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                              小項目 番号 c210

井上恵理先生の講義録「南北経驗醫方大成による病証論」を取り上げるHPコーナーです。

「南北経驗醫方大成による病証論」の概要を山口一誠なりに分類と纏めを試みてみます。

はじめに。         P9上段1行目 ~ P9下段1終行目より。

これから皆さんと一緒に病症論を勉強していく訳ですが、
そのテキストとして昔から医家七部書の中に数えられている「南北経驗醫方大成」という、俗に「大成論」と呼ばれている本を基本として、色々な本から摘録しました物を遣って行こうと思います。

この「南北経驗醫方大成」という本は、明の時代にあった「醫書大全」という本から病症の分だけを摘出して日本で編纂された物です。―

その元に成った古書を辿って行きますと、元の仁宗、延祐という年間に、孫允腎という人が「南北経驗醫方集成」という十巻の本を書いているんです。
この本は陳無釈の「三因方」と厳用和の「濟生方」の二つの本に準拠して書かれているんです。

その後、明の時代に熊宗立という人の祖先の彦明公という人が「南北経驗醫方大成」という本を書いています。
これは劉河間の唱える「醫方精要宣明論」という考え方と、寶仙老人の書いた「抜萃方」、この二つを孫允腎の「南北経驗醫方集成」に混ぜ合わせて二十三巻の本に著した物です。

そして明の洪武年間に熊宗立が先祖の著した「南北経驗醫方大成」を「醫書大全」二十四巻の本に著した訳です。
この本は別名を「醫方大全」と言いまして、現在フランスで行われている鍼という物は、熊宗立の「醫方大全」に拠っています。

フリード・モランという人が「支那の鍼」という本を書いていますが、この本の内容とされている物が熊宗立の「醫書大全」、向こうでは「醫方大全」と呼ばれている本である所に、この書が国際的にも大きな意味を持っている理由なんです。

大体において、この「醫方大全」という本は、薬物から鍼灸に至るまでの物を全部収録した一つの全集本です。

そして、我々がこれから勉強して行く「大成論」というものが、
実は「醫方大全」の中の「病論」という部分を抜粋した物である訳です。

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医家七部書

1:「局法発揮」 著者:朱丹渓(寒の論が非常に詳しく記載あり。)
2:「格致余論」 著者:朱丹渓
3:「南北経驗醫方大成論」

〈参考文献〉

この「風論」をの講義をするに当たって大体次のような古典を参考にしました。

黄帝内経素問の第四十二「風論」、第十九「玉機真蔵論」「諸病原侯論」:病症論の原典。「景岳全書」:「類経」を著した張介賓の著作。「医学正伝」「万病回春」「啓廸集」:曲直瀬道三の著作。「医心方」:丹波康頼の著作。「病因指南」:岡本一抱の著作。
「古今医統」「東医宝鑑」・「局法発揮」「格致余論」 著者:朱丹渓 。

「傷寒の論」著者:張仲景

 

※ 詳しくは本文:「南北経驗醫方大成による病証論 井上恵理先生 講義録」

発行:東洋はり医学会、をお読みください。

 

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