三二難

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難経第三十二難

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ゆっくり堂の『難経ポイント』 第三十二難

※ 三十二難のポイント其の一は、
心と肺が横隔膜の上に位置する。その理由についての論述である。

※ 難経臨床&エトセトラより。・・・・・・

「気血」は父母より享けた先天の栄養であり、
これと飲食物の消化吸収された栄養分と合わさり後天の気「榮衞の気」となる。
この、榮衞の二気が十二経絡を通行している。

 難経 第三十二難 原文

(『難経』原本は底本:『難経』江戸・多紀元胤著、『黄帝八十一難経疏証』(国立国会図書館所蔵139函65号)オリエント出版、難経古注集成5(1982年)に影印)を参考にしています。

三十二難曰.
五藏倶等.而心肺獨在膈上者.何也.
然.
心者血.肺者氣.
血爲榮.氣爲衞.
相隨上下.謂之榮衞.
通行經絡.營周於外.故令心肺在膈上也.

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 三十二難の訓読

(井上恵理先生の訓読・解説:経絡鍼療(443号)と本間祥白先生の解説、福島弘道先生の解説を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)

三十二の難に曰く。
五臓倶(とも)に等く、心肺独り膈上(かくじょう)に在るものは、何んぞや。
然るなり。
心は血、肺は氣、
血は榮となし、氣は衞となす、
相隨って上下す、之を榮衞と謂う。
経絡を通行し、外に營周す、故に心と肺をして膈上に在らしむなり。


詳しくは各先生の文献を参照されたし。
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三十二難の解説

(井上恵理先生の解説:経絡鍼療(443号)と本間祥白先生の解釈、福島弘道先生の解釈を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)

三十二難の解説をします。

肝心脾肺腎の五臓はそれぞれ重要な役割があるが、
横隔膜の下に肝脾腎があり、横隔膜の上に心と肺が位置するがその訳を説明しなさい。

お答えします。

心は血を主り、肺は氣を主り、血は榮気であり、氣は衞気である。
「気血」は父母より享けた先天の栄養であり、
これと飲食物の消化吸収された栄養分と合わさり後天の気「榮衞の気」となる。

後天の気、榮衞の二気は随伴して内外の十二経絡を上下に營周通行している。
故に心と肺は横隔膜の上にある様に出来ているのだと。

詳しくは各先生の文献を参照されたし。
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三十二難の詳細解説

(井上恵理先生の訓読・解説:経絡鍼療(443号)と本間祥白先生の訓読・解釈、福島弘道先生の訓読・解釈を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)詳しくは各先生の文献を参照されたし。

山口一誠の考察により原文・訓読・解説(解説補足)の順に文章を構成します。

〔原文〕三十二難曰.
〔訓読〕三十二の難に曰く。
〔解説〕三十二難の解説をします。

〔原文〕五藏倶等.而心肺獨在膈上者.何也.
〔訓読〕五臓倶(とも)に等く、心肺独り膈上(かくじょう)に在るものは、何んぞや。
〔解説〕
肝心脾肺腎の五臓はそれぞれ重要な役割があるが、
横隔膜の下に肝脾腎があり、横隔膜の上に心と肺が位置するがその訳を説明しなさい。

〔原文〕然.
〔訓読〕然(しか)るなり。
〔解説〕お答えします。

〔原文〕心者血.肺者氣.血爲榮.氣爲衞.
〔訓読〕心は血、肺は氣、血は榮となし、氣は衞となす、
〔解説〕心は血を主り、肺は氣を主り、血は榮気であり、氣は衞気である。
気血は父母より享けた先天の栄養であり、
これと飲食物の消化吸収された栄養分と合わさり後天の気「榮衞の気」となる。

〔原文〕
相隨上下.謂之榮衞.
通行經絡.營周於外.
故令心肺在膈上也.
〔訓読〕
相隨って上下す、之を榮衞と謂う。
経絡を通行し、外に營周す、
故に心と肺をして膈上に在らしむなり。
〔解説〕
後天の気、榮衞の二気は随伴して内外の十二経絡を上下に營周通行している。
故に心と肺は横隔膜の上にある様に出来ているのだと。

 

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