経穴と主治、足の少陰腎経 8r

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経穴と主治、足の少陰腎経(27穴)

                                      経穴と主治、8r

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経穴目次、8ルート:足の少陰腎経(27穴)

、☆記号は『鍼灸重宝記』で取り上げている経穴です。

経穴名

1湧泉(ゆうせん) ☆
2然谷(ねんこく) ☆
3太谿(たいけい)  ☆
4大鐘(だいしょう) ☆
5照海(しょうかい) ☆
6水泉(すいせん)  ☆
7腹溜(ふくりゅう) ☆
8交信(こうしん)  ☆
9築賓(ちくひん) ☆
10陰谷(いんこく) ☆
11横骨(おうこつ)
12大赫(だいかく)
13気穴(きけつ)
14四満(しまん)
15中注(ちゅうちゅう)
16肓兪(こうゆ)
17商曲(しょうきょく)
18石関(せきかん)    ☆
19陰都(いんと)     ☆
20腹通谷(はらつうこく) ☆
21幽門(ゆうもん)    ☆
22歩廊(ほろう)
23神封(しんぽう)
24霊墟(れいきょ)
25神蔵(しんぞう)
26彧中(いくちゅう)
27兪府(ゆ ふ)

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参考:五要穴等の取穴文章と取穴写真図

ゆっくり堂鍼灸院の取穴文章と取穴写真図を掲載します。
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経穴と主治詳細、8ルート:足の少陰腎経(27穴)

1、文一行目は鍼灸学校にての流注番号、経穴名、所属経絡、取穴部位の記載です。

注2、『鍼灸重宝記』の経穴と主治は、

経穴名:
取穴:
灸法:
針法:
主治:
の順に掲載します。

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1 湧泉(ゆうせん) 井木穴 ・ 所属経絡:足の少陰腎経 ・ 取穴部位:足底中央の前方陥中で、足指を屈すると最も陥凹する部に取る.

『鍼灸重宝記』 湧泉 ゆうせん (二穴)

取穴: 足掌の中、跪坐(きざ:ひざまずいて座る)して足を仰け、指を捲屈(まげかが)て点す。
灸法:灸三壮。
針法:針三分五分、血を出すことなかれ、
主治:
尸厥(しけつ:突然倒れて人事不省となり仮死状態になる) 、 心痛、 自明ならず、 目眩、 五指ことごとく痛むを治。

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2 然谷(ねんこく) 栄火穴 ・ 所属経絡:足の少陰腎経 ・ 取穴部位:内果の前下方、舟状骨粗面の直下に取る.

『鍼灸重宝記』 然谷 ねんこく (二穴)

取穴: 足の内踝の前、大指の本節の後への側ら通りに起骨あり、その骨の下に点す。
灸法:灸三壮。
針法:針三分、留ること三呼、刺し血を出すことなかれ、
主治:
足痿(なえ)しびれ、男子精泄やすく 、婦人子なく 、陰戸出、月水調ず、小児の臍風(さいふう:新生児破傷風)、口噤むを治す。

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3 太谿(たいけい) 兪土原 ・ 所属経絡:足の少陰腎経 ・

取穴部位:内果の最も尖ったところの高さで、内果とアキレス腱の間陥凹部、動脈拍動部に取る.

『鍼灸重宝記』 太谿 たいけい (二穴)

取穴: 足の内踝の後へ五分、跟骨(かかと骨)の上、動脉ある処。
灸法:灸三壮。
針法:針三分、
主治:
久瘧(きゅうぎゃく:慢性の瘧、「おこり」病)籍、 心痛、足冷痿(なえる)、 喘息、痰実して口中滑るを治す。

瘧(おこ)りとは、
南北病証論 六、瘧論 (ぎゃくろん)井上恵理 先生の解説と言葉の意味:
詳しくはリンクしてご覧ください。
http://yukkurido.jp/keiro/bkb/mk/6gy/

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4 大鐘(だいしょう) 絡穴 ・ 所属経絡:足の少陰腎経 ・ 取穴部位:太谿穴の下5分で踵骨上際、アキレス腱の前陥凹部に取る.

『鍼灸重宝記』 大鐘 だいしょう (二穴)

取穴: 内踝の後へ跟骨(かかと)の上廉(うえかど)、跟と踝(くるぶし)との中央に点す。
灸法:灸三壮、
針法:針二分、留ること七呼。
主治:嘔吐、ぜんそく 、 りんびゃう 、 舌こはり 、膈嘻(かくき:横隔膜がああ~)、を治す。

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5 照海(しょうかい)  所属経絡:足の少陰腎経 ・ 取穴部位:内果の直下1寸に取る.

『鍼灸重宝記』 照海 しょうかい (二穴)

取穴: 足の内踝の前の下一寸。
灸法:灸三壮七壮。
針法:針三分、
主治:おこり、疝気、手足力なく 、陰湿りかゆく 、 月水ととのはざるを治。

瘧(おこ)りとは、
南北病証論 六、瘧論 (ぎゃくろん)井上恵理 先生の解説と言葉の意味:
詳しくはリンクしてご覧ください。
http://yukkurido.jp/keiro/bkb/mk/6gy/

疝気とは、男子が気の結ぼれから病気になる事です。男は下腹にしこりがない、ただ痛む。腸疝痛・正経の痛み・腰腹神経痛などです。

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6 水泉(すいせん) 郄穴 ・ 所属経絡:足の少陰腎経 ・ 取穴部位:太谿穴の下1寸で、踵骨隆起の前、陥凹に取る.

『鍼灸重宝記』 水泉 すいせん (二穴)

取穴: 太谿(たいけい) 後にみゆの下一寸ばかり 、内踝の後への下。
灸法:灸五壮。
針法:針四分、
主治:
目とをく見ること能(あた)はず、小便淋瀝(しょうべんりんれき:小便がしたたり排尿痛)、婦人の月水通ぜず 、通ずるときは心下悶え痛むを治す。

淋 (りん), 淋は膀胱や尿道などにカンジタ菌、淋菌、ブドウ球菌、連鎖球菌などの菌が原因の 排尿痛、頻尿

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7 腹溜(ふくりゅう) 経金穴 ・ 所属経絡:足の少陰腎経 ・ 取穴部位:太谿穴の上2寸で、アキレス腱の前に取る.

東洋はり医学会の取穴部位:太渓穴の上方2寸、アキレス腱の前縁にあり。

『鍼灸重宝記』 腹溜 ふくりゅう (二穴)

取穴: 内踝の後への通り踝の上二寸。
灸法:灸五壮七壮。
針法:針三分、
主治:
腸鳴、痢病、鼓腸(腹部が膨満し、太鼓のように張る病)、 胃熱虫を動し、 涎(よだれ)を出し、血痔を治す。

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8 交信(こうしん) 所属経絡:足の少陰腎経 ・ 取穴部位:腹溜穴の前方、腹溜穴と脛骨内側縁の間に取る.

『鍼灸重宝記』 交信 こうしん (二穴)

取穴: 腹溜(ふくりゅう)と相並び付る間に筋を隔(へだ)つ、 復溜は後へ、交信は前すこし上めに点す。
灸法:灸三壮。
針法:針四分、
主治:
疝気、気淋(きりん:ストレスや悩み事などでトイレの回数が増える神経性頻尿)、  陰嚢はれ、婦人崩漏、 陰挺(いんつき)出るを治。

疝気とは、男子が気の結ぼれから病気になる事です。男は下腹にしこりがない、ただ痛む。腸疝痛・正経の痛み・腰腹神経痛などです。

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9 築賓(ちくひん) 所属経絡:足の少陰腎経 ・ 取穴部位:太谿穴の上5寸で、腓腹筋下垂部とヒラメ筋の間に取る.

東洋はり医学会の取穴部位:内果の上方5寸、アキレス腱の前縁にあり。

『鍼灸重宝記』 築賓 ちくひん (二穴)

取穴: 内踝の上5寸、 両筋の間にあり 。
灸法:灸三壮五壮。
針法:針三分、
主治:疝気、癲(てん)かん、足の腨(はし)いたむを治す。

疝気とは、男子が気の結ぼれから病気になる事です。男は下腹にしこりがない、ただ痛む。腸疝痛・正経の痛み・腰腹神経痛などです。

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10 陰谷(いんこく) 合水穴 ・ 所属経絡:足の少陰腎経 ・ 取穴部位:膝を少し屈曲し、膝窩横紋の内端で半腱様筋腱と半膜様筋腱の間に取る.

『鍼灸重宝記』 陰谷 いんこく (二穴)

取穴: 膝の折自の外に輔骨と云大骨あり、其下廉大筋の下、小筋の上。
灸法:灸三壮。
針法:針四分、
主治:
膝いたみ、 陰なへ、 男は蠱脹(こちちょう:鼓脹:腹部が膨満し、太鼓のように張る病)、の如く 、 女は妊のごとくなるを治す。

是より以下十穴、足少陰腎経なり 。

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11横骨(おうこつ)     所属経絡:足の少陰腎経 ・  取穴部位:曲骨穴の外5分、肓兪穴の下5寸に取る.

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12大赫(だいかく)     所属経絡:足の少陰腎経 ・  取穴部位:中極穴の外5分、肓兪穴の下4寸に取る.

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13気穴(きけつ)      所属経絡:足の少陰腎経 ・  取穴部位:関元穴の外5分、肓兪穴の下3寸に取る.

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14四満(しまん)      所属経絡:足の少陰腎経 ・  取穴部位:石門穴の外5分、肓兪穴の下2寸に取る.

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15中注(ちゅうちゅう)   所属経絡:足の少陰腎経 ・  取穴部位:陰交穴の外5分、肓兪穴の下1寸に取る.

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16肓兪(こうゆ)      所属経絡:足の少陰腎経 ・  取穴部位:臍の外5分に取る.

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17商曲(しょうきょく)   所属経絡:足の少陰腎経 ・  取穴部位:下脘穴の外5分、肓兪穴の上2寸に取る.

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18 石関(せきかん)  所属経絡:足の少陰腎経 ・ 取穴部位:建里穴の外5分、肓兪穴の上3寸に取る.

『鍼灸重宝記』 石関 せきかん(二穴)

取穴: 陰都(ゐんと)の下一寸。
灸法:灸三壮。
針法:針一寸、
主治:
嘔吐、 しゃくり、腹いたみ、気淋、大小便通ぜず、心下堅満、脊強り、目赤く 、女の血塊を治す。

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19 陰都(いんと) 所属経絡:足の少陰腎経 ・ 取穴部位:中脘穴の外5分、肓兪穴の上4寸に取る.

『鍼灸重宝記』 陰都 いんと(二穴)

取穴: 腹通谷の下一寸。
灸法:灸三壮。
針法:針三分、
主治:心満、逆気、腹鳴、肺脹、 目赤いたむを治す。

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20 通谷(はらつうこく) 所属経絡:足の少陰腎経 ・取穴部位:上脘穴の外5分、肓兪穴の上5寸に取る.

『鍼灸重宝記』 腹通谷 はらつうこく(二穴)

取穴: 幽門の下一寸、上院の左右へ五分づつ。
灸法:灸三五(15)壮。
針法:針五分、
主治:
口喎み不言、心恍(しんこう:心がうつろ)、 目赤いたみ、痰飲、嘔吐、 しゃくじゅ(積聚しゃくじゅう:難経 第五十五難)を治。

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21 幽門(ゆうもん)    所属経絡:足の少陰腎経 ・  取穴部位: 巨闕穴の外5分、肓兪穴の上6寸に取る.

『鍼灸重宝記』 幽門 ゆうもん (二穴)

取穴: 臍(へそ)の上六寸、 巨闕穴の左右へ各五分  (一日、一寸五分づつ) づつひらく。
灸法:灸五壮。
針法:針一寸、
主治:
小腹脹満、涎沫を嘔吐し 、いきれもだへ、胸みちいたみ、不食、欬逆、健忘、膿血をくだし、 目赤いたむを治す。

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22歩廊(ほろう)     所属経絡:足の少陰腎経 ・  取穴部位:中庭穴の外2寸、第5肋間に取る.

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23神封(しんぽう)    膻中穴の外2寸、第4肋間に取る.

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24霊墟(れいきょ)    所属経絡:足の少陰腎経 ・  取穴部位:玉堂穴の外2寸、第3肋間に取る.

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25神蔵(しんぞう)    所属経絡:足の少陰腎経 ・  取穴部位:紫宮穴の外2寸、第2肋間に取る.

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26彧中(いくちゅう)   所属経絡:足の少陰腎経 ・  取穴部位:華蓋穴の外2寸、第1肋間に取る.

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27兪府(ゆ ふ)     所属経絡:足の少陰腎経 ・  取穴部位:璇璣穴の外2寸、鎖骨の下際に取る.

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参考:五要穴等の取穴文章と取穴写真図

ゆっくり堂鍼灸院の取穴文章と取穴写真図を掲載します。

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8、ルート 足の少陰 腎経(27穴)
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1 湧泉(ゆうせん) 井木子穴 ☆

部位:足底において第2指の根元より踵の後端に至る線上で、その前方の陥凹する所(へ形)にあり。

(注) 母指球と小指球の山があり、指を屈すると凹みができる、そこが目安になる。

取り方:第2指の根元より踵に至る線上で、踵方向から切経すると“へ形”の陥凹に突きあたる、ここに取る。

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2 然谷(ねんこく) 栄火畏穴 ☆

部位: 舟状骨前下際の陥中 、 赤白肉の間にあり 。

取り方:内果の前下方に舟状骨突起を触れる 。その前下際の陥凹部、赤白肉の間に取る 。 公孫穴の約寸後ろにあたる 。

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3 太谿(たいけい) (兪土原剋穴)☆
部位:内果とアキレス腱との間の陥中微動脈部にあり。

取り方:足関節を90度曲げ、内果尖とアキレス腱との間の陥凹部で、微動脈を目当てに取る。

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4 大鐘(だいしょう)(絡穴)

部位:太渓穴の後下方、アキレス腱付着部前縁の陥中にあり。

取り方:足関節を90度曲げ、アキレス腱前縁を押し下げて行くと踵骨に突き当る、ここに取る。 ☆

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5 照海(しょうかい) ☆

部位:内果の下、1寸にあり。

取り方:内果の直下で、やや後方にコリコリとした著明な圧痛がある、これを目当てに取る。

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6 水泉(すいせん)(げき穴)

部位:内果尖と踵骨を結ぶ線上で、太渓穴直下の陥中にあり。

取り方:足関節を90度曲げ、内果尖と踵骨の後端を結ぶ線と、太渓穴より垂直に下りる線の交点で、踵骨の上に取る。  ☆

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7 腹溜(ふくりゅう)(経金母穴)

部位:太渓穴の上方2寸、アキレス腱の前縁にあり。

取り方:太渓穴の上方2寸の陥凹部で、アキレス腱の前縁に取る。 ☆

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8 交信(こうしん)  ☆

部位:内果の上方2寸、腹溜の前5分にあり。

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9 築賓(ちくひん) ☆

部位:内果の上5寸、アキレス腱の前縁にあり。

取り方:交信穴上3寸、アキレス腱の前縁にあり。
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10 陰谷(いんこく)(合水自穴)

部位:膝窩横紋上のハッキリとした腱の曲泉側にあり。

取り方:膝を60度ぐらい曲げると、膝窩横紋上にハッキリとした腱が出るので、その腱の曲泉側に取る。

膝を曲げて陰谷穴を取穴して、そのまま膝を伸ばせば2本の腱の間に当る。
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8、ルート:足の少陰腎経(27穴)おわり

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