二五難

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難経二五難

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ゆっくり堂の『難経ポイント』  第二十五難

※ 二十五難のポイント其の一は、十一臓腑に対して十二経絡と言うものになると。

※ 二十五難のポイント其の二は、「火」の中には二つの経絡が配当されている。
※ 二十五難のポイント其の三は、

「火経」は「本心経(君火心経)の少陰心経」と別脉の「心主の厥陰心包経」である。

※ 難経臨床&エトセトラより。・・・・・・

〔井上恵理先生の難経解説から〕

1939年(昭和十四年)
日本で経絡鍼灸の理論と法則が世界で始めて確立されました。
そのとき、難経二十五難の臨床理論を取り入れて、
診断には「心」を使って治療には「心包」を使うと言う法則を立てた。

 難経 第二十五難 原文

(『難経』原本は底本:『難経』江戸・多紀元胤著、『黄帝八十一難経疏証』(国立国会図書館所蔵139函65号)オリエント出版、難経古注集成5(1982年)に影印)を参考にしています。

二十五難曰.
有十二經.五藏六府十一耳.其一經者.何等經也.
然.
一經者.手少陰與心主別脉也.
心主與三焦爲表裏.倶有名而無形.
故言經有十二也.


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二十五難の訓読

(井上恵理先生の訓読・解説:経絡鍼療(439号)と本間祥白先生の解説、福島弘道先生の解説を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)

二十五の難に曰く。
十二経有り、五藏六府は十一のみなり、其の一経は、何等の経なるや。
然るなり。
一経は、手の少陰と心主と別脉なり。
心主と三焦と表裏えおなす、倶(とも)に名有って形無なし、
故に経に十二有りと言うなり。


詳しくは各先生の文献を参照されたし。
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 二十五難の解説

(井上恵理先生の解説:経絡鍼療(439号)と本間祥白先生の解釈、福島弘道先生の解釈を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)

二十五難の解説をします。

経絡は十二あるのに、五藏六府と言って十一しかないではないか。
其の一経は、何れの経絡になるのか説明しなさい。

お答えします。

五行の木火土金水の「火」の中には二つの経絡が配当されている。
「火経」は「本心経(君火心経)の少陰心経」と別脉の「心主の厥陰心包経」である。

〔解説補足〕
よって、十一臓腑に対して十二経絡と言うものになると。

「心主の厥陰心包経」は表の臓であり、裏は腑の小陽三焦経になる。
この臓腑(表裏)は名称はあるが、形態が無いが。
経絡の臨床法則からは十二経絡として取り扱う。


詳しくは各先生の文献を参照されたし。

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二十五難の詳細解説

(井上恵理先生の訓読・解説:経絡鍼療(439号)と本間祥白先生の訓読・解釈、福島弘道先生の訓読・解釈を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)詳しくは各先生の文献を参照されたし。

山口一誠の考察により原文・訓読・解説(解説補足)の順に文章を構成します。

〔原文〕二十五難曰.
〔訓読〕二十五の難に曰く。
〔解説〕二十五難の解説をします。

〔原文〕有十二經.五藏六府十一耳.其一經者.何等經也.
〔訓読〕十二経有り、五藏六府は十一のみなり、其の一経は、何等の経なるや。
〔解説〕
経絡は十二あるのに、五藏六府と言って十一しかないではないか。
其の一経は、何れの経絡になるのか説明しなさい。

〔原文〕然.
〔訓読〕然(しか)るなり。
〔解説〕お答えします。

〔原文〕一經者.手少陰與心主別脉也.
〔訓読〕一経は、手の少陰と心主と別脉なり。
〔解説〕
五行の木火土金水の「火」の中には二つの経絡が配当されている。
「火経」は「本心経(君火心経)の少陰心経」と別脉の「心主の厥陰心包経」である。

〔解説補足〕
よって、十一臓腑に対して十二経絡と言うものになると。

〔原文〕
心主與三焦爲表裏.倶有名而無形.
故言經有十二也.
〔訓読〕
心主と三焦と表裏えおなす、倶(とも)に名有って形無なし、
故に経に十二有りと言うなり。
〔解説〕
「心主の厥陰心包経」は表の臓であり、裏は腑の小陽三焦経になる。
この臓腑(表裏)は名称はあるが、形態が無いが。
経絡の臨床法則からは十二経絡として取り扱う。

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二十五難の宿題

※ 井上恵理先生の二十五難解説を参考にして「心包と三焦」を考察する。

※ 六部定位診(ろくぶじょういしん)における「心包と三焦」を考察する。

右手尺中の配当の「心包と三焦」&「命門と三焦」の事。

私(山口一誠)にとって、

宿題だらけの難経二十五難ですが、

臨床施術では、三焦経のラインを水平鍼で皮膚の気を整えると、

患者様からは気分も身体もスッキリしたと言われます。

柳下登志夫先生の臨床考察
「経絡治療学原論上巻臨床考察‐基礎・診断編」
頁:79・平成15年6月 収録よりの抜粋。

「心火の変動」より。

東洋思考で「気」の特性に合致した腑は三焦経である。
三焦は働きがあって形が無いという東洋思考で「気」の特性に合致した腑である。
治療の現場では活用の範囲が広く、あまり証に拘らないで用いることができる。

全身の機能は心包によって支配され、その原気(元気)は三焦によって全身にもたらされる。
三焦の原気は、脾胃により生じた営衛に腎の臓から受けた先天の原気が混じともので、これこそ生命現象の源と言って良いだろう。
三焦の気の不足は、寒冷に繋がり衣服を重ね着しても寒く、クーラー・扇風機・涼風を嫌う。
これに対し気余れば熱感し、しばしば気血共に実証に繋がる恐れがある。
前者後者よろしき補瀉を持って未病を防ぐ。
http://yukkurido.jp/keiro/bkb/c102/c205/

 

 

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