奇経治療1
東洋はり医学会の奇経治療法を考察して文章を構成します。
- 奇経治療のポイント其の1は、選択した穴に圧診をして、圧痛所見の有無及び圧痛の程度を捉えること。
- 奇経治療のポイント其の2は、 PM板等を外すタイミングは脉状の好転と病症の改善具合を診て判断する事。
- 奇経治療の手技の良否を判断するポイントについて。
- 顔面診:目の間手面範囲・色・艶・変化識別が手技の良否を判断するポイントになります。
奇経治療マニュアル
《 奇経治療の実技の手順 》
抜去の場合はその逆となる。
貼布時間は 2~3 分から 5 分程度とする 。
病症が片側にあれば同側 、全身にある場合は筋交いもしくは十字交差を行なう 。
もし脉状が変わらなかったり症状がとれない場合は主穴従穴を逆転させる 。
奇経治療の病証判定
- 奇経治療のポイント其の1は、選択した穴に圧診をして、
- 圧痛所見の有無及び圧痛の程度を捉えること。
壱 | |
衝 脉 | 陰 維 脉 |
右公孫 → 右内関 | 右公孫 ← 右内関 |
経絡治療学原論 の参考例 | |
(公孫:足では脾経、胸腹では腎経)
(内関:心包経) これらの経路に現れる疼痛、腫脹、麻痺、熱感、冷感の諸侯。 |
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病証: 1、咽頭腫痛。 2、心臓性・陰性の胸部疼痛、胸いきれ。 3、心下及び大腹の嘔気、嘔吐、食滞、膨満しゃくつう癪痛、 動悸。 4、胸腹(脾)・臍腹(腎)の脹満、疼痛、 攣急、癪痛、逆気上衝、動悸。 5、胃・腎・大腸性痛の下痢、便秘、下血。 6、婦人科疾患、泌尿器疾患の一部、 更年期障害、冷えのぼせ。 7、脱肛、痔疾。 |
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診察点: 衝脈 :
気舎・肓兪・三陰交・公孫。 |
診察点:陰維脈:
天突・期門・腹哀・大横・府舎・築賓。 |
弐 | |
帯 脉 | 陽 維 脉 |
左足臨泣 → 右外関 | 左足臨泣 ← 右外関 |
経絡治療学原論 の参考例 | |
(足臨泣: 胆 経 ) (外関:三焦経 ) | |
病証: 1、前頭、側頭、後頭、頭頂の疼痛、浮腫。 2、眼病、耳病の一般、三叉神経痛、 外側歯牙歯齦痛。 3、頭眩、眩暈、メニエール氏症候群、自汗、盗汗。。 4、少陽病の胸脇苦満、感熱往来、胆肝疾患 5、胸腹・下腹の脹満、疼痛、腰部冷痛、 月経不調、赤白帯下。 |
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診察点:帯脈:
章門、帯脈、五枢、維道、居髎。 |
診察点:陽維脈:
肩井、天髎、居髎、陽陵泉、陽交 |
参 | |
督 脉 | 陽 蹻 脉 |
左後谿 → 右申脈 | 左後谿 ← 右申脈 |
経絡治療学原論 の参考例 | |
(後谿: 小腸経 ) (申脈: 膀胱経 ) | |
病証:
1、頭頂、後頭、後頸、の疼痛、麻痺および言語障害を伴う中風。 |
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診察点: 督脈:
諸病により圧痛部が相違するから必ず全体的に診査する。。 |
診察点: 陽蹻脈:
附分、膏肓、委中、承山、跗揚、僕参。。 |
四 | |
任 脉 | 陰 蹻 脉 |
右列欠 → 左照海 | 右列欠 ← 左照海 |
経絡治療学原論の参考例 | |
(列欠: 肺 経 ) | (照海: 腎 経 ) |
病証:1、前部歯牙歯齦腫痛。 2、咳嗽、喘息、少気、痰の病。 3、心下部の膨満、疼痛、嘔気、嘔吐。 4、臍腹および小腹の脹満、疼痛、下痢、便秘、遺尿、尿閉、血尿。 5、婦人科疾患: 難産、胞依不出、死産、産後腹痛、血の道証 6、痔疾、脱肛、便秘。 7、足寒、足熱、原気衰弱、腎疾患一般。 |
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診察点:任脈:
諸病により圧痛部が相違するから全体にわたって診査する。 |
診察点:陰蹻脈:
人迎より缺盆、交信、照海、然谷。 |
五 | |
手の陽明脉 大腸経 | 足の陽明脉 胃経 |
右合谷 → 左陥谷 | 右合谷 ← 左陥谷 |
六 | |
手の少陰脉 心経 | 足の厥陰脉 肝経 |
左通里 → 左太衝 | 左通里 ← 左太衝 |
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柳下登志夫先生 経絡治療学原論上巻臨床考察‐基礎・診断編‐
P57より。 平成14年11月・収録
脉状診を使って行う奇経治療の基本的な方法。
① 〔奇経テスターを主穴(+)、従穴(-)に貼付する。〕
これによって脉状の良否を判定する。
② 六部定位の脉状は、浮沈・遅数・虚実で判定し、沈・遅・正実は好転の兆候。
これに反するものは悪行と診る。
③ 〔奇経テスター〕で脉状の好転を知った時は、これに従って磁気・異種金属等の鍼・粒・板・〔お灸〕等をこれに貼付して好転を促す。
④ 異種金属針の刺鍼により、検索を試みた際、脉状の好転すれば、検索と治療をかねて行うことになる。
⑤ 皮膚表面の操作と刺入鍼では、主穴(+)、従穴(-)が逆なる事が多いので注意必要。
⑥ いずれも、好転した脉状が乱れ始めた時は、速やかに治療を終了する。
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【「血」の変化には衝脈〔公孫→内関〕】
奇経それぞれの治療効果については種々言われているが、現在我々が遭遇する病症に照らし合わせて、特徴のあるものは、――肥満・高血圧・高脂血症・糖尿病・・・この「血」の変化をとれえて処理する際には衝脈〔公孫→内関〕が大いに役立つ。
【帯脉〔足臨泣→外関〕】
また帯脉〔足臨泣→外関〕は運動器疾患はもとより、帯状疱疹の後遺症等。そして婦人科疾患あるいはそこから派生する精神障害症候郡、うつ病等にも緩やかに効果を示す。
【陰維脉〔内関→公孫〕・陽維脉〔外関→足臨泣〕】
陰維脉〔内関→公孫〕・陽維脉〔外関→足臨泣〕の「維」と言うのは纏めるという意味で、
陰は腎臓肝臓、陽は心臓肺臓、陰は内傷慢性病、陽は外邪性或いは急性病等の基本的な考えでこれを用いる。
【陽蹻脉〔申脈→後谿〕・ 陰蹻脉〔照海→列欠〕】
陽蹻脉〔申脈→後谿〕・ 陰蹻脉〔照海→列欠〕は何れも晴明穴付近を中心に、その経の流注を考慮に入れて使用する。
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臨床考察37: 奇経治療 頁:132・平成16年11月 収録
【奇形治療:】
奇形治療を行うには、奇経の流注や病症そして診察点を良く知り、その用い方に習熟なければならない。
検索方法の要は簡単便利で間違いの無いものを選ぶ事を勧める。
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