位で、食べ物の入る門と呼吸の門があり、
この二たつを合わせて吸門なる訳です。

4、胃の上口を賁門(ふんもん)と言います。

5、胃(太倉:たいそう)の下口を幽門と言います。

6、小腸から大腸に出会うところ即ち盲腸の所を闌門(らんもん)と言います。

7、下極(げきょく)即ち肛門の所を魄門(はくもん)と言います。
肛門は肺大腸経の主りになり、魄もまた然りである。

以上のように七つの重要な門がありこれらを七衛門と名付けた訳です。


詳しくは各先生の文献を参照されたし。
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  四十四難の詳細解説

(井上恵理先生の訓読・解説:経絡鍼療(453号)と本間祥白先生の訓読・解釈、福島弘道先生の訓読・解釈を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)詳しくは各先生の文献を参照されたし。

山口一誠の考察により原文・訓読・解説(解説補足)の順に文章を構成します。

〔原文〕四十四難曰.
〔訓読〕四十四の難に曰く。
〔解説〕四十四難の解説をします。

〔原文〕七衝門何在.
〔訓読〕七衝門は何(いず)くにか在(あ)る。
〔解説〕口から食べ物が入って肛門から出るまでの間に七つの気の通じる関所があると。

〔第四十四難での言葉の意味〕
衛門とは人身肝要の気の通じる関所(門 )の意味です。

〔原文〕然.
〔訓読〕然(しか)るなり。
〔解説〕お答えします。

〔原文〕脣爲飛門.
〔訓読〕唇を飛門となし、
〔解説〕唇のことを飛門と言います。
飛は動くの意味です。唇が動くから声が出る訳です。

〔井上恵理先生の難経解説から、〕
唇なんて言うのは役に立たな い様ですが、唇が動かなか ったら声は出ない。
声帯から声が出るなんて言いますが、唇を動かさないで声を出してご覧なさ い。
声は出るけど言葉にならない。

「母と言えば一度会う、婆と言えば二度会うものは何んぞや? 」と言う謎かけがありますが、
これは 唇の事ですね。
「はは 」 と言う発声では唇を一度開きます。
「ばばあ 」と言う発声では唇を二度開きますね。

〔原文〕齒爲戸門.
〔訓読〕齒を戸門(しもん)となし、
〔解説〕歯のことを戸門(しもん)と言います。
歯は飲食物の入口の戸の役目をしているから戸門となる訳です。

〔原文〕會厭爲吸門.
〔訓読〕会厭(えいん)を吸門となし、
〔解説〕会厭(えいん)は食道の入口と気管の部位で、食べ物の入る門と呼吸の門があり、
この二たつを合わせて吸門なる訳です。

〔原文〕胃爲賁門.
〔訓読〕胃を賁門(ふんもん)となし、
〔解説〕胃の上口を賁門(ふんもん)と言います。

〔原文〕太倉下口爲幽門.
〔訓読〕太倉(たいそう)の下口幽門となし、
〔解説〕胃(太倉:たいそう)の下口を幽門と言います。

〔原文〕大腸小腸會爲闌門.
〔訓読〕大腸、小腸の会を闌門(らんもん)となし、
〔解説〕小腸から大腸に出会うところ即ち盲腸の所を闌門(らんもん)と言います。

〔原文〕下極爲魄門.
〔訓読〕下極(げきょく)を魄門(はくもん)となす。
〔解説〕下極(げきょく)即ち肛門の所を魄門(はくもん)と言います。
肛門は肺大腸経の主りになり、魄もまた然りである。

〔原文〕故曰七衝門也.
〔訓読〕故に七衝門と曰う也り。
〔解説〕以上のように七つの重要な門がありこれらを七衛門と名付けた訳です。

〔解説補足〕
『類経 』では、これに命門と期門を合わせて「九門 」と言 っています。
命門は精血の門として前陰の中にあり、女子は膣口、男子は尿道口になります。
気門は小便の出る門で尿道口に当る。

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