望診
項目 番号 b101
望診とは、身体を見ることで診断する方法です。
望診には、十二経絡流注の虚実を診ることや、 顔面診、尺部診、腹診、舌診などがあります。
望診のポイント。
皮膚の色の生気を診ます。(虚実の判定)
皮膚の艶・光沢・病的変化、五色(生色、死色)の分別が重要です。
これは、病気の軽重や虚実の判定になります。
具体的には、
その部の色を「青、赤、黄、白、黒」の五色に分別して診ます。
また、傷、手術痕、白い斑。 粉をふいた部位。
赤い斑点。 シミ。 ホクロ。大きいホクロの際。 シワの先端。 シワの交点。
毛穴、毛並み、毛の立つ方向、体毛のない部位。
などをも診ます 。
① 十二経絡流注の虚実診:どの経絡に問題が出ているかを診ます。
② 顔面診:顔の皮膚の色で診断を行う方法です。
③ 尺部診:前腕前面の皮膚の色を見て診断する方法です。
④ 腹診:肝心脾肺腎の診所を観察(望診)し切診します。
⑤ 舌診:舌の色や、舌苔を観察して診断する方法です。
診察室に患者様が入室した時から「望診」は始まっています。
体格:筋肉質・痩せ・中肉・肥満・
栄養状態:良否。
動作:遅速、身体の動かし方。
雰囲気:精神状態。
① 十二経絡の変動:
経絡上に沿って、視覚的に捕らえるポイント。
五色の分別はもちろんのこと、
白い斑。 粉をふいた部位。 赤い斑点。 シミ。 ホクロ。
大きいホクロの際。 シワの先端。 シワの交点。
毛穴、毛並み、毛の立つ方向、体毛のない部位。
などを診ます 。
② 顔面診:
目の間手面範囲・色・艶・生理的か病的変化識別、五色の分別が重要です。
③ 尺部診:
前腕前面の皮膚は身体の中で最も自然な色を保つ所ですので、
ここに、色・艶・肌の肌理、病的変化、五色が現れます。
④ 腹診:肝心脾肺腎の腹部の診所を観察(望診)しその後、切診します。
⑤ 舌診:舌の色や、舌苔を観察して診断する方法です。
舌の痺れ、痛み、強張り(部位)・喋りにくい・
舌質:。
舌型:。
舌苔:(部位)
歯根:(部位)
舌裏静脈:怒張
などを診ます。
望診のポイント 2.
① 【 望診とは、「形(かたち)・色を診るに止まらず、患者の動作も観察する。】
② 【望診は直立自然体での観察から・・】
まず体表部における陰部・陽部の観察を行う場合は、
患者を直立させ、上肢は自然に区間の両側に垂らす。
つまり手掌は区間に向かうようにする。
この姿勢は上肢と下肢の陰陽部分が同じ方向に向くためである。
③ 【 その人本来の元気で健康な患者固有の色を想像して違いを診る 】
患者固有の色を想像し、今見ている色とどう違うのか。
また、形・大きさ・左右・上下これらは手足の先に至るまで観察し、
続いて身体全体や部分的な動きを診断する。
これらは診断にとどまらず、
施術後の結果を知る上でも参考になる。
④【 経絡の変動は径に沿って、皮膚に現れている。】
経絡上に並ぶ(例えば肺経、胃経、三焦経など)の虫刺され、
血絡細絡の目で見る観察情報は、経絡の変動であることは一目瞭然である。
⑤ 【 術者の判断が一番、治療は術者の主体的、主導権のもとで行う 】
経絡施術者の主体的判断をなす。
患者からの問診よりも純粋な情報になる。
———————
-参考文: 柳下登志夫 先生-
【診断・治療、総論: 五行体質について。】
素質〔五行体質〕を陰陽五行説によって考える時、まず陰性〔虚証〕体質と陽性〔実証〕体質に分け、続いて五行的体質を合わせ加える事になるが、―― それらは一人の人間に当てはめる条件で、ここでは双方共に論じ、進め方は経絡治療学原論に従い五臓の色体表を基にして行う。
1、肝木体質
治療室への出入り、衣服の脱着も早く、周囲を意識しない。
脉診をしようとすると自分から手を出すか、
術者の動きに合わせず手を動かさない。
問診中、術者の質問事項に加えて自分の考え方や感じも訴える等々・・
陽性〔実証〕体質者は、病状があっても我慢するか、
逆にテレビや健康雑誌を信じて実行し、
病気を悪化させる場合がある。
陰性〔虚証〕体質の患者は、血色が悪く、病気を悪い方にばかり考えたり、
わが身の不運を嘆き、
気の病、脳神経障害等にも罹りやすい。
眼・筋・爪に病邪を受ける事が多い。
柳下 登志夫 先生 語録集 経絡治療学原論上巻臨床考察‐基礎・診断編‐
頁:94・平成15年11月 収録