井上惠理先生の脉診
☆ 脉診の練習方法:
自分の脉が解る様に成れば、人の脉も解る様に成る。
-参考文-
南北経驗醫方大成 井上恵理 先生 講義録 付・臨床質問 表題
《 臨床質問 ―p188より。》
☆ 脉を診ることは人生の修行である ☆
脉を診ることは人生の修行である。
脉を診る時に一番、重要なことは「心構え」が大切です。
虚心坦懐でなければいけない。
無心にありのままを取る。
何も考えないということです。
今まで聞いたこと診たことを忘れてしまうことです。
考えないと言う事は、何かを考えているのです。
その目標を何に置くかです。 唱え事は、精神統一の一つです。
お経でも良い。
そうすると脉の正常な物が診られる。
左手を診る時は、右手が解る。
訓練すると、診ていない方が診えるのです。
それは無心になるからです。
それには脉位をはっきり決める事、
例えば、中脉に持って行ったらそこで無心の状態に成って、
ソーッと押さえる、押さえ方が自然に、
沈んだり浮いたりに成ると脉がわかって来るのです。
仏教においては、花で目を、香りで臭いを、鉦(かね)で耳の不浄を無くし、
一つの物に集中させるのです。
脉をしっかりとれる人は、精神的にも成長します。
所謂、雑音を聞かせない、自分に素直に考えれば答えは出てくるのです。
治療家は人に成れと言うのがそれです。
脉を診るという事は、唯、単なる診断という事ではなく、
自分の修行として、我々が真剣に取り組んでいる気持ちが尊いのです。
それが、患者に解るのです。
そこから、患者の信頼を得ることができ、
患者の病気の治り方が違ってくるのです。
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人迎脈と橈骨動脈の自己練習。
人迎脈と橈骨動脈の自己練習 (写真図) gbm21
(人迎の脉:人迎穴は喉頭隆起の外方1寸5分、総頚動脈、拍動部に取る。)
【 井上恵理先生のお話より。 】
☆ 脉診練習に良い方法:
左の手を診る場合には、
左手の親指と人指し指で首の人迎の脉を挟み、その脉を診る。
そして右手で左手の脉を診る。・・・
※ 五箇所の脉が一辺に解るように練習する事。
そして、患者の脉を診る時、 六本の指にくる脉を六つに感じそれぞれの虚実を診なくてはならない。
この練習、訓練を実践してこそ、の先に初めて正しいものが解るように成ります。
○ 脉がわかりにくい場合は始めに、腹部の凹凸を診て、その柔らかい所に補法をする。