経穴と主治、足の厥陰肝経 12r

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 経穴と主治、 足の厥陰肝経(13穴)

                   経穴と主治、12r

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このページは次の項目で構成しています。

1、経穴目次、 12ルート:足の厥陰肝経

2、経穴と主治詳細、12ルート:足の厥陰肝経

2-1、文一行目は鍼灸学校にての流注番号、経穴名、所属経絡、取穴部位の記載です。
2-2、『鍼灸重宝記』の経穴と主治を掲載します。
2-3、本間祥白(著)鍼灸実用経穴学【主治症】より引用構成文を掲載します。

3、五要穴の取穴文章と取穴写真図

ゆっくり堂鍼灸院の取穴文章と取穴写真図を掲載します。

4、肝経五要穴等写図. 本間祥白(著)鍼灸実用経穴学―図解より引用、

5、足の厥陰肝経総論

5-1、足の厥陰肝経 内経を中心とした流注図を掲載。

6、 - 参考図書 ・ -

柳下登志夫先生の臨床考察「肝木の変動」

「経絡治療学原論上巻臨床考察‐基礎・診断編」よりの抜粋。

7、中野 正得 先生の経絡臨床理論コーナー

「鍼灸臨床における眼科疾患」(肝木の変動)

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1、経穴目次、 12ルート:足の厥陰肝経(13穴)

、☆の記号は『鍼灸重宝記』で取り上げている経穴です。

経穴名
1 大敦 (だいとん )☆
2 行間 (こうかん) ☆
3 太衝 (たいしょう)☆
4 中封 (ちゅうほう) ☆
5 蠡溝 (れいこう )☆
6 中都 (ちゅうと ) ☆
7 膝関 (しつかん )  ☆
8 曲泉 (きょくせん)  ☆
9 陰包 (いんぽう )   ☆
10 足五里 (あしごり)  ☆
11 陰廉 (いんれん )
急脈 (きゅうみゃく )☆
12 章門 (しょうもん)  ☆
13 期門 (きもん )   ☆

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2、 経穴と主治詳細、12ルート:足の厥陰肝経(13穴)

注1、文一行目は鍼灸学校にての流注番号、経穴名、所属経絡、取穴部位の記載です。

注2、『鍼灸重宝記』の経穴と主治は、

経穴名:
取穴:
灸法:
針法:
主治:
の順に掲載します。

注3、本間祥白(著)鍼灸実用経穴学【主治症】より引用構成文を掲載します。

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1   大敦 (だいとん ) 井木自穴 ・  所属経絡:足の厥陰肝経 ・ 取穴部位:足の第1指外側爪甲根部、爪甲の角を去ること1分に取る

『鍼灸重宝記』 大敦 だいとん  (二穴)

取穴: 足の大指の外側、爪生際を去こと一分ばかり 。
灸法:灸三壮。
針法:針三分、
主治:
五淋(ごりん:石淋・気淋・膏淋・労淋・熱淋という膀胱、尿路に関する5つの病状)、七疝(ひちせん)、陰茎いたみ、頓死(とんし:突然死ぬこと。急死。の直前に治療するんだろうね?)、婦人の血崩を治す。

七疝の病症とは、
任脉に病気が入ると、男子には七疝の病症が出る。
1肝の疝・2心の疝・3気の疝・4肺の疝・5腎の疝・6疒に禿頁が入る漢字の疝・7狐の疝。
「狐の疝」は、夜になると痛む。キツネ=狐は夜出るから。
「疒に禿頁が入る漢字の疝」は、裏急後重(りきゅうこうじゅう)して痛むこと。
疝気とは、男子が気の結ぼれから病気になる事です。男は下腹にしこりがない、ただ痛む。
腸疝痛・正経の痛み・腰腹神経痛などです。

七疝の病症参考hp:ゆっくり堂の『難経ポイント』第二九難をリンクしてご覧ください。
http://yukkurido.jp/keiro/nankei/29nan/

本間祥白(著)鍼灸実用経穴学【主治症】より引用構成文:

肝経は性器をめぐり、感情、意志に深い関係があるので、生殖器に起る痙攣(けいれん)激痛、神経性の強いショック等に対して応急的な治療が可能な穴である 。

側腹部から下腹部、下腿内側にかけての仙痛、子宮出血、精巣炎、子宮脱出、精索神経痛、腹部痙攣性疼痛を治す。
また男子の更年期障害・膀胱の病気を治す。

またヒステリ一発作、人事不省、仮死状態等の場合、強い施術によて急を救い得る。

本間祥白先生の経験例より、陰茎勃起不能症に陽不起の灸を施し、夫婦円満に導いたとの事。

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2   行間 (こうかん) 栄火子穴 ・ 所属経絡:足の厥陰肝経 ・ 取穴部位: 第1中足指節関節の前、外側陥凹部に取る

『鍼灸重宝記』 行間 こうかん  (二穴)

取穴: 足大指と次指との縫の間を、すこし大指の方へよりめに。
灸法:灸三壮。
針法:針六分、
主治:嘔吐、洞泄(どうせ:水様性の軟便)、陰茎の中痛、淋病、婦人経水多く下て止ざるを治す。

本間祥白(著)鍼灸実用経穴学【主治症】より引用構成文:

生殖器: 陰部臭・ 月経不順・子宮出血 、遺溺(いでき:遺尿:疾禁:おねしょ。)胆石仙痛、嘔吐、 胸膜炎、肋間神経痛、を治す。

【治療法】経絡治療の本治法として、肝実証の場合に瀉穴に使われる 。

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3   太衝 (たいしょう) 兪土原穴 ・  所属経絡:足の厥陰肝経 ・ 取穴部位:足背にあり、第1・第2中足骨底間の前、陥凹部に取る

『鍼灸重宝記』 太衝  たいしょう  (二穴)

取穴: 足大指の側ら本節の後へ二寸。
灸法:灸三壮。
針法:針三分、
主治:心痛、小便しぶり、腰より小腹に引いたみ、婦人の漏下を治す。

本間祥白(著)鍼灸実用経穴学【主治症】より引用構成文:

原穴であるから肝経の病の全てに応用される。
生殖器病 : 子宮病、精巣炎、またこれらの慢性症にともなう腰痛、下腹・側腹部の引きつり 、足の冷えを治す。
消化器病 :腸仙痛、腸炎等に効果がみる。
呼吸器病 :胸膜炎、 肋間神経痛等に効果がある 。
また眼疾を治す。

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4  中封 (ちゅうほう)  経金剋穴 ・  所属経絡:足の厥陰肝経 ・ 取穴部位:内果前1寸、前脛骨筋腱の内側下際の陥凹部に取る

『鍼灸重宝記』  中封  ちゅほう  (二穴)

取穴: 足の内踝のまへ一寸、すなはち大指と次指との間の通りに点すべし。
灸法:灸三壮。
針法:針五分、
主治:
瘧(おこ)り、寒疝(かんせん:寒邪に侵されて下腹部の痛む病気)、腰いたみ、あるひは陰嚢縮て腹に入 、相引痛(あいびきつう:腰と陰嚢が共に痛いかな?)を主る。

本間祥白(著)鍼灸実用経穴学【主治症】より引用構成文:

生殖器病 : 精巣炎、失精(遺精) 、陰嚢が縮み腹部に入る。泌尿器病: 膀胱炎、尿道炎、を治す。

また、ぎっくり腰(きやり)を治す。

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5   蠡溝 (れいこう )  絡穴 ・ 所属経絡:足の厥陰肝経 ・ 取穴部位:内果の上5寸、脛骨内側面上の陥凹部にとる

『鍼灸重宝記』  蠡溝 れいこう  (二穴)

取穴: 内踝(うちくるぶし)の前の通りを踝の上へ五寸に点す。
灸法:灸三壮七壮。
針法:針二分、留ること三呼、
主治:
疝気(せんき:下腹部の痛む病気)、臍(へそ)の下こ積気石のごとく、婦人の赤白をまじへ下すを治す。。

本間祥白(著)鍼灸実用経穴学【主治症】より引用構成文:

婦人病:赤白帯下、月経不順、膀胱炎、膀胱麻痺、疝気、を治す。

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6   中都 (ちゅうと ) 郄穴・ 所属経絡:足の厥陰肝経 ・ 取穴部位: 内果の上7寸、脛骨内側面上の陥凹部にとる

『鍼灸重宝記』 中都  ちゅうと  (二穴)

取穴: 直に蠡溝(れいこう )の上二寸。
灸法:灸五壮。
針法:針三分、
主治:腸下り 、 疝気(せんき:下腹部の痛む病気)、 婦人の血崩を治す。

本間祥白(著)鍼灸実用経穴学【主治症】より引用構成文:

男性:陰嚢水腫、 婦人病 :産後の出血・子宮出血の止血効果あり。

疝気(せんき:下腹部の痛む病気)の痛み止め効果あり。

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7   膝関 (しつかん )  所属経絡:足の厥陰肝経 ・ 取穴部位:膝を伸展し、曲泉穴の直下で脛骨内側顆の下縁に取る

『鍼灸重宝記』 膝関  しつかん  (二穴)

取穴: 膝蓋の下に牛の鼻つらのごとく陥(くぼ)みあり 、其下二寸に点す。
灸法:灸 五壮。
針法:針四分、
主治:膝痺(しび)れ疼(うずく痛)み、  咽中痛むを治す。

本間祥白(著)鍼灸実用経穴学【主治症】より引用構成文:

咽喉の腫れ痛み、を治す。。

リウマチ、関節炎、膝関節痛、に用いる。またこの場合は陰陵泉(脾経)もよく効く。

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8   曲泉 (きょくせん) 合水母穴・ 所属経絡:足の厥陰肝経 ・ 取穴部位:膝を深く屈曲し、膝窩横紋の内端に取る

『鍼灸重宝記』 曲泉 きょくせん  (二穴)

取穴: 膝をかがめて内の折自の頭ら 、大筋の上、小筋の下に点す。
灸法:灸 三壮。
針法:針六分、
主治:
疝気(せんき:下腹部の痛む病気)にて陰丸腫、  内股いたみ、 房事大過して、 泄痢、 女の血塊を治す。

本間祥白(著)鍼灸実用経穴学【主治症】より引用構成文:

生殖器病 :子宮脱、陰嚢水腫、尿道炎、淋病。 視力減退、目眩、神経衰弱、遺精、を治す。

ここ曲泉に圧痛がある場合は 、膝関節リウマチ、関節炎に効く。

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9  陰包 (いんぽう )  所属経絡:足の厥陰肝経 ・ 取穴部位:曲泉穴と足五里穴を結ぶ線上で、大腿骨内側上顆の上4寸、縫工筋と薄筋の間に取る.

『鍼灸重宝記』 陰包  いんぽう  (二穴)

取穴: 直に曲泉の上回4寸、跪坐(かしこまり)すれば此所の肉に溝出て、艚(ふね)のごとき両筋の問。
灸法:灸三壮。
針法:針六分、
主治:腰尻より小腹へ引いたみ、小便通ぜざる を治す。

跪(キ:ひざまずく。)

本間祥白(著)鍼灸実用経穴学【主治症】より引用構成文:

月経不順、膀胱・腎臓の病からの小便困難、遺溺(いでき:遺尿:疾禁:おねしょ。)を治す。

腰痛、足の痛み、小腹痛、閉鎖神経痛(股関節・大腿部内側・膝の部位に現れる神経痛。)を治す。

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10  足五里 (あしごり)  所属経絡:足の厥陰肝経 ・ 取穴部位:大腿内側にあり、気衝穴の外下方3寸、大腿動脈拍動部に取る

『鍼灸重宝記』  足五里  あしごり  (二穴)

取穴: 陰廉(いんれん)の下一寸、陰包を的にして点す。
灸法:灸五壮。
針法:針六分、
主治:腹中満熱して小便通ぜざるを治す。

本間祥白(著)鍼灸実用経穴学【主治症】より引用構成文:

膀胱炎・腎臓炎、による小便淋溺(りんでき:遺尿:疾禁)を治す。

閉鎖神経痛(股関節・大腿部内側・膝の部位に現れる神経痛。)この部の痙直を治す。

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11  陰廉 (いんれん)  所属経絡:足の厥陰肝経 ・ 取穴部位:大腿内側にあり、気衝穴の外下方2寸、大腿動脈拍動部に取る

『鍼灸重宝記』  陰廉  いんれん  (二穴)

取穴: 気衝を斜に下ること二寸、股の附根(つけね)。
灸法:灸三壮。
針法:針八分、留ること七呼、
主治:
一切婦人の病を治す、子なき入、或ひは子落やすき人は此に灸して妙なり (気衝は腹の部) 。

参考:30 気衝(きしょう)穴:  所属経絡:胃経・取穴部位:天枢穴の下5寸、曲骨穴の外2寸に取る.

本間祥白(著)鍼灸実用経穴学【主治症】より引用構成文:

婦人病に効く。恥骨の付近の諸穴 、恥骨上縁の 曲骨、帰来、気衝、横骨などと同じよう に性器に関連が多く、したがって性器の病に対する効能もすぐれている 。
多くの古典に、 陰廉(いんれん)は流産癖のある者または不妊症の者に灸三壮 、実に妙也 という 。
閉鎖神経痛(股関節・大腿部内側・膝の部位に現れる神経痛。)、精索神経痛には非常によく効く 。

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急脈(きゅうみゃく) 奇経・阿是穴

部位:陰毛の中、外陰部の上際、正中線任脈の外方2寸5分、大腿内側の最上部(もものつけ根)気衝の外方5分、にある。

本間祥白(著)鍼灸実用経穴学【主治症】より引用構成文:

精巣炎、陰経痛、陰委を治す。

 

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12  章門 (しょうもん) 所属経絡: 足の厥陰肝経・脾経の募穴・ 取穴部位: 第11肋骨前端下際に取る

『鍼灸重宝記』 章門 しょうもん(二穴)

取穴:臍の上二ー寸、両旁へ九寸づつ。
側臥て、うへの足をかがめ下の足をのべて、肘の尖のあたる処の肋の端。
灸法:灸百壮五百壮まで。
針法:針六分八分留ること六呼、
主治:
腹鳴、食化せず、胸脇いたみ、臥すことを得ず、煩熱、 口乾き、不食、端息、心痛、食傷、 嘔吐、腰脊冷いたみ、 白濁、寒疝(かんせん:冷えて腰や下腹の内臓が痛む病気。)、 積聚(しゃくじゅ:難経 第五十五難)、腹腫、脊強り 、肩臂(かたひじ)挙らず、四支懈惰(しし かいだ:手足がなまけること。)、 身黄に痩せ、 善おそれ、少気、厥逆(ケツギャク:四肢の冷えのひどいこと。)を治す。

本間祥白(著)鍼灸実用経穴学【主治症】より引用構成文:

章門(しょうもん)は、脾経の募穴でもあり、脾経の病として、
神経性胃炎、腸仙痛、腸雷鳴、腹膜炎、 食欲不振、手足の倦怠感、 また脳血管障害からの半身不随にもよく効く 。

肝経の病では、子宮痙攣、肋間神経痛、を治す。

 

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13 期門 (きもん ) 所属経絡:足の厥陰肝経 ・肝経の募穴・ 取穴部位: 第9肋軟骨付着部の下際に取る

『鍼灸重宝記』 期門  きもん (二穴)

取穴:  不容(ふよう胃経)の傍ら一寸五分 、又日、乳より直に一寸半下。
灸法:灸五壮。
針法:針四分、
主治:
胸中煩熱、 賁豚上下、目青して嘔し 、霍乱(かくらん)、洩利、腹かたく大にして、端き臥こと能(あたわ)ず、脇下積気、傷寒の心痛、嘔酸、不食、食後に水を吐き、胸脇支満、血塊、 口かはき消渇、 さんごの餘病(よびょう)、尸厥(しけつ:突然倒れて人事不省となり仮死状態になる) 、傷寒の腹みち、譫語(せんご:戯言:たわごと)、寸脉微にして緊なるもの、 又発熱悪寒し、 大に渇き、腹満、 自汗、小便利する者、又五六日譫語止ざる者、婦人傷かん 、発熱、悪寒、 経水たまたま来り 、七八日熱除て脉遅、身涼く 、胸脇満、譫語するは、熱、血室に入る。
みな期門に刺して愈。

賁豚(ほんとん)上下、の意味。
詳しくは五十六難の訓読をリンクしてご覧ください。
http://yukkurido.jp/keiro/nankei/56nan/
腎の積を名けて賁豚(ほんとん)と日う、
小腹に発して上りて心下に至り、豚の状の若く、或は上り、或は下り、時なし。
久しくして巳えざれば人をして喘逆して骨痿え、少気ならしむ。
夏丙丁(ひのえ・ひのと)の日を以って之を得る。
何を以って之を言えば、 牌病んで腎に伝う、 腎当に心に伝うベし、心は夏を以って適に玉ず、
王ずるものは邪を受けず、腎復た牌に還さんと欲す、牌肯て受けず、故に留結して積となる。
故に知らんぬ、賁豚は夏丙丁の日を以って之を得ることを。

本間祥白(著)鍼灸実用経穴学【主治症】より引用構成文:

月経不順、子宮内膜炎、糖尿病、胸膜炎、神経衰弱、を治す。

期門(きもん )穴の所見: 肝臓病・胆嚢炎の圧痛所見が出る。

本間祥白先生の経験例より、胆石仙痛のときに、右期門穴と右胆兪穴に皮下置鎖を行って鎮痛させた経験がある 。

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3:五要穴の取穴文章と取穴写真図

ゆっくり堂鍼灸院の取穴文章と取穴写真図を掲載します。

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12、ルート:足の厥陰 肝経(13穴)

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1 大敦 (だいとん )井木自穴  ☆

部位:足の母指外側、爪甲根部を去ること1分にあり 。

取り方:井穴については、古典に「 爪甲根部を去る事、韮葉(にらは)の如くにあり」という表現が最も多い 。
韮葉の幅はl分程であるから 、このように表現したのであろうという説もあるが、
実際にはそうではなく、井穴のある所を軽く押してみると微かなシワが 2、3 本あって 、
その先がくっついていて韮葉の先の尖った所のようになっている 。
その上に取るという意味である 。
従って「爪際よりわずかに押上げると指骨に突きあたる 。 ここに取る 。

1大とん穴・行間穴Animation1

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2 行間 (こうかん) 栄火子穴

部位:足背第1・第2中足指節関節の間、やや前方の母指よりにあり。

取り方:足背第1・第2中足指節関節の間、赤白肉の間、母指よりの陥凹部に取る。 ☆

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3 太衝 (たいしょう)(兪土原畏穴)

部位:第1・第2中足骨接合部のやや前の陥凹部にあり。

取り方:第1・第2中足骨接合部のやや前の陥凹部で、母指寄りに取る。☆

取穴詳細ポイント:

第1中足骨の背とその外側に薄く触れる腱があり、

その間に示指の尺側面を当て、ゆっくり上がると凹みを感じ拍動も感じる、そこが生きた太衝穴になる。

・・

 12肝経 太衝穴 Animation1

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4 中封 (ちゅほう)(経金剋穴)

部位:内果の前方、前脛骨筋腱付着部の内側にあり。

取り方:足関節を90度に曲げると前脛骨筋腱が現れる。その付着部のやや手前、反応を目当てに取る。 ☆

4、中封穴 Animation1

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5 蠡溝 (れいこう )(絡穴)

部位:内果尖の上方5寸、脛骨内側面にあり。

取り方:下腿内側、内果尖の上方5寸で、脛骨後縁より骨の巾の1/3程度前に上がった所に取る。☆

5、れいこう・6、中都穴Animation1

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6 中都 (ちゅうと )(げき穴)

部位:内果尖の上方7寸、脛骨内側面にあり。

取り方:下腿内側、脛骨内側踝下縁より内果尖までを1尺3寸とし、その中点の上方5分で、脛骨後縁より骨の巾の1/3程度前に上がった所に取る。 ☆

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7 膝関 (しつかん ) (肝経)

部位 : 次の曲泉穴より太い筋の前縁に沿い下方約1寸、膝関節下際にあり。

取り方: 曲泉より太い筋の前縁に沿い下方、膝関節の下際に陥凹部が触れる、ここに取る  ☆

曲泉、横紋端 Animation1
7しつかん・8曲泉穴 Animation1

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8 曲泉 (きょくせん)(合水母穴)

部位:膝関節内側、膝窩横紋頭にて触れる太い筋の前縁にあり。

取り方:膝を60度ぐらい曲げ、太い筋と骨との間に取る。そこが膝窩横紋頭で太い筋の前縁に当る。
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4、肝経五要穴等写図.

本間祥白(著)鍼灸実用経穴学―図解より引用、
詳しくは同書参照されたし。

肝経五要穴等写図 Animation1

 5、足の厥陰肝経総論

足の厥陰肝経 内経を中心とした流注図を掲載。

⑫ ルート 足の厥陰肝経

現代経絡鍼灸実践例から鍼灸古典文献を検証する。(素門霊蘭秘典論 第八、一章、三節)

肝將軍之官.謀慮出焉(策謀・思慮は肝より出る)

生体の意志の発動や行動に大きく関与する重要臓器である。

すなわち、この経と肝臓に病変が起こると「眼・筋・爪」に症状が現れ、血色が悪くなり、 病症としては「メマイ・筋の引きつり或いは弛緩してよろめく・イライラして怒り出し、 頭痛・胸痛・腰痛等」を発症する。

足の厥陰肝経は肝臓を中心として内分泌ホルモン系の総元締めといえる。

外邪との戦いにおいて、この経は常に病実となる場合が多い。

そして、その病が慢性化すると生気が虚損し、虚証をていする。

その病は、

眩暈し、胸肋や心下満ちる。
男女生殖器病、腰痛甚だしく、面垢づきて身体に光沢なく、 神経症(イライラ)、胸満ち(胸痛)、嘔気し、下痢する。
脱腸、尿閉あるいは失禁する。
解毒に関する皮膚病、リュウマチ等をなす。

肝の旺気:

心下満やメマイ。
不眠、中途覚醒。
朝早く目が覚める。
頭痛。

めまい、差し込み、苦悶、激痛等、総ての激しい苦痛に耐えんとして、心下部に力を入れるさま、これ肝木の証となる。

使用穴の考察:

この経に所属する13の穴はすべてが上記病症の改善に役立つ、
特に、期門・章門・曲泉・蠡溝(れいこう)・太衝・太敦等は使用頻度の高い名穴である。

内経を中心とした流注・・・・

足の少陽胆経の交わりを受けて第一指三毛の太敦(だいとん)穴に始まり、第一・第二中足骨の間を上がり、 内果の前に至り、下腿内側三陰交に交わり、骨縁を上がって膝の内側、曲泉穴を経て大腿の内側を上がり、 股動脈の所より腹に入り、陰毛の部より外陰部を循る。
ゆえに、交接器は肝経の支配である。
更に、腹を上がって任脈の関元穴の部より左右に別れて期門穴の部にて胃を挟み、肝に属会し、 日月穴の部にて胆を絡(まと)う。
経脈は更に上がって、胸中に入り胸腺、気管、咽喉、甲状腺を経て眼系を循り、額より頭に上がり松果体、 脳下垂体を歴絡し百会(ひゃくえ)穴に至り督脈に会する。
支脈は眼より別れて下に下り唇をめぐる。
また、肝に属する所、期門穴より別れて胸中に入り、肺を循り、下って中脘穴の部に至り、 手の太陰肺経の始まる所に交わって終わる。

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肝木経の変動の五大病症:

①心窩部につかえある。
②脇腹張り痛む。
③目眩する。
④筋ゆるんでくよくよする。
⑤内分泌疾患。

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五臓の色体(よそおい)表。

基礎: 木・肝・胆・五記:井・五募:兪・ 井戸より、出て心下満ち。
病因: 魂(持続力)・仁・五音(角音・舌音、タ行・中位・ミ音) 鶏・春・朝・東・風・眼・筋(筋肉質)・爪病症: 色・青色・そう(あぶら臭:木の皮をはがした臭い)・酸味・ 涙・怒る・握る・
養生法その他:行く・ 韮(にら)・麦・成数:六・ 五柄戸: 壬(みずのえ)・癸(みずのと)。

心下満ちとは、めまい、差し込み、苦悶、激痛等、総ての激しい苦痛に耐えんとして、心下部に力を入れるさま、これ肝木の証。

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肝木の変動、分類実践例。

① 食欲について。: 食欲はないが食べられる。脂こい物は食べられない。吐き気。消化不良。
② 大便について。: 未消化の下痢がザーッと出る。便秘と下痢が交互にくる。
③ 小便について。: 尿失禁。尿がでない。
④ 睡眠について。: 不眠症。 興奮して眠れない。
⑤ 皮膚について。 : 爪にツヤがない。サメ肌。肌、カサカサして艶がない。薬疹(薬の副作用)
⑥ 肩や背中の状態。: 肩こり。 慢性の頚肩腕症候群。右肩甲間部のこり。五十肩。
⑦ 腰部の状態。: 前かがみ(前屈)で腰痛が悪化。 腰を回すと腰痛が悪化(胆経)。  寝返りが困難(肝実)。下肢にかけての痛みを伴う。 側腹部にかけて痛む。
⑧ 膝(ひざ)の状態。: 膝の靱帯や腱に病変。膝がカクッとなる。
⑨ 頭部の状態。: 側頭部の痛み。 頭蓋内部の痛み。 回転性のメマイ。
⑩ 腹部の状態。: わき腹の痛み。卵巣の病気。上腹部の痛み。(へそより上)下腹部の痛み。
⑪ 風邪引きに伴う症状。:ストレスで熱をだす。鼻水。 鼻詰まり。吐き気。
風邪にあたると体調不良。
⑮ 動作、話し方: てきぱきとした動作、話し方。声が大きい。
⑯ 病の背景。 : 長時間歩いて疲れた。風を冷たく感じた。

5-1、⑫ルート 足の厥陰肝経 内経を中心とした流注図

c2041

 

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6、 - 参考図書 ・ -

柳下登志夫先生の臨床考察「肝木の変動」

「経絡治療学原論上巻臨床考察‐基礎・診断編」よりの抜粋。

【 】( )は山口一誠の考察文です。

詳しくは、

経絡治療学原論(上巻)臨床考察 ―基礎・診断編― をお読みください。

発刊:東洋はり医学会
http://www.toyohari.net/book.html

元東洋はり医学会会長の筆者:柳下登志夫先生が、
福島弘道著「経絡治療学原論(上巻)」をテキストとし講義した中で、
臨床上重要な箇所を抜粋したものです。
柳下登志夫著  定価3,000円 (送料400円) A5 230貢

※ 筆者柳下登志夫の60年に及ぶ治療経験、
1日100人を越える患者さんと向き合い、臨床を通して古典を再検討したものです。
時代により変わりつつある患者さんの病に十二分に対応できるバイブルとなっています。
現代に生きる経絡治療家には必携の書籍です。

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臨床考察41: 四診法: 問診   頁:148・平成17年4月 収録

十二経の病症と問診。

問診に当たって十二経病症は、虚実が表裏に出る事を認識しておく必要がある。

・五臓六腑および十二経の病症と問診。
ここでは原論を記し、私(柳下)の臨床上の注意(付記)を一言ずつ付け加えておく。

十一、胆および胆経

原論:

この経は身体の半表半裏(側面)を通過するが故に、側頭、側頸、腋窩、側腹、股関節、大腿・下腿の外側等、この経の過ぐる所に当たり熱腫、冷感、麻痺、腫瘤等を発し、足の第四趾用いられず。またその病は、息して口苦しく、心下部不快感、イライラして咳唾す。皮膚光沢無く、頭痛、顎下痛み、寒熱往来して汗出とろめく。

(付記):

比較脉診に当たってはこの経が実を示す頻度が高く、処置したくなるものである。しかし、容易に他の脉位と平らかにならず、ついつい刺鍼し過ぎてしまう。その結果は、頭のてっぺんから足先まで及んで、良くなれば患者・術者共に喜べるが、負に出るときは共に災難を引き寄せる破目に陥る。禁鍼・禁灸穴のような経絡である。

十二、肝および肝経

原論:

ホルモン系(内分泌)に関与し、国に於ける将軍の官(国防大臣)と言われるが如く、邪気防衛の第一線を主る。従って、その症状は気高ぶり風邪による証を現す。振顫(しんせん:ふるえる)、めまい、心下季肋痛、視力現弱、難聴、頭痛、頬部腫痛、腰痛、陰嚢肥大、婦人性器痛、嘔吐、下痢、脱腸、尿失禁、閉尿、顔色および全身垢づきて光沢なし。

(付記):

この経は情動に係わりが深く、これを正常に保たせる働きは「精神安定剤」等の比ではない。
両刃の剣の使い方を定める。 診断は綿密に。

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足の厥陰肝経

表題:臨床考察37:病症論 十二経病 ⑫足の厥陰肝経 頁:132・平成16年12月 収録

【肝の変動: 治療穴・誤治】

原論には種々書かれているが、
肝経を補瀉する場合は特にこの経が人の情動・感情の変化に影響脂、
従ってこれらの変化にとって引き起こされる病症に治療に効を奏する。
【誤治:】
それには違いないが一つ誤ると患者を怒らせ周囲の人との人間関係を歪めたり、
又、瀉が過ぎると患者をして世をはかなみ、その結果なくたもよかった苦しみや、
良からぬ状態に追いやる。
肝経の補瀉は、肺経を補瀉する時に増して情動・感情の変化を観察しながら進める必要がある。

表題: 臨床考察27: 病因論・ 素質〔五行体質〕頁:94・平成15年11月 収録

1、肝木体質

治療室への出入り、衣服の脱着も早く、周囲を意識しない。
脉診をしようとすると自分から手を出すか、術者の動きに合わせず手を動かさない。
問診中、術者の質問事項に加えて自分の考え方や感じも訴える等々・・
陽性〔実証〕体質者は、
病状があっても我慢するか、逆にテレビや健康雑誌を信じて実行し、病気を悪化させる場合がある。
陰性〔虚証〕体質の患者は、
血色が悪く、病気を悪い方にばかり考えたり、わが身の不運を嘆き、気の病、脳神経障害等にも罹りやすい。眼・筋・爪に病邪を受ける事が多い。

臨床考察:47 脉診  (原論上p365)頁:167・平成17年11月 収録

【 肝木体質者の例 】【 証決定の手がかり。】

・素因脉の臨床考察

その方法として「経絡別色体表(縦読み)」を基に考察してみる。

「本文―原論上p164p366辺り」 肝木体質の患者に例をとると、逞(たくま)しく行動し、人情に厚く、世話好き(魂仁)、歯切れのよいテキパキした中音(角音)、常に命令的な口調を発し(呼ぶ)、五畜に例えて鶏の如き活発な動きをする。

解説 ― これを例にとると「人情に厚く、世話好き」「逞(たくま)しく行動する」等は分かりにくい、しかし、脉診しようとすると、患者のほうから手を動かす。かなり病状が重いにも拘らず、歯切れ翌テキパキと喋る。小さな事も手早く行う、等は術者が気をつけて観察するならば直ぐ分かる。案外証決定の際の手がかりとなる。

「本文」 病歴としては、常に風証(めまいそして心下満ちる)に侵されやすく、眼・筋・爪等に関する病を患い、血色悪く、その色青く、臭いは臊(そう)=〔あぶら臭い=木の皮をはいだ時に出る臭い〕、味は酸味を好み、呼び叫ぶが如き声を発して涙を流しやすい。怒って拳を握る等の状態を現わす。―

【 誤治:肝木体質の患者と誤治症状の見極め=自己の施術との因果関係を常に意識せよ。】

解説 ― こうゆう患者の多くは、眩暈を起して、心下満ちるという病症を起し易い。
しかし、これ等の病症は誤治によっても起し易いのである。施術中、或いは治療後、時間を経てこれ等の病状を訴えられた時には、自己の施術との因果関係をよくよく追って、重なる誤治という羽目に堕ちらないよう十分な注意が必須である。
また眼・筋・爪等に関する病を患い易い。 しかしこれも誤治によって引き起こされる場合も多い。
術者は、須(すべか)らく患者に誤治を気付かれない内にこれを察知し、対応しなければならない。

【 問診:味覚の問診は柔軟且、密なる思考を必要とする。】

味覚は酸味を好むとあるが、この辺りは少し詳しく問診する必要がある。
味の好みはもちろん、経絡の乱れによって変わる時もあるが、味覚は生来備わっている状態に加え、
社会環境・親・家族の好み・仕事の環境等々により、頗(すこぶ)る異なる結果を呈するものでる。
診察に際しては柔軟且、密なる思考を必要とする。

肝木体質の人は「実すれば怒る、虚すればくよくよと取り越し苦労をする」という面が強調されている。
しかし肝木が実し、世の中が嫌になり、涙を流してただ横になりたいという状態に陥る患者もいる。
観察は鋭く、そして捉えた結果は、原則に当て嵌まらない事もある事実を知っておこう。

「本文」では体質と脉位について論じられているが、
これは患者の体を通して得られた治療結果で、我々はこの上に何を加えていくか?・・・→ 理想的脉状診の構築にはげまなければならない。
「本文―原論上p367辺り・難経十三難 にも、」しかし、かくの如く常に体質と脉位の一致が診られるのであれば問題はないのであるが、病状が進み痼疾難病となるか、或いは初めから劇症、重症を呈するものは、むしろこの体質以外に変動を現すことになる。特にそれが相剋的に現れるものを難病と診るのである。

表題: 臨床考察21: 足の厥陰肝経の臨床考察 頁:72・平成15年3月 収録

【 皮膚・眼・筋・爪を治す肝経のツボ 】
【 筋・爪の形が変わっているものは「血」の変化 】

肝経の補瀉は眼・筋・爪に対し影響が現れやすいがなんと言っても皮膚に変化をもたらす。
目の変化も早いが、筋・爪の形が変わっているものは「血」の変化なので、もとえ戻すには治療回数と時間がかかる。

【 胸腺の賦活は肝経の働きそのもの 】

経絡治療学原論には現代医学に於ける組織がいくつも挙げられているが、
肝経の働きである外邪に対する防御機構についても、
例えば胸腺の免疫機構における白血球の生理的機能強化は、肝経の働きそのものと言えよう。・・・

表題: 臨床考察23: 臓象論の臨床的考察。頁:84・平成15年6月 収録

【肝木の変動:引きつりの痙攣はこれを瀉し。】
【肝木の変動:力なく起立できない、真っ直ぐに歩けない時はこれを補す事 】

肝の臓は意思や感情を支配し筋を主るので、引きつりの痙攣はこれを瀉し、力なく起立できない、真っ直ぐに歩けない時はこれを補す事になる。

【 肝木の変動:治療のポイント:処置は、陰的にゆっくりとゆる緩やかに行う。 】

肝の臓の気血の変化は速やかで、激しく陽的なので、対処する処置は陰的にゆっくりと緩やかに行う。

表題: 臨床考察22: 臓象論・2、肝臓 頁:76・平成15年5月 収録

【 診断:背の第九胸椎辺りが肝の変動ポイントになる。】

背の第九椎背付近は肝臓の診断から治療まで大いに役立つ。
もちろん西洋医学的肝臓疾患ではなく、東洋医学に於ける肝臓の疾病に対してである。

【 肝経の診察は感情・情動・精神的な変化を見逃すな。】

肝臓の処置に当たり我々は術者としての一般的診察や、
その結果についての観察はもちろんのことだが、感情・情動・精神的な変化については他の経絡に対するそれよりも注意が必要である。
特に実を実せしめた際にはその反応が顕になって患者の人間的な触れ合いに不具合を生じることさえある。

表題: 臨床考察20: 足の厥陰肝経 頁:68.69・平成15年3月 収録

五臓の色体表の中でも五畜:鶏に配され、
その変化は激しく変わり易い性格をもっている「経絡」とされている。

肝の病症に眩暈がある。眩暈も重いものから、いつも軽いメマイがし続けているというものまであり、なかなか治らない。これらの多くは肝経の虚よりもやや実というものがある。肝経への補瀉には手法の手加減を必要とする場合が〔あり〕他の経絡に比べて難しい。

【 弱い肝の邪実の処理が真の健康を提供できる。】

吐き気の強い時の処置も難しい。軽い吐き気が続く患者で、食べれば食べられるが、いつまでも胃の中に食物があって、気を緩めると吐きそうになると言う。この場合、脾経・胃経に気をとられて肝経の実(弱い実)を見落としがちになる。見え隠れする肝の邪実を追ってこれを瀉す。日常生活は可能だが、どこか健康に影を落とす人に、真の健康の喜びを味わってほしい。その目的の達成の為には弱い肝の邪実の処理が必要不可欠である。

肝経では、これが虚せばクヨクヨと物事を案じ、欝状態に近づく。

【 肝経の僅かな気の滞りを虚と見間違いこれを補うと誤治になる。】

肝実は怒る。――肝経の僅かな気の滞りを虚と見間違いこれを補うと、患者は怒りっぽくなり、家族や身近な人との口論や争いを起こなりがちになる。   肝経の経絡の虚実は、情動の変化に深く係わる。

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7、中野 正得 先生の経絡臨床理論コーナー

 

「鍼灸臨床における眼科疾患」(肝木の変動)

 

鍼灸臨床における眼科疾患。

白内障、緑内障、黄斑変性症、網膜剥離、ドライアイ、ものもらい等、

西洋の病名は数えきれないくらいあるらしいが、

この医学においては、先ず肝の変動として診ていく。

肝は血を蔵す。

この血をエネルギーにして発散することで気を巡らせる→疏泄。

また、血を全身に届けて潤し養う。

これによって活動できる。

血があるから歩ける、握れる、屈伸が容易になる。

そして、血が目に昇るから見ることができる。

故に肝が変動すると、目に病が生じる。

とはいえ、肝だけというわけではない。

精血同源、肝腎同源、肝心同源という関係にあるように、腎心も関与する。

木で表すと、根が腎、幹は肝、枝葉が心である。

電気で例えるなら、腎が電力、肝が送電線、心が電灯となる。

つまり、腎は視力、肝は遠近、心は明暗と感情である。


参考文献:出典は小林三剛先生の東洋医学臨床講座です。


2015.9.9.fbコメントより。

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ゆっくり堂HP、経絡鍼灸教科書の記載は、

病人様が病気を治す一助として使用されることを目的としています。

同時に、

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12、ルート:足の厥陰 肝経(13穴)おわり

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