陰陽虚実
項目 番号 陰陽虚実 c103
陰陽虚実 は東洋医学における最も基本的な病証の見方です。
① 陰陽について。
「陰」とは、
病位においては臓であり、陰経であり、内であり、血です。
病にあっては、冷えて静かに、消極的で、慢性の病状です。
脉は沈んで力なく遅い脉状です。
一般的に温かいものを好みます。
「陽」とは、
病位においては腑であり、陽経であり、外であり、気です。
病にあっては、熱して動き、積極的で、急性の病状です。
脉は浮にして速い脉状です。
一般的に冷たいものを好みます。
② 虚実について。
虚実は陰陽と共に、経絡鍼灸における病症観察の最も基本的な事項です。
そして、経絡鍼灸の治療において「虚実をわきま弁えて補瀉する」治療法(証決定)を決めるための基本原則になります。
虚実は身体における邪気と正気(生気・精気)との相対的関係から考察できます。
「邪気が盛んになれば実し、精気が奪われれば虚す」関係になっています。
虚実はこれらの邪気と正気の「気」を主体として考察される概念です。
「生気」とは全身各部をくまなく循り、生成可育、疲労回復、病邪の除去等、全て生体機能を主るものです。
「邪気」とは風・暑・飲食労倦・湿の五邪が「生気」の働きを妨害するものを言います。
虚実の病態について。
「虚」病態は、
生気が不足して力なく、力のない脉状を現し、身体冷え、呼吸浅く、
声小さく、大小便頻数にして飲食入らず、皮膚枯れて乾燥し、身体痩せる等、
生体機能の減弱と物質不足の消極的な病態を言います。
「実」とは、
邪気盛んにして、力のある脉状を現し、身体熱し、腹が張ってもだえ苦しみ、
大小便が通じず、痛み激しく、大声でわめく等、生体機能の亢進であり、
物質過剰の積極的な病態を言います。
陰陽虚実による病証観察には次の法則を考慮します。
陽、実すれば外熱し、
陽、虚すれば外寒す。
陰、実すれば内寒し、
陰、虚すれば内熱す。
陽は独立し得ず、陰を得てなる。
陰を主とし、陽はこれを随う。
などとあります。
gc51 陰虚内熱・陽実外熱 表
gc52 陰実内寒・陽虚外寒 表
浮沈脉・陰陽脉・内外・寒熱 身体比較の図 gc54
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