四、鼻の鍼灸治療

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四、鼻の鍼灸治療

このコーナーでは臨床に直接役立つ経絡鍼灸の証決定・本治法・標治法の方法を述べます。

参考文献は、小里勝之(こさとかつゆき)先生の臨床発表「論考:身体各部の病症と経絡鍼灸治療」を
ベースにして、 ここに、『鍼灸重宝記』と、HPゆっくり堂の経絡鍼灸教科書を加えて構成します。
また、適宜、東洋はり医学会の臨床経験文を参考に考察を行います。


鍼灸師の先生方のご意見・間違いの指摘・などを、当院へお送りくだされば幸いです。

 鼻は肺の外候であり、肺気の門である。  鼻の五行的支配:それぞれ主る。
 鼻尖は肝木。
 心火は鼻空の奥、喉に通じる所。
 脾土は鼻翼。
 肺金は鼻粘膜。
 腎水は鼻の背。

 鼻は肺の外候であり、肺気が正常であり、良く通じる時は、良く臭いやくさみを嗅ぎわける事が出来る。
もし、
七情の気を破って内傷を起こしたり、六因すなわち外邪に犯されたり、飲食労倦の邪により鼻の気を損する時は、
道が塞がって種々な病をなすものである。
鼻塞がり(鼻詰まり)、濁涕(だくてい:膿汁)を流すのは熱邪によるものである。
清涕(透明の鼻水)を流は寒の邪によるものである。
臭がわからなくなったものは肺が風熱に犯されたものである。
濁涕や清涕が流れ出て止まらないものはびえん鼻淵といふ。(花粉症・アレルギー性鼻炎)
臭き膿水ながれ出るを脳漏と言い、蓄膿症のことである。
顔色白く、清涕を流し、香臭を聞ざるは肺虚の証である。
さて、鼻は肺の外候であり、肺の主る所であるから鼻に病ある時は先ず肺気に変動があると診る。
しかし経絡の流注からみると大腸、胃経、膀胱経、督脉等がめぐっているので、
肺経と共にこの四経と五行的支配も考えなけねばならない。HPゆっくり堂 経絡鍼灸教科書より。肺経:
①ルート: 手の太陰肺経 内経を中心とした流注・・・・
⑫ルート:厥陰肝経の交わりを受けて中焦、胃部に始り、下って大腸をまと絡い、
反転上行し胃の上口を経て、横隔膜を貫いて胸郭内に入り肺に属し、
その気を会集し、更に気管より鼻に通じる。
ゆえに、鼻・のど・気管など、呼吸器の異変や、気の病、あるいは消化器の病を主る。
また、肺および肺経は皮膚と体毛を支配しする。大腸:
②ルート:手の陽明大腸経 :流注・・・・支脈は缺盆から別れて、頸より頬に上がり下歯の歯齦に入り、
口を回って鼻と唇の中央、人中穴にて左右交差し、鼻の傍ら、迎香穴に終わる。
治療穴考察:
大腸腑の主治症は偏歴、下廉、上廉、曲池位のもので、呼吸器に関する熱症や気道の主治症が多い。
これは、表裏関係の肺経の現す熱症が陽実証が多いためである。
この大腸経に治療点が現れる。
すなわち、流注における鼻・上歯・のど等の急性熱症や皮膚病、化膿性疾患に効く穴が多い。胃経:
③ルート:足の陽明胃経:流注・・・②ルート手の陽明大腸経、迎香穴より、鼻茎を上がり、
鼻の山根にて左右交わり再び別れ、目の内まなじり、を通り瞳の直下七部の承泣穴に至り、
鼻の外側を下って上歯に入る。
この経の過ぎる所を支配しその部、鼻の病、歯痛、顔面痛、扁桃炎、・目・のど・乳房・肋間等の病を治し、膀胱経:
⑦ルート足の太陽膀胱経:鼻水、じく衂(鼻血)、痔の病、M等を発する。
また、便秘、利尿に関係がある。
現代経絡鍼灸実践例から治療穴:睛明・天柱穴は目・鼻・頭痛・頭蓋骨内疾患に効く。督脉:
流注・・・素髎:鼻尖の中央陥凹部に取る.水溝:鼻中隔の直下にあり、人中の中央に取る.

 病状・病状原因・体力  弁証・脉状・刺鍼手法・標治法
 寒風の邪に犯されて、
鼻水激しく発熱、頭痛、咳嗽等で実証の場合は:
 脉状:浮、洪。
外邪は大腸経と胃経、或いは膀胱経と大腸経にある事が多いから、
刺鍼手法:これを瀉法しなければならない。
 寒風の邪に犯されても、最初から鼻水だけで熱もなければその他の随伴症状もない場合:  脉状:実してはいないが幾分浮いている。
陽経の脉、大腸経と共に胃経が或いは膀胱経に虚生の邪がある事が多いから、
刺鍼手法:1~2号の細い鍼で軽い瀉法を行うと良い。
 慢性鼻炎。
久しくすす鼻を流すものは内傷性のもので、たとえ外傷性のものであっても
経過が久しい為にいつしか陰症となってしまったものである。
 肺虚か腎虚が多い。
 蓄膿症 ・ 濁涕(だくてい:膿汁のこと)  肺虚か腎虚が多く、時に脾虚の場合もある。
標治法:印堂穴
 鼻が塞がる。 鼻が乾く。  陰経の補法と共に陽経も補うことが多い。
標治法:印堂穴
 衂血 (ジクケツ)鼻出血のこと。
上気の症で内傷性のものと外傷性の場合もある。
 陰経では腎虚が最も多く、
陽経では膀胱経、大腸経、胃経を処理する。
いずれも陽経の絡穴を補瀉すべきである。
標治法:天柱、風池を充分に補うと良い。
  鼻茸(はなたけ:きのこ)  標治法:鼻骨の前面にキョロを触知する場合は、これに浅い補法を施して有効である。
  鼻空におできが生じた場合  標治法:その表面鼻翼上に散鍼を施すと妙である。
  無臭症(臭いきかざる症) :  肺気を充分めぐらす事が大切であり、
時々少し臭うという者は完治の見込みあるが、
長年にわたって完全に臭わないものは難治性である。
 アレルギー性鼻炎:  本症はアレルギー体質を改善しなければ完治しない。主証は多くの場合、肺肝相剋証。
時に、脾腎相剋証。
いずれも、陽経に虚性の邪を伴った場合には、これを補中の瀉法で処理する。

 標治法について。・鍼灸重宝記:鼻病を参考にして、
証にしたがって適宜取穴すべきであるが、
肩こり、ナソの所見の処理、天柱、風池、瘂門、風府、
は鼻の病に欠くべからずものである。
 また、衂血(はなぢ)の場合は天柱、風池を充分に補うと良い。
 両眉毛の間にある印堂穴は鼻詰まり、蓄膿症(だくてい濁涕)に良い。
 また、胃経の四白附近に斜め下外方に走るキョロが触れたら、
これに1~2ミリ細い鍼で処置することも有効である。

性別年齢・症例名 主訴・副訴・経過 主証決定、治療方法、その効果
 症例1・
♂25歳
会社員
クシャミ・鼻水
 学生時代から鼻が悪く、
朝起きると必ず十数回クシャミを連続して発し、
最後に鼻水を流して止まる。副訴:食欲不振、しばしば下痢、
背が痛い、倦怠感あり。
証は肺肝相剋証。週2回程度、半年で完治。
 症例2・
♀小学2年生
アレルギー性鼻炎
右に鼻茸
3年ほど前から鼻がつまり、時々ドロドロの鼻汁が出る、
2年間耳鼻科に通ったが一向に良くならず来院した。アレルギー性鼻炎と右に鼻茸があるので、
手術を勧められていた。副訴:風邪を引きやすい。
主証:肺肝相剋証。
本治法:1号鍼にて、
右太淵、商丘、
左中封に補法。
標治法:2号鍼にて、印堂穴・四白・迎香、それに、
右鼻背に斜めの線状の硬結を触れたので、これに浅く三点、
幅ぜまな雀啄術を行い、ナソ所見の処理、腹部散鍼を行う。
風邪を引いた時には大腸経、胃経の虚性の邪を補中の瀉で除いた。
効果:
週1~2回の治療で、3ヶ月目に鼻茸は完治。
鼻づまり・鼻水も風邪を引かない時は無くなり、
鼻炎は半年で完治。
 症例3・
♀33歳
主婦アレルギー性鼻炎
 主訴:十年ほど前からアレルギー性鼻炎で、
長期間、耳鼻科に通ったが
一向に良くならずあきらめていたが、
鍼が良いという話を聞いて来院した。
副訴:食物アレルギー 玉子や魚を食べると湿疹が出て痒くなる。
又、肩こり、腰痛、高血圧がある。
 主証:肺肝相剋証。
本治法:
右太淵、太白、左太衝、大陵に補法。
標治法:
効果:治療4回で玉子や魚を食べても
痒みが出なくなった。
鼻炎は16回で完治。
 症例4・
♂小学1年生
症例3の子供
 アレルギー性鼻炎 肺肝相剋証。 鍉鍼にて治療。効果:鼻炎は12回で完治。
 症例5・
♀52歳
主婦
衂血(鼻血)
 慢性膝関節炎と腰痛で来院。
時々、衂血が出ると中々止まらない。
耳鼻科に通っているが血小板が少ない為だとの事。
主証:脾腎相剋証。効果:鼻血の量も回数も次第に減り、3ヶ月ほどで全治。
(関節炎は治療継続中)
症例6・
♀48歳
主婦鼻詰り
 喘息とひどい鼻詰りで来院。  肺肝相剋証。効果:
喘息は2ヶ月程度で治まったが、鼻詰りは施術直後は通るが間もなくまた塞がるという重症で、標治法の一部として円皮鍼を鼻背に固定貼付したところ、
鼻の通りが急速に良くなり十数回で全治した。貼付場所は鼻背の正中線をなでおろし鼻骨の直下左右に5~6ミリ開いたくぼかなる中。

鼻詰まりの治療
 臨床追試、「病機十九条」中野正得先生(関西支部長)より。東洋はり医学会機関紙、経絡鍼療第510号、45p「病機十九条」4、「諸濕腫滿、皆脾に属す」「諸濕腫滿,皆屬於脾。」による。
  〔浮腫(むくみ)の治療法〕を慢性の鼻詰まり症状に応用して、ゆっくり堂でも治療効果を上げています。
  症状   治療穴
 頑固な湿邪(むくみ)  を動かすには陰陵泉である。実測(圧痛点)に置鍼する。
 浮腫みに熱が絡んだ場合は  陰陵泉と曲池で治療する。。
 ノロウイルスの治療法  ノロウイルスも湿熱が原因で、熱が勝った状態である。
身体の防衛反応でこの熱を排出しようとして上げ下をするのである。
簡単に言うと脾実である。この場合は公孫の方がいい。
 〔浮腫(むくみ)の治療法パート2.〕:  湿は病的な水であるから、証にかかわらず、
足の三焦経の流れを良くしてあげれば水が流れる。
三焦経の下合穴である委陽から崑崙までの硬結をゆるめてあげればよい。
湿が停滞している病には全て使える。
【痰病・喘息・メニエールは脾虚証で治す。】 諸々の腫満(腫は浮腫・水腫、満は脹満である。)は湿邪によって発生し、
それらは皆脾の変動である。
確かに脾を動かせばおしっこが出る。 また内湿が発生すると痰が出来る。
「脾は生痰の源、肺は貯痰の器」とあるように痰病は脾の変動が多く、
喘息にもこの証がある。
この痰が経脉を塞いで清気が上に昇らないと脳竅が空虚になり眩暈が起こる。
メニエールの中に脾虚でなるものがあるのも、この病理で納得である。
  参考穴、取穴:
 陰陵泉 :④ルート:足の太陰脾経 (21穴)9(いんりょうせん) 合水畏穴
部位:脛骨内側顆の下際、脛骨後縁にあり。
取り方:脛骨の後縁を指で押し上げていくと骨の湾曲する所に突きあたる、
その脛骨縁に著明な反応がある、ここに取る。
 曲池 :(東) ②ルート:手の陽明大腸経(20穴)11。合土母穴
部位 : 橈骨と上腕骨結合部の内側にあり。
取り方: 肘を半ば屈すると肘窩横紋がよくわかる、
のその横紋頭の深部で橈骨と上腕骨結合部の内側に取る.

   鼻の治療、『鍼灸重宝記』針灸諸病の治例より
   特徴   治療方法、治療穴
 鼻は肺の候なり。和するときは、よく香臭を分別す。
若し、七情内に欝し、六淫外を傷り、飲食労役して、鼻気調はず、清道ふさがりて病をなす。
鼻塞り、濁涕を流すは熱邪とし、清涕を流は寒邪とす。
香臭を聞ざるは肺に風熱あり。
濁涕、あるひは清汁をながして止ざるを鼻淵といふ。
乃、風熱、脳をやぶり、脳気固からずして、液をのづから滲る也。
臭き膿水ながれ出るを脳漏といふ。
面白く、清涕をながし、香臭を聞ざるは肺虚なり。
鼻赤きは熱血肺に入る。酒齄鼻といふ。
鼻頭、紫黒きは風寒によつて、血冷、凝滞て散ぜざるなり。
みな、症を詳にして治すべし。
 ▲百会・上星・肺兪・風門。
 ▲鼻塞るは上星・臨泣に針し、上星(七壮)・百会・厲兊・前谷に灸すべし。
 ▲清涕は人中・上星・風府(又、風門に灸)。
 ▲脳漏、臭き涕出ば曲差・上星。
 ▲久病、涕ながれて止ずは、百会に灸して妙なり。
 ▲息肉は迎香。
 ▲衂血は風門・風府・風池・合谷・二間・三間・後谿・前谷・委中・申脉・上星・三里。
 ▲鼻瘡は上星・百会・風府。


『鍼灸重宝記』記載、治療穴

鼻の治療穴、部位と主治。
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▲百会・上星・肺兪・風門
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▲鼻塞るは上星・臨泣に針し、上星(七壮)・百会・厲兊・前谷に灸すべし。

上星【針】

22 上星 (じょうせい) 所属経絡:督脈・ 取穴部位:前髪際を入ること1寸、正中線上に取る.

『鍼灸重宝記』 上星  (一穴) (一の名は神堂)

取穴: 神庭の後五分、髪際に入こ と一寸賂中。
灸法:灸五社。
針法:針三四分、留ること六呼、

主治:
頭痛、面赤く腫れ、皮はれ、鼻中に息肉いで鼻ふさがり 、痎瘧(がいぎゃく:おこり)、汗不出、
めまひ、 目じりいたみて、遠くみることあたはず、吐血、はなぢを治す。

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臨泣【針】

15 頭臨泣 (あたまりんきゅう)  所属経絡:胆経・ 取穴部位:瞳孔の直上で、神庭穴と頭維穴を結ぶ線上との交点に取る.

『鍼灸重宝記』臨泣 ( 二穴)

取穴: 目の真中の行の上、髪際より五分上、すなはち神庭の左右へ二寸二分 半づっ開く。
灸法:禁灸。
針法: 針二分、留ること五呼、
主治:
目眩(くるめ)き、  目痛み、 白翳(はくりゅう:ぬける)を生じ 、悪寒、鼻塞、驚風、てんかん、反視、
卒中風、月水通ぜぬに。

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上星(七壮)【灸】

22 上星 (じょうせい) 所属経絡:督脈・ 取穴部位:前髪際を入ること1寸、正中線上に取る.

『鍼灸重宝記』 上星  (一穴) (一の名は神堂)

取穴: 神庭の後五分、髪際に入こ と一寸賂中。
灸法:灸五社。
針法:針三四分、留ること六呼、

主治:
頭痛、面赤く腫れ、皮はれ、鼻中に息肉いで鼻ふさがり 、痎瘧(がいぎゃく:おこり)、汗不出、
めまひ、 目じりいたみて、遠くみることあたはず、吐血、はなぢを治す。

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百会【灸】

19 百会 (ひゃくえ) 所属経絡:督脈・ 取穴部位:前髪際を入ること5寸、正中線上に取る.

『鍼灸重宝記』百会穴:(一穴) ( 別名:三陽五会、巌上、天満 )

取穴: 前頂の後へ一寸五分、前の髪のへぎはより五寸上、旋毛の中にあり、両の耳の尖の官、頭の直中なり 。
灸法:七壮あるひは三五(15)壮。
針法:針二分又は四分、
主治:
頭風、中風、言語謇渋(げんご げんじゅう:どもる病状)、 口噤(くちつぐ)み、半身かなはず、
心煩れ悶へ、驚悸(驚き動悸する)、健忘(ものわすれ)、痎瘧(がいぎゃく:おこり)、脱肛、
風癇、角弓反張、羊鳴 ・多く突て語言そろはず 、発る時は死入、沫を吐き 、汗出、乾嘔(からづき)し 、
酒を飲て面赤く 、脳重く、鼻ふさがり 、頭痛、 メマイ、食に味なき、 を主る。百病を治す。

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【灸】

 厲兊

45 厲兌(れいだ)井金穴。  所属経絡:胃経・

取穴部位:足の第2指外側爪甲根部、爪甲の角を去ること1分に取る.

『鍼灸重宝記』厲兌(れいだ) 井金穴 (二穴)
取穴: 足の次指の外側ら 、爪甲の角を去こと一二分。
灸法:灸一二壮。
針法:針一分、
主治:
尸厥(しけつ)(突然倒れて人事不省となり仮死状態になる)、 口噤(くちつぐむ)、 心腹脹満、水腫、熱病汗出ず、寒瘧(かんぎゃく:1日とか2日おきというように周期的に悪寒戦慄と発熱を繰り返すという特徴のある病状)、不食、 好飢、 こうひ、 上歯むしくひ、悪寒、 鼻ふさがり 、 狂走、黄疸、 鼻血、 口ゆがみ、 面(かお)首腫、 もも膝 [骨十行]跗(くびす)腫れ痛み、ふこつ【跗骨】⇒ 足根骨(そつこんこつ)(「踵骨:かかと」とそれの周りの骨の部。)小便黄なるを、治す。
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前谷【灸】
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▲清涕は人中・上星・風府(又、風門に灸)。

人中

25 水溝(すいこう)所属経絡:督脈・ 取穴部位:鼻中隔の直下にあり、人中の中央に取る.

『鍼灸重宝記』水溝(すいこう)(一穴)(一名人中)

取穴: 鼻柱の下。
灸法: 灸三壮、
針法:針三四分、留ること五六呼。 気を得て瀉。
主治:消渇、 水腫、 癲癇、 狂乱、 中風、 中悪、 黄疸を治す。。

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上星

22 上星 (じょうせい) 所属経絡:督脈・ 取穴部位:前髪際を入ること1寸、正中線上に取る.

『鍼灸重宝記』 上星  (一穴) (一の名は神堂)

取穴: 神庭の後五分、髪際に入こ と一寸賂中。
灸法:灸五社。
針法:針三四分、留ること六呼、

主治:
頭痛、面赤く腫れ、皮はれ、鼻中に息肉いで鼻ふさがり 、痎瘧(がいぎゃく:おこり)、汗不出、
めまひ、 目じりいたみて、遠くみることあたはず、吐血、はなぢを治す。

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風府

15 風府(ふうふ)所属経絡:督脈・ 取穴部位:外後頭隆起の下方にあり、後髪際を入ること1寸に取る.

『鍼灸重宝記』 風府(ふうふ)  (一穴) (一名舌本)

取穴: 強間の後二寸五分、後の髪際より一寸。
灸法:禁灸なり 。
針法:針三四分、留ること三呼、
主治:
中風、舌緩まり語らず、振寒汗出て、身重して、悪寒、づっう 、項強て回顧ことを得ず、
偏風半身かなはず、はなぢ、咽喉はれ痛み、傷寒、狂走、 目妄に視るを治す。
頭の百病、黄疸を主る。 傷寒、づっう 、悪風、発熱、身疼痛む者、或は耳聾、脇痛、嘔して口苦く 、
頭痛、寒熱往来する者、  並に風池、風府に刺すべし 。

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風門【灸】

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▲脳漏、臭き涕出ば曲差・上星。

曲差
3 曲差(きょくさ)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:神庭穴と頭維穴を結ぶ線上で、神庭穴の外1寸5分に取る. (注)神庭穴と頭維穴の間を3等分し、神庭穴、曲差穴、本神穴、頭維穴と等間隔に取る.
『鍼灸重宝記』 曲差  ( 二穴)

取穴: 神庭の傍ら左右へ一寸半づっ、 前の髪際よ り五分上にあり 。
灸法:灸三壮、
針法:針三分、
主治:
目明(めあきらか)ならず、 衂血(はなぢ)、 鼻瘡(はなただれ)、 心煩、 頭頂いたみ、 頂き腫るを治す。
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上星

22 上星 (じょうせい) 所属経絡:督脈・ 取穴部位:前髪際を入ること1寸、正中線上に取る.

『鍼灸重宝記』 上星  (一穴) (一の名は神堂)

取穴: 神庭の後五分、髪際に入こ と一寸賂中。
灸法:灸五社。
針法:針三四分、留ること六呼、

主治:
頭痛、面赤く腫れ、皮はれ、鼻中に息肉いで鼻ふさがり 、痎瘧(がいぎゃく:おこり)、汗不出、
めまひ、 目じりいたみて、遠くみることあたはず、吐血、はなぢを治す。

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▲久病、涕ながれて止ずは、百会に灸して妙なり。

百会【灸】

19 百会 (ひゃくえ) 所属経絡:督脈・ 取穴部位:前髪際を入ること5寸、正中線上に取る.

『鍼灸重宝記』百会穴:(一穴) ( 別名:三陽五会、巌上、天満 )

取穴: 前頂の後へ一寸五分、前の髪のへぎはより五寸上、旋毛の中にあり、両の耳の尖の官、頭の直中なり 。
灸法:七壮あるひは三五(15)壮。
針法:針二分又は四分、
主治:
頭風、中風、言語謇渋(げんご げんじゅう:どもる病状)、 口噤(くちつぐ)み、半身かなはず、
心煩れ悶へ、驚悸(驚き動悸する)、健忘(ものわすれ)、痎瘧(がいぎゃく:おこり)、脱肛、
風癇、角弓反張、羊鳴 ・多く突て語言そろはず 、発る時は死入、沫を吐き 、汗出、乾嘔(からづき)し 、
酒を飲て面赤く 、脳重く、鼻ふさがり 、頭痛、 メマイ、食に味なき、 を主る。百病を治す。
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▲息肉は迎香。

迎香
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▲衂血は風門・風府・風池・合谷二間・三間・後谿・前谷・委中・申脉・上星・三里

風門
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風府

15 風府(ふうふ)所属経絡:督脈・ 取穴部位:外後頭隆起の下方にあり、後髪際を入ること1寸に取る.

『鍼灸重宝記』 風府(ふうふ)  (一穴) (一名舌本)

取穴: 強間の後二寸五分、後の髪際より一寸。
灸法:禁灸なり 。
針法:針三四分、留ること三呼、
主治:
中風、舌緩まり語らず、振寒汗出て、身重して、悪寒、づっう 、項強て回顧ことを得ず、
偏風半身かなはず、はなぢ、咽喉はれ痛み、傷寒、狂走、 目妄に視るを治す。
頭の百病、黄疸を主る。 傷寒、づっう 、悪風、発熱、身疼痛む者、或は耳聾、脇痛、嘔して口苦く 、
頭痛、寒熱往来する者、  並に風池、風府に刺すべし 。

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風池

20 風池(ふう ち)   所属経絡:胆経・ 取穴部位:乳様突起下端と瘂門穴との中間で、後髪際陥凹部に取る.
(注)僧帽筋と胸鎖乳突筋の筋間の陥凹部髪際にある.

『鍼灸重宝記』風池 (二穴)

取穴: 脳空の後へ 、耳の下面の通り 、項の竪の髪際の陥の中 、すなはち推ば耳の中へ応る処。
灸法:灸七壮。
針法:針三四分あるひは七分、留ること三呼、
主治:
傷寒々ねつ、 温病、汗出でず、 目眩(くるめ)き、 あるひは偏正の頭痛、痎瘧(がいぎゃく:おこり)、
頚項ぬくがごとく痛を主る 。
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合谷
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二間
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三間
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後谿
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前谷
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委中
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申脉
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上星

22 上星 (じょうせい) 所属経絡:督脈・ 取穴部位:前髪際を入ること1寸、正中線上に取る.

『鍼灸重宝記』 上星  (一穴) (一の名は神堂)

取穴: 神庭の後五分、髪際に入こ と一寸賂中。
灸法:灸五社。
針法:針三四分、留ること六呼、

主治:
頭痛、面赤く腫れ、皮はれ、鼻中に息肉いで鼻ふさがり 、痎瘧(がいぎゃく:おこり)、汗不出、
めまひ、 目じりいたみて、遠くみることあたはず、吐血、はなぢを治す。
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三里
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▲鼻瘡は上星・百会・風府。

上星

22 上星 (じょうせい) 所属経絡:督脈・ 取穴部位:前髪際を入ること1寸、正中線上に取る.

『鍼灸重宝記』 上星  (一穴) (一の名は神堂)

取穴: 神庭の後五分、髪際に入こ と一寸賂中。
灸法:灸五社。
針法:針三四分、留ること六呼、

主治:
頭痛、面赤く腫れ、皮はれ、鼻中に息肉いで鼻ふさがり 、痎瘧(がいぎゃく:おこり)、汗不出、
めまひ、 目じりいたみて、遠くみることあたはず、吐血、はなぢを治す。

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百会

19 百会 (ひゃくえ) 所属経絡:督脈・ 取穴部位:前髪際を入ること5寸、正中線上に取る.

『鍼灸重宝記』百会穴:(一穴) ( 別名:三陽五会、巌上、天満 )

取穴: 前頂の後へ一寸五分、前の髪のへぎはより五寸上、旋毛の中にあり、両の耳の尖の官、頭の直中なり 。
灸法:七壮あるひは三五(15)壮。
針法:針二分又は四分、
主治:
頭風、中風、言語謇渋(げんご げんじゅう:どもる病状)、 口噤(くちつぐ)み、半身かなはず、
心煩れ悶へ、驚悸(驚き動悸する)、健忘(ものわすれ)、痎瘧(がいぎゃく:おこり)、脱肛、
風癇、角弓反張、羊鳴 ・多く突て語言そろはず 、発る時は死入、沫を吐き 、汗出、乾嘔(からづき)し 、
酒を飲て面赤く 、脳重く、鼻ふさがり 、頭痛、 メマイ、食に味なき、 を主る。百病を治す。

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風府

15 風府(ふうふ)所属経絡:督脈・ 取穴部位:外後頭隆起の下方にあり、後髪際を入ること1寸に取る.

『鍼灸重宝記』 風府(ふうふ)  (一穴) (一名舌本)

取穴: 強間の後二寸五分、後の髪際より一寸。
灸法:禁灸なり 。
針法:針三四分、留ること三呼、
主治:
中風、舌緩まり語らず、振寒汗出て、身重して、悪寒、づっう 、項強て回顧ことを得ず、
偏風半身かなはず、はなぢ、咽喉はれ痛み、傷寒、狂走、 目妄に視るを治す。
頭の百病、黄疸を主る。 傷寒、づっう 、悪風、発熱、身疼痛む者、或は耳聾、脇痛、嘔して口苦く 、
頭痛、寒熱往来する者、  並に風池、風府に刺すべし 。
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