相剋調整の基本理論 d105

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   相剋調整の基本理論

                   項目 番号 d105

① 剋調整の治療法とは、

相剋関係にある脉位が共に虚を現す時、これを左右に振り分けてその治療を進める事です。

この際、先に行なうものを「本証」言い、後を「副証」と言います。

例、肺肝相剋証(肺虚肝虚相剋調整証)では、

肺虚証を「本証」言い、

肝虚証を「副証」と言います。

 

② 「本証」の決定方法:

1、主訴、愁訴の集中している経絡を「本証」します。

2、「本証」決定: 新病。 病激しい経。  母子揃って虚。

3、以上を考察しても決しない時は大腹、小腹を比較して虚を「本証」とします。

すなわち、
大腹の虚は肺か脾の虚。小腹は肝か腎の虚を「本証」とします。

③ 適応側の決定方法:

1、片方より優先的に治療します。

2、男は左側。 女は右側。

3、病が片方のみに偏在する時は健康側より治療とします。

4、急性病の時は病側より治療します。

※ 陽経への処置は病側に合わせて行なう。
病側不定の場合は六部定位の脉位に従い施術とします。

④ 誤治(副作用が出る治療)について。

1、「副証」の方より施術すると誤治になる。
2、単一主証を行なうものに相剋調整を用いると誤治になる。
3、相剋調整を行なうものに単一主証を用いると病の改善よろしくないです。

 

⑤ 「本証」の取穴は定則的に行なう事。

「副証」は定則か病証的取穴か原穴、絡穴、郄穴、等を必要に応じ用います。

例、 肝脾相剋証(肝虚脾虚相剋調整証)の場合で、
主訴が「逆気して泄らす」の場合は、
「本証」は定則的母穴:「肝の曲泉」「腎の陰谷」
「副証」は病症的取穴(合水穴)「脾の陰陵泉」を用います。

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相剋調整理論の補足


「証決定の第三段階」は、主証経絡の決定です。

最終的には脉診を中心にして決定して行きます。

陰主陽従・補法優先・基本脉型が基礎になります。

虚経が二つならぶ時には「五行と難経六十九難理論」から「子」の経が「主証」になります。
相剋関係にある脉位が共に虚を現す時、これを左右に振り分けてその治療を進めます。
この際、先に行なうものを「主証」=「本証」と言い、後を「副証」と言います。

※ 患者の病の症、身体の証が関与する「変動経絡」のうち、いずれの経を主証として取り上げるかについて考察します。

(1)本証、副証決定の基本原則 (参考文献2、)

一、主訴や愁訴が集中している経を本証とする。
ただし、この経が陰実になっている時は、それに相剋する虚経に本証を求め、 実経は副証として決定する。
これは、
〔陰主陽従〕補法優先の原則によるものである。

二、新病と久病では新病を、劇易では、その病が激しい方を本証とする。

三、互いに相剋する二たつの虚経のうち、完全に母子二経が揃って虚しているものを本証とし、不明確か、一経のみのものを副証とする。

四、相剋する二たつの虚経の陰陽を比較し、差の大きい方を本証とし決定する。

五、以上の条件を十分に考察しても、なお明確な決定を得ることが出来ない時は、大腹と小腹を比較し、もし大腹がより虚している時は肺虚か脾虚、または小腹がよりより虚している時は腎虚か肝虚を本証とし決定する。

(参考文献2、):(相剋調整の本証副証決定の基本原則:原論、下巻 p331とも同文である。)

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