三六難

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難経第三六難

    ank036

 

ゆっくり堂の『難経ポイント』  第三十六難

※ 三十六難のポイント其の一は、腎は二つあり、右腎の命門についての論述です。

※ 難経臨床&エトセトラより。・・・・・・

命門は神様と精力の宿る所であり、原氣の宿る所である。
命門は両親から受け継いだ「先天の気」を宿し、この精力が子々孫々に受け継がれるのである。


難経 第三十六難 原文

 

(『難経』原本は底本:『難経』江戸・多紀元胤著、『黄帝八十一難経疏証』(国立国会図書館所蔵139函65号)オリエント出版、難経古注集成5(1982年)に影印)を参考にしています。

三十六難曰.
藏各有一耳.腎獨有兩者.何也.
然.
腎兩者.非皆腎也.
其左者爲腎.右者爲命門.
命門者.謂精神之所舍.原氣之所繋也.
故男子以藏精.女子以繋胞.
故知腎有一也.

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 三十六難の訓読

(井上恵理先生の訓読・解説:経絡鍼療(449号)と本間祥白先生の解説、福島弘道先生の解説を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)

三十六の難に曰く。
臓各各一耳有る、腎独り兩(ふた)つ有るは、何んぞや。
然るなり。
腎の兩つ有るは、皆腎にあらざるなり、
其の左なるものは腎となし、右になるものは命門となす。
命門は、神精の舍(やど)る所、原氣の繋(かかわ)る所なり。
故に男子は精を藏し、女子は以って胞を繋(かか)ぐ、
故に知らん腎に一つ有ることを。。


詳しくは各先生の文献を参照されたし。
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三十六難の解説

(井上恵理先生の解説:経絡鍼療(449号)と本間祥白先生の解釈、福島弘道先生の解釈を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)

三十六難の解説をします。

諸臓はそれぞれ一つしかないのに、腎の臓は左右に二つある。
これについて説明しなさい。

お答えします。

腎は二つあり、左を腎と言い、右を命門と言う。

命門は神様と精力の宿る所であり、原氣の宿る所である。
〔解説補足〕
命門は両親から受け継いだ「先天の気」を宿し、この精力が子々孫々に受け継がれるのである。

男子は精気として精嚢と精子を子々孫々に受け継がせ、
女子は精気として卵巣・子宮と卵胞を子々孫々に受け継がせる。
だから、
腎は腎水の主りから左腎の一つだけを言う。

・・
詳しくは各先生の文献を参照されたし。
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   三十六難の詳細解説

(井上恵理先生の訓読・解説:経絡鍼療(449号)と本間祥白先生の訓読・解釈、福島弘道先生の訓読・解釈を参考にして、山口一誠の考察文にて構成しました。)詳しくは各先生の文献を参照されたし。

山口一誠の考察により原文・訓読・解説(解説補足)の順に文章を構成します。

〔原文〕三十六難曰.
〔訓読〕三十六の難に曰く。
〔解説〕三十六難の解説をします。

〔原文〕藏各有一耳.腎獨有兩者.何也
〔訓読〕臓各各一耳有る、腎独り兩(ふた)つ有るは、何んぞや。
〔解説〕諸臓はそれぞれ一つしかないのに、腎の臓は左右に二つある。これについて説明しなさい。

〔原文〕然.
〔訓読〕然(しか)るなり。
〔解説〕お答えします。

〔原文〕
腎兩者.非皆腎也.
其左者爲腎.右者爲命門.
〔訓読〕
腎の兩つ有るは、皆腎にあらざるなり、
其の左なるものは腎となし、右になるものは命門となす。
〔解説〕
腎は二つあり、左を腎と言い、右を命門と言う。

〔原文〕命門者.謂精神之所舍.原氣之所繋也.
〔訓読〕命門は、神精の舍(やど)る所、原氣の繋(かかわ)る所なり。
〔解説〕
命門は神様と精力の宿る所であり、原氣の宿る所である。
〔解説補足〕
命門は両親から受け継いだ「先天の気」を宿し、この精力が子々孫々に受け継がれるのである。

〔原文〕
故男子以藏精.女子以繋胞.
故知腎有一也.
〔訓読〕
故に男子は精を藏し、女子は以って胞を繋(かか)ぐ、
故に知らん腎に一つ有あつことを。
〔解説〕
男子は精気として精嚢と精子を子々孫々に受け継がせ、
女子は精気として卵巣・子宮と卵胞を子々孫々に受け継がせる。
だから、腎は腎水の主りから左腎の一つだけを言う。

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