足先のしびれ ti05

☆ 足先のしびれ。☆

今回のご相談は、
右の、外くるぶしから、足の指、第3指~第5指(小指)にかけて、
ジンジンと痺れる。
とのこと。

何とか改善の方法はないだろうかとう言うご相談でした。

ここでは、けいらく鍼灸の

改善のツボについての実践例を述べます。

まず、

足先のシビレの原因を西洋医学的に考えますと、

① 糖尿病などの神経障害がある場合。
② 腰骨や仙骨の神経が圧迫される場合。
③ 外傷による損傷
④ 腫瘍によって神経が圧迫される場合。

などで、足にしびれ出る事がが考えられます。

今回の場合は、3年ほど前に、腰痛が出て、
それから症状が臀部、大腿後面、ふくらはぎ、
の痛み。
そして、足先の痺れになった。

その後、医療機関での検査では、神経根の圧迫等はないとの事で、
整骨院での治療を受け、腰からふくらはぎ、の痛みは改善したが、
足先のシビレは依然として残っている。

糖尿病や外傷、腫瘍もないとのことなので、
何らかの神経の圧迫が疑われる。

痺れは知覚神経の異常で表れ、
血流の不足や筋肉が硬くなる事で症状がでやすい。

s1l5l4

写真の
L4は、浅腓骨神経(L5~S1)
:神経の出発場所は第4腰椎の下方より。

L5は、深腓骨神経・内側足底神経 (L4~S1)
:神経の出発場所は第5腰椎の下方より。

S1は、外側腓腹皮神経・外側足底神経 (S1~2)
:第1仙骨穴(上髎穴のツボ)より出ている。

また、この神経は坐骨神経ともよばれる場所になる。
東洋医学的に考えると、症状の出ている経絡の流れは、

⑦ルート 足の太陽膀胱経
この経虚する時は、冷えしびれて運動不全となる。

この経絡の流れは、
目の内まなじり睛明穴より更に臀部を通り、大腿の後側を下って膝膕(しつこく)中に入る
下腿の後側を経てて外果の後を通り、足の外側を経て第五指(小指)の外端の至陰(しいん)穴に至っている。

治療穴について考察する。
足の太陽膀胱経は、少陰腎経と表裏関係をなしているので、
五臓六腑と全て関係があり、その付けつがこの経に属している。
よって、肩こり・腰背痛・坐骨神経痛・を治す穴がある。
また、また、各兪穴はそれぞれの臓腑の主治穴である。
中でも、膏肓・腎兪・志室穴等は慢性病の治療に欠かすことは出来ない。
特に、この経と流注を同じくする督脈経上の腰陽関・命門・大椎・身柱・
命門・百会・印堂はそれぞれ同位の兪穴と主治症が類似して特効を上げる。

【経絡治療学原論上巻p122参考】

⑪ルート 足の少陽胆経

現代経絡鍼灸実践例から鍼灸古典文献を検証すると。
足の少陽胆経は足の厥陰肝経と表裏肝経にあり、その流注は身体外側部、少陽の部を通る特徴がある。

内経を中心とした流注・・・・
目じりの瞳子髎穴より始まり、
側胸部を下り斜め前方に行き、日月穴に至り、
第十二肋骨先端の京門穴を経て側腹部を下り、
これより大腿、下腿の側面を下り外果の前外側を経て、
足の第四指外端の爪甲根部の足竅陰穴に終わる。

その病は、
筋・爪に現れ、腰痛、足の外側、跗上(足の甲)の外廉(かど)等に痛みや痺れ、運動不全等が現れる。
また
環跳穴は下肢全体の疼痛、麻痺、運動不全に効く。
外丘・光明・足臨泣はこの経の虚実・補瀉に欠かせない大事な穴である。

【経絡治療学原論上巻p128参考】

③ルート: 足の陽明 胃経

流注は

まぶたの下、承泣穴より、
缺盆穴より乳線ラインを通り、
諸穴を連ねて腹直筋に沿って下り、
気衝穴に至り、支脈を合して大腿の前外側を通り、
膝頭を循り下腿の前外側を通り、
足?にいたり、第二指の外端厲兌穴に終わる。

鍼灸実践考察:
胃経は太陰脾経と表裏関係にあり、口より食堂を経て五味を受け、
碑と共に後天の原気たるえい え営衛の生成、およびその全身への伝与を主っている。
ゆえに、
病気になると、胃の気の消長が、大きくその経過や予後の予測に関係する。
すなわち、
病気や疲労の回復等、予後の判定に関与する。
また、
この経の過ぎる所を支配し、
鼠蹊部の帰来穴、気衝穴は男女生殖器疾患や下肢全体、特に膝関節の病に特効がある。

三里穴は全身の血流の調整をなす。
また、
後天の原気を主するのは、精神病に関係があり、
その食欲不振にはこれを補い、
陽実証で貪食不飽の際はこの胃経を瀉すことによって特効を上げる。

これらを総合的に考えて、

主訴の足先のシビレのほかに、
副訴として、胃下垂、手足の冷え、鼻炎。
腹診・脈診より、
脾の虚、膀胱の虚、が認められ、
また、
鼠蹊部の帰来穴、気衝穴にやや実の所見をみたので、

本治法として、
陰陵泉穴と大陵穴に補法。
光明穴に枯に応じる補中の寫の手技をくわえる。

標治法として、
督脈経上の腰陽関・腎兪・志室穴・仙骨の上?穴・
少陽胆経は足の身体外側部:外丘・足臨泣・
鼠蹊部の帰来穴、気衝穴にて適宜補寫の手技。

同上治療を3回ほど継続し、8割方の改善をみる。

 

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