四一難

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難経第四十一難

     ank041

ゆっくり堂の『難経ポイント』第四十一難


※ 四十一難のポイント其の一は、
肝の臓器は左右二つの両葉の形をしていて、これについて陰陽五行論より説明が展開されています。

※ 四十一難のポイント其の二は、
〔井上恵理先生の四十一難解説補足から、〕
左右の肝は、肝は血を主る点から、古代では脾臓を左肝とみていたので二葉の形と認識していた。

※ 難経四十一難臨床&エトセトラより。

井上恵理先生の四十一難解説から、季節の変わり目の体調変化を考える。

春は病気が発生しやすい時期である。花粉症は現代人の虚弱体質への警告でもあるかもしれません。
人間の新陳代謝が最も盛んな季節は夏であり、最も沈滞するのが冬である。
そして、冬から春に季節がめぐり、草木が芽吹き、人の身体もハツラツとしてくる季節です。
最も気候の良い春に到って何故か病気が多発しますね。花粉症しかりです。
機能が静かな冬から機能が亢進してくる春、この季節に順応する、季節に調和する力が無い、あるいは季節に順応調和する力が弱い者が病気を発生しやすい訳です。

健康な人、即ち五臓六腑、十二経絡が日常的に整い調和している人は病気に成らない事に成ります。

鍼灸師にとって、
「慢性病改善治療と未病治療」は国民の健康維持に大きく貢献する大事な仕事だと思います。


難経 第四十一難 原文

(『難経』原本は底本:『難経』江戸・多紀元胤著、『黄帝八十一難経疏証』(国立国会図書館所蔵139函65号)オリエント出版、難経古注集成5(1982年)に影印)を参考にしています。

四十一難曰.
肝獨有兩葉.以何應也.
然.
肝者東方木也.木者春也.萬物始生.其尚幼小.意無所親.
去太陰尚近.離太陽不遠.猶有兩心.
故有兩葉.亦應木葉也.

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四十一難の訓読

(井上恵理先生の訓読・解説:経絡鍼療(452号)と本間祥白先生の解説、福島弘道先生の解説を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)

四十一の難に曰く。
肝独り兩葉有り、何を以って応ぜんや。
然るなり。
肝は東方の木、木は春なり、万物始めて生ず、其れ尚幼少にして、意親しむ所ろ無し、
太陰を去ること尚近く、太陽を離るるも遠からず、猶(なお)兩心有るごとし、
故(ゆえ)に兩葉有り、亦(また)木葉に応ずるなり。


詳しくは各先生の文献を参照されたし。
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四十一難の解説

(井上恵理先生の解説:経絡鍼療(452号)と本間祥白先生の解釈、福島弘道先生の解釈を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)

四十一難の解説をします。

肝の臓器は左右二つの両葉の形をしているが、これについて陰陽五行論より説明しなさい。
〔井上恵理先生の四十一難解説補足から、〕
左右の肝は、肝は血を主る点から、古代では脾臓を左肝とみていたので二葉の形と認識していた。

お答えします。

肝を五行理論から考えると、方位は東方になり、木の性質があり、木は季節では春になる。
春になると草木が芽生えは始めてくる。これらは幼少で虚弱である。従ってその意志も弱く頼る所もなく、また左右二つあるものは親しむことが無いとも言われる。

太陰とは冬の季節を言い。太陽とは夏の季節を言い。この夏と冬の間に肝の春は有るのだと、だから肝には冬と夏の両方の心も反映している。

それはあたかも木の葉が左右に分かれて発育成長する姿にも似ていると。


詳しくは各先生の文献を参照されたし。
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    四十一難の詳細解説

(井上恵理先生の訓読・解説:経絡鍼療(452号)と本間祥白先生の訓読・解釈、福島弘道先生の訓読・解釈を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)詳しくは各先生の文献を参照されたし。

山口一誠の考察により原文・訓読・解説(解説補足)の順に文章を構成します。

〔原文〕四十一難曰.
〔訓読〕四十一の難に曰く。
〔解説〕四十一難の解説をします。

〔原文〕肝獨有兩葉.以何應也.
〔訓読〕肝独り兩葉有り、何を以って応ぜんや。
〔解説〕肝の臓器は左右二つの両葉の形をしているが、これについて陰陽五行論より説明しなさい。
〔井上恵理先生の四十一難解説補足から、〕
左右の肝は、肝は血を主る点から、古代では脾臓を左肝とみていたので二葉の形と認識していた。

〔原文〕然.
〔訓読〕然(しか)るなり。
〔解説〕お答えします。

〔原文〕肝者東方木也.木者春也.萬物始生.其尚幼小.意無所親.
〔訓読〕肝は東方の木木は春なり、万物始めて生ず、其れ尚幼少にして、意親しむ所ろ無し、
〔解説〕
肝を五行理論から考えると、方位は東方になり、木の性質があり、木は季節では春になる。
春になると草木が芽生えは始めてくる。これらは幼少で虚弱である。従ってその意志も弱く頼る所もなく、また左右二つあるものは親しむことが無いとも言われる。

〔原文〕去太陰尚近.離太陽不遠.猶有兩心.
〔訓読〕太陰を去ること尚近く、太陽を離るるも遠からず、猶(なお)兩心有るごとし、
〔解説〕
太陰とは冬の季節を言い。太陽とは夏の季節を言い。この夏と冬の間に肝の春は有るのだと、だから肝には冬と夏の両方の心も反映していると。

〔原文〕故有兩葉.亦應木葉也.
〔訓読〕故(ゆえ)に兩葉有り、亦(また)木葉に応ずるなり。
〔解説〕それはあたかも木の葉が左右に分かれて発育成長する姿にも似ている。

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