四二難

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難経 第四十二難

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ゆっくり堂の『難経ポイント』 第四十二難

※ 四十二難のポイント其の一は、四十二難は人間の臓腑の形状と容量が主に展開されています。


※ 難経四十二難臨床&エトセトラより。

四十二難は黄帝内経・霊枢の腸胃篇(三十一)と平人絶穀篇(三十二)に記載あり。

文中の文言の説明
太半:3分の2。 少半:3分の1。
廻腸は大腸のこと。 廣腸は肛門のこと。

古代中国の寸法は現代では10分の1と考えられます。


 難経 第四十二難 原文

(『難経』原本は底本:『難経』江戸・多紀元胤著、『黄帝八十一難経疏証』(国立国会図書館所蔵139函65号)オリエント出版、難経古注集成5(1982年)に影印)を参考にしています。

四十二難曰.
人腸胃長短.受水穀多少.各幾何.
然.
胃大一尺五寸.徑五寸.長二尺六寸.横屈受水穀三斗五升.其中常留穀二斗.水一斗五升.
小腸大二寸半.徑八分.分之少半.長三丈二尺.受穀二斗四升.水六升三合.合之太半.
廻腸大四寸.徑一寸半.長二丈一尺.受穀一斗.水七升半.
廣腸大八寸.徑二寸半.長二尺八寸.受穀九升三合.八分合之一.
故腸胃凡長五丈八尺四寸.合受水穀八斗七升六合八分合之一.
此腸胃長短.受水穀之數也.
肝重四斤四兩.左三葉右四葉.凡七葉.主藏魂.
心重十二兩.中有七孔三毛.盛精汁三合.主藏神.
脾重二斤三兩.扁廣三寸.長五寸.有散膏半斤.主褁血.温五藏.主藏意.
肺重三斤三兩.六葉兩耳.凡八葉.主藏魄.
腎有兩枚.重一斤一兩.主藏志.
膽在肝之短葉間.重三兩三銖.盛精汁三合.
胃重二斤二兩.紆曲屈伸.長二尺六寸.大一尺五寸.徑五寸.盛穀二斗.水一斗五升.
小腸重二斤十四兩.長三丈二尺.廣二寸半.徑八分.分之少半.左廻疊積十六曲.盛穀二斗四升.水六升三合.合之太半.
大腸重二斤十二兩.長二丈一尺.廣四寸.徑一寸.當齊右廻十六曲.盛穀一斗.水七升半.
膀胱重九兩二銖.縱廣九寸.盛溺九升九合.
口廣二寸半.脣至齒長九分.齒以後至會厭.深三寸半.大容五合.
舌重十兩.長七寸.廣二寸半.
咽門重十兩.廣二寸半.至胃長一尺六寸.
喉嚨重十二兩.廣二寸.長一尺二寸.九節.
肛門重十二兩.大八寸.徑二寸大半.長二尺八寸.受穀九升三合八分.合之一.

 

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四十二難の訓読

(井上恵理先生の訓読・解説:経絡鍼療(452号)と本間祥白先生の解説、福島弘道先生の解説を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)

四十二の難に曰く。
人の腸胃の長短、水穀を受くるの多少、各各幾何(いくばく)ぞや。
然るなり。
胃の大(めぐ)り一尺五寸、徑(さしわた)り五寸、長きこと二尺六寸、横に屈して水穀三斗五升を受く、其の中常に留(とどま)る穀二斗、水一斗五升。
小腸の大り二寸半、徑り八分の少半、長きこと三丈二尺、穀を受くること二斗四升、水六升三合、合之太半。
廻腸は大り四寸、徑り一寸半、長きこと二丈一尺、穀を受くること一斗、水七升半。
廣腸は大り八寸、徑り二寸半、長きこと二尺八寸、穀を受くること九升三合、八分合之一。
故に腸胃凡(おおよ)そ長きこと五丈八尺四寸、合して水穀を受くること八斗七升六合八分合之一、
此れ腸胃の長短、水穀を受くるの数也り。

肝の重さ四斤四兩、左三葉右四葉、凡(すべ)て七葉、魂を藏すことを主る。
心の重さ十二兩、中に七孔三毛有り、精汁を盛ること三合、神を藏すことを主る。
脾の重さ二斤三兩、扁廣三寸、長きこと五寸、散膏半斤有って、血褁(つつ)むことを主る、
五藏を温め、意を藏すことを主る。
肺の重さ三斤三兩、六葉兩耳、凡て八葉、魄を藏すことを主る。
腎に兩枚有り、重さ一斤一兩、志を藏すことを主る。
膽(たん)は肝の短葉間に在り、重さ三兩三銖(し)、精汁を盛ること三合。
胃の重さ二斤二兩、紆曲(うきょく)屈伸して、長きこと二尺六寸、大り一尺五寸、徑五寸、
穀二斗、水一斗五升を盛る。
小腸の重さ二斤十四兩、長きこと三丈二尺、廣さ二寸半、徑り八分の少半、左りに廻り疊積して十六曲、穀二斗四升、水六升三合の太半を盛る。
大腸は重さ二斤十二兩、長きこと二丈一尺、廣さ四寸、徑り一寸、
齊(へそ)に當(あた)って右に廻(めぐ)り十六曲、穀一斗、水七升半を盛る。
膀胱は重さ九兩二銖、縱に廣きこと九寸、溺(いばり)を盛ること九升九合、口の廣さ二寸半。
唇より歯に至って長きこと九分、歯より以後會厭(えいん)に至って、深さ三寸半、大いさ五合容る。
舌は重さ十兩、長きこと七寸、廣さ二寸半。
咽門は重さ十兩、廣さ二寸半、胃に至りて長きこと一尺六寸。
喉嚨(こうろう)重さ十二兩、廣に二寸、長きこと一尺二寸、九節あり。
肛門は重さ十二兩、大り八寸、徑り二寸大半、長きこと二尺八寸、
穀を受くること九升三合八分合の一。

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四十二難の解説

(井上恵理先生の解説:経絡鍼療(452号)と本間祥白先生の解釈を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)

四十二難は人間の臓腑の形状と容量が主に展開されています。
ここでは、文中の文言の説明に留めます。
太半:3分の2。 少半:3分の1。
廻腸は大腸のこと。 廣腸は肛門のこと。

※ 古代中国の寸法は現代では10分の1と考えられます。

四十二難は黄帝内経・霊枢の腸胃篇(三十一)と平人絶穀篇(三十二)に記載あり。

詳しくは各先生の文献を参照されたし。
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