弦実の脉 とその手技 e211

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 弦実の脉 とその手技

小項目 番号 e211

 

 陰経の脉状名

 弦実の脉

 弦実
脉状の特徴
 張りたる弓の弦を按す如し、
按せども沈まず、挙ぐれば指の腹についてくる、やや速き脉。
 対象者  肝、胆、心腹痛。
肌肉筋脈等に、コリを現す。
気血の流通を妨げている病体。
冷え、痺れ痛み、頭痛を訴える。その部を触察すると、
「獨り堅かれ」の所見あり。慢性痼疾の糖尿病、リウマチ、神経痛、更年期障害、労倦の積み重ねの者。
 用 鍼   ステンレスの3番~7番鍼。(のげ型)
弦実の実技の手順  (1)経絡の流れに逆って取穴し、押出を構える。(2)刺手は竜頭をある程度しっかり持ち極めて静かに3~4ミリ刺入し、

(3)静かに静かに回施ないし、刺動法を加える。

効果  その鍼響が経絡の流注に随って感通し、時に手足の要穴への刺鍼が、

肩や後頸後頭部等の硬結を現わしている愁訴部に響き、極めて快感を得る。

検脉すると、

陽経の脉にしかるべき邪実が現れる。(多くは、弦実の脉状)
そして、

陽経の脉状にしたがい、陽経の瀉法をおこなう。

※ 陰経(肝心脾肺腎)の実の脉に対する瀉法の手技。

これは、本格的な陽経の邪実を瀉法するための前段の手技である。

本治法における瀉法の基本。

瀉法を行う前に補法を行う。陰経の生気を補うと、
陽経の脉状に邪実の脉状が浮き上げられます。そして、この邪実を瀉法します。

弦実の刺鍼手技。 (最新版)2015.5.15.

目的は「血の主り」の調整。

用鍼(使用する鍼)はステンレス2・3番鍼。

弦実の刺鍼手技総論。

血は陰にして深く消極的で変化しにくいものですから、
弦実に対する手法は、やや深く刺し徐(おもむろ)に行います。

弦実の手順  【 】内は注意事項。

1. 経の流れに逆らって取穴します。

2.押手を作り(構え)ます。

3.竜頭をある程度しっかりと持ち、

4.押手の中に鍼を入れます。

5.鍼先をゆっくりと穴所(けつしょ)に近付けます。

6.静かに接触。

7.目的の深さまで、速やかに刺入します。【深さの目安は4~5ミリ。痛みを与えないように刺入。】

8.巾広に抜き刺しします。(ズー カ ・ズー カ)

9.鍼先の抵抗が緩んだら 、 ズーンとゆっくり下圧をかけ、

10. ゆっくりと抜鍼します。【邪気を引き出す様な気持ちで行う。押手は下圧をかけたまま。】

11. 押手を離します。【一呼吸してから押手を離す。】

 


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