心火経の変動 c205

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   心火経の変動

                                     小項目 番号 c205

心火経の変動に関わる経絡は4つあります。

⑤ルート:手の少陰 心経
⑥ルート:手の太陽 小腸経
⑨ルート:手の厥陰 心包経
⑩ルート:手の少陽 三焦経 です。
…….

 ⑤ルート:手の少陰心経

現代経絡鍼灸実践例から鍼灸古典文献を検証する。(靈蘭祕典論篇 第八、一章、二節)

心者.君主之官也(くんしゅこれかんなり).神明出焉(しんめいこれよりいづ)

(心は君主の役目、人間の思考、情動、意思はここより出る)

手の少陰心経は君火であり、心包経と共に生体の中枢的活動を主る。
そのうち、心経は最も高度にして上級の機能、すなわち意識活動や五官器の働きを支配し、
生命の根源となる。

その病は、君火であり、神明を主するので、意識や感覚障害を来す。
発熱、咽喉乾き、心痛す。胸、脇、上腕、前腕の心経の通りが痛んで手掌中熱す。
心実すれば、夜目が冴え、不眠・胸いきれして咽喉渇き発熱す。

内経を中心とした流注・・・・

その流注は脾経の心臓に至る所より始り、少し上がって肺動脈の部より下って横隔膜を貫き腹に入り、
任脈の下カン穴の部にて小腸を絡う。また、その枝は心経より咽喉を経て頭に上がり、
眼系に連なり脳髄に分布する。
更に、本経は心経の所より肺を循り、腋下のに出て極泉穴の部よりその外経が始まる。
上腕前腕の掌面小指側を下り、その内端少衝穴に至る。

この流注経過によって見るに、心経は心臓、消化器、肺臓に関係し、更に眼系に連なり、
脳髄を絡うので意識活動を支配する。
また、本経は営衛の循環作用と共に呼吸作用も主る。

ゆえに、少衝、少沢穴の刺絡治療は救急的に胸内苦悶の病症を取り除く。
その他、排便、排尿、意識活動に効く穴が多い。
また、霊道、通里、陰ゲキ、神門穴は子午療法に使用する。
………..

心火経の変動の五大病症:

①身熱し、
②むないきれする、
③五感器障害、
④および精神障害。
…………

五臓の色体(よそおい)表。

基礎: 火・心・小腸・五記:栄・五募:合・ 栄へ、留まりて身熱す。
病因: 神・礼・五音:(ち徴音・歯音、サ行・短く高く清い・ソ音・言)・羊・夏・昼・南・
暑・舌・血脈・毛・
病症: 臭い・赤・焦(こげる)・苦い・言(つぶやきくん)・笑い・云う・
養生法その他:杏(あんず)・かい薤(らっきょう)・黍(きび)・生数:二、成数:七。
五柄戸:ひのえ丙  ひのと丁 。

「身熱す」とは: 自覚的、他覚的、全体、局所、総て熱するものを言い、これを心火の証という。
……………

心火の変動 分類実践例。

① 食欲について。: 胃が張る(膨満感)
② 大便について。: 緊張すると下痢になる。
③ 小便について。: 尿量が少ない。色が濃い。
④ 睡眠について。: 夢を多くみて眠れない。昼間、横になりたい。
疲れが取れないで眠い。
⑤ 皮膚について。: かゆみ。手の平のほてり。小水疱。
⑥ 肩や背中状態。:心臓病。動脈硬化症。右の肩背のこり(三焦経)。
五十肩で後頭部に手を回すと痛い(三焦経)。
左の肩背のこり(小腸経)。 五十肩で腰に手を回すと痛い。
⑦ 腰部の状態。 : 背中から腰にかけて痛む。
⑧ 膝の状態。 : 膝のリュウマチ。
⑨ 頭部の状態。: 側頭部の痛み。 頭蓋内部の痛み。 耳鳴り。:三焦経
⑩ 腹部の状態ついての質問です。消化不良。清水を吐く。
⑪ 風邪引きに伴う症状。:熱が出て体調不良。インフルエンザ。ウイルス性。熱が続いている。
咽喉の痛み(三焦経)。
…………

子午治療は「胆心が肝小して」より。

胆経のツボ:光明(絡穴)・外丘(ゲキ穴) 肝経のツボ:蠡溝(絡穴)・中都(ゲキ穴)
奇経治療の適応側は『病側優先』とする。心経(通里)ー肝経(太衝)
本治法:心虚証(定則)

⑤ 手の少陰心経 内経を中心とした流注図 c2051

c2051

 

⑤ルート:手の少陰 心経 (9穴)

1 極泉(きょくせん)    腋窩の中央、動脈拍動部に取る.(注)腋窩動脈が通る.
2 青霊(せいれい)    少海穴から曲泉穴に向かい上3寸に取る.
(注1)上腕を外転外旋して取る. (注2)尺骨神経幹が走る.上腕動脈が通る.
3 少海(しょうかい)合水穴  肘を半ば屈曲し、肘窩横紋の内端で、上腕骨内側上顆から  橈側へ入ること5分に取る.
4 霊道(れいどう)  経金穴  前腕前尺側にあり、神門穴の上1寸5分、尺側手根屈筋腱の橈側に取る.         (注)霊道穴から神門穴まで尺骨神経が走り、尺骨動脈が通る.
5 通里(つうり)    絡穴    前腕前尺側にあり、神門穴の上1寸、尺側手根屈筋腱の橈側に取る.
6 陰郄(いんげき)  郄穴    前腕前尺側にあり、神門穴の上5分、尺側手根屈筋腱の橈側に取る.
7 神門(しんもん)  兪土原  手関節前面横紋の尺側にあり、豆状骨の上際で尺側手根屈筋腱の橈側に取る.
8 少府(しょうふ)  栄火穴  手掌部にあり、指を屈し、薬指と小指の指尖が手掌に当たるところの中間に取る.
9 少衝(しょうしょう)井木穴 小指橈側爪甲根部、爪甲の角を去ること1分に取る.

⑥ルート:手の太陽小腸経

小腸者.受盛之官(じゅせいのかん).化物出焉.   (靈蘭祕典論篇 第八、一章、五節)

小腸は固形物と水分を分けるを主するので、利尿に関係し便秘、下痢の病をおこす。
耳や目を患い、顎(あざと)、項(うなじ)、肩、肘、前腕等の所にあたって、
折れるかと思うほどの激しい痛みを発する。

内経を中心とした流注・・・・

小指外端の少沢穴よりその背面を上がり、前腕尺骨側を上行し肩甲骨に至る。
肩甲棘を越えて督脈の大椎穴にいたり、前に回って缺盆の部より胸郭内に入り、
ダン中穴の部にて心臓を絡い、食道をめぐりつつ下って下晥穴の部に至って小腸に属す。
支脈は缺盆の部より別れて頸(くび)に上がり、頬(ほほ)を経て目の鋭眥(めじり)、
胆経:瞳子髎(どうしりょう)穴に至り、返って耳の中に入る。
また支脈は頬(ほほ)骨の下、顴髎(けんりょう)穴より別れて内眥に至る。

治療穴について考察する。
手の太陽小腸経は火経であるから、その病症はすこぶる激しいものが多い。
少沢穴は刺絡治療により心臓病の救急法としての特効穴である。
そのほか、寝違い、五十肩(結滞痛にはれいこうけつ蠡溝穴も良い)、耳の病(疼痛、しびれ、コリ)

⑥ルート:手の太陽小腸経 内経を中心とした流注図 c2052

c2052

⑥ルート:手の太陽小腸経 (19穴)

1 少沢(しょうたく) 井金穴 小指尺側爪甲根部、爪甲の角を去ること1分に取る.
2 前谷(ぜんこく) 栄水穴 第5中手指節関節の下、尺側陥凹部に取る.
3 後谿(こうけい) 兪木穴 第5中手指節関節の上、尺側陥凹部、手を握ってできる横紋の端に取る.
4 腕骨(わんこつ) 原穴 手背尺側にあり、第5中手骨底と三角骨の間の陥凹部に取る.
5 陽谷(ようこく) 経火穴 手関節後面にあり、尺骨茎状突起の下際陥凹部に取る.
6 養老(ようろう) 郄穴 陽谷穴の上1寸で、尺骨茎状突起と尺骨頭の間の陥凹部に取る.
7 支正(しせい)         絡穴 陽谷穴から小海穴に向かい上5寸、尺骨後面のほぼ中央に取る.
(注)手を胸に当てて取る.
8 小海(しょうかい) 合土穴 上腕骨内側上顆と肘頭の間、陥凹部、肘を半ば屈曲して取る.(注)尺骨神経溝に当たり、尺骨神経が走る.
9 肩貞(けんてい)  腋窩横紋の後端から上1寸に取る.
10 臑兪(じゅ ゆ)  腋窩横紋後端の上方で、肩甲棘外端の下際陥凹部に取る.
(注)肩甲棘外端は、肩甲棘から肩峰への移行部とする.
11 天宗(てんそう)  棘下窩のほぼ中央に取る.
12 秉風(えいふう)  肩甲棘のほぼ中央上際に取る.
13 曲垣(きょくえん)  肩甲棘内端の上際で、棘上窩に取る.
14 肩外兪(けんがいゆ)  肩外兪(けんがいゆ)  第1・第2胸椎棘突起間の外3寸、肩甲骨上角の骨際に取る.
15 肩中兪(けんちゅうゆ)    第7頸椎と第1胸椎棘突起間の外2寸に取る.
16 天窓(てんそう)  下顎骨の後下方、胸鎖乳突筋の前縁で、扶突穴と天容穴のほぼ中央に取る.
17 天容(てんよう)  下顎骨の後ろで、胸鎖乳突筋の前縁に取る.
18 顴髎(けんりょう)  外眼角の直下で頬骨の下縁、陥凹部に取る.
19 聴宮(ちょうきゅう)   耳珠中央の前、陥凹部、顎関節後縁に取る. (注)浅側頭動脈拍動部に取る.

⑨ルート:手の厥陰心包経

ダン中者.臣使之官(しんしのかん).喜樂出焉(きがくこれよりいづ)(靈蘭祕典論篇 第八、一章、四節)

君火である心臓の命を代行する。ゆえに、三焦と共に、相火といわれる。

君火である「心」は意識活動や感覚等、上級の精神活動を主るのに対して、
心包はその生体が生き抜くための生理機能を主る。すなわち、排便、睡眠、その他反射運動、呼吸、
循環作用を担当している。
その作用はすべての臓器や末端諸器官の働きに関与しているので、
その主る病症も後天の原気の中心である脾経の母経として、
また、心の病の一部を君火に代わって治すことになる。

その治療点として、大陵、内関、曲沢等の使用頻度が高い。

その病は、胸内苦悶、心痛、呼吸速迫し不安感がある。
また、顔赤く、みだりに笑い、目黄ばみ、前腕と肘が引きつり、手の中熱す。 発熱。

内経を中心とした流注・・・・

腎経の終わりを受けて胸中に始まり心包に属会し、
横隔膜を下って上カン中カン、陰交穴の部にて三焦を歴略して本経は終わる。
支脈は心包より別れて胸を循り、側胸部の乳頭の外方二寸の天地穴の部に至り、
ここより外形が始まる。腋下(脇の下)に至り上腕、前腕の内面、肺経の間を下り、
手掌を通って中指の先端の母指側の中衝穴に至る。

⑨ルート:手の厥陰心包経 内経を中心とした流注図 c2053

c20533

⑨ルート:手の厥陰心包経 (9穴)

1 天池(てんち)        乳中穴の外1寸で第4肋間に取る.
2 天泉(てんせん)       腋窩横紋の前端から、曲沢穴に向かい下2寸に取る.
3 曲沢(きょくたく) 合水穴  肘窩横紋上で、上腕二頭筋腱の尺側に取る.
(注)上腕動脈幹が通る.正中神経幹が走る.
4 郄門(げきもん) 郄穴 大  陵穴から曲沢穴に向かい上5寸に取る.
(注)正中神経幹が走る.
5 間使(かんし) 経金穴    大陵穴から曲沢穴に向かい上3寸に取る.
(注)支溝穴(少陽三焦経)に対する.
6 内関(ないかん) 絡穴    大陵穴から曲沢穴に向かい上2寸に取る.
(注)長掌筋腱の尺側にある.外関穴(少陽三焦経)に対する.
7 大陵(だいりょう) 兪土原  手関節前面横紋の中央に取る.
(注)橈側手根屈筋腱と長掌筋腱の間で太淵穴と神門穴の中間にある.
8 労宮(ろうきゅう) 栄火穴  手掌部にあり、指を屈し、中指と薬指の指尖が手掌に当たるところの中間に取る.
9 中衝(ちゅうしょう) 井木穴  中指橈側爪甲根部、爪甲の角を去ること1分に取る.

 

⑩ルート: 手の少陽三焦経

三焦者.決涜之官(けつとくのかん).水道出焉.  (靈蘭祕典論篇 第八、一章、六節)

心包経と共に相火といわれ、君火である心の臓に代わって、全身の支配と営衛の循環を主する。

その病は、耳塞がり、耳鳴り、耳聾(じろう)、目の鋭い眥痛(じつう:まなじり痛)、咽頭腫れる。
この経のめぐる所が痛む。また、妊娠、下焦の病を発する。

臓象論より、

火性、背の第十三椎(第一腰椎)につき、

上中下焦に分かれて営衛の生成、伝与及び排泄の循環系統を主る。

上焦:横隔膜より上、その働き霧の如く、治療点:膻中ね。
中焦:横隔膜下より臍まで、その作用漚(あわ)の如く、治療点:天枢穴
下焦:臍下、その状態瀆(みぞ)の如く、治療点:陰交穴

手の少陽三焦経はくんか君火の一部を代行する心包経と表裏をなしている。

即ち、心包経は内臓諸器官を統括し、三焦経はその機能を継続するためのエネルギー源を営衛(えいえ)
三焦の原気として運ぶ経絡である。
ゆえに、この経は心包経と共にそう か相火といわれる。

すべてのやまい病は営衛循環の不調和によって惹起される。
従って、経絡鍼灸治療に当たっては、その脉証に随い瀉法を加えるとが多い。
治療穴について考察:外関・三陽絡・四トク穴が用いられる。
時に補う場合もあるが、その穴は中渚・陽池を用いる。
また、関衝穴の井穴(せいけつ)刺絡(しらく)はすべての病症に速効がある。

主治症としては、下焦の病(婦人病・泌尿器疾患・排尿障害)、
或いはこの経が流れる目・耳・こうはい項背部・腰部・臀部・下腹の病に用いられる。
特に、りゅうざん流産の防止にはこの経の治療は欠かせない。

内経を中心とした流注・・・・

心包経の交わりを受けて関衝穴より始まり、
手関節背面の陽池穴を経て前腕上腕背面の大腸経と小腸経のの間を上がり、
方を過ぎて天髎(てんリョウ)穴に至り、肩井(けんせい)穴(足の少陽胆経)、秉風(へいふう)穴(手の太陽小腸経)を
めぐって、缺盆(けつぼん)穴(足の陽明胃経)より胸中に入り、膻中穴(督脈経)の部にて
心包(しんぽう)を絡(まと)い、胃の上口において上焦に、中脘穴(督脈経)の部にては中焦に、
また臍下一寸の陰交穴の部にては下焦にそれぞれ属会する。
(上焦・中焦・下焦これ即ち三焦なり)
支脈は膻中穴より別れて上がり、缺盆を出て大椎穴(督脈経)に至り、
項(うなじ)に上がり耳後・耳上をめぐって顳顬(しょうじゅ)部に至り、
額の陽白穴(足の少陽胆経)を経て内眦(まなじり)の睛明(せいめい)穴に至り、
頬骨(ほおぼね)の下の顴髎(けんりょう)穴(手の太陽小腸経)に至る。
さらに、
支脈は翳風(えいふう)穴より出でて、耳前の諸穴をめぐり、胆経・小腸経に交わり、
目じりの絲竹空(しちくくう)穴(手の少陽三焦経)・瞳子髎(どうしりょう)穴(足の少陽胆経)に終わる。


⑩ルート:手の少陽三焦経 内経を中心とした流注図 c2054

C2504

⑩ルート 手の少陽三焦経 (23穴)

1 関衝(かんしょう) 井金穴  薬指尺側爪甲根部、爪甲の角を去ること1分に取る.
2 液門(えきもん) 栄水穴   手背にあり、第4中手指節関節の下、尺側に取る.
3 中渚(ちゅうしょ) 兪木穴  手背にあり、第4中手指節関節の上、尺側に取る.
4 陽池(よう ち) 原穴    手関節後面横紋のほぼ中央にあり、総指伸筋腱と小指伸筋腱の間に取る.(注)手関節後面横紋中で、橈骨端と尺骨茎状突起間で、手根骨との間の陥凹部にある.
5 外関(がいかん) 絡穴   陽池穴の上2寸、総指伸筋腱と小指伸筋腱の間に取る.
6 支溝(しこう) 経火穴   陽池穴の上3寸、総指伸筋腱と小指伸筋腱の間に取る.
7 会宗(えそう) 郄穴    支溝穴の尺側1寸で、小指伸筋腱と尺側手根伸筋腱の間に取る.
8 三陽絡(さんようらく)   陽池穴の上4寸、総指伸筋と小指伸筋の間に取る.
9 四瀆(し とく)      陽池穴の上5寸、総指伸筋と小指伸筋の間に取る.(注)前腕後側のほぼ中央に当たる.
10 天井(てんせい) 合土穴  肘頭から肩?穴に向かい上1寸、肘関節を屈曲して取る.
11 清冷淵(せいれいえん)   肘頭から肩?穴に向かい上2寸に取る.
12 消濼(しょうれき)     臑会穴と清冷淵穴の中央に取る.(注)肘頭の上4寸5分に当たる.(注)橈骨神経幹が走る.
13 臑会(じゅえ)      肩?穴から肘頭に向かい下3寸に取る.
14 肩髎(けんりょう)    肩峰外端の後下際に取る.  (便法)患者の上肢を水平に持ち上げ、肩関節の前後に現れる凹みのうち、後ろの凹みに取る.
15 天髎(てんりょう)    肩甲骨上角の外上方で、肩井穴と曲垣穴の中間に取る.
16 天牖(てんゆう)     乳様突起の後下方で、胸鎖乳突筋の後縁に取る.
17 翳風(えいふう)     耳垂の後方で、乳様突起と下顎枝の間、陥凹部に取る.(注)顔面神経幹が深部を走る.
18瘈脈(けいみゃく)     角孫穴と翳風穴の間を3等分し、下から1/3のところで、乳様突起の前、陥凹部に取る.
19 顱息(ろ そく)     角孫穴とけいみゃく瘈脈穴の中間、陥凹部に取る.
20 角孫(かくそん)     耳を前に折り、その上角に当たるところで耳輪の直上髪際に取る.
21 耳門(じもん)      耳珠の前上方で珠上結節の前、陥凹部に取る. (注)浅側頭動脈拍動部に取る.
22 和髎(わりょう)     頬骨弓後端の上際で、動脈拍動部に取る.
23 絲竹空(しちくくう)   眉毛外端の陥凹部に取る.

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・ - 参考図書 ・ -

柳下登志夫先生の臨床考察「心火の変動」

「経絡治療学原論上巻臨床考察‐基礎・診断編」よりの抜粋。

【 】( )は山口一誠の考察文です。

詳しくは、

経絡治療学原論(上巻)臨床考察 ―基礎・診断編― をお読みください。

発刊:東洋はり医学会
http://www.toyohari.net/book.html

元東洋はり医学会会長の筆者:柳下登志夫先生が、
福島弘道著「経絡治療学原論(上巻)」をテキストとし講義した中で、
臨床上重要な箇所を抜粋したものです。
柳下登志夫著  定価3,000円 (送料400円) A5 230貢

※ 筆者柳下登志夫の60年に及ぶ治療経験、
1日100人を越える患者さんと向き合い、臨床を通して古典を再検討したものです。
時代により変わりつつある患者さんの病に十二分に対応できるバイブルとなっています。
現代に生きる経絡治療家には必携の書籍です。

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臨床考察41:四診法:問診     頁:148・平成17年4月 収録

十二経の病症と問診。

問診に当たって十二経病症は、虚実が表裏に出る事を認識しておく必要がある。

五臓六腑および十二経の病症と問診。

ここでは原論を記し、私(柳下)の臨床上の注意(付記)を一言ずつ付け加えておく。

心火の変動

五、心および心経

原論:
君火であるから意識障害、五感の変動( 視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚 )はこの経に属する。
咽喉渇き目の横赤、発熱、疼痛、化膿性疾患、かゆみ、汗出て胸内苦悶、季肋痛、げっぷ、
肩甲間部痛、上腕内側痛、手掌熱して痛む。

(付記):
ここで注意すべきは意識障害と言語障害である。瞬間的に意識を失う回数が多い。
或いは患者の話す事と現実が時々一致しない等があれば、
慎重に対処する必要を感じなければならない。

六、小腸および小腸経

原論:
腹の小心といわれ下腹部痛、便秘、腰から精巣に及ぶ疼痛を主る。目黄ばみ難聴、下顎部腫脹、
耳前、頸(首)、肩、上肢にわたり、この経、過ぐる所の腫痛、熱感。

(付記):
難聴、眩暈、顎関節の痛み、耳前、耳下部腫脹、これらにより《頭部に病症》を起す時もあり、この経との関係が深い。

九、心包および心包経

原論:
この経は相火であり心の代行を主る。その病症は妄(みだ)りに笑い、顔面赤色、目黄ばむ、手掌熱感、前腕痙攣、側腹部膨満感、動悸、心部痛。

(付記):
この経の変動は、一見健康そうに見える事があり、特に経が実になっている場合がそうである。
心包経の実証の処置は知っていても、実際には行わない術者が多いので、ここに再び記す事にする。

十、三焦および三焦経

原論:
相火であり気血循環を主る。故に西洋医学の如く総ての病症に関係がある。その病は下焦の主りによる下腹、腰部の冷感、疼痛、尿閉、浮腫。 また、この経、過ぐる所、に当たって難聴、耳鳴、咽頭腫痛と閉塞、上腕、前腕の痛み、手の第四指用いられず。

(付記):
この経は証に関係なく虚実を生じ、病症を引き起こす。いつもこの経を意識して、処置を施す心構えを持ち、これを観察し、刺鍼法を考える。

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心火経の変動に関わる経絡は4つあります。

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⑤ルート:手の少陰 心経

表題: 臨床考察27: 病因論・ 素質〔五行体質〕 頁:94・平成15年11月 収録

2、心火体質

もつとも変化しやすく熱しやすい体質者。
喉が渇いて血脈が動じやすく、これらが続くと心臓を始め循環器障害の病気を発症する事もあが、その多くは神経症であり経絡鍼灸の適応症である。

【 治療:経絡鍼灸は心臓や血管系に直接影響を及ぼす。】

【 治療:心火体質への施術は術者の技術の良否が問われる。】

鍼灸を施して脉に変化が起こると言う現象は、正に心臓や血管系に直接影響を及ぼすという証(あかし)である。
鍼灸施術の良否が即座に知らされ、誤治反応の出る場合も早く、またこれを調整することも可能である。
実に術者の技術の良否が問われるのが「心火体質者」である。

表題: 臨床考察36: 十二経の病症: ⑤手の少陰心経 頁:128・平成16年10月 収録

【心の変動:⑤手の少陰心経 】 【臨床上注意する点は:】 【治療方法:】

臨床上注意する点は意識や感覚障害の有無である。
これらが強くはっきりと現れている場合は、自分の手に負えるか負えないか、医療機関ではどう診られているか等を良く知り、判断に誤りの無いようにする。
鍼をして脉が直ちに変わるということは、脉は陽中の陽であり、速やかにそして大きく心の臓にも影響している証拠で、よく働けば心臓そのものの形さえ変える。
現代医学で言う器質的な疾患も手術等せずに治せる。
治療的に表裏に影響が大きい。
願わくば、好影響だけであって欲しい。

【治療方法:必要となれば心経にも直接瀉法を行う事も考える。】

心の熱は体内に籠り患者を苦しめるが、体温計では測れない場合が多い。
この時は発想を変えて、必要となれば心経にも直接瀉法を行う事も考える必要がある。

表題: 臨床考察22: 臓象論 4 心臓  頁:77・平成15年5月収録

【心臓の変動反応:左に反応を触知。】

【心の臓の変動症状:舌の諸症状は心臓に大きく関係する。】

背の第五椎につくとあるが、左には明らかな反応を触知する事が多い。
そして治療に大いに役立つ。
舌が痺れる・舌の先が苦い・喋る時に舌の動きが悪い・舌が乾く・舌に湿疹・潰瘍ができやすい〔舌の口内炎〕、原因は色々あるだろうが心臓に大きく関係する。

【心の臓の変動症状:身体が熱ぽく、無気力、不眠、苦しい。には、治療経も心経。。】

身体に熱がこもっている様で、何をする気もなく、横になっても眠れず、ただ苦しいとうい状態、体温を測ってみても熱は無い。
心経を中心にして施術して効果を上げることができる。

苦しみを伴う数脉・徐脉・不整脈等に対しても経絡治療は影響力が大きく、また陽臓である心の反応は明白で、術者の心臓にも正治で喜び、誤治で破れるか・・・・
陽気のもたら齎す結果は素早く極端に走るものである。

心臓は精神活動にも関係が深く、効果を上げる場合もあるが、現代医学的に心臓に異常が認めれ、加えて意識や精神活動に異状を伴う患者は中々取り扱いがたく、現代医療との「併用医療」「混合診療」が望ましい。

徐脈(じょみゃく)は
不整脈の一種で、洞性徐脈、徐脈性不整脈とも言われる。成人の安静時心拍数は一般に毎分50~70回(bpm)であるが、30~40回 (bpm)を徐脈と定義される。
徐脈は脳に必要な血液を送ることができなくなるため、めまい、失神、ふらつきなどを生じせしめたり、ときに理解力や記憶の低下が見られボケに似た症状が出る場合などがあり、こうしたケースでは適切な治療が必要となる。
マラソン選手などのスポーツ心臓でも心室内腔の拡大による洞性徐脈がみられるが、この場合は通常治療の必要はない。

表題: 臨床考察18: 手の小陰心経 頁:63・平成14年12月収録

脉診による経絡治療は直接心臓に繋がるので、関係する病に大きく係わると同時に、その良否も著明に現れる。

【医師の判断に任せる病状】

注目すべきは、心臓の病気と意識障害が重なる場合は特に注意が必要で、
〔医師の判断に任せる方が安全なことも多い。〕

「意識障害に対する心経の応用範囲は幅広い」
意識障害と言えば、・・・注意欠陥他動性症候群・老人性の痴呆症・欝症状、等・・
これらに対する心経の応用は有効で、継続治療で成績を上げることができる。

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⑥ルート:手の太陽 小腸経

表題: 臨床考察23: 小腸腑 頁:82・平成15年6月 収録

【治療穴:水分穴と小腸兪を合わせて用いると良い。】

水分穴は固形物と水分を分ける場であると言われているが、この辺りの反応を処置してその言葉が理解できる。 小腸兪と合わせて用いると良い結果が得られる。

表題: 臨床考察37:病症論 十二経病 ⑥手の太陽小腸経 頁:129・平成16年12月 収録

小腸経も外経の流注に沿って病症が出る。―

【治療穴:養老穴付近の反応で、】

目・耳の病、心臓や消化器に大いに関連し、眩暈・耳鳴・頭鳴に対し《養老穴付近》の反応を求めて効を奏する。また膀胱経との繋がりもあって、背や腰の寒気・冷え・痛みに大抵はこれを補って対処する。

表題: 臨床考察19: 手の太陽小腸経 頁:64・平成15年2月収録

少沢穴の刺絡治療について〔原論に〕書かれているが、そういう患者に遭遇することはあまりない。
しかしその辺りの・・・

【① 骨折・脱臼&後遺症に刺絡治療は有効である。】

〔手の指〕その辺りの骨折・脱臼、あるいは固定法を行った後の後遺症にはめぐり合う場合が多い。
その時の患部は水腫のようになっており、なかなか治らない。
これに対して刺絡を行うと、瘀血と共に瘀水が放出し、その後、水分の吸収も盛んになって、健康状態に戻る。

【② 骨折・脱臼&後遺症に刺絡治療は有効である。】

この方法はどの場所でも速やかに効果が上げられる。
〔これは〕回復期にある組織が瘀血・瘀水に犯されているところを、そのヘドロを取り除く様なものである。
この治療法は身体の各所各部位病状に従って行うと応用範囲が広く、回復を早めるきっかけとなる。

【小腸経の反応穴は心臓病・背中の痛みや違和感に効果あり。】

心経と表裏関係にあるこの経は、心臓の慢性的な病気の時等、背中の痛みや違和感を打ってる患者がいる。
この経の諸穴の反応を診て、これを補瀉して有効である。
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⑨ルート:手の厥陰 心包経

表題: 臨床考察37:病症論 十二経病 ⑨手の厥陰心包経 頁:130・平成16年12月 収録

【心の変動: 】
心包経の病症は胸内苦悶・心痛・呼吸促迫・特に不安感が募って患者を悩ませる。

【治療、総論:】
通常は脾経の母経として用いるが、肝経との関連性も強い。外形の流注の変化にも注意が必要である。―
〔また、心包経の実について、普通には左の肝経の太衝穴を補えば、右の心包経の正実になる。〕
しかし、― 心包経に邪が客していると、流注上に湿疹や皮膚炎や異常物が現れる状態になり邪実を表す。
これは速やかに瀉すべき状態である。

表題: 臨床考察23: 臓象論  心包 頁:79・平成15年6月 収録

【治療穴:大陵穴:ペースメーカーを入れないですんだ例:心包経の大陵穴を補った。】

原因不明の除脉で心臓のペースメーカーを入れるように勧められた五十歳を少し超えた女性の患者が来院した。
証は脾虚肝実、心経を避けて少し遠回りだが心包経の大陵穴を補った。
次第に脈が正常に近づき、不整脉も無くなった。
一週間後病院へ行ったところ、担当の医師から「あなたは運が良い人だ」と言われたそうである。
鍼灸治療をしていると、よくこうゆう患者がいる。

【治療穴:心包は「心の臓」の邪実を表す、見逃さず、瀉法する。】

また、心包は「心の臓」の邪実を表す場合があり、術者はこれを見逃さず瀉すべきである。
脉状に応じた瀉法は、思うより卓越した効果を示し害も無いもである。

表題: 臨床考察22: 臓象論 5 心包 頁:78・平成15年5月収録

外経に沿って病状が生じている場合は勿論これに従うが、脾経との相生関係で使う場合が多い。
その結果は陰経と比べて正治、誤治共に反応が緩やかで術者にとっては有難い経絡と言えよう。

表題: 臨床考察19: 手の厥陰心包経  頁:66・平成15年2月収録

【心包経は鍼を長く留めないのがコツ。】

【心包経はサラッと刺鍼。】

心包経はかなり使用頻度の高い経絡であるが古典にもあるように鍼を長く留めないというのがコツである。

【心包経の皮内鍼・金属粒・留置鍼は誤治反応がでる。】

以前には皮内鍼や金属粒を貼付したこともあり、留置鍼もしたが、思うような効果より誤治反応のようなものが出たことがよくあった。
〔よって〕普通刺鍼でサラッと行ったほうが無難である。

【 経絡の機能の証明。】

肺臓切除・乳がん手術後等、胸部の内部や表面が大きく変化した患者の場合も、経絡は充分働く。
経絡の人に知られない機能の証明ともなろう。
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⑩ルート:手の少陽 三焦経

臨床考察37:病症論 十二経病 ⑩手の少陽三焦経 頁:131・平成16年12月 収録

【心の変動: 】

何れの証にあっても三焦経の補瀉が用いられて効果的である。
しかし、脉は勿論であるが、左右の経あるいは流注付近の虚実に従って補瀉する事が効果を高める。
極当たり前な事であるが、守られていない場合が多い。
原論にも種々書かれているが、悪寒・発熱・熱感・疼痛・掻痒・目・耳・項背・腰部の症候等々に並んで「薬指の変化」も三焦経の変動を知る上で役に立つ。
この経の変動を正常に戻す時、三焦経の病症解消の目安になる。

表題: 臨床考察23: 臓象論:三焦   頁:79・平成15年6月 収録

【東洋思考で「気」の特性に合致した腑は三焦経である。】

三焦は働きがあって形が無いという東洋思考で「気」の特性に合致した腑である。
治療の現場では活用の範囲が広く、あまり証に拘らないで用いることができる。

【治療穴:膻中穴を始め上焦の穴所は「寒熱感・霧中感・不安定感・眩暈・思考力減退」を治す。】

上焦は雲霧の如くとあるが、気の病に適応する「寒熱感・霧中感・不安定感・眩暈・思考力減退・・」
これらは現代医学でも中々解決しにくいものであるが、膻中穴を始め上焦の穴所を用いてかなりの効果が期待できる。

【治療穴:天枢穴を代表に、志室・脾兪・胃兪・三焦穴等の補法は、心窩部に物が痞える・疲れる・背腰部に凝り痛みを感じる・手足が痛重い・体が重い・やる気はあるが中々実行できないなどを治す。】

中焦のおう漚の如き存在感は捕らえるのに難しいが、心窩部に物が痞える・疲れる・背腰部に凝り痛みを感じる・手足が痛重い・体が重い・やる気はあるが中々実行できないなど・・・。
天枢穴を代表にして、志室穴・脾兪穴等を補い、また胃兪穴・三焦穴等も使用することが多い。
中焦如漚(チュウショウハオウノゴトシ)漚は浸漬発酵の意味。中焦の主要機能が食物の浸漬と腐熱であることをいう。

【治療穴:陰交穴を始め下焦の穴で補法を用いると、便秘・下痢・膀胱炎・生理痛・のぼせを治す。】

下焦の働きは水の如くというが、二便・月水・逆気等五感で認識できる現象・病症を言う。
陰交穴を始め補法を用いる場合が多い。

全身の機能は心包によって支配され、その原気(元気)は三焦によって全身にもたらされる。
三焦の原気は、脾胃により生じた営衛に腎の臓から受けた先天の原気が混じともので、これこそ生命現象の源と言って良いだろう。
三焦の気の不足は、寒冷に繋がり衣服を重ね着しても寒く、クーラー・扇風機・涼風を嫌う。
これに対し気余れば熱感し、しばしば気血共に実証に繋がる恐れがある。
前者後者よろしき補瀉を持って未病を防ぐ。

【治療穴:三焦経補瀉で、目・耳の病や首の凝りを治す。】

目・耳の病や、翳風・風池・瘂門これらの穴辺りに現れる凝りや異常感に対しては、証にかからわず三焦経補瀉して効果が上げられる。

【 誤治反応:三焦に係わる穴には注意を怠ること無かれ・・・。】

背腰臀部にも作用する。
下焦の病、婦人科、泌尿器疾患、二便の排泄障害にも係わりが深く、反応点を求めて処置し効果を上げられるが、注意を怠ると眩暈・耳鳴り・尿閉・月経遅延等の誤治反応も起こすことがある。
なお、現代医療と平行して受診している患者は、病院で行う検査値にも良否の変化を齎す。

表題: 臨床考察22: 臓象論 6 三焦 頁:78・平成15年5月収録

【三焦経の用い方。】

体感温度が低く、摂氏25度でも寒く感じ、衣類を重ね着しなければ居られない。
そんな人は周囲の僅かな変化にも体調が崩れる、いわば陽虚の状態である。
この時三焦経を診て、これが虚していれば補って患者の身体に大きな変化をもたらし、生活状況を通常に戻すことができる。
また以上に暑がり、或いは暑さに弱い人の三焦経の実を瀉法して、未病を治すことができる。
このような人は血が結ほれて、重い疾病に冒される事が多いからである。

表題: 臨床考察19: 手の少陽三焦経 頁:67・平成15年2月収録

【 現代人を快適にする三焦経。】

この経絡は証に係わらず補瀉する応用範囲の広い経絡で、体表の虚実も大きく関与して、気候の変わり目や住まいの暖房が完備された今日この頃では、この経絡の感受性を高めると快適になる。

【 暑さ寒さに過敏な人の治療穴・・・】

暑さ寒さに過敏な患者に対し、陽池・支溝・会宗・三陽絡等の穴への補瀉は誠にその効果明らかである。
また肘関節より上、経絡に沿って現れる反応に対しての処置も上・中・下焦に渡って有効で、思わぬ成果が上げられる。
しかし良否は混在、表裏を示す。明らかな証と適切な処方が必須うである。

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