肩背の部 『鍼灸重宝記』t3

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 肩背の部 『鍼灸重宝記』

                                                                             肩背の部 t3

鍼灸家にとって数々の鍼灸古典、臨床文献の中から、
自院の臨床の場で、主治穴を選択する事は容易ではありません。

小里勝之(こさとかつゆき)先生の臨床発表、「論考:身体各部の病症と経絡鍼灸治療」
をまとめる作業で気が付いたことは、

小里勝之先生は、経絡鍼灸治療の本治法、相剋調整法を基本の証決定としながら、
『鍼灸重宝記』を追試引用されていた点です。

そして、ゆっくり堂鍼灸院もまた、
日本の鍼灸の宝である『鍼灸重宝記』の主治穴を参考にして臨床にのぞみます。

そこで、『鍼灸重宝記』の経穴と主治をHPで構成してみました。

「肩背の部」につき下記の順に掲載します。

経穴名:
取穴:
灸法:
針法:
主治:

注、文一行目は鍼灸学校にての流注番号、経穴名、所属経絡、取穴部位の記載です。

注2、文2段目、『鍼灸重宝記』 経穴名 ひらがな  ( 穴)の頭に、漢字の番号を付けます。

例: 一、『鍼灸重宝記』  肩井  けんせい (二穴)

注3、初めに「肩背の部」索引項目を記し、その後「肩背の部」経穴詳細を掲載します。

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「肩背の部」経穴索引項目  (合計:三二穴)

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一、『鍼灸重宝記』  肩井  けんせい (二穴)

二、『鍼灸重宝記』 肩髃 けんぐう(二穴)

三、『鍼灸重宝記』 大椎  だいつい (一穴)

四、『鍼灸重宝記』 身柱 しんちゅう(一穴)

五、『鍼灸重宝記』 命門 めいもん (一穴)

六、『鍼灸重宝記』 陽関  ようかん (一穴)

七、『鍼灸重宝記』 腰兪 ようゆ (一穴)

八、『鍼灸重宝記』 長強  ちょうきょう(一穴)

九、『鍼灸重宝記』 風門 ふうもん(二穴)

十、『鍼灸重宝記』 肺兪 はいゆ (二穴)

十一、『鍼灸重宝記』 厥陰兪 けついんゆ(二穴)

十二、『鍼灸重宝記』 心兪 しんゆ  (二穴)

十三、『鍼灸重宝記』 膈兪 かくゆ (二穴)・ 八会穴:血会・

十四、『鍼灸重宝記』 肝兪   かんゆ (二穴)

十五、『鍼灸重宝記』 胆兪 たんゆ (二穴)

十六、『鍼灸重宝記』   脾兪   ひゆ (二穴)

十七、『鍼灸重宝記』 胃兪  いゆ (二穴)

十八、『鍼灸重宝記』  三焦兪  さんしょうゆ (二穴)

十九、『鍼灸重宝記』  腎兪  じんゆ  (二穴)

二十、『鍼灸重宝記』 大腸兪 だいちょうゆ (二穴)

二一、『鍼灸重宝記』 小腸兪 しょうちょうゆ (二穴)

二二、『鍼灸重宝記』  膀胱兪  ぼうこうゆ  (二穴)

二三、『鍼灸重宝記』   膏肓  こうこう  (二穴)

二四、『鍼灸重宝記』 神堂 しんどう  (二穴)

二五、『鍼灸重宝記』  譩譆 いき  (二穴)

二六、『鍼灸重宝記』  膈関  かくかん  (二穴)

二七、『鍼灸重宝記』 魂門 こんもん(二穴)

二八、『鍼灸重宝記』 意舎 いしや (二穴)

二九、『鍼灸重宝記』 肓門 こうもん  (二穴)

三十、『鍼灸重宝記』 志室 ししつ (二穴)

三一、『鍼灸重宝記』 胞肓 ほうこう  (二穴)

三二、『鍼灸重宝記』 秩辺 ちつぺい   (二穴)

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「肩背の部」経穴詳細

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21 肩井(けんせい)   所属経絡:足の少陽 胆経・ 取穴部位:肩髃穴と大椎穴を結ぶ線のほぼ中間で、乳頭線上に取る.

一、『鍼灸重宝記』  肩井  けんせい (二穴)

取穴: 肩の上陥の中、紙盆の大骨の後一寸半、 肩の中央なり 、指を三つそろえて推てとる、 中指の下陥の中。
灸法:灸五壮、 日に灸すること七壮より二百壮まで。
針法:針五分、針して則いゆ、
《誤治:もしふかく刺ば悶倒する、、改善法:悶倒せば三里に針して補べし 。》
主治:
中風、気塞り 、涎上て語らず、 腎虚して腰いたみ、上気、短気、逆気、風労、撲損、臂尻いたみ、
頭項痛みかへりみることを得ず、五労七傷、婦人難産堕胎の後、手足冷、弱き者、
針して則いゆ、 日に灸すること七壮より二百壮まで。

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15 肩髃(けんぐう)所属経絡: 手の陽明大腸経・ ・
取穴部位: 肩関節の前方、肩峰と上腕骨頭の間に取る.

(便法)患者の上肢を水平に持ち上げ、肩関節部の前後にあらわれる凹みのうち、前の凹みに取る.

二、『鍼灸重宝記』 肩髃 けんぐう(二穴)

取穴: 肩のはずれ、肩骨と臑骨のつがひめ、臂を伸あぐれば肩端にくぽむ穴ある処なり 。
灸法:灸七壮二七(14)壮、 《誤治:もし中風には四十九壮おほくすべからず。 。》
針法: 針八分、留ること三呼、瀉ること五吸、或は一寸、或は六分、 留ること六呼、
主治:
風病、 筋骨力なくば灸せよ 、 刺は肩臂の熱気を瀉す。
中風手足かなはず攣急(ひきつり)、肩肘いたみ、肩中熱し 、頭回らず、風熱、() 、
労気、 遺精、 しゃうかん、熱さめず、 手足熱するを治す。

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13 大椎 (だいつい) 所属経絡:督脈・ 取穴部位:第7頚椎棘突起間と第1胸椎棘突起間に取る.

三、『鍼灸重宝記』 大椎  だいつい (一穴)

取穴: 脊の一の椎の上陥の中。
灸法:灸三十壮五十壮。
針法:針五分、留ること三呼、瀉五吸、
主治:
肺脹、 脇みち、嘔吐、 上気、五労七傷、 力なく 、
温瘧(おんぎゃく:あたたまり、1日とか2日おきというように周期的に悪寒戦慄と発熱を繰り返すという特徴のある病状)
肩背ひきつり 、頭項強りて顧ることを得ず、風労、食気、骨熱、歯燥を治す。
傷寒太陽と少陽との併病、頚項強張り痛み、眩胃、 心下っかへるに刺べし。

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11 身柱(しんちゅう) 所属経絡:督脈・ 取穴部位:第3・第4胸椎棘突起間に取る.(左右の肩甲骨内端を結んだ線と正中線の交わる所)

四、『鍼灸重宝記』 身柱 しんちゅう(一穴)

取穴: 三椎の下。
灸法:灸三社より百壮まで。
針法:記載なし。
主治:癲癇、狂乱、腰背いたみ、小児の驚癇五疳の虫を治す、俗にちりけと云は此穴也。

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4 命門 (めいもん) 所属経絡:督脈・ 取穴部位:第2・第3腰椎棘突起間に取る.
(左右の第12肋骨先端を結んだ線と正中線の交わる所)

五、『鍼灸重宝記』 命門 めいもん (一穴)

取穴: 十四椎の下。
灸法:灸二壮 、或は五十壮百壮。
針法:針五分、
主治:
久瘧(きゅうぎゃく:慢性の病で、1日とか2日おきというように周期的に悪寒戦慄と発熱を繰り返すという特徴のある病状)
腰腹引痛、 久き頭痛、発熱汗出ず、寒熱、骨蒸、 五蔵熱、 下血、小児きゃうふう 、 てんかん反折を治す。

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3  腰陽関  (こしようかん) 所属経絡:督脈・ 取穴部位:第4・第5腰椎棘突起間に取る.(ヤコピー線上あたる)

六、『鍼灸重宝記』 陽関  ようかん (一穴)

取穴: 十六椎の下。
灸法:灸三壮。
針法:針五分、
主治:
久瘧(きゅうぎゃく:慢性の病で、1日とか2日おきというように周期的に悪寒戦慄と発熱を繰り返すという特徴のある病状)
腰膝いたみ、 小腹いたみ、 中風、不仁、筋撃り行るをつかさどる。

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2 腰兪(ようゆ) 所属経絡:督脈・ 取穴部位:仙骨裂孔の中央陥凹部に取る.

七、『鍼灸重宝記』 腰兪 ようゆ (一穴)

取穴: 二十一椎の下。
灸法:灸七壮四十九壮、
針法:針二分 、留ること七呼、あるひは八分、 留ること三呼、瀉は五吸。
主治:
腰尻背いたみ、温瘧汗出ず、足膝不仁していたみ、傷寒、 四支熱し、 月経通ぜず、 帯下を 治す。

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1 長強 (ちょうきょう) 督脈の絡穴・ 所属経絡:督脈・取穴部位:尾骨下端と肛門の間に取る.

八、『鍼灸重宝記』 長強  ちょうきょう(一穴)

取穴: 脊の骶骨の端、俗に亀の尾と云処なり 。
灸法:灸五壮あるひは三十壮二百壮まで。
針法:針二分、留ること七呼、
主治:
是痔の根本なり 、腸風、 下血、 久痔、 腰背いたみ、 狂乱、大小便かたく 、 頭重く 、 洞泄(どうせ:水様性の軟便)、
淋病、驚風、 癲癇、 嘔血、 驚恐、 小児顖陥り :幼児の頭蓋骨の泉門(せんもん)のこと、
瘈瘲(けいしょう:きつじゅう:筋脉の牽引性拘急を瘈、弛緩し伸張する瘲である。:筋が緊張したり緩んだりすること。)、
視こと正からざる 、を主る。

脊強るものはこれを瀉し 、頭腫る者はこれをおぎなふべし 。

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11 風門(ふうもん)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:第2・第3胸椎棘突起間の外1寸5分に取る.

九、『鍼灸重宝記』 風門 ふうもん(二穴)

取穴: 背の二椎の下、両旁へ一寸五分づっ。
灸法:灸五壮。
針法:針五分三分 、留こと七呼、
主治:
癰疸(ようたん:皮膚や皮下に生ずる、急性で激痛のある化膿(かのう)性炎症。)、
身熱、上気、気短く 、欬逆、胸背痛、嘔吐、傷寒、頭項強り 、 目瞑(目をつぶる) 、胸熱を治ス。

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12 肺兪(はいゆ)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:第3・第4胸椎棘突起間の外1寸5分に取る.

十、『鍼灸重宝記』 肺兪 はいゆ (二穴)

取穴: 三椎の下、両旁へ一寸五分づっ。
灸法:灸百壮五十壮。
針法:針三分五分 、留ること七呼、気を得てすなはち瀉す、

《針法誤治:刺し肺に中(あた)れば欬(せき)て三日に死す、》

主治:
労瘵(ろうさい:肺浸潤・肺結核のこと。)、口舌乾き、上気、腰脊強いたみ、寒熱、気短、喘満、虚煩、肺痿、咳嗽、
肉いたみ、 皮癢(ひよう:痒み)、嘔吐、不食、狂い走り 、背僂(せろう:かがむ)を治す。

特徴・症状・治法:
太陽(⑥小腸経・⑦膀胱経)と少陽(⑩三焦経・⑪胆経)と併病、頭項強りいたみ、
或は眩冐(げんぼう:めまいをおかす)、心下痞硬(ひこう:塊つかえる)に太陽(膀胱)の経の肺兪・肝兪を刺べし 。

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13 厥陰兪(けついんゆ) 所属経絡:膀胱経・心包経の兪穴・ 取穴部位: 第4・第5胸椎棘突起間の外1寸5分に取る.

十一、『鍼灸重宝記』 厥陰兪 けついんゆ(二穴)

取穴: 四椎の下、左右へ一寸五分づつ。
灸法: 灸七壮。
針法:針三分、
主治:
欬逆、 牙痛(歯の痛み)、 心(胸)いたみ、胸満、 嘔吐、 煩悶を主る。
即ち心包絡の兪なり 。

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14 心兪(しんゆ)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:第5・第6胸椎棘突起間の外1寸5分に取る.

十二、『鍼灸重宝記』 心兪 しんゆ  (二穴)

取穴: 五椎の下、左右へ一寸五分づつ。
灸法:禁灸、 千金に曰(いわ)く、中風、心急には心兪を灸すること百壮。
針法:針三分、留ること七呼、気を得て即瀉す、
《誤治針法:刺て心に中(あた)れば癒して即死、》
主治:
中風、 冐絶(ぼうぜつ:冒し途絶える)、てんかん、狂走を主る。

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15 膈兪(かくゆ)所属経絡:膀胱経・ 八会穴:血会・  取穴部位:第7・第8胸椎棘突起間の外1寸5分に取る.

十三、『鍼灸重宝記』 膈兪 かくゆ (二穴)・ 八会穴:血会・

取穴: 七椎の下、両芳へ去ること一寸五分づつ。
灸法:灸三壮三十壮、多く灸すれば心中に徹て悸惕(むなさわぎ:わななき恐れる)する、
針法:針三分、留こと七呼、若、刺て偏に中れば一歳を過ぎずして死す。
主治:
心痛周痺(心痛が経脈に従って上下流動する)、吐食、翻胃、骨蒸、手足怠惰して臥ことをこのみ、
痃癖(けんぺき・けんべき:肩癖:肩凝り。)、欬逆、嘔吐、膈胃寒、痰飲、食下らず、熱病汗出ず、
身おもく、 常に温にして不食、身いたみ、脇腹満、 自汗、 ねあせを治す。

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16 肝兪(かんゆ)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:第9・第10胸椎棘突起間の外1寸5分に取る.

十四、『鍼灸重宝記』 肝兪   かんゆ (二穴)

取穴: 九椎の下、両方へ相去こと各一寸五分。
灸法:灸三壮七壮、
針法:針三分、留ること六呼、
《誤治針法:刺て肝に中れば欬(せき)て五日に死す。》
主治:
多く怒り、黄疸、熱病の後目くらく、涙いで、目眩、気短く、欬血、目上視、欬逆、口乾き、寒疝、
筋寒へ、熟痙、筋急に相引、転筋腹に入り、 欬して胸脇に引て痛み、反折り上視し 、驚狂、はなぢ、
唾血、短気、積聚(しゃくじゅう)を治。

積聚(しゃくじゅう)は、難経 第五十五難にリンクしてご覧ください。
http://yukkurido.jp/keiro/nankei/55nan/

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17 胆兪(たんゆ)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:第10・第11胸椎棘突起間の外1寸5分に取る.

十五、『鍼灸重宝記』 胆兪 たんゆ (二穴)

取穴: 十椎の下、両旁各一寸五分づつ。
灸法:灸三壮五壮、
針法:針三分五分、留ること七呼、
《針誤治:刺て胆に中れば一日に死す。》
主治:
頭痛、振寒汗出ず、脇下腫、心腹張、 口苦く 、舌かはき 、咽痛乾き、嘔吐、骨蒸、労熱、 不食、 目黄を治。

四花の上二穴は膈兪(かくゆ)、下二穴は胆兪(たんゆ)なり

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18 脾兪(ひゆ)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:第11・第12胸椎棘突起間の外1寸5分に取る.

十六、『鍼灸重宝記』   脾兪   ひゆ (二穴)

取穴: 十一椎の下、両旁へ相去こと一寸五分づっ。
灸法:灸三壮五壮、
針法:針三分、留こと七呼、
《針誤治:刺て牌に中れば呑酸して五日に死す。》
主治:
多食して身痩、鹹(塩からい)き汁を吐き、けんべき、積聚(しゃくじゅう)、脇下みち、洩利、
痰瘧(たんぎゃく)寒熱、水腫れ、気脹、脊に引ていたみ、黄疸、不食を治。

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19 胃兪(いゆ)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:第12胸椎・第1腰椎棘突起間の外1寸5分に取る.

十七、『鍼灸重宝記』 胃兪  いゆ (二穴)

取穴: 十二椎の下、両旁へ一寸五分づつ。
灸法:灸三壮七壮。
針法:針三分、留ること七呼、
主治: 中湿、霍乱、胃冷、腹脹て鳴り 、翻胃、嘔吐、不食、多食して痩蠃(やせつかれ)、目暗く 、
腹いたみ、むねわき支満、脊いたみ、筋痙攣を治す。

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20 三焦兪(さんしょうゆ) 所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:三焦経の兪穴 第1・第2腰椎棘突起間の外1寸5分に取る.

十八、『鍼灸重宝記』  三焦兪  さんしょうゆ (二穴)

取穴:  十三椎の下、左右へ一寸五分。
灸法:灸三壮五壮。
針法:針三分五分、留ること七呼、
主治:
積じゅ、脹満、不食蠃痩(食欲不振で疲れ痩せた)、傷寒頭痛、吐逆、肩背腰強り、
小便渋り 、泄注、腹脹、腸鳴り 、 目眩、頭痛を治す。

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21 腎兪(じんゆ)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:第2・第3腰椎棘突起間の外1寸5分に取る.

十九、『鍼灸重宝記』  腎兪  じんゆ  (二穴)

取穴: 脊の十四椎の下、左右へ一寸五分づっ、臍(へそ)と平し 。
灸法:灸三壮、
針法:針三分、留こと七呼、
《針誤治:もし刺て腎に中れば嚔(ひ:くしゃみが出)て六日に死す。》
主治:
五労七傷、虚して嬴痩(えいそう)、耳聾ず、下部冷、淋濁、 目暗く 、溺血、遺精、腰膝脚いたみ、
消渇、身熱し 、振寒、多食しても痩、面黄黒く、腸鳴、四肢だるく 、洞洩食化せず、身浮腫るを治す。。

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22 大腸兪(だいちょうゆ) 所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:第4・第5腰椎棘突起間の外1寸5分に取る.

二十、『鍼灸重宝記』 大腸兪 だいちょうゆ (二穴)

取穴: 十六椎の下、左右へ一寸五分づつ。
灸法:灸三壮、
針法:針三分、留ること六呼。
主治:
中燥、脊強り腰痛み、腹いたみ、腸鳴り、 多食して身痩、大小便結、 洩利、 白痢腸癖を治す。 。

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23 小腸兪(しょうちょうゆ) 所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:正中仙骨稜第1仙椎棘突起部の下外方1寸5分に取る.

二一、『鍼灸重宝記』 小腸兪 しょうちょうゆ (二穴)

取穴: 十八椎の下、 左右へ一寸五分づつ。
灸法:灸三壮、
針法:針三分、 留こと六呼。
主治:
中暑、 小便赤く、 淋癧(りんれき:尿意は頻繁にあるが、尿がほとんど出ない)、
遺溺、脹満(ちょうまん:ふくれみつ)、  [ 疒+丂 ]痛み、泄痢(せり:下痢便が漏れる)
膿血五色、 脚はれ、 五痔、づっう 、 虚乏、津液すくなく 、 消渇、 口かはき、 帯下を治す。

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24 膀胱兪(ぼうこうゆ)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:正中仙骨稜第2仙椎棘突起部の下外方1寸5分に取る.

二二、『鍼灸重宝記』  膀胱兪  ぼうこうゆ  (二穴)

取穴: 十九椎の下、両穿へ一寸五分づつ。
灸法:灸三壮七壮、
針法:針三分、留ること六 呼。
主治:
風労、脊強り、小便赤黄、遺溺、陰瘡(いんそう:陰経の怪我)、少気、
脛寒拘急(けいかんこうきゅう:脛(すね)が寒くなり筋肉がひきつる。)、
腹満、大便かたく 、洩利(えいり:小便をもらす)、腹いたみ、 脚膝力なく 、 女子瘕聚(かじゅう:)を治す。

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39 膏肓(こうこう)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:第4・第5胸椎棘突起間の外3寸に取る.こうこう膏肓

二三、『鍼灸重宝記』   膏肓  こうこう  (二穴)

取穴: 四椎の下、五の椎の上にちかし、脊中を左右へ相去こと各三寸、
灸法:口伝に胛(かいがらほね)骨のきはに一指を側置ほどに點すべし 。
:後に気海 ・丹田・関元 ・中極、 四穴の内一穴 左足の三里とに灸して火気を引下てよし。 灸百壮五百壮まで 。
針法:記載なし
主治:
虚損、伝尸、骨蒸、遺精、痩つかれ 、健忘、痰飲、 しゃくり、 上気、 発狂を主る。
膈噎(かくえつ:むせぶ) 、 心中妨悶、 項背こわり 、 目病、 気病、 諸病治せずといふことなし 。

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40 神堂(しんどう)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:第5・第6胸椎棘突起間の外3寸に取る.

二四、『鍼灸重宝記』 神堂 しんどう  (二穴)

取穴: 五椎の下、左右へ三寸づつ開。
灸法:灸五壮三壮。
針法:針三分五分、《誤治》
主治: 腰背強り、悪寒発熱、胸腹満、気逆上攻、時に饎(シ: むす)る鐘る を治す。

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41 譩譆 (いき)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:第6・第7胸椎棘突起間の外3寸に取る.

二五、『鍼灸重宝記』  譩譆 いき  (二穴)

取穴: 六椎の下、左右へ三寸づつ開く、肩膊の内かど 。
灸法:灸五壮より百壮まで。
針法: 針三分 、留ること七呼、あるひは六分、留ること三呼、 瀉五吸、
主治:
大風汗出ず、労損臥ことを得ず、
瘧疾(ぎゃくしつ:1日とか2日おきというように周期的に悪寒戦慄と発熱を繰り返すという特徴のある病状)、
背もだへ、気満腹脹、気眩(めまい)、むねわき(胸が波打つ様な症状かも) 、腰背痛み、
目いたみ、 鼻衂(はなぢ)、 端逆、臂膊(ひじかた)内廉いたみ、 食時頭痛、 五心熱を治す。

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42 膈関(かくかん)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:第7・第8胸椎棘突起間の外3寸に取る.

二六、『鍼灸重宝記』  膈関  かくかん  (二穴)

取穴: 七椎の下、 左右へ三寸づつ、 陥の中。
灸法:灸三壮。
針法:針五分、
主治:
背痛み、悪寒、脊強り、不食、 しゃくり、涎唾(エンダ:よだれつば)多 く、胸もだへ、
大使調はず、小使黄なるを治す。

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43 魂門(こんもん)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:第9・第10胸椎棘突起間の外3寸に取る.

二七、『鍼灸重宝記』 魂門 こんもん(二穴)

取穴: 九椎の下、左右へ三寸づつ開き。
灸法:灸三壮。
針法:針五分、
主治:
背より心に引いたみ、尸厥(しけつ:突然倒れて人事不省となり仮死状態になる) 、
腹鳴、大小便ととのはざる を治す。

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45 意舎(いしや)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:第11・第12胸椎棘突起間の外3寸に取る.

二八、『鍼灸重宝記』 意舎 いしや (二穴)

取穴: 十一椎の下、左右へ三寸づつ開。
灸法:灸五十壮百壮。
針法:針五分、
主治:
腹満泄瀉(せしゃ:下痢便を下す。)、小便赤黄、嘔吐、不食、消渇、 目黄なるを治す。。

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47 肓門(こうもん)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:第1・第2腰椎棘突起間の外3寸に取る.

二九、『鍼灸重宝記』 肓門 こうもん  (二穴)

取穴: 十三椎の下、左右へ三寸づつ開。
灸法:灸二壮、あるひは三十壮。
針法:針五分、
主治:心下いたみ、大便かたく 、婦人の乳病を治す。

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48 志室(ししつ)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:第2・第3腰椎棘突起間の外3寸に取る.

三十、『鍼灸重宝記』 志室 ししつ (二穴)

取穴: 十四椎の下、左右へ三寸づつ開。
灸法:灸三壮七壮。
針法:針五分、
主治:陰腫いたみ、腰背こはり、すくみ、食せず、遺精、淋病、吐逆、両のわき痙攣りいたみ、霍乱を治す。

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49 胞肓(ほうこう)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:正中仙骨稜第2仙椎棘突起部の下外方3寸に取る. (注)次?穴に並ぶ.

三一、『鍼灸重宝記』 胞肓 ほうこう  (二穴)

取穴: 十九椎の下、左右へ三寸づつ。
灸法:灸三十五壮五十壮。
針法:針五分 、
主治:腰背いたみ、腹脹(フクチョウ:はらふくれ)、食化ず、淋病、大小便通ぜざるを治。

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50 秩辺(ちつぺい)  所属経絡:膀胱経・ 取穴部位:正中仙骨稜第3仙椎棘突起部の下外方3寸に取る. (注)中?穴に並ぶ.

三二、『鍼灸重宝記』 秩辺 ちつぺい   (二穴)

取穴: 二十椎の下、左右へ三寸づつ。
灸法:灸三壮。
針法:針三分五分、《誤治》
主治:五痔、小便赤、腰痛を治ス。

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『鍼灸重宝記』 肩背の部 終了。

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