「頭位置変換性の眩暈」の鍼治療 ti026

「頭位置変換性の眩暈(めまい)」の鍼治療

                                      ゆっくり堂鍼灸院の病気の改善例(26)

                         鍼灸治療例 小項目 番号 ti026

治療例 (26): 「頭位置変換性の眩暈(めまい)」

患者プロフィール: 男性 59歳 カウンセラー
来院年月日: 2014年11月29日


病状の特徴:

 「頭位置変換性の眩暈(めまい)」

朝、5時に起床して洗面台に立った時に二日酔い様のふらつきが出た、

昨晩はそれほど深酒をしたのでは無かったが、

二日酔い止めの漢方薬(肝虚脾実改善の鉄クロロフィリン液)を飲んだところ、

急激に足が地に着かず身体がふらつく状態となり、歩き出すとめまいがして平衡感覚を失う。

やっとのことで、ベッドに戻り、仰向けに寝るも、少しでも頭が動くと、

天井や壁がガタガタと揺れだし、左回転に天井が回りだす。

身体が荒波に漂う小舟のように、奈落の底に沈みこむ感覚になる。

目を閉じると何とか治まる。


病状の経過:

20日ほど前から、学会誌への15項目の課題に対する経験マニアル作成の仕事を受け、

連日、昼夜を問わず(一日15時間)にパソコンにて作業をする。

また、不眠の解消にアルコール過多とのこと。

来院年月日の早朝に「頭位置変換性の眩暈(めまい)」を発症した。
病気が起きる原因は大きく分けると三つありますが、

今回の場合は、不外内因にあたります。

働きすぎ、アルコールの飲みすぎとなど、

身体に無理を強いる活動をした、自業自得の病因にります。


漢方経絡診断:

PC作業での目への負担から、肝木に変動を与えている。

また、経験マニアル作成では思考過多と飲酒過多により脾土の変動を起こし、

問診から、

怖い夢をやたらとみる(腎水の変動)・のどの痛み、風邪引き(肺金の変動)・

舌の先痛み(心火の変動)・口の中が苦い(肝木胆の変動)

難経五十三難にある、

『七伝の者は死し、間蔵の者は生きる』
http://you-sinkyu.ddo.jp/ank053.html

の一歩手前の四伝があったと考えられます。

それは、脾土の変動 → 腎水の変動 → 心火の変動 → 肺金の変動 → 肝木の変動へと。

それと、直接にPC作業で、肝木に変動をお越し、

肝実証の眩暈(めまい)を起こしたものです。


施術内容:

脉診と弁証から「肺虚肝実証」にて本治法をしました。

この様な場合、手技の初めに、こめかみの部に実所見が有りますのでここにステン1番鍼にて置鍼を行います。

患者は敏感肌に成っていますので、鍼が軽く接触するだけでも反応しますが多少痛がっても刺入します。

また、陰経の処置の後に陽経の邪をその程度に応じて全て抜いてやらないといけません。

標治法は、軽めに経を流す水平鍼似て処置。

険脉すると心経に邪気が浮いていて、脇に実所見が確認できましたので、

改めて「腎虚心実証」にて本治法をしました。


治療の患者の感想:

ベットでの体位を変える時も目まいがしていたが、難とか収まりつつある。

また、口と舌先の乾き痛みが半分改善しているとのこと。


治療を終えて:

最近、PC作業から、肝木の虚や実所見の病状を訴え来院する患者が増えていますが、

ここまで、急性に病状を悪化させた場合の一番の薬は休業する事です。

それと、この病状では目まいがして働けないので本人にも今回はなっとくの様です。

現代社会に適応する鍼灸の技術でこの様な患者の救済が鍼灸院の仕事になっています。

人は陽気満ちて朝目覚め、昼は活発に活動して夕方を迎えます。

その頃になると陰気が増し、動く ことを好まなくなって眠りに向かいます。

夜は静かに陰気が働いて疲れを癒し、心身の充実をはかり朝に備えるのです。

これが自然の理に適った生活のあり方というものなのですが。〔陰遁陽遁の理。〕

しかし現代社会の生活はこれに大きく逆らい、そこから発病する場合も増加して止ません。

もっと困る事態は、鍼灸治療家が適正な生活法方を指示しても現状に合わず、

患者は生計を立てることが 出来なくなるという現代文明の悲劇です。・・・

ここに至れば鍼灸治療家もこの条件を克服して、

健康的生活を送れる様に患者の生命力を強化する。

鍼灸施術が必要になってきます。

ゆっくり堂鍼灸院は、その技量を日々、高める努力をいたします。

 

                                        ゆっくり堂鍼灸院の病気の改善例(26)

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