足甲の打撲症 ti09

足甲の打撲症

男性45歳

症例: 右足甲をハイヒールの踵で思い切り踏みつけられた。
3日ほどたつが痛みが取れない。
病院での検査では骨に異状はないとのこと。

鍼灸の世界には「一発芸」と言うものがあります。

「子午治療」です。

今回の場合、使用したツボは「支正穴」一つのみです。

場所は「陽谷穴から小海穴に向かい上5寸、尺骨後面のほぼ中央」 第6ルート手の太陽小腸経(絡穴)です。

使用した針は「金の30番鍼」です。

手技は経絡の流れに従い押し手を軽く構え、
刺し手30度の角度で、左の「支正穴」に針をそっと近づけ、
穴所に鍼尖を当てます。

気を伺っていると、穏やかな感じになり、押し手と刺し手が共に充実してきました。

ここを飽和点とみて、針を抜きます。
この時、押し手の示指と拇指に軽く針に左右圧を掛けソット針を抜きます。

あら不思議、痛みが消えています。


臨床考察

子午治療は特に急性経病や特定単純症(一経に著名な所見)に非常に効果があります。

今回の場合の痛みの場所が、
右足の甲で、丁度、肝経絡の太衝穴のツボの部位でしたので、
子午治療のルールに有ります。肝と小腸の組み合わせで、
病症は肝経の変動であることを確認し、
その経の半対側(子午的に相対する健側の経絡)
すなわち、第6ルート手の太陽小腸経(絡穴)左の「支正穴」適応側経穴として用いました。

もちろん、
経絡療法の本道は本治法ですので、 この治療の後に、正しく施術しています。

 

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