奇経治療 e203

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奇経治療 2、

                  小項目 番号 e203

はじめに、

ゆっくり堂の奇経治療コーナーでは、
次の先生方の著書を参考に文章を構成しています。

1、
よくわかる奇経治療
著者:宮脇和登 5,000円 出版社:たにぐち書店

2、
経絡治療学原論-経絡治療臨床講座- 基礎・診断篇
著者:福島弘道 8,000円 送料500円 東洋はり医学会発行

3、
経絡治療学原論 上・下巻 臨床考察(治療編) 著者:柳下登志夫
注文先:東洋はり医学会 書籍係り


特に宮脇和登先生の「よくわかる奇経治療」は、
宮脇奇経式腹診法が展開され、写真や図解でていねいに奇経治療を説明されていますので、
臨床にそく結びつきます。

詳しくは、それぞれの先生の著書をお読みください。

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奇経証の決定方法(手順)

宮脇和登式奇経鍼灸術を参考にして、「奇経証の決定方法(手順)」を述べます。

Ⅰ・ 総合診察診断 「奇経証の決定方法(手順)」 「よくわかる奇経治療」p82より。

① 主訴部の流注、十二正経は何経かを知る。(本治法の証決定に従い)

② 宮脇和登式での奇経病証の把握。(よくわかる奇経治療を参照されたし。)

③ 予想の奇経が考察されたら。

④ 奇経腹診の反応を調べる。

⑤ これを確認し、奇経テスター(エレキバンDR)を主穴(+)、従穴(-)に貼付する。

⑥ その際、脉状をよく診て、テスターを貼付した時の変化を診る。

⑦ 正解、奇経証の判定 : 奇経腹診の反応が消失し、主訴部の消失、軽減を確認する。

その他:仙腸関節のずれの測定(左右の内果)・浮腫の測定(左右の膝周径)奇経証が正しければ、内果長は揃い、膝周径は短くなる。

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治療穴の選定(上下左右)

「よくわかる奇経治療」 p120より

① 奇経証の判定より、上下は決まる。

② 左右の基本取穴は「六部定位脉診の脉位」にとると実践上効果がある。
ただし、宮脇先生の臨床成績から、
イ)陥谷は左足に反応が出るのでここが、治療穴になる。
ロ)公孫は4割が左に出る。
ハ)申脈は中枢性疾患の場合と通常でも右に出やすい。

③ 尚、これで症状が改善されない場合、「病側」に取穴をする。

④ 尚も、症状が改善されない場合、従穴(-)を反対側に取穴をする。
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施術方法

① お灸: 治療効果の持続時間が一番良い。

② 金粒・銀粒の貼付。

③ エレキバンDRによる治療。

④ ぬるお灸デーチカ療法(ホノミ漢方) 。

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左右の基本取穴「六部定位脉診の脉位」

主穴(+)→ 従穴(-)

   左 手   右 手
 小腸  寸口  肺 大腸
 督 脉  手の少陰脉  任 脉  手の陽明脉
 左後谿→右申脈 左通里→左太衝  右列欠→左照海  右合谷→左陥谷
左通里→右公孫
 胆  肝  関上  胃
 帯 脉 足の厥陰脉 衝 脉 足の陽明脉
左足臨泣→右外関 左太衝→左通里 右公孫→右内関
(左公孫40%)
左陥谷→右合谷
左太衝→左神門
左太衝→右内関
膀胱  尺中  命門 三焦
陽 蹻 脉 陰 蹻 脉 陰 維 脉 陽 維 脉
右申脈→左後谿 左照海→右列欠 右内関→右公孫 右外関→左足臨泣
右内関→左太衝

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 奇経治療の病証判定

 衝 脉  陰 維 脉
 右公孫 → 右内関 右公孫 ← 右内関
「よくわかる奇経治療」の参考例
奇経腹診の反応部位:

臍の外方5分肓兪穴に現れる。

奇経腹診の反応部位:
両大黄穴(臍の外方3寸5分)と心窩部に現れる。
診方:

中指の先端で斜めが外下に圧する。
ツボに指先を引っ掛けるように圧する。
反応は指下に硬結。

診方:
大黄穴の圧し方は中指でグーンと入り込むように行う。
心窩部は心下満の状態で、四指端で軽く圧しても気持ちの悪いところである。
この二つの証がそろうと陰維脉の証である。
病証のポイント:難経「逆気の証にして裏に急なり」
裏は腑(腸)、急は痙攣。鍼灸聚英でも腸や婦人科の激しい痛みを多くあげている。
病証のポイント:難経29難「心痛に苦しむ」精神不安感を多く含む。衝脉の心痛は疼痛性。
 病証:
①心臓疾患(狭心症・心筋梗塞・心悸亢進・圧迫感)
②消化器系疾患(下痢・便秘・脱肛・痔・胃痙攣)
③婦人科疾患
(更年期障害、上衝感・生理痛・冷え性・産後の不調)
④精神疾患・内分泌障害・自律神経失調・
⑤泌尿器疾患
  病証:
①心臓部の一般症状
(心臓部、胸部の圧迫感・狭心症・心下部痛)
②胸が苦しい・胸が息苦しい。
③胃痙攣・胆石仙痛・胆嚢炎。
④心臓の痛みに対する不安。
⑤食物が胸や心下部に つかえて通らない。
⑥咽喉の異和感・腹鳴・食欲不振・便秘
経絡治療学原論  の参考例
(公孫:足では脾経、胸腹では腎経)        (内関:心包経)

 これらの経路に現れる疼痛、腫脹、麻痺、熱感、冷感の諸侯。

  病証:
1、咽頭腫痛。
2、心臓性・陰性の胸部疼痛、胸いきれ。
3、心下及び大腹の嘔気、嘔吐、食滞、膨満しゃくつう癪痛、 動悸。
4、胸腹(脾)・臍腹(腎)の脹満、疼痛、 攣急、癪痛、逆気上衝、動悸。
5、胃・腎・大腸性痛の下痢、便秘、下血。
6、婦人科疾患、泌尿器疾患の一部、 更年期障害、冷えのぼせ。
7、脱肛、痔疾。
 診察点: 衝脈 :気舎・肓兪・三陰交・公孫。  診察点: 陰維脈:天突・期門・腹哀・大横・府舎・築賓。
帯 脉 陽 維 脉
左足臨泣 → 右外関 左足臨泣 ← 右外関
「よくわかる奇経治療」の参考例
奇経腹診の反応部位:
両下腹部で、鼠蹊部のやや上方で診る。
陽維脉の反応と比較しながら行うが、帯脉部は軽めに圧診する。
奇経腹診の反応部位:
帯脉部と比較しながら診る。
両悸肋部に出る。
診方:
陽維脉に同じで、腹壁反射に注意。
診方:
少指丘を当てる。
ゆっくり圧を加えその反応の有無を診る。
ただ、少し圧しても反応がなく、深く圧して硬結圧痛をみる場合もある。
病証のポイント:陽維脉より陰性的で深い病証になる。また婦人科疾患が含まれる。正経の胆経上の病証が多い。 病証のポイント:浅い部位での病証、陽性的な手足の痛み、胆経上の病証。 中枢的要素はない。
病証:
①婦人科疾患(生理痛、生理不順、赤白帯下)
②下腹部痛、腰の冷痛
③上肢下肢関節の 腫れ、痛み、麻痺、 筋肉痛。
④股関節周囲炎。
⑤耳の病。
病証:
①頚肩背腰、胸部の痛みや腫れ。
②大腿、膝、下腿外側の腫れ、痛み、麻痺、ひきつり、発熱、打撲、捻挫。
③上肢(肩関節)の腫れ、痛み、麻痺、ひきつり
④頭痛、片頭痛、めまい、三叉神経痛(1・2枝)
⑤眼科疾患・耳の病・歯痛。
⑥胸脇苦満、肝臓病、胆嚢炎、膵臓疾患、
十二指腸部三徴候。⑦自汗、盗む汗。
経絡治療学原論  の参考例
(足臨泣: 胆 経 )               (外関:三焦経 )
病証:
1、前頭、側頭、後頭、頭頂の疼痛、浮腫。
2、眼病、耳病の一般、三叉神経痛、 外側歯牙歯齦痛。
3、頭眩、眩暈、メニエール氏症候群、自汗、盗汗。。
4、少陽病の胸脇苦満、感熱往来、胆肝疾患
5、胸腹・下腹の脹満、疼痛、腰部冷痛、 月経不調、赤白帯下。
診察点:帯脈:章門、帯脈、五枢、維道、居髎。 診察点:陽維脈:肩井、天髎、居髎、陽陵泉、陽交
督 脉 陽 蹻 脉
 左後谿  → 右申脈 左後谿  ← 右申脈
 「よくわかる奇経治療」の参考例
奇経腹診の反応部位:
気海、陰交穴付近に硬結と圧痛が出現する。
奇経腹診の反応部位:
腰部第12肋骨先端に横線を引き腸骨稜の線上、縦は志室の線で囲まれた面を反応部と診る。
診方:
下腹部正中線の石門、陰交穴付近は任脉の反応や胃の部反応も出現するところなので、まず病症的に督脉が予想される場合はテスターを貼付する。
証が正しければ、この反応は消失する。
診方:
仰臥位患者の側腹部より腰部外側に手を入れて示指、中指、薬指、小指の四指を腹部の方へ挙げる様にして診る。
陽蹻脉の反応がある場合は、この部が硬く面をなしており、指が腹部の方へ動かず、また指が反応部に入らないこともある。
四指がすんなり入る時は陽蹻脉の証ではない。
督脉の反応点と共に病症を考えて診察すること。
病証のポイント:最も陽性が強く中枢性疾患や病症の深いもの、
または全身症状の強いものなど。
病証のポイント:督脉に次いで陽性が強く中枢性疾患、
病症は督脉よりも浅いもの、限局性の病症。
病証:①項頸部・肩背腰部: 背中や関節が痛む、 腫れる、リウマチ、神経痛。
②手足の:ひきつり、痛み、麻痺、腫れ、冷え。
③発熱、上衝、自汗、盗汗(陽性、陰性)
④中枢性疾患:中風による言語障害、てんかん、高血圧、低血圧。
⑤鼻の病・目の病。
⑥歯痛・心臓・のどの病。
病証:①頸肩背腰部の硬結や痛み、こわばり。
②中枢性疾患:中風による片麻痺・言語障害。
③手足の: 痛み、麻痺、拘縮、痙攣、冷え。
④目の病・ 耳鼻科疾患。
⑤歯痛・三叉神経痛(2,3枝)
⑥陽虚による汗、 顔にかく。
⑦風邪、てんかん。
経絡治療学原論  の参考例

(後谿: 小腸経 )                                 (申脈: 膀胱経 )

病証:

1、頭頂、後頭、後頸、の疼痛、麻痺および言語障害を伴う中風。
2、眼、耳、鼻の病一般。
3、三叉神経痛(第二、三枝)歯牙歯齦痛。
4、咽喉腫痛(後部督脈に圧痛)。
5、太陽病の諸侯 (発熱、悪寒、上衝性頭痛、咳嗽、肩背・項頸の牽引性疼痛、無汗または自汗)
6、表虚、気虚、陽虚の自汗、盗汗、疲労。
7、老人ボケ、狂う、癲癇、痔疾の一部。

診察点:
督脈:諸病により圧痛部が相違するから必ず全体的に診査する。。
診察点:
陽蹻脈:附分、膏肓、委中、承山、跗揚、僕参。。
 四
 任 脉 陰 蹻 脉
 右列欠 →  左照海 右列欠  ← 左照海
  「よくわかる奇経治療」の参考例
奇経腹診の反応部位:
下腹部正中線上の関元、石門穴付近。
奇経腹診の反応部位:
両天枢(臍の外方2寸)で診る。
ただし、このツボは手の陽明脉(合谷→陥谷)・陽蹻脉(申脉→後谿)の反応が現れる場所なので注意が必要。
診方:
関元、石門穴付近をやや深めに圧すると硬結圧痛がある。
陰蹻脉と任脉の判別の際、天枢と比較して圧するが天枢穴は浅く、関元、石門穴葉深めに圧するのがコツ。
診方:
天枢穴は浅目に圧する。
陰蹻脉証の場合は任脉の反応もよく出ていることが目安になる。
 病証のポイント:
下腹部の疾患を考えるが、正経である肺経病証を多く含んでいる。
例えば呼吸器・皮膚疾患など。
 病証のポイント:
主に下焦の病を考える。
腎経の病証や腹部では胃経上に反応を現すので胃経の病証も多く含んでいる。
また、腰仙部の疾患にはほとんど用いられる。
 病証:
①下腹部の痛み、腸満、下痢、便秘。
②婦人科疾患(月経痛・下血・子宮筋腫・帯下)
③泌尿器疾患(膀胱炎・前立腺疾患・尿閉・血尿)
④神経症。
⑤皮膚炎 (持続ストレス性アトピー症・蕁麻疹)
⑥咳嗽・鼻疾患。
⑦痔疾患、脱肛・歯痛。
 病証:
①胃疾患(胃・十二指腸潰瘍、胃炎、胃下垂)
②膵臓疾患
③腸疾患(便秘、大腸炎、痔疾、脱肛、虫垂炎)
④泌尿器 (腎炎・腎盂炎)
⑤膀胱疾患(膀胱炎・尿閉・遺尿・血尿)
⑥婦人科疾患(子宮出血・月経痛、帯下・卵巣炎・子宮筋腫・産後の残り)
⑦咽頭痛。
⑧腰仙部痛・膝痛・下肢の冷え。
  経絡治療学原論の参考例
 (列欠: 肺 経 )  (照海: 腎 経 )
 病証:1、前部歯牙歯齦腫痛。
2、咳嗽、喘息、少気、痰の病。
3、心下部の膨満、疼痛、嘔気、嘔吐。
4、臍腹および小腹の脹満、疼痛、下痢、便秘、遺尿、尿閉、血尿。
5、婦人科疾患: 難産、胞依不出、死産、産後腹痛、血の道証
6、痔疾、脱肛、便秘。
7、足寒、足熱、原気衰弱、腎疾患一般。
診察点:任脈:諸病により圧痛部が相違するから全体にわたって診査する。 診察点:陰蹻脈:人迎より缺盆、交信、照海、然谷。
 五
 手の陽明脉 大腸経 足の陽明脉 胃経
 右合谷 → 左陥谷 右合谷 ← 左陥谷
  「よくわかる奇経治療」の参考例
奇経腹診の反応部位:両天枢穴に反応が出る。
陰蹻脉も同部位であるが、の違いは、手の陽明脉は浅く反応があり、
陰蹻脉(左照海→右列欠)は、深い所まで硬結圧痛がある。
奇経腹診の反応部位:右下腹部の虫垂炎の反応の現れる部。(マックバーネー点付近)
診方:
病証とにらみあわせて証を考え、その上で反応をみること。
診方:
虫垂炎の圧診点と一致している。必ず圧痛と硬結が出現する。
病証のポイント:主に大腸経の病証。
元来は陽維脉(右外関→左足臨泣)に含まれるものであるが、
陽維脉の領域の内、手足陽明経同士を結ぶより効果的なものになる。
病証のポイント:主に胃経の病証。
陽維脉や帯脉の病証の一分野。
特に手足の陽明経上の病証に効果がある。
病証:①上腕前腕の大腸経上の痛み。
②顔面痛、歯痛、(下)、歯齦炎はぐき(上)。
③咽頭痛、鼻の病。
④乳腺炎(上部)
病証:①大腿下腿前面の痛みと
麻痺。
②漆関節痛。
③顔面痛、顔面麻痺、上眼瞼下垂。
④歯痛、(上)、 歯齦炎はぐき(下)。
⑤便秘、腹痛。
⑦乳腺炎(下部)。
  六
 手の少陰脉 心経 足の厥陰脉 肝経
左通里 → 左太衝 左通里 ← 左太衝
「よくわかる奇経治療」の参考例
奇経腹診の反応部位:右悸肋部、胃経の不容、衝満穴、碑経の腹哀穴付近より斜めに右天枢穴にかけての面をなした部位。 奇経腹診の反応部位:左悸肋部より左天枢穴にかけて、面をなして三角形の板でも入っているような反応帯として触れる。
診方:右悸肋部、から右天枢穴にかけて反応がある。
足厥陰脉の反応のように広い面ではなく右悸肋部の不容、腹哀穴から望棒状に枢穴にある。左側の反応と比べると右側は硬結が深い。
診方:手掌と中指でツボと面と両方を診るようにする。
病証のポイント:心、心包経の病証を考える。
また、胆のう、肝臓疾患に用いる。
病証のポイント:
関経や胆経の病証を多く含んでいる。
また肝臓・膵臓疾患、ストレスから来る胸脇苦満、心下満。
その他、筋に関係する病に用いる。陽維脈(右外関→左足臨泣)+陽蹻脉(右申脈→左後谿)の病証に効果がある。
病証:①肝臓疾患、 胆のう疾患。
②胸脇苦満、心下満。
③肩背腰部痛。
④上腕前腕内側痛。
⑤肩関節痛。
⑥胸内苦悶。
病証:①肝臓疾患、 胆のう疾患。
②膵臓疾患・胃疾患。
③眼科疾患。
④頭痛。
⑤肩関節痛、肩背腰部痛。
⑥漆関節痛。
⑦前立腺炎、 前立腺肥大症。
⑧内分泌疾患。
⑨五十肩。
⑩心臓疾患。
⑪解毒作用関係疾患(皮膚病、アレルギー症)

柳下登志夫先生 経絡治療学原論上巻臨床考察‐基礎・診断編‐

P57より。 平成14年11月・収録

脉状診を使って行う奇経治療の基本的な方法。

① 〔奇経テスターを主穴(+)、従穴(-)に貼付する。〕
これによって脉状の良否を判定する。

② 六部定位の脉状は、浮沈・遅数・虚実で判定し、沈・遅・正実は好転の兆候。
これに反するものは悪行と診る。

③ 〔奇経テスター〕で脉状の好転を知った時は、これに従って磁気・異種金属等の鍼・粒・板・〔お灸〕等をこれに貼付して好転を促す。

④ 異種金属針の刺鍼により、検索を試みた際、脉状の好転すれば、検索と治療をかねて行うことになる。

⑤ 皮膚表面の操作と刺入鍼では、主穴(+)、従穴(-)が逆なる事が多いので注意必要。

⑥ いずれも、好転した脉状が乱れ始めた時は、速やかに治療を終了する。

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【「血」の変化には衝脈〔公孫→内関〕】

奇経それぞれの治療効果については種々言われているが、現在我々が遭遇する病症に照らし合わせて、特徴のあるものは、――肥満・高血圧・高脂血症・糖尿病・・・この「血」の変化をとれえて処理する際には衝脈〔公孫→内関〕が大いに役立つ。

【帯脉〔足臨泣→外関〕】

また帯脉〔足臨泣→外関〕は運動器疾患はもとより、帯状疱疹の後遺症等。そして婦人科疾患あるいはそこから派生する精神障害症候郡、うつ病等にも緩やかに効果を示す。

【陰維脉〔内関→公孫〕・陽維脉〔外関→足臨泣〕】

陰維脉〔内関→公孫〕・陽維脉〔外関→足臨泣〕の「維」と言うのは纏めるという意味で、
陰は腎臓肝臓、陽は心臓肺臓、陰は内傷慢性病、陽は外邪性或いは急性病等の基本的な考えでこれを用いる。

【陽蹻脉〔申脈→後谿〕・ 陰蹻脉〔照海→列欠〕】

陽蹻脉〔申脈→後谿〕・ 陰蹻脉〔照海→列欠〕は何れも晴明穴付近を中心に、その経の流注を考慮に入れて使用する。

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臨床考察37: 奇経治療 頁:132・平成16年11月 収録

【奇形治療:】

奇形治療を行うには、奇経の流注や病症そして診察点を良く知り、その用い方に習熟なければならない。

検索方法の要は簡単便利で間違いの無いものを選ぶ事を勧める。

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