ぎっくり腰
ゆっくり堂鍼灸院の病気の改善例(24)
鍼灸治療例 小項目 番号 ti024
※ 今回の症例の後に「腰痛症改善の参考資料」を書いています。
これを読んでもらえると「ぎっくり腰」の予防になると思います。
治療例 (24):ぎっくり腰
患者様プロフィール: 女性 43歳
来院年月:2014年11月
病状の特徴と経過:
今日の朝、洗濯物を干そうとして横に置いた洗濯籠から
タオルを持ち上げた瞬間腰に激痛が走り腰が痛みだした。
洗濯ものもそのままにして、タクシーにて来院されました。
過去の病歴:
子宮筋腫に伴う貧血、生理痛で来院され改善をされました。
以後は健康維持と美肌の目的で定期的に来院されています。
ゆっくり堂では来院された患者様に急性病の心得をお知らせしています。
急性のギックリ腰、のどの痛み、せき、頭痛、そして初期の帯状疱疹(ヘルペス)などの
急性症状が発症した時には直ぐに、ご来院ください。
急性病の時ほど鍼灸治療は病状を早く緩解させます。と・・・
治療の予測:
ぎっくり腰症状がでて直ぐに来られましたので治療効果も早く、再来院回数も少なく緩解すると思われます。
漢方診断と施術内容:
痛みは前屈で増悪します。腹部はつやなく虚して軟弱です。背部は緊張して、腰部は脾兪から腎兪辺りが虚しています。
証決定は切経と脈診から「肺虚肝実」として、
本治法は精気を補い、気の流れを循環させる手法を行ないました。
標治法として、
側腹部の実所見を瀉法、腹部の虚を補法、腸骨そけい靭帯付着部辺りの虚実補瀉法、
臀部から背腰部、頸部の面的虚実補瀉法、ひざ裏の虚実補瀉法、足底の陰陽点の虚実補瀉法をおこないました。
立位になってもらい前屈をしてみますと、当然ですが痛みが残っていますので、
痛む部に鍼をあて運動鍼を施し、険脉して今日の治療を終了しました。
患者様へのアドバイス:
腰の筋肉に負担をかけない為と腹部に力を補う為にサラシを巻くように指示しました。
また、物を持ち上げる時の注意点として、
「ぎっくり腰」の予防方法は「物」の軽重を身体で測る事の話をしました。
(詳しくは腰痛症改善の参考資料をご覧ください。)
その後、連続3日来院され完治されました。
ゆっくり堂鍼灸院の病気の改善例(24)
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※ 今日はここからが大事だと思います。
腰痛症改善の参考資料として、
私の尊敬する有本先生から、「ぎっくり腰」の治療を受けながら拝聴した腰痛のお話をランダムに述べます。
もう一つは、経絡の変動について、kt支部の先生たちの発表から「腰」分類実践例を掲載します。
参考になれば幸いです。
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追記1、「ぎっくり腰、考察」
2014年5月8日、私は有本先生から「ぎっくり腰」改善の治療を受けました。
もう何度「ぎっくり腰」をやっていることでしょうか。
「ぎっくり腰、考察」とタイトルを付けていますが、
「思いついた事」をランダムに書き出しただけの文章です。
1、有本先生の証決定は「肺虚肝実」でした。
2、有本先生の教えから、
ぎっくり腰の起こる原因は、
2-2、「身体で物を測る」事をしないから発生するとの事。
2-3、物を持ち上げる時、その物の軽重を目で判断するから、失敗が起こる。
2-4、目測を誤り、軽いものを重いものを持つ体制で持ち上げると肩すかしの状態になり身体の気のバランスが崩れる。
また、
重いものを軽く見て持ち上げるとこれこそ腰にズンと負担が掛かるそして、身体の気のバランスが崩れる。
3、「ぎっくり腰」の症状から。
3-2、靴下が履けない、腰が曲がらない大腿、股関節が硬直して、背腰部に痛みが出る。
3-3、トイレで肛門を拭くのに往生する。腰が曲がらない、背腰部に痛みが出る。
3-4、腰が曲がらない原因の一つは腹部の筋肉に力が入らない為である。
3-5、仰臥位で膝を立て腰を上げようとしても上がらない、腹部の筋肉に力が入らない為である。
3-6、任脈の気が損傷しているのである。
4、パソコン入力作業は気の損傷があるので、「ぎっくり腰」をさらに増悪させる。
5、死体は精気が全てなくなっている。
人間が生きているのは精気が身体の中を1日に50回、30分に1回転12経絡を巡るからである。
6、ここまでのまとめ。
「ぎっくり腰」は物の軽重を測り間違い「気」の損傷をきたし、
気の主りである任脈の腹部の気が主に損傷されて起こる病態である。
7、「ぎっくり腰」の経絡治療としては、
本治法に於いて精気を補い、気の流れを循環させる手法が良い。
7-2、腰痛の標治法:
有本先生式腰痛改善標治法:
1、足底の陰陽点の虚実補瀉法、
2、アキレス腱からひざ裏までの虚実補瀉法、
3、臀部から背腰部、頸部の面的虚実補瀉法、
4、ムノ部、腸骨そけい靭帯付着部辺りの虚実補瀉法、
8、「ぎっくり腰」になり易い人のタイプは、
少しだけ次の傾向のある人が
「ぎっくり腰」になり易い人のタイプです。
少しだけですよ。
思慮浅く行動する人、気分で行動する人、慢心の人、我ままな人、思慮分別が幼い人、
気移りしやすい人、飽きぽい人、怒りやすい人、天狗になり易い人、理屈っぽい人、
思い込みの強い人、虚勢を張る人、妄想竹の人、謙虚さに欠ける人、驕気(きょうき)の人、などでしょうか。・・・ほとんど私自身の事ですが。。。
9、五行論から考えると、
例1、
本性は腎タイプで腎と心の相剋のバランスが崩れ、物の計算が不明瞭になると、
相生「金生水」腎水の母、肺が虚して肺虚肝実の証となるとか。
例2、
本性は脾タイプで不外内因の暴飲暴食と働きすぎ、遊びすぎ、アルコールの飲みすぎ、
胃腸を冷やす飲み物食べ物の過食などで、身体に無理を強いる活動をした為、
相生「土生金」脾土実し、その子の肺が虚して肺虚肝実の証となるとか。
10、「ぎっくり腰」の予防方法は「物」の軽重を身体で測る事です。
これは物だけに限らず、「物と者と事」の軽重を身体と心で測ることだと思います。
以上
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追記2、「ぎっくり腰考察」五行変動からの分類考。
kt支部の先生たちの発表から「腰痛症」分類。
1、肝木の変動にともなう「腰痛症」分類。
前かがみ(前屈)で腰痛が悪化(肝経)。
腰を回すと腰痛が悪化(胆経)。
寝返りが困難(肝実)。
下肢にかけての痛みを伴う。
側腹部にかけて痛む。
2、心火の変動にともなう「腰痛症」分類。
背中から腰にかけて痛む。
3、脾土の変動にともなう「腰痛症」分類。
睡眠中、痛みで目が覚める。
仙骨や仙腸関節が痛む。
4、肺金の変動にともなう「腰痛症」分類。
風邪を引いて腰痛になった。
寝返りが困難。
じっとしていても腰痛を覚える。
5、腎水の変動にともなう「腰痛症」分類。
生理痛。生理不順。おりもの。生理の量が多い。生理の量が少ない。
肩や背中がの重だるさ。
後屈での痛み。
下肢にかけての痛み。
以上
ゆっくり堂鍼灸院 山口一誠
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