塵(ジン)の脉 とその手技
小項目 番号 e212
1 | 陽経の脉状名 | 塵(ジン)の脉 |
2 | 塵の 脉状の特徴 |
脈は綿ぼこりでも積もった様な感じで、 左右の陽分を比較すると邪の部がフヮフヮしてやや大きく感じる脈状である。 気の変動によって現れる邪である。・ 枯、堅二者よりも更に生気が不足した虚体患者の脈。 |
3 | 対象者 | 慢性病を持つ、虚体患者。 愁訴の7~8割りは消退していて日常生活はおくっているが 身体がだるくさっぱりしないと訴える。 |
4 | 用 鍼 | ステンレスの1番鍼。 |
5 | 本治法の 対象穴 |
陽経の反応点、多くは絡穴が用いられる。触覚所見によっては、郄穴、原穴等を代用する。 |
6 | 本治法の 実技の手順塵の手技 |
(1)経絡の流れに逆って取穴し、押手を構える。・(2)刺手は竜頭を軽く持ち、
接触ないし1ミリ程度刺入し、 補って、スーッと抜鍼する。 ・ (3)そのさい押手は、わずかに穴所に密着させる程度でよい。 |
7 | 本治法の 効果 |
治療宜しければ、フヮフヮ脈状が、締まって艶のある和緩を得た脈状になり、 微熱が取れて身体が軽くなる。 |
・
※ 瀉法の手技は、邪気を除くもの。
瀉法の目的は邪実である。
実するものは之を瀉す。
邪実は内外の邪による分類から、大きく二つに分類されます。
①外因による邪としての、外邪実。
②内因による邪、生体の内部的アンバランス、歪みよる邪である、旺気実。
さらに、
②の旺気実は生体の「生気の不足」による「虚性の邪」があり、
この「虚性の邪」は3つの脉状に分類され、
それぞれを治す手技があります。
「虚性の邪」の分類は塵(ジン)・枯(こ)・堅(ケン)の3つです。
※ 本治法における瀉法の基本。
陰経(臓の経:肝・心・脾・肺・腎・心包)脉に対して、陰経の生気を補うと、
陽経の脉状に邪実の脉状が浮き上げられます。
陽経(腑の経:胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)に現れる邪実の処理の方法です。
この邪実の脉状「虚性の邪」を瀉法します。
虚性の邪の基本の邪実の処理を「補中の瀉法」と呼称します。
・
・
塵(ジン)の刺鍼手技。 (最新版)2015.5.15.
塵(ジン)の脉状の特徴は、「綿(わた)ぼこり」の様である。
目的は「気の主り」の調整。
用鍼(使用する鍼)は銀またはステンレス1番鍼。
塵(ジン)の手順の唱和 【 】内は注意事項。
1.経の流れに逆らって取穴します。
2.押手を作り(構え)ます。
3.竜頭を軽く持ち、
4.押手の中に鍼を入れます。
5.ゆつくりと穴所(けつしょ)に近付けます。
6.接触かわずかに刺入し、【接触ないし1ミリ程度の刺入。】
7.補って、【押手の下面を合わせる。】
8.押手の下面を穴所にわずかに密着させ、【密着度はチリ紙一枚程度。】
9.スーッとゆっくりと抜鍼します。
10.押手を離します。【一呼吸してから押手を離す。 鍼口は閉じません。】
・
::::::::::::::::::::::::::::
・
鍼灸師の先生方の、ご意見・間違いの指摘・などを、当院へお送りくだされば幸いです。
店舗案内&お問い合わせコーナーをご利用ください。
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°
ゆっくり堂 鍼灸院
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°