聞診

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   聞診(ぶんしん)

                                                                                       項目 番号 b102

   聞診における五音・五声・五香の表

五臓 五行 肝木 心火 脾土 肺金 腎水
 五音  カク  チ  キュウ ショウ  ウ
 発声法 舌音
タ行
歯音
サ行
 喉音
ア行
顎音
カ行
唇音
マ行
 長短
高低
清濁
ともに中位 短く
高く
清い
極長く
低く
濁る
長く
低く
濁る
極短く
高く
清い
一音階低い
 音階
一音階低い
 五声   つぶやき言 呻く
  五香 若枝の油臭 こげ臭い 生臭い
 臊(そう)  焦(しょう)  腥(せい) 腐 ふ

聞診は聴覚と臭覚により診断を行います。

聴覚によって音を聞き分け診断する方法と、
臭覚によって香りや臭いを分別して診断する方法です。

聴覚のポイント。
五音と五声が「五臓五行」の同じグループに入って調和していれば治療は良候に進みます。
しかし、これが相剋する時は治療は悪候(難しく)なります。
また、その声に艶と力があり、正しい発声は良候です。反対に声に艶と力がなく、不整な
発声は悪候です。

その他の聞診の対象について。
① 咳嗽(がいそう)は主として肺の変動・脾の変動に分類されます。
声あって痰なきを「咳」と言い、主として肺の変動になります。
痰あって声なきを「嗽(しわぶき)」と言い、主として脾の変動になります。
② 喘鳴(ぜんめい)は主として気虚に属し、小児や老人に多く現れます。
③ 譫語(せんご)は無意識に出る言葉、つぶやき、うわごとです。これは神気の変動によって発現します。
④ シャックリは主として脾の変動になります。力のあるシャックリは良候、力なく胸中に留まるものは原気虚損、腎の変動に属し悪候です。
⑤ 振水音、腹中雷鳴は脾胃の異和によって生じる所見です。

五行の解説図。

b102-1

相克は死臭、死音を現します。 矢印は相剋関係です。

b102-2

臭気に関する診察法について。

臊(そう)あぶらくさい(肝木)焦(心火)香(脾土)腥(肺金)腐(腎水)を中心に五臓六腑の異和と変動を考えます。

その対象となるのは体臭、口臭、大便、小便、生理血、その他身体からの分泌物の臭いを嗅ぎわけ分別します。
このうち臭気でも不快な感じを与えない、飲食物、自然の臭い・香りは良いものです。
ここで扱えう臭気は身体の調和が崩れた特に出る臭いを取り上げています。
このうち最も嫌悪されるものが「死臭」です。
そして、単独での臭気は病気の改善は良候に進みますが、相剋に臭いが混合されるものは悪候です。

 

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