腿脚の部 『鍼灸重宝記』t5

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腿脚の部 『鍼灸重宝記』

                                   腿脚の部  t5

鍼灸家にとって数々の鍼灸古典、臨床文献の中から、
自院の臨床の場で、主治穴を選択する事は容易ではありません。

小里勝之(こさとかつゆき)先生の臨床発表、「論考:身体各部の病症と経絡鍼灸治療」
をまとめる作業で気が付いたことは、

小里勝之先生は、経絡鍼灸治療の本治法、相剋調整法を基本の証決定としながら、
『鍼灸重宝記』を追試引用されていた点です。

そして、ゆっくり堂鍼灸院もまた、
日本の鍼灸の宝である『鍼灸重宝記』の主治穴を参考にして臨床にのぞみます。

そこで、『鍼灸重宝記』の経穴と主治をHPで構成してみました。

「腿脚の部 」につき下記の順に掲載します。

経穴名:
取穴:
灸法:
針法:
主治:

注1、文一行目は鍼灸学校にての流注番号、経穴名、所属経絡、取穴部位の記載です。

注2、文2段目、『鍼灸重宝記』 経穴名 ひらがな  ( 穴)の頭に、漢字の番号を付けます。

例: 一、『鍼灸重宝記』  陰廉  いんれん  (二穴)

注3、初めに「腿脚の部」索引項目を記し、その後経穴詳細を掲載します。
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「腿脚の部」経穴索引項目  (合計:八二穴)

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一、『鍼灸重宝記』  陰廉  いんれん  (二穴)

二、『鍼灸重宝記』  足五里  あしごり  (二穴)

三、『鍼灸重宝記』 陰包  いんぽう  (二穴)

四、『鍼灸重宝記』 曲泉 きょくせん  (二穴)

五、『鍼灸重宝記』 膝関  しつかん  (二穴)

六、『鍼灸重宝記』 中都  ちゅうと  (二穴)

七、『鍼灸重宝記』  蠡溝 れいこう  (二穴)

九、『鍼灸重宝記』  中封  ちゅほう  (二穴)

十、『鍼灸重宝記』 太衝  たいしょう  (二穴)

十一、『鍼灸重宝記』 行間 こうかん  (二穴)

十二、『鍼灸重宝記』 大敦 だいとん  (二穴)

十三、『鍼灸重宝記』 陰谷 いんこく (二穴)

十四、『鍼灸重宝記』 築賓 ちくひん (二穴)

十五、『鍼灸重宝記』 交信 こうしん (二穴)

十六、『鍼灸重宝記』 腹溜 ふくりゅう (二穴)

十七、『鍼灸重宝記』 水泉 すいせん (二穴)

十八、『鍼灸重宝記』 照海 しょうかい (二穴)

十九、『鍼灸重宝記』 大鐘 だいしょう (二穴)

二〇、『鍼灸重宝記』 太谿 たいけい (二穴)

二一、『鍼灸重宝記』 然谷 ねんこく (二穴)

二二、『鍼灸重宝記』 湧泉 ゆうせん (二穴)

二三、『鍼灸重宝記』 箕門 きもん (二穴)

二四、『鍼灸重宝記』 血海 けっかい (二穴)

二五、『鍼灸重宝記』 陰陵泉 いんりょうせん (二穴)

二六、『鍼灸重宝記』 地機 ちき (二穴)

二七、『鍼灸重宝記』 漏谷 ろうこく (二穴)

二八、『鍼灸重宝記』 三陰交 さんいんこう (二穴)

二九、『鍼灸重宝記』 商丘 しょうきゅう (二穴)

三〇、『鍼灸重宝記』 公孫 こうそん (二穴)

三一、『鍼灸重宝記』 太白 たいはく (二穴)

三二、『鍼灸重宝記』 大都 だいと (二穴)

三三、『鍼灸重宝記』 隠白 いんぱく

三四、『鍼灸重宝記』 会陽 えよう  (二穴)

三五、『鍼灸重宝記』 承扶 しょうふ  (二穴)

三六、『鍼灸重宝記』 殷門 いんもん   (二穴)

三七、『鍼灸重宝記』 浮郄 ふげき   (二穴)

三八、『鍼灸重宝記』 委陽 いよう  (二穴)

三九、『鍼灸重宝記』  委中 いちゅう (二穴)

四〇、『鍼灸重宝記』  合陽 ごうよう(二穴)

四一、『鍼灸重宝記』 承筋 しょうきん (二穴)

四二、『鍼灸重宝記』  承山 しょうざん (二穴)

四三、『鍼灸重宝記』  飛陽 ひよう (二穴)
四五、『鍼灸重宝記』  跗陽 ふよう  (二穴)

四六、『鍼灸重宝記』 崑崙 こんろん (二穴)

四七、『鍼灸重宝記』 僕参 ぼくしん  (二穴)

四八、『鍼灸重宝記』 申脈 しんみゃく  (二穴)

四九、『鍼灸重宝記』 金門 きんもん (二穴)

五〇、『鍼灸重宝記』  京骨 けいこつ (二穴)

五一、『鍼灸重宝記』  束骨 そくこつ (二穴)

五二、『鍼灸重宝記』  通谷 つうこく (二穴)

五三、『鍼灸重宝記』  至陰 しいん (二穴)

五四、『鍼灸重宝記』 髀関 ひかん (二穴)

五五、『鍼灸重宝記』 陰市 いんし (二穴)

五六、『鍼灸重宝記』 梁丘 りょうきゅう (二穴)

五七、『鍼灸重宝記』 犢鼻 とくび (二穴)

五八、『鍼灸重宝記』 三里 さんり  (二穴)

五九、『鍼灸重宝記』 巨虚上廉 こきよじょうれん(二穴)

六〇、『鍼灸重宝記』 条口 じょうこう (二穴)

六一、『鍼灸重宝記』 巨虚下廉 こきよかれん(二穴)

六二、『鍼灸重宝記』 豊隆 ほうりゅう (二穴)

六三、『鍼灸重宝記』 解谿 かいけい (二穴)

六四、『鍼灸重宝記』 衝陽 しょうよう(二穴)

六五、『鍼灸重宝記』 陥谷 かんこく (二穴)

六六、『鍼灸重宝記』 内庭 ないてい (二穴)

六七、『鍼灸重宝記』 厲兌 れいだ (二穴)

六八、『鍼灸重宝記』 環跳 かんちょう (二穴)

六九、『鍼灸重宝記』 中瀆 ちゅうとく (二穴)

七〇、『鍼灸重宝記』 陽関(ようかん) (二穴)

七一、『鍼灸重宝記』 陽陵泉 ようりょうせん (二穴)

七二、『鍼灸重宝記』 陽交 ようこう (二穴)

七三、『鍼灸重宝記』 外丘 がいきゅう (二穴)

七四、『鍼灸重宝記』 光明 こうめい (二穴)

七五、『鍼灸重宝記』 陽輔 ようほ (二穴)

七八、『鍼灸重宝記』 絶骨 ぜつこつ 別名:懸鐘 けんしょう (二穴)

七九、『鍼灸重宝記』 丘墟 きゅうきょ (二穴)

八〇、『鍼灸重宝記』 臨泣 りんきゅう (二穴)

八一、『鍼灸重宝記』 地五会 ちごえ (二穴)

八二、『鍼灸重宝記』 俠谿 きょうけい (二穴)

八三、『鍼灸重宝記』 竅陰 きょういん (二穴)
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「腿脚の部」経穴詳細 (合計:八二穴)

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11  陰廉 (いんれん)  所属経絡:足の厥陰肝経 ・ 取穴部位:大腿内側にあり、気衝穴の外下方2寸、大腿動脈拍動部に取る

一、『鍼灸重宝記』  陰廉  いんれん  (二穴)

取穴: 気衝を斜に下ること二寸、股の附根(つけね)。
灸法:灸三壮。
針法:針八分、留ること七呼、
主治:
一切婦人の病を治す、子なき入、或ひは子落やすき人は此に灸して妙なり (気衝は腹の部) 。

此より以下の十一穴は足厥陰肝経なり 。

参考:30 気衝(きしょう)穴:  所属経絡:胃経・取穴部位:天枢穴の下5寸、曲骨穴の外2寸に取る.

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10  足五里 (あしごり)  所属経絡:足の厥陰肝経 ・ 取穴部位:大腿内側にあり、気衝穴の外下方3寸、大腿動脈拍動部に取る

二、『鍼灸重宝記』  足五里  あしごり  (二穴)

取穴: 陰廉(いんれん)の下一寸、陰包を的にして点す。
灸法:灸五壮。
針法:針六分、
主治:腹中満熱して小便通ぜざるを治す。

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9  陰包 (いんぽう )  所属経絡:足の厥陰肝経 ・ 取穴部位:曲泉穴と足五里穴を結ぶ線上で、大腿骨内側上顆の上4寸、縫工筋と薄筋の間に取る.

三、『鍼灸重宝記』 陰包  いんぽう  (二穴)

取穴: 直に曲泉の上回4寸、跪坐(かしこまり)すれば此所の肉に溝出て、艚(ふね)のごとき両筋の問。
灸法:灸三壮。
針法:針六分、
主治:腰尻より小腹へ引いたみ、小便通ぜざる を治す。

跪(キ:ひざまずく。)

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8   曲泉 (きょくせん) 合水母穴・ 所属経絡:足の厥陰肝経 ・ 取穴部位:膝を深く屈曲し、膝窩横紋の内端に取る

四、『鍼灸重宝記』 曲泉 きょくせん  (二穴)

取穴: 膝をかがめて内の折自の頭ら 、大筋の上、小筋の下に点す。
灸法:灸 三壮。
針法:針六分、
主治:
疝気(せんき:下腹部の痛む病気)にて陰丸腫、  内股いたみ、 房事大過して、 泄痢、 女の血塊を治す。

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7   膝関 (しつかん )  所属経絡:足の厥陰肝経 ・ 取穴部位:膝を伸展し、曲泉穴の直下で脛骨内側顆の下縁に取る

五、『鍼灸重宝記』 膝関  しつかん  (二穴)

取穴: 膝蓋の下に牛の鼻つらのごとく陥(くぼ)みあり 、其下二寸に点す。
灸法:灸 五壮。
針法:針四分、
主治:膝痺(しび)れ疼(うずく痛)み、  咽中痛むを拾。

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6   中都 (ちゅうと ) 郄穴・ 所属経絡:足の厥陰肝経 ・ 取穴部位: 内果の上7寸、脛骨内側面上の陥凹部にとる

六、『鍼灸重宝記』 中都  ちゅうと  (二穴)

取穴: 直に蠡溝(れいこう )の上二寸。
灸法:灸五壮。
針法:針三分、
主治:腸下り 、 疝気(せんき:下腹部の痛む病気)、 婦人の血崩を治す。

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5   蠡溝 (れいこう )  絡穴 ・ 所属経絡:足の厥陰肝経 ・ 取穴部位:内果の上5寸、脛骨内側面上の陥凹部にとる

七、『鍼灸重宝記』  蠡溝 れいこう  (二穴)

取穴: 内踝(うちくるぶし)の前の通りを踝の上へ五寸に点す。
灸法:灸三壮七壮。
針法:針二分、留ること三呼、
主治:
疝気(せんき:下腹部の痛む病気)、臍(へそ)の下こ積気石のごとく、婦人の赤白をまじへ下すを治す。。

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4  中封 (ちゅほう)  経金剋穴 ・  所属経絡:足の厥陰肝経 ・ 取穴部位:内果前1寸、前脛骨筋腱の内側下際の陥凹部に取る

九、『鍼灸重宝記』  中封  ちゅほう  (二穴)

取穴: 足の内踝のまへ一寸、すなはち大指と次指との間の通りに点すべし。
灸法:灸三壮。
針法:針五分、
主治:
瘧(おこ)り、寒疝(かんせん:寒邪に侵されて下腹部の痛む病気)、 腰いたみ、あるひは陰嚢縮て腹に入 、相引痛(あいびきつう:腰と陰嚢が共に痛いかな?)を主る。

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3   太衝 (たいしょう) 兪土原穴 ・  所属経絡:足の厥陰肝経 ・ 取穴部位:足背にあり、第1・第2中足骨底間の前、陥凹部に取る

十、『鍼灸重宝記』 太衝  たいしょう  (二穴)

取穴: 足大指の側ら本節の後へ二寸。
灸法:灸三壮。
針法:針三分、
主治:心痛、小便しぶり、腰より小腹に引いたみ、婦人の漏下を治す。

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2   行間 (こうかん) 栄火子穴 ・ 所属経絡:足の厥陰肝経 ・ 取穴部位: 第1中足指節関節の前、外側陥凹部に取る

十一、『鍼灸重宝記』 行間 こうかん  (二穴)

取穴: 足大指と次指との縫の間を、すこし大指の方へよりめに。
灸法:灸三壮。
針法:針六分、
主治:嘔吐、洞泄(どうせ:水様性の軟便)、陰茎の中痛、淋病、婦人経水多く下て止ざるを治す。

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1   大敦 (だいとん ) 井木自穴 ・  所属経絡:足の厥陰肝経 ・ 取穴部位:足の第1指外側爪甲根部、爪甲の角を去ること1分に取る

十二、『鍼灸重宝記』 大敦 だいとん  (二穴)

取穴: 足の大指の外側、爪生際を去こと一分ばかり 。
灸法:灸三壮。
針法:針三分、
主治:
五淋(ごりん:石淋・気淋・膏淋・労淋・熱淋という膀胱、尿路に関する5つの病状)、 七疝(ひちせん)、陰茎いたみ、頓死(とんし:突然死ぬこと。急死。の直前に治療するんだろうね?)、 婦人の血崩を治す。

七疝の病症とは、
任脉に病気が入ると、男子には七疝の病症が出る。
1肝の疝・2心の疝・3気の疝・4肺の疝・5腎の疝・6疒に禿頁が入る漢字の疝・7狐の疝。
「狐の疝」は、夜になると痛む。キツネ=狐は夜出るから。
「疒に禿頁が入る漢字の疝」は、裏急後重(りきゅうこうじゅう)して痛むこと。
疝気とは、男子が気の結ぼれから病気になる事です。男は下腹にしこりがない、ただ痛む。
腸疝痛・正経の痛み・腰腹神経痛などです。〔井上恵理先生の難経二十九難解説から、〕

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10 陰谷(いんこく) 合水穴 ・ 所属経絡:足の少陰腎経 ・ 取穴部位:膝を少し屈曲し、膝窩横紋の内端で半腱様筋腱と半膜様筋腱の間に取る.

十三、『鍼灸重宝記』 陰谷 いんこく (二穴)

取穴: 膝の折自の外に輔骨と云大骨あり、其下廉大筋の下、小筋の上。
灸法:灸三壮。
針法:針四分、
主治:
膝いたみ、 陰なへ、 男は蠱脹(こちちょう:鼓脹:腹部が膨満し、太鼓のように張る病)、の如く 、 女は妊のごとくなるを治す。

是より以下十穴、足少陰腎経なり 。

10 陰谷(いんこく) 合水穴 ・ 所属経絡:足の少陰腎経 ・ 取穴部位:膝を少し屈曲し、膝窩横紋の内端で半腱様筋腱と半膜様筋腱の間に取る.

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9 築賓(ちくひん) 所属経絡:足の少陰腎経 ・ 取穴部位:太谿穴の上5寸で、腓腹筋下垂部とヒラメ筋の間に取る.

東洋はり医学会の取穴部位:内果の上方5寸、アキレス腱の前縁にあり。

十四、『鍼灸重宝記』 築賓 ちくひん (二穴)

取穴: 内踝の上5寸、 両筋の間にあり 。
灸法:灸三壮五壮。
針法:針三分、
主治:疝気、癲(てん)かん、足の腨(はし)いたむを治す。

疝気とは、男子が気の結ぼれから病気になる事です。男は下腹にしこりがない、ただ痛む。腸疝痛・正経の痛み・腰腹神経痛などです。

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8 交信(こうしん) 所属経絡:足の少陰腎経 ・ 取穴部位:腹溜穴の前方、腹溜穴と脛骨内側縁の間に取る.

十五、『鍼灸重宝記』 交信 こうしん (二穴)

取穴: 腹溜(ふくりゅう)と相並び付る間に筋を隔(へだ)つ、 復溜は後へ、交信は前すこし上めに点す。
灸法:灸三壮。
針法:針四分、
主治:
疝気、気淋(きりん:ストレスや悩み事などでトイレの回数が増える神経性頻尿)、
陰嚢はれ、婦人崩漏、 陰挺(いんつき)出るを治。

疝気とは、男子が気の結ぼれから病気になる事です。男は下腹にしこりがない、ただ痛む。腸疝痛・正経の痛み・腰腹神経痛などです。

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7 腹溜(ふくりゅう) 経金穴 ・ 所属経絡:足の少陰腎経 ・ 取穴部位:太谿穴の上2寸で、アキレス腱の前に取る.

東洋はり医学会の取穴部位:太渓穴の上方2寸、アキレス腱の前縁にあり。

十六、『鍼灸重宝記』 腹溜 ふくりゅう (二穴)

取穴: 内踝の後への通り踝の上二寸。
灸法:灸五壮七壮。
針法:針三分、
主治:
腸鳴、痢病、鼓腸(腹部が膨満し、太鼓のように張る病)、 胃熱虫を動し、 涎(よだれ)を出し、血痔を治す。

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6 水泉(すいせん) 郄穴 ・ 所属経絡:足の少陰腎経 ・ 取穴部位:太谿穴の下1寸で、踵骨隆起の前、陥凹に取る.

十七、『鍼灸重宝記』 水泉 すいせん (二穴)

取穴: 太谿(たいけい) 後にみゆの下一寸ばかり 、内踝の後への下。
灸法:灸五壮。
針法:針四分、
主治:
目とをく見ること能(あた)はず、小便淋瀝(しょうべんりんれき:小便がしたたり排尿痛)、 婦人の月水通ぜず 、通ずるときは心下悶え痛むを治す。

淋 (りん), 淋は膀胱や尿道などにカンジタ菌、淋菌、ブドウ球菌、連鎖球菌などの菌が原因の 排尿痛、頻尿

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5 照海(しょうかい)  所属経絡:足の少陰腎経 ・ 取穴部位:内果の直下1寸に取る.

十八、『鍼灸重宝記』 照海 しょうかい (二穴)

取穴: 足の内踝の前の下一寸。
灸法:灸三壮七壮。
針法:針三分、
主治:
おこり、疝気、手足力なく 、陰湿りかゆく 、 月水ととのはざるを治。

瘧(おこ)りとは、
南北病証論 六、瘧論 (ぎゃくろん)井上恵理 先生の解説と言葉の意味:
詳しくはリンクしてご覧ください。
http://yukkurido.jp/keiro/bkb/mk/6gy/

疝気とは、男子が気の結ぼれから病気になる事です。男は下腹にしこりがない、ただ痛む。腸疝痛・正経の痛み・腰腹神経痛などです。

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4 大鐘(だいしょう) 絡穴 ・ 所属経絡:足の少陰腎経 ・ 取穴部位:太谿穴の下5分で踵骨上際、アキレス腱の前陥凹部に取る.

十九、『鍼灸重宝記』 大鐘 だいしょう (二穴)

取穴: 内踝の後へ跟骨(かかと)の上廉(うえかど)、跟と踝(くるぶし)との中央に点す。
灸法:灸三壮、
針法:針二分、留ること七呼。
主治:
嘔吐、ぜんそく 、 りんびゃう 、 舌こはり 、膈嘻(かくき:横隔膜がああ~)、を治す。

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3 太谿(たいけい) 兪土原 ・ 所属経絡:足の少陰腎経 ・

取穴部位:内果の最も尖ったところの高さで、内果とアキレス腱の間陥凹部、動脈拍動部に取る.

二〇、『鍼灸重宝記』 太谿 たいけい (二穴)

取穴: 足の内踝の後へ五分、跟骨(かかと骨)の上、動脉ある処。
灸法:灸三壮。
針法:針三分、
主治:
久瘧(きゅうぎゃく:慢性の瘧、「おこり」病)籍、 心痛、足冷痿(なえる)、 喘息、痰実して口中滑るを治す。

瘧(おこ)りとは、
南北病証論 六、瘧論 (ぎゃくろん)井上恵理 先生の解説と言葉の意味:
詳しくはリンクしてご覧ください。
http://yukkurido.jp/keiro/bkb/mk/6gy/

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2 然谷(ねんこく) 栄火穴 ・ 所属経絡:足の少陰腎経 ・ 取穴部位:内果の前下方、舟状骨粗面の直下に取る.

二一、『鍼灸重宝記』 然谷 ねんこく (二穴)

取穴: 足の内踝の前、大指の本節の後への側ら通りに起骨あり、その骨の下に点す。
灸法:灸三壮。
針法:針三分、留ること三呼、刺し血を出すことなかれ、
主治:
足痿(なえ)しびれ、男子精泄やすく 、婦人子なく 、陰戸出、月水調ず、 小児の臍風(さいふう:新生児破傷風)、口噤むを治す。

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1 湧泉(ゆうせん) 井木穴 ・ 所属経絡:足の少陰腎経 ・ 取穴部位:足底中央の前方陥中で、足指を屈すると最も陥凹する部に取る.

二二、『鍼灸重宝記』 湧泉 ゆうせん (二穴)

取穴: 足掌の中、跪坐(きざ:ひざまずいて座る)して足を仰け、指を捲屈(まげかが)て点す。
灸法:灸三壮。
針法:針三分五分、血を出すことなかれ、
主治:
尸厥(しけつ:突然倒れて人事不省となり仮死状態になる) 、 心痛、 自明ならず、 目眩、 五指ことごとく痛むを治。

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11 箕門(きもん)所属経絡:足の太陰脾経・ 取穴部位:大腿前内側にあり、膝蓋骨内上角の上8寸、縫工筋と大腿直筋の間に取る.

二三、『鍼灸重宝記』 箕門 きもん (二穴)

取穴: 内股の動脉の中、跪坐(きざ:ひざまずいて座る)れば此処の肉起て魚腹のごとし、其肉の上、大筋の問、即ち血海の上六寸。
灸法:禁針。
針法:灸三壮、
主治:淋病、小便覚ず通ずる を治す。

此よ り以下十一穴、 足太陰牌経なり 。

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10  血海(けっかい) 所属経絡:足の太陰脾経 ・ 取穴部位:大腿前内側にあり、膝蓋骨内上角の上2寸に取る.

二四、『鍼灸重宝記』 血海 けっかい (二穴)

取穴: 膝頭の内廉の上一寸五分、却ち陰陵泉の通りの上なり 。
灸法:灸三壮。
針法:針五分、
主治:気逆、腹脹、婦人の帯下を主とる。

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9 陰陵泉 (いんりょうせん) 合水穴 ・  所属経絡:足の太陰脾経 ・ 取穴部位:脛骨内側顆の下、脛骨内側の骨際、陥凹部に取る.

(注)膝をたて、脛骨内側縁を擦上して指の止まるところに取る.

二五、『鍼灸重宝記』 陰陵泉  いんりょうせん (二穴)

取穴: 膝の下内側ら、輔骨の下、 陥なる中、足を伸てとる。
灸法:禁灸、
針法:針五分。
主治:腹中冷、 せんき 、腰いたみ、水腫、 小便通ぜず、淋病、 陰いたむを治す。

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8 地機(ちき) 郄穴 ・  所属経絡:足の太陰脾経 ・ 取穴部位:内果の上8寸、脛骨内側縁の骨際に取る.

(注)脛骨内側顆の下際から下5寸に当たる.

二六、『鍼灸重宝記』 地機 ちき (二穴)

取穴: 膝の下五分、足を伸てとる。
灸法:灸三壮。
針法:針三分、
主治:
腰いたみ、溏泄(とうせつ:泥状便)、水腫はり堅くして小便通ぜず、不食、 女子の癥瘕(ちょうか:子宮筋腫・内膜症)、を治す。

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7 漏谷(ろうこく) 所属経絡:足の太陰脾経 ・ 取穴部位: 内果の上6寸、脛骨内側縁の骨際に取る.

二七、『鍼灸重宝記』 漏谷 ろうこく (二穴)

取穴: 足の内踝の上六寸。
灸法:灸三壮。
針法:針三分、
主治:腸鳴、けんへき(けんぺき【痃癖/肩癖】肩凝り。)、膝痺(しび)れ歩がたきを治す。

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6 三陰交 (さんいんこう) 所属経絡:足の太陰脾経 ・ 取穴部位:内果の上3寸、脛骨内側縁の骨際に取る. (注1)内果の最も高いところから測る.(注2)足の太陰脾経・足の少陰腎経・足の厥陰肝経の足の三陰経が会いする.

二八、『鍼灸重宝記』 三陰交  さんいんこう (二穴)

取穴: 内踝の上三寸、[月十行]骨の内側、骨と筋との間。
灸法:灸三壮。
針法:針三分、
主治:
牌胃虚弱、心腹腸満、不食、小便通ぜず、陰茎いたみ、足痿(なえる)、夢に精もれ、臍の下痛み、 経行の時に房して嬴痩(ルイソウ:激ヤセ)、癥瘕(ちょうか:子宮筋腫・内膜症)、 崩漏、 さんご血下ること多して昏暈するを治す。。

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5 商丘(しょうきゅう)経金穴・ 所属経絡:足の太陰脾経 ・ 取穴部位: 内果の前下方陥凹部に取る.

二九、『鍼灸重宝記』 商丘 しょうきゅう (二穴)

取穴: 足の内踝の下少しまへ、足を張挙れば跗骨(フコツ:足根骨(そっこんこつ)の上に折目いづる、其折めのかしら筋骨の間に点す。
灸法:灸三壮。
針法:針三分、
主治:
腸脹、狐疝上下に走り小腹に引いたみ 、脾積、舌の本強り 、胃院いたみ、怠惰、臥ことをこのみ、 婦人子なく 、小児慢驚風(きょうふう:ひきつけを起こす病気)を治す。

「狐疝」は、夜になると痛む。キツネ=狐は夜出るから。
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4 公孫(こうそん) 絡穴 ・ 所属経絡: 足の太陰脾経 ・ 取穴部位:太白穴の後1寸に取る.

三〇、『鍼灸重宝記』 公孫 こうそん (二穴)

取穴: 足の大指の本節のしりへ一寸、すなわち大都の通り 。
灸法:灸三壮。
針法:針四分、
主治:
寒瘧(かんぎゃく:おこり)、 不食、頭面はれ、 心いきれ、 くるひ、咽渇き 、膽(たん:きも)虚するを治す。

瘧(おこ)りとは、
南北病証論 六、瘧論 (ぎゃくろん)井上恵理 先生の解説と言葉の意味:
詳しくはリンクしてご覧ください。
http://yukkurido.jp/keiro/bkb/mk/6gy/

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3 太白(たいはく) 兪土原 ・ 所属経絡:足の太陰脾経 ・ 取穴部位:足の第1中足指節関節の後、内側陥凹部に取る.

三一、『鍼灸重宝記』 太白 たいはく (二穴)

取穴: 足の大指の外側、本節の後へ下に円き骨あり 、 其骨の下、 白肉と赤肉との堺めに点す。
灸法:灸三壮。
針法:針三分 、
主治:
腹はり食化せず泄瀉(せしゃ:下痢便を下す。)、 嘔吐、 腰いたみ、 腹一しきりきりいたむを主どる。

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2 大都(だいと) 栄火穴 ・ 所属経絡:足の太陰脾経 ・ 取穴部位:足の第1中足指節関節の前、内側陥凹部に取る.

三二、『鍼灸重宝記』 大都 だいと (二穴)

取穴: 足の大指の本節のまへ、 赤白肉の堺に点す。即ち大指を屈めて折自の頭に。
灸法:灸三社。
針法:針三分、
主治:
熱病汗出ず、眠らず、身重く、骨いたみ、傷寒、手足ひへ、胸腹みち、嘔吐、いきれ、熱し、悶乱、 目眩、 腰いたみ、 胃心痛、蚘虫(ゆうちゅう:寄生虫)、小児おびゆるを治す。

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1  隠白(いんぱく) 井木穴 ・ 所属経絡:足の太陰脾経 ・ 取穴部位:足の第1指内側爪甲根部、爪甲の角を去ること1分に取る.

三三、『鍼灸重宝記』 隠白 いんぱく (二穴)

取穴: 足大指の外側、爪の生際の角を去こと韮葉(にらのは)ほど 。
灸法:灸三壮、
針法:針一分三分、 留ること三呼。
主治:
腹腸、喘息満して臥こと能はず、嘔吐、不食、胸熱し、暴泄、 はなぢ、尸厥(しけつ:突然倒れて人事不省となり仮死状態になる) 、 足寒、婦人月経止ず、小児慢驚風(きょうふう:ひきつけを起こす病気)、客忤(おびえ)を治す。

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31 会陽(えよう)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:尾骨下端の外5分に取る.

三四、『鍼灸重宝記』 会陽 えよう  (二穴)

取穴: 亀尾と尻骨と両旁の陥み。
灸法:灸五壮。
針法:針八分、
主治:腹寒、熱気、寒気、泄瀉、久痔、下血、陽気虚乏、陰汗しめるを治す。

是よ り以下十九穴は足太陽膀胱経。

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32 承扶(しょうふ)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:殿溝の中央に取る.  (注)坐骨神経幹が深部を走る.

三五、『鍼灸重宝記』 承扶 しょうふ  (二穴)

取穴: 尻の下、股陰上衡文(ふとすじ)正中。
灸法:灸三壮。
針法:針七分 、
主治:腰脊相引ていたみ、 久しき痔、 尻はれ、 大便かたく 、小便通ぜざるを治。

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33 殷門(いんもん)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:後大腿部のほぼ中央、承扶穴と委中穴を結ぶ線のほぼ中央に取る.(注)坐骨神経幹が深部を走る.

三六、『鍼灸重宝記』 殷門 いんもん   (二穴)

取穴: 承扶の下六寸。
灸法:禁灸。
針法:針七分、
主治:腰脊いたみ伸屈ならず、外腿腫、重きを持て瘀血(おけつ:古血)いたみ、泄注を治す。

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34 浮郄(ふげき)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:委陽穴の上1寸、大腿二頭筋の内縁に取る. (注)総腓骨神経幹が走る.

三七、『鍼灸重宝記』 浮郄 ふげき   (二穴)

取穴: 委陽(いよう)の上一寸。
灸法:灸三壮。
針法:針五分、
主治:霍乱転筋、大小便熱してかたく 、 脛(すね)の外いたみ、髀枢不仁(ヒスウフジ:ふともも:大腿かなわざる)を治す。

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35 委陽(いよう)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:膝窩横紋の外端、大腿二頭筋の内縁に取る. (注)総腓骨神経幹が走る.

三八、『鍼灸重宝記』  委陽 いよう  (二穴)

取穴: 承扶の下一尺六寸、膕中(かくちゅう:ひざの裏側のくぼんだ部分。ひかがみ。)の横文の外側の頭、両筋の間。
灸法:灸三壮。
針法:針七分、
主治:腰脊いたみ陰中に引、小便通ぜず、てんかん、小腹かたく 、傷寒大熱を治す。

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36 委中(いちゅう)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:膝窩横紋の中央に取る. (注)脛骨神経が深部を走る.膝窩動脈が通る.

三九、『鍼灸重宝記』  委中 いちゅう (二穴)

取穴: 足膕中(かく:ひざの裏側のくぼんだ部分。ひかがみ。)の横文の中央、陥なる中。
灸法:灸三壮。
針法:針五分、留ること七呼、委中の大脉を刺ことなかれ、
主治:
腰脊膝いたみ、遺溺、小腹かたくはり 、身痺(しび)れ、髀枢(ヒスウ:ふともも:大腿かなわざる)痛み ( 血を出す) 、傷寒、四肢熱し 、 熱病汗出ず(血をとる) 、大風髪眉ぬけおちたる者刺て血を出すべし 。

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51 合陽(ごうよう)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:委中穴の直下3寸に取る.

四〇、『鍼灸重宝記』  合陽 ごうよう(二穴)

取穴: 委中の下三寸。
灸法:灸五壮。
針法:針六分、
主治:
腰脊こはり腹に引ていたみ、陰股熱、[月十行]痠腫(?サンシュ:)、寒疝(かんせん:寒邪に侵されて下腹部の痛む病気)、 陰嚢いたみ、崩漏、 帯下を治ス。。

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52 承筋(しょうきん)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:委中穴の下、腓腹筋の最もふくらんだところで、内側頭と外側頭の筋溝に取る. (委中穴の下、ほぼ5寸に当たる)

四一、『鍼灸重宝記』  承筋 しょうきん (二穴)

取穴: 腨腸(こむら筋)の中央の陥中、脛(すね)の後、合陽のとをり 、足跟(そくこん:かかと)より七寸上。
灸法:灸三壮、
針法:禁針。
主治:腰背いたみ、痙痺(ケイヒ:ひきつりしびれる)、腨跟(こむらかかと)いたみ、鼻血、 霍乱、転筋を治す。

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53 承山(しょうざん)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:委中穴の下、腓腹筋内側頭と外側頭の筋溝下端に取る。

四二、『鍼灸重宝記』  承山 しょうざん (二穴)

取穴: 合陽の通り、腨(こむら)の肉高起て止る所の肉の分 、陥なる中。
灸法:灸五壮。
針法:針七八分、気を得て即瀉し 、 はやく針を出す、
主治:
大便通ぜず、痔はれ、 戦慄(せんりつ:恐ろしくてからだが震える)、 かっけ腫いたみ、 霍乱(カクラン:日射病:激しい吐き気・下痢などを伴う急性の病気)、 転筋、 不食、 傷寒の水結を治す。

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54 飛陽(ひよう) 絡穴 ・ 所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:崑崙穴の上7寸、腓腹筋下垂部の外縁、腓腹筋とヒラメ筋との間に取る.

四三、『鍼灸重宝記』  飛陽 ひよう (二穴)

取穴: 承山と相並ぶ、承山は膕(かく:ひざの裏側のくぼんだ部分)の中央通りの下、 飛陽は外踝の後通りの上、踝の上七寸に点す。
灸法:灸三壮、
針法:針三分。
主治:
痔腫れいたみ、體(たい:身体)おもく 、脚腨(あしこむら)はれいたみ、 目眩、 目痛、 てんかん、 寒瘧(かんぎゃく:おこり) を治す。

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55 跗陽(ふよう)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:崑崙穴の上3寸で、アキレス腱の前に取る.

四五、『鍼灸重宝記』  跗陽 ふよう  (二穴)

取穴: 飛陽の下回四寸、外踝の上三寸、 筋骨の問。
灸法:灸三壮五壮。
針法:針六分、留ること七呼、
主治:霍乱(カクラン:日射病:激しい吐き気・下痢などを伴う急性の病気)転筋(テンキン:こむら返(がえ)り)、 腰足痛、頭重く、寒熱あるを治す。

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56 崑崙(こんろん) 経火穴 ・ 所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:外果の最も尖ったところの高さで、外果とアキレス腱の間、陥凹部に取る.

四六、『鍼灸重宝記』  崑崙 こんろん (二穴)

取穴: 足の外踝の後へ踝の下 、跟骨(かかと)の上の前め、 陥なる中。
灸法:灸三壮、妊婦には禁。
針法:針三分五分 、留こと十呼、
主治:
腰尻足腫いたみ、頭肩背いたみ、 目眩、 目痛、 おこり、汗多く 、 咳端、はなぢ、陰腫いたみ、 胞衣下らず、 小児の驚癇(きょうかん)を治す。

『鍼灸重宝記』針灸諸病の治例 62、外科門 瘡瘍 かさはれもの▲ 嚢癰、陰腫には崑崙に灸三壮。

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57 僕参(ぼくしん)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:崑崙穴の直下、踵骨外側面の陥凹部に取る.

四七、『鍼灸重宝記』  僕参 ぼくしん  (二穴)

取穴: 崑崙(こんろん)の下、跟骨(かかと)のわれめ陥なる中。
灸法:灸七壮。
針法:針三分、
主治:足痿(なえ)る 、脚気、膝腫、転筋、嘔吐、 尸厥(しけつ:突然倒れて人事不省となり仮死状態になる)、癲癇(てんかん)、狂言を治す。

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58 申脈(しんみゃく)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:外果直下5分に取る.

四八、『鍼灸重宝記』  申脈 しんみゃく  (二穴)

取穴: 外踝の下五分 、陥みの中。
灸法:灸三壮。
針法:針三分、 留ること七呼、
主治:風目眩、腰足いたみ、冷痺(れいひ:冷たくてしびれた)、労極(ロウキョク:過労がきわまって生じた病)、癲癇(てんかん)ひるおこるを治す。

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59 金門(きんもん) 郄穴 ・ 所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:申脈穴の前下方、踵立方関節の外側陥凹部に取る.

四九、『鍼灸重宝記』  金門 きんもん (二穴)

取穴: 申脈(しんみゃく)の下一寸。
灸法:灸三壮。
針法:針一分、
主治:
霍乱(カクラン:日射病:激しい吐き気・下痢などを伴う急性の病気)、転筋(テンキン:こむら返(がえ)り)、 尸厥(しけつ:突然倒れて人事不省となり仮死状態になる)、てんかん、暴疝(ボウセン:激しい下腹部痛)、脚膝痛み 、身戦、小児口をはり頭を揺かし身反を治す。。

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60 京骨(けいこつ) 原穴 ・ 所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:第5中足骨粗面の後下際、表裏の肌目陥凹部に取る.

五〇、『鍼灸重宝記』  京骨 けいこつ (二穴)

取穴: 足の外側大骨の下、小指の本節の後へ陥みの中。
灸法:灸五壮七壮。
針法:針三分、留ること七呼、
主治:

頭痛、頸項腰背足 [骨十行]いたみ、筋攣(つ)り、、 目の内眥(うちまなじり)赤くただれ、白翳(はくえい:白い影:白内障かな)、目眩、瘧(おこ)り、喜驚き(喜び、驚き:心腎相剋の病的感情かな) 、不食、心痛を治す 。

瘧(おこ)りとは、
瘧とは外邪によって正気が損なわれるもの。】
瘧の症状は、急に寒気がして震えてくる、暫くして震えが止まると急に熱が出てきて熱くなると言う様な寒熱が交々(こもごも)きたるというものです。】
瘧という字は、体を損なうものだと考えれば意味がつく訳です。
〔虐:虎が人をE=ツメで引っかく、疾だれ、の病気の意味:漢字源より。〕

瘧(おこ)りとは、
南北病証論 六、瘧論 (ぎゃくろん)井上恵理 先生の解説と言葉の意味:
詳しくはリンクしてご覧ください。
http://yukkurido.jp/keiro/bkb/mk/6gy/

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61 束骨(そくこつ) 兪木穴 ・ 所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:第5中足指節関節の後、外側陥凹部に取る.

五一、『鍼灸重宝記』  束骨 そくこつ (二穴)

取穴: 足の小指の外側本節の後 、赤自肉の際、陥なる中。
灸法:灸三壮、
針法:針三分、留ること三呼。
主治:
腰脊脚頭項いたみ、耳聾、悪寒、 目眩、身熱し 、肌肉動き、 目眥(うちまなじり)赤くただれ、泄瀉、痔瘧(ぢぎゃく)、 てんかん、癰疔(ヨウチョウ:はれもの:細菌感染によって起こり、膿瘍)を治す。

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62 足通谷(あしつうこく) 栄水穴 ・ 所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:第5中足指節関節の前、外側陥凹部に取る.

五二、『鍼灸重宝記』  通谷 つうこく (二穴)

取穴: 足の小指の外側ら 本節の前、陥みの中。
灸法:灸三壮、
針法:針二分、留ること五呼。
主治: 頭重、  めまひ、 項いたみ、  胸満、 食化ず を治す。

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63 至陰(しいん) 井金穴 ・ 所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:足の第5指外側爪甲根部、爪甲の角を去ること1分に取る.

五三、『鍼灸重宝記』  至陰 しいん (二穴)

取穴: 足の小指の外側 、爪の生際の角をさること一二分。
灸法:灸三壮、
針法:針一二分、留ること五呼。
主治:
寒瘧(かんぎゃく)汗出ず、心煩、足下熱し 、 小便利せず、 遺精、 目いたみ翳(えい:影)を生じ 、 鼻塞り 、 頭重く 、 胸脇いたむを治。

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31 髀関(ひかん)  所属経絡:陽明胃経・ 取穴部位:上前腸骨棘の下方、縫工筋と大腿筋膜張筋の間、陥凹部に取る.

五四、『鍼灸重宝記』  髀関 ひかん (二穴)

取穴: 膝の上一尺二寸、跪坐(きざ:ひざまずいて座る)すれば股の附根のすこし下に横文あり 、その中に点す。
灸法:灸三壮。
針法:針六分 、
主治:
腰痛、 足膝不仁・痿(イ:なえ)・しびれ、 小腹咽に引いたむを治す。
此より 以下十四穴は足陽明胃経なり 。

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33 陰市(いんし)  所属経絡:陽明胃経・ 取穴部位:大腿部の前外側にあり、膝蓋骨外上角から髀関穴に向かい上3寸に取る.

五五、『鍼灸重宝記』 陰市 いんし (二穴)

取穴: 膝上三寸、即三里の通り也。
灸法:禁灸。
針法:針三分、
主治:腰脚膝冷 ・痿(なえ)・しびれ、、寒疝(かんせん:寒邪に侵されて下腹部の痛む病気)、小腹いたみ、脹満、消渇を治す。

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34 梁丘(りょうきゅう) 郄穴 ・ 所属経絡:陽明胃経・ 取穴部位:大腿部の前外側にあり、膝蓋骨外上角から髀関穴に向かい上2寸に取る.

五六、『鍼灸重宝記』 梁丘 りょうきゅう (二穴)

取穴: 陰市の下一寸、 両筋の間也。
灸法:灸三壮、
針法:針三分五分。
主治:腰脚冷・ 痺痛(ひつう:しびれ痛む)を治す。

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35 犢鼻(とくび)  所属経絡:陽明胃経・ 取穴部位:膝蓋骨下縁と脛骨上端との中間で膝蓋靭帯中に取る.

五七、『鍼灸重宝記』 犢鼻 とくび (二穴)

取穴: 膝臏(ひざがしら)の下 [骨+行] 骨の上陥中、即ち三里の上三寸。
灸法:灸三壮
針法:針六分三分、
主治:脚気、膝腫痛を治す。

膝腫潰ば治せず。

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36 足三里(あしさんり)合土穴・ 四総穴。 所属経絡:足の陽明胃経。 取穴部位:肚腹 膝を立て、外膝眼穴の下3寸に取る.(便法)膝を立て、脛骨の前縁を擦上して指の止まるところの外方陥凹部に取る.

五八、『鍼灸重宝記』 三里 さんり  (二穴)

取穴:  膝醸の下三寸、 骨の外、大筋の中。
灸法:灸三社七壮あるひは一二百より五百壮まで、
針法:針五分八分、留ること十呼、瀉すること七吸、 あるひは一寸、留ること 一呼。
主治:
胃中寒、 心腹脹満、小腹脹(ちょう:膨れ)堅く 、 腸鳴、 臓気虚し 、 真気不足し 、腹いたみ、 不食、 心悶、 心痛、逆気上り攻、端息、 腰いたみ、 けんベき、 四肢満、 膝いたみ、脚気、目明ならず、 産後血暈、傷寒悪寒、熱病汗出ず、嘔吐、 口苦、発熱、反折、 口噤(くちつぐ)み、頷(アゴ)腫痛み、 乳廱(にゅうよう)、 乳腫、 こうひ、 胃気不足、久世利、 食化せず、 苦凱、腹熱し 、 身煩、 狂言、 みだりにわらひ、恐れ、 怒り 、 霍乱、 遺尿、 失気、頭眩、大小便利せず、 しゃくり 、 五労七傷、 諸病皆治す。

健康養生法:
凡そ年三十已上(すでにうえ)の人は、 足三里に灸せざれば、気上て目に沖しむ、 又四花 ・膏育 ・百会等に 灸せば、後に足三里に灸して上熱を下せ。

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37   上巨虚(じょうこきょ)  所属経絡:陽明胃経・ 取穴部位:膝を立て、足三里穴から解谿穴に向かい下3寸に取る.

五九、『鍼灸重宝記』 巨虚上廉  こきよじょうれん(二穴)

取穴: 三里の下三寸。
灸法:灸三壮七壮。
針法:針三分八分 、気を得て即瀉す、
主治:
蔵気不足、偏風、脚気、腰腿手足不仁、骨髄冷いたみ、大腸冷、  食化せず、飧洩(そんえい:消化不良かな)、 労瘵(ロウサイ:肺浸潤・肺結核のこと。無気力な症状。)、臍腹脇痛、腸鳴、気上て、端息、傷寒の胃熱を治す。

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38 条口(じょうこう)  所属経絡:陽明胃経・ 取穴部位:足三里穴から解谿穴に向かい下5寸に取る.

六〇、『鍼灸重宝記』 条口 じょうこう (二穴)

取穴: 上廉の下二寸。
灸法:灸三壮。
針法:針五分八分、
主治:寒湿に感じ 足麻痺腫いたむを 治す。

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39 下巨虚(かこきょ)  所属経絡:陽明胃経・ 取穴部位:足三里穴から解谿穴に向かい下6寸に取る.

六一、『鍼灸重宝記』 巨虚下廉  こきょかれん(二穴)

取穴: 上廉の下三寸。
灸法:灸三壮四十九壮まで 。
針法:針六分、気を得て即ち瀉す、
主治:
中風、 痿痺(いひ:なえしび)れ、 熱風、 冷湿、足重くいたみ、 こうひ、 唇乾き 、涎(よだれ)出、汗出ず、 毛髪こがれ、肉脱、顔色なく 、 傷寒、 胃熱して食進ず、膿血を下し 、胸脇小腹痛、驚狂、 乳癰(にゅうよう)を治ス。

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40 豊隆(ほうりゅう) 絡穴 ・ 所属経絡:陽明胃経・ 取穴部位:外果の上8寸、条口穴の外方に一筋隔てた陥凹部に取る.

六二、『鍼灸重宝記』 豊隆 ほうりゅう (二穴)

取穴: 外踝の上八寸 、下廉の傍ら一筋を隔て[骨+行] の外廉陥の中。
灸法:灸三壮七壮、
針法:針三分。
主治:
厥逆(けつぎゃく:のぼせもん、明太ピリリと)、 大小便かたく 、胸腹腿膝いたみ、 風痰、づっう 、 四肢腫、 こうひ、 てんかん、を治す。

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41 解谿(かいけい) 経火穴 ・ 所属経絡:陽明胃経・ 取穴部位:足関節前面中央、前脛骨筋腱の外側陥凹部に取る.

六三、『鍼灸重宝記』 解谿  かいけい  (二穴)

取穴: 衝陽の後一寸五分、腕上の陥の中、足の次指の直上跗上(フジョウ:あしのこう)。
灸法:灸三壮、
針法:針五分、留ること三呼。
主治:頭痛、 自まひ、てんかん、霍乱(かくらん)、転筋、面浮腫、腹脹、脚はるる  を治す。

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42 衝陽(しょうよう) 原穴 ・ 所属経絡:陽明胃経・ 取穴部位:足背にあり、第2・第3中足骨底間の前、陥凹部に取る.

六四、『鍼灸重宝記』 衝陽 しょうよう(二穴)

取穴:  足の跗上(フジョウ:あしのこう)五寸、陥谷を去こと三寸、次指と中指との開通りを足腕の方へ撫上せば、足跗の中ほどに指の止る処。
灸法:灸三壮、
針法:針三分、留ること十呼、もし刺て血出れば死す。
主治:
中風、 口眼ゆがみ、足収らず、跗腫、むしば、寒熱し、腹堅、 大に不食し 、傷寒、振寒、 狂乱を治す。

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43 陥谷(かんこく) 兪木穴 ・ 所属経絡:陽明胃経・ 取穴部位:足背にあり、第2中足指節関節の後、外側陥凹部に取る.

六五、『鍼灸重宝記』 陥谷 かんこく (二穴)

取穴: 足の次指外の間、 本節の後陥中、 内庭を去こと二寸。
灸法:灸三壮、
針法:針五分、留こと七呼。
主治:面浮、 水腫、 腸鳴、 腹いたみ、 熱病汗出ず、 悪寒、瘧(おこ)りを治す。

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44  内庭(ないてい) 栄水穴 ・ 所属経絡:陽明胃経・ 取穴部位:所属経絡:陽明胃経・ 取穴部位:足背にあり、第2中足指節関節の前、外側陥凹部に取る.

六六、『鍼灸重宝記』 内庭 ないてい (二穴)

取穴: 足次指の外間陥みの中。
灸法:灸三壮、
針法:針三分、留ること十呼。
主治:
傷寒汗出ず、瘧疾(ぎゃくしつ)、 不食、赤白痢、 四肢厥冷、腹はり、悪寒、咽いたみ、 口ゆがみ、上歯虫くい、皮膚いたみ、 鼻衂(はなぢ)、 人の声を聞くことを悪むを治す。

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45 厲兌(れいだ)井金穴  所属経絡:胃経・ 取穴部位:足の第2指外側爪甲根部、爪甲の角を去ること1分に取る.

六七、『鍼灸重宝記』 厲兌 れいだ (二穴)

取穴: 足の次指の外側ら 、爪甲の角を去こと一二分。
灸法:灸一二壮。
針法:針一分、
主治:
尸厥(しけつ)(突然倒れて人事不省となり仮死状態になる)、 口噤(くちつぐむ)、 心腹脹満、水腫、熱病汗出ず、 寒瘧(かんぎゃく:1日とか2日おきというように周期的に悪寒戦慄と発熱を繰り返すという特徴のある病状)、 不食、 好飢、 こうひ、 上歯むしくひ、悪寒、 鼻ふさがり 、 狂走、黄疸、 鼻血、 口ゆがみ、 面(かお)首腫、 もも膝 [骨十行]跗(くびす)腫れ痛み、ふこつ【跗骨】⇒ 足根骨(そつこんこつ)(「踵骨:かかと」とそれの周りの骨の部。) 小便黄なるを治す。

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30 環跳(かんちょう)    所属経絡:足少陽胆経・ 取穴部位:側臥して股関節を深く屈し、股関節横紋の外端、大転子の前上方陥凹部に取る.

六八、『鍼灸重宝記』 環跳 かんちょう (二穴)

取穴:  髀枢(大腿の外後かと )の中、病人側臥て下足を伸、上足を屈て 、腿を腹へ飽き付れば、股と腰とのこつに折る横文の頭ら筋骨の解め。
灸法:灸三壮五十壮 、
針法:針一寸、留こと三呼。
主治:冷風、湿輝、不仁、遍身半身遂はず、腰騨いたみ、伸縮なり がたきを。

此より以下の十四穴は足少陽胆経なり。

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31 中瀆(ちゅうとく)    所属経絡:足少陽胆経・ 取穴部位:大腿骨外側上顆の上5寸で、腸脛靭帯と大腿二頭筋の間に取る.

六九、『鍼灸重宝記』 中瀆 ちゅうとく (二穴)

取穴: 環跳の下、髀の外、膝の折自の上5寸、 分肉の間。
灸法:灸5壮、
針法:針五分、留こと七呼。
主治:寒に感じ 髀膝(大腿とひざ)痺(しび)れ、・ いたむを治す。

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32 足陽関(あしようかん)   所属経絡:足少陽胆経・ 取穴部位:陽陵泉穴の上3寸で、大腿骨外側上顆の上際で、腸脛靭帯と大腿二頭筋腱の間に取る.

七〇、『鍼灸重宝記』 陽関 ようかん (二穴)

取穴: 陽陵泉の上三寸、犢鼻(とくび)の外陥の中。
灸法:禁灸。
針法:針五分、
主治:風痺、 膝痛を治す。。

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33 陽陵泉 (ようりょうせん) 合土穴・ 筋会・ 所属経絡:足少陽胆経・ 取穴部位:膝をたてて腓骨頭の前下際に取る. (注1)陰陵泉穴と内外相対す. (注2)総腓骨神経が浅・深腓骨神経に分岐するところに当たる.

七一、『鍼灸重宝記』 陽陵泉  ようりょうせん (二穴)

取穴: 膝の下一寸、[骨+行]の外かど 、膝をかがめて外側の折自のかしらより一寸下。
灸法:灸三壮七壮より五十壮まで 、針六分、
針法:留ること十呼、気を得て即ち瀉す。
主治:膝のびて屈まず、腿ひざ冷痺、 中風半身遂はず、足筋攣(つ)り、 頭面はるるを治す。

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34  陽交(ようこう)      所属経絡:足少陽胆経・ 取穴部位:外果から陽陵泉穴に向かい上7寸に取る.

七二、『鍼灸重宝記』 陽交 ようこう (二穴)

取穴: 外踝の上七寸、外丘の前。
灸法:灸三壮。
針法:針六分 、留ること七呼、
主治:胸満、 足膝いたみ、厥冷(ケツレイ:冷えが激しい)、 驚狂、 こうひ、 面腫るを治す。

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35 外丘(がいきゅう) 郄穴・  所属経絡:足少陽胆経・ 取穴部位:外果の上7寸、陽交穴の後方で長腓骨筋とヒラメ筋の間に取る.

七三、『鍼灸重宝記』 外丘 がいきゅう (二穴)

取穴: 外踝の上七寸、陽交と相並、 陽交は前、外丘は後へ。
灸法:灸三壮。
針法:針三分、
主治:胸満、頭項いたみ、悪寒、 犬に傷られて発熱し 、 てんかん、小児の亀胸(キキョウ:はとむね)を治す。

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36 光明(こうめい) 絡穴 ・  所属経絡:足少陽胆経・ 取穴部位:外果から陽陵泉穴に向かい上5寸に取る.

七四、『鍼灸重宝記』 光明 こうめい (二穴)

取穴: 外丘の下二寸。
灸法:灸五壮七壮、
針法:針六分、留ること七呼。
主治:虚すれば痿痺(イヒ:なえしび)す、 実すれば足[骨+行] 熱し痛み、身體不仁ずを治す。。

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37 陽輔(ようほ) 経火穴・  所属経絡:足少陽胆経・ 取穴部位:外果の上4寸の部より前3分に取る.

七五、『鍼灸重宝記』 陽輔 ようほ (二穴)

取穴: 陽交(ようこう)の下三寸。
灸法:灸三壮。
針法:針五分、留こと七呼、
主治:
腰足冷、膝はぎ・ 心脇・ 頭の角・ 頷(あご)・ 目皆・ 喉・  諸(もろもろ)の節ことごとくいたみ、常の処なく痿痺(イヒ:なえしび)れ不仁ず、 口苦く 、汗出、振寒く 、瘧(ぎやく)、 とうひを治す。

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38 懸鐘(けんしょう) 別名:絶骨(ぜつこつ)・ 髄会(八会穴の一つ)・  所属経絡:足少陽胆経・ 取穴部位:外果から陽陵泉穴に向かい上3寸に取る.

七八、『鍼灸重宝記』 絶骨 ぜつこつ  別名:懸鐘 けんしょう (二穴)

取穴: 足外踝の真中通り 、踝の上三寸、動脉の中。
灸法:留こと七呼、灸三壮七壮。
針法:針六分、
主治:
心腹脹満、胃熱して不食し 、脚気、筋骨攣・いたみ、 虚労、[口十后]逆、 こうひ、泄注、 頚項こはり 、痔、下血、はなぢ、鼻乾、脳疽(ノウソ:脳に出来た悪性の腫れ物)、大小便しぶり 、中風、手足随(したがわ)ざるを治す。

※ 八会穴は、四十五難のポイントのリンクしてご覧ください。
http://yukkurido.jp/keiro/nankei/45nan/
八会穴は蔵・府・筋・骨・髄・気・血・脈、の八つそれぞれの気が集まる所です。
髄熱の時には髄会、絶骨(懸鐘)穴に取る。

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39 丘墟(きゅうきょ) 原穴・  所属経絡:足少陽胆経・ 取穴部位:外果の前下方、足部を外転背屈し、最も陥凹するところに取る.

七九、『鍼灸重宝記』 丘墟 きゅうきょ (二穴)

取穴: 足の外踝の下、骨縦の中、臨泣を去こと三寸、俠谿(きょうけい)より五寸、踝の骨のまへ。
灸法:灸三壮、
針法:針五分、留ること七呼。
主治:
胸脇みちいたみ、 息することを得ず、久瘧(きゅうぎゃく)、振寒、頚・腋の下はれ、 腰腿[月十行]いた み、 転筋、 卒疝、 小腹かたく 、 寒熱、 太息するを治す。

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40 足臨泣(あしりんきゅう) 兪木穴・  所属経絡:足少陽胆経・ 取穴部位:第4・第5中足骨底間の前、陥凹部に取る.

八〇、『鍼灸重宝記』 臨泣 りんきゅう (二穴)

取穴: 足小指の次指の本節の後への問、陥中、俠谿(きょうけい)を去こと一寸五分。
灸法:禁灸、
針法:針二分、 留こと五呼。
主治:
胸・ 腋・ 脇みち支へ、 振寒、 心痛、 周身痺痛常の処なく 、 厥冷、気喘、 瘧日々におこり 、婦人月経通ぜず、 乳癰(にゅうよう:乳腺炎・ちちのできもの、)を治す。

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41 地五会(ちごえ)  所属経絡:足少陽胆経・ 取穴部位:第4中足指節関節の後、外側陥凹部に取る.

八一、『鍼灸重宝記』 地五会 ちごえ (二穴)

取穴: 小指の次指の外側、俠谿(きょうけい)を去こと一寸。
灸法:禁灸。
針法:針一分、
主治: 腋(脇下)痛み、 内損、 唾血、 足の外うるほひなく 、 乳ょうを治す。

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42  俠谿(きょうけい) 栄水穴・  所属経絡:足少陽胆経・ 取穴部位:第4中足指節関節の前、外側陥凹部に取る.

八二、『鍼灸重宝記』 俠谿 きょうけい (二穴)

取穴: 足の小指の次指の岐骨の間、本節のまへ陥の中。
灸法:灸三壮。
針法:針三分、留こと三呼、
主治:
胸脇支満(胸脇苦満)、寒熱、傷寒、熱病汗出ず、目の外眥(まなじり)赤、 目眩、頬頷腫、耳聾、胸中いたみ、 痛・常の処なきを治す。

42  俠谿(きょうけい) 栄水穴・  所属経絡:足少陽胆経・ 取穴部位:第4中足指節関節の前、外側陥凹部に取る.

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43 足竅陰(あしきょういん) 井金穴・ 所属経絡:足少陽胆経・ 取穴部位:足の第4指外側爪甲根部、爪甲の角を去ること1分に取る.

八三、『鍼灸重宝記』 竅陰 きょういん (二穴)

取穴: 足の小指の次指の外側、爪の生際の角を去こと一二分。
灸法:灸三壮、
針法:針一二分、留ること一二呼。
主治:
脇痛、欬逆(がいぎゃく)息することを得ず、手足煩熱し 、汗出ず、てんきん、癰疽(ヨウチソ:はれもの)、 心いきれ、 舌こはり、 口乾き 、 口痺(しび)れ、 肘いたみ、 耳きこへず、 目いたむを治す。

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腿脚の部 『鍼灸重宝記』おわり。

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