和法の脉とその手技 e209

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   和法の脉とその手技

                             小項目 番号  e209

和法の脉状の特徴

虚の脉の中にわずかに指の腹をつくような感触を感じる脉状 。

 

対象者

「内傷なければ外邪入らず」が経絡、病因論の原則であるが、
相剋的に虚を現す病体が更に続いて内外の邪気に犯され、その一方が病実、邪実となり、いわいる「陰実」の病証が現れる。
この際の脉状には、邪実と虚性の邪があるが、これを正しく処理すると、 実より虚に移行することになるが、

この過程において、
「虚の脉の中にわずかに指の腹をつくが如き虚とも実ともつかぬ脉状」が触れるものである。
これが、
「和法の脉状」の対象者となる。
また、
始めから「和法の脉状」をていする患者もいる。

 

用鍼は、銀の1番~2番鍼。

 

本治法の対象穴

定則穴が用いられる。 触覚所見によっては、げき穴、原穴等を代用する。

 

手技の目的

経気(陰気)の滞りを流す。 中和させる手技である。

 

本治法の実技の手順

和法の手技

(1)経絡の流れに随って取穴し、押手を構える。

(2)刺手は竜頭を軽く持ち経の流れに随って、目的の深さ接触から、2~3ミリ刺入し、

(3)鍼を押しつけたり、緩めたりを繰り返す。 抵抗がとれたら、

(4)押手の下面にて、鍼口を保護し、おもむろに抜鍼する。

(5)一呼吸おいて、押手を離す。

 

本治法の効果

治療宜しければ、艶のある和緩を得た脉状になり、身体に温かみを感じる。

 

古典考察

黄帝内経・霊枢九鍼十二原偏 第一、第三章、二.より。

按而引鍼、(あんじてはりをひく)
是謂内温、(これをないおんという)
血不得散、(ちはさんずることをえず)
氣不得出也(きはいづるをえざるなり)

現代訳文:

鍼口を押さえて、静かに押したり緩めたり(按摩)していると、患者は温かみを感じる。

これを内温の鍼と言い、滞っていた気血がスムーズに流れたことを意味する。

これは、血も気も漏れ散じることなく脉が整ったことを現すものである。

この手法を和法の手技と言う。

和法の刺鍼手技。 (最新版)2015.5.15.

和法の目的。

「気血の滞りを流して、中和させるのが目的である。」


用鍼(使用する鍼)は銀1.2番鍼。


和法の手順の唱和 【 】内は注意事項。


1.経の流れに随って取穴します。

2.押手を作り(構え)ます。

3.押手の中に鍼を入れます。

4.静かに接触し、

5.目的の深さまで刺入します。【接触から2~3ミリ程度。】

6.鍼を押し付けたり緩(ゆる)めたりしていると 、

【静かに鍼先を押し付けたり緩めたりする。 押手は動かさない。(たぶん刺手だな。)】
【鍼先はその位置から進まない(刺入しない)。鍼先場所を押したり緩めたりする手法である。】


7.鍼先の抵抗が緩むので、【抵抗を突き抜けない様に注意。】

8.押手の下面で鍼口を保護し、【鍼口を保護する気持ちで行う。】

9.気も血も洩らさぬ様に注意しながら、【押手の下面を軽く合わせる。】

10.ゆっくりと抜鍼します。

11.押手を離します。【一呼吸おいてから、押手を離す。】

 


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