鍼灸治療例
「頭位置変換性の眩暈」の鍼治療 ti026が親
3年越しの眼の痛み改善例
82歳、女性。
- 病状:
3年前より目の痛みが出だしました。
年々痛みが増して最近は毎日まぶたが腫れあがり、結膜(白目部分)が全面充血しています。
ピンクのケバケバしたささくれた絨毯様の充血です。
強い痛みの為に目を大きく開くことが出来ません。
目の痛みが強くなると側頭部、後頭部も痛みだします。 - 3年来、
何件もの眼科で治療を受けましたが改善していません。
脳外科の検査も受けましたが原因は不明とのこと。 - お孫さんが懇意にされている鍼灸院の先生から、
祖母様の症状を改善するのは「脉診の出来る鍼灸院」でなければ無理だろうとのアドバイスを受け、
その母親がHPを検索され当院に同伴し来院されました。 - 人は年を重ねるほどに経験を積み人生についての悟りも多くなるといわれますが、
鍼灸治療に来院される高齢者の患者さんを診ていますと、そうでもないですね。
治療家に穏かに対応される高齢者ほど繊細な心を持っておられて面に感情を露わにはされませんが、その心情はとてもデリケートで敏感です。
そして病状の悪化と共に老後の不安を抱えていらっしゃいます。
治療家はそのような状況に置かれている患者さんの気持ちを推し量ることが大切だと思います。 - 診察しますと、
脉状は沈数実脉で、比較脉診では肺脉虚・肝脉実です。
また腹部、左肝の積(しゃく)肥気の硬結あり。また左肺乾燥して艶なし。
問診から推し量り肺の虚、不安あり。 - 証決定は肺虚肝実証に弁別して、即治療に入りました。
- 右肺経の兪土原母穴、太淵穴に垂直補鍼の補法を施し、
母経の脾経、太白穴に同じく垂直補鍼の補法を施し、
左肝経の太衝穴に瀉法を施し本治法を終了。
本治法に一針ごとに険脉と腹診をして、脉状を皮膚の状態に応じた処置をしました。 - 標治法は、
仰臥位で鎖骨上部から首、顔面の陽経終始穴に極めて軽い垂直補鍼。
左右側臥位にて陽経の原穴に垂直補鍼。後頭部から足部まで水平皮気鍼を施し気の流れを良くします。
腹臥位にて後頭部から足部まで水平皮気鍼を施し気の流れを良くします。 - 週に2回来院され、治療4回目で目の痛みが改善して読書が出来たとお喜びの声を頂きました。
毎日痛んで涙が出て苦しかった。まだ二日に一回は痛みだすが痛み半減しているとのこと。
今後とも宜しく治療をお願いしたいとのこと。 - 笑顔で、眼も開いて充血も消えて黒い瞳に純白の結膜に成っています。