古典にみる治療方法の原則は、
「気を整える、気の調整」です。
このコーナーではそれらが掲載された文献名とその個所を抜粋転載し、
原文・訳文・解説を試みます。
掲載文献名
南北経驗醫方大成 第一、風論
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第一、風論の原文、抜粋転載
- 治療之法。
- 當詳其脉證、推其所感之原。
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第一、風論の原文と訳文読み(カタカナ)、抜粋転載。
- 治療之法。
チリョウノ ホウ - 當詳其脉證、推其所感之原。
マサニ ソノ ミャクショウヲ ツマビラカニシテ、ソノ カンズル トコロノ ミナモトヲ オスベシ
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南北経驗醫方大成、第一、風論の詳細解説コーナー
- 風論の原文・訳文・解説。
- 原文:治療之法。當詳其脉證、推其所感之原。
- 訳文:治療の法。當(まさ)に其の脉証を詳(つまびらか)にして、其の感ずる所の原(みなもと)を推(お)すべし。
- 解説:
中風(ちゅうふう)の治療方法の原則を説明します。
脈診を正しく行って、風の邪がどの経絡に入っているのか、どの五臓に邪が入っているのか、いずれの六腑が患(わずら)っているのかを明らかにして治療方針を決めなさいと。
つまり、
中風の治療は
病症を十二経の変動として捉え、そのうち何れの経が主となってその病を起こしているかを判定し、それによって治療の基本方針を打ち立てるのです。
そして最終的に、脈診脉証によって治療方針が決定されるのです。 - ¨
【井上恵理先生の講義解説より】
- 『治療ノ法、當(まさ)二其ノ脉証ヲ詳ニシテ其ノ感ズル所ノ原ヲ推スベシ』。
で、こうした物を治療する方法としては、当(まさ)にその脉証を審(つまびら)かにしてその感ずる所の源を推すべし、と述べられております。
風の邪がどの経絡に入っているのか、どの臓に邪が入っているのか、いずれの腑が患(わずら)っているのか、その邪気が感じているところを推し求めて治療しなければならない。
ここに脉証の必要性が出て来るわけです。
ただ風邪であるとか熱があるとか、こういう事だけでどこに治療するというのではなくて詠証を審らかにして肝虚なら肝虚で治療すべきで、
胆実なら胆実、肺虚なら肺虚、肺虚肝実なら肝実、そういうような治療法則を詠証に求めて、
そしてその症状に其づいて治療を進めなければならないと、こういう事を言っている訳です。 - ¨
この後、五臓即ち肝心脾肺腎に風が中(あた)った時の症状と脉証という物が書いてあります。
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掲載文献名
「南北経驗醫方大成 第二、寒論 」
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第二、寒論の原文、抜粋転載
- 治療之法、只宜以薑附之薬、温散寒気。
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第二、寒論 の原文と訳文読み(カタカナ)、抜粋転載。
- 治療之法、只宜以薑附之薬、温散寒気。
チリョウノ ホウ、タダ キョウフノ クスリヲ モッテ、カンキヲ ウンサン スベシ
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南北経驗醫方大成、第二 寒論の詳細解説コーナー
- 寒論の原文・訳文・解説
- 原文:治療之法、只宜以薑附之薬、温散寒気。
訳文:治療の法、只宜しく薑附(きょうふ)の薬を以って、寒気を温散(うんさん)すべし。
解説:
寒邪に犯された人に対する治療方法の原則を述べます。
身体を温める補法の方法を取ります。
漢方薬では、補剤の生姜附子(ショウキョウブシ湯)を使用します。
鍼灸では、補法の手技を行います。 - ¨
【井上恵理先生の講義解説より】 - 《寒の治療 》p40-
- 『治療の法、只宜しく薑附(きょうふ)の薬を以って、寒気を温散(うんさん)すべし。』
『治療の法は、只、宣しく、薑附の薬を以て寒気を温散すべし』
薑附、これは生姜附子(ショウキョウブシ湯)で、全部が補剤で、そして温散は、温める方法を取れば良い、
これは外邪が入っているに係わらず、
我々〔経絡鍼灸師〕の治療も補法でなくてはいけないという事です。
たとえば『洒洒(しゃあしゃあ)として悪寒し、翕翕(きゅうきゅう)として発熱する』というから、
あるいは瀉法(しゃほう)をしなければならないと思うが、いくら発熱しても脉証が遅緊(チキン)であり、あるいは浮緊(フキン)であり、あるいは濡緊(ジュキン)である。
こういう場合は補う方法をとらなければいけない。
補法によって治療すべきだ。
(注:遅緊は寒の脉・浮緊は寒に風が入った脉で実際は浮遅緊・濡とは湿邪の代表的な脉で湿は沈濡。)
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掲載文献名
南北経驗醫方大成による病証論 第十五、気(き)
〔気の病:疝気(せんき)証〕
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「氣」(気の病:疝気(せんき)証)の原文
- 治療之法
若因七情所傷者、當調其氣而、安其五臓
外邪所干者、當温而散之
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第十五、「 氣 」(気の病:疝気(せんき)証)の 原文と訳文読み(カタカナ)
- 治療之法
チリョウノホウ
若因七情所傷者、當調其氣而、安其五臓
モシ ナナジョウ ニヨッテ ヤブラルルモノハ マサニ ソノ キ ヲトトノエ ソノ ゴゾウ ヲヤスンズベシ
外邪所干者、當温而散之
ガイジャ ニ オカサレル モノハ マサニ アタタメ シカシテ サンズベシ
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「氣」(気の病:疝気(せんき)証)の原文・訳文・解説 詳細解説コーナー
- 原文:治療之法
訳文:治療の法、
解説:〔気の病である「疝の病気」の治療方法について説明します。〕 - 原文:若因七情所傷者、當調其氣而、安其五臓
訳文:若し七情に因(よ)って傷(やぶ)らるる所の者は、當(まさ)に其の気を調へて、其の五臓を安んずべじ。
解説:
〔七情の気、喜怒憂思悲恐驚の内因の証によって、精神を労傷し、気の病である「疝の病気」を発症した病人の治療は、〕
〔まず初めに十二経絡の気の流れを整える本治法の鍼治療を行います。〕
〔その事で、五臓が安定する根本治療の方向に進みます。〕 - 【井上恵理先生の講義解説より】〈治療の法〉p115-
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治療の法はどのようにすれば良いのかというと
「若し七情の気に因って傷らるる者は、當にその気を調うべし」
七情の気、喜怒憂思悲恐驚の内因の証によって、精神を労傷し、こういう症状を起こした者を、七情に傷られた者と言うのである。
「気を調へて」鍼の方でいえば本治法を行って全体の気脉の調和をすれば良いのです。
「五臓を安んずべし」我々の五臓のバランスをとり治療が出来る。 - 原文:外邪所干者、當温而散之
訳文:外邪に干(お)かさるる者は、當に温めて而(しか)して、これを散ずべじ。
解説:〔本治法の鍼治療を行なった後に外邪の冷風に曝された部分へ、温める補法や邪気を取り除く瀉法を施します。〕 - 【井上恵理先生の講義解説より】〈治療の法〉p115-
「外邪に犯される者は、當に温めてこれを散ずべし」外邪にやられた場合は、温めればよろしい。
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