七情五行分類 c419

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七情 五行分類

南北経驗醫方大成による病証論 第 十五、気(き)より。

原文:
故内因七情而得之、喜怒憂思悲恐驚者是也

訳文:
故に、内七情に因って而して之を得る。 喜怒憂思悲恐驚の者、是也。

解説:

〔気の病は、内傷の病であり、七情の大過によって発症する病気です。。〕
〔七情とは、怒、喜、憂、思、悲、驚、恐、の感情の事です。〕
〔怒ると肝、喜びて心、憂えて肺、思うと脾、悲しんで心包、驚きて胆、恐れて腎、が傷(きず)つきます。〕

七情 五行分類
 心火の変動

七情分類:喜びて心    (心):喜び。
七情分類:悲しんで心包 (心包):悲しみ過ぎる。


心火五精:神
心火五常(情):礼
心火五志:笑う

神:尊い、神秘的なもの変化して極まりない、精神。
礼:人と人の道、礼儀作法、立ち振る舞い、人に敬意を示す、社会の秩序。

喜び過ぎると、
気が緩(ゆる)み、
気が散って減少し、
心経の病気になります。

悲しみ過ぎると、
気が引き締まり過ぎて、
気(き)が急(せ)き、
心包経の病気になります。
心火の変動。
①身熱し、
②むないきれする、
③五感器障害、
④精神障害。

本間祥白編:心火の変動

⑤ 手の少陰心経 ・・
虚すれば、心下痛、不安、言難く、意識朦朧。

⑨ 手の厥陰心包経
実すれば、心痛、胸脇張りお苦しい。
虚すれば、胸苦しい、手掌熱し、動悸甚だしい。

⑩ 手の少陽三焦経
虚すれば、腹冷え、呼吸苦しく、或いは呼吸微弱。
柳下先生、五大病症変動のまとめ1、2、
 柳下先生、心火の変動

実すれば、喜ぶ。良くない事も非常に喜んだり笑う。
虚すれば、無感動、何も感動しない状態になる。

神:尊い、神秘的なもの変化して極まりない、精神。
礼:人と人の道、礼儀作法、立ち振る舞い、人に敬意を示す、社会の秩序。

【体内で熱が亢進すると】
物を読んだり、見たり、聞いたり、特に考えをまとめようとすると意識がハッキリせず、 意識がぼやけ、疲労感がして眠くなる。

心包経の変動:
人が傍にいないと不安でたならない、寒さがこたえる。
手足が冷たくなかなか温まらない、鼻の奥に濃い鼻汁が留まる。

心経・
注意欠陥他動性症候群・老人性の痴呆症・欝症状、
舌が痺れる・舌の先が苦い・喋る時に舌の動きが悪い・無気力、不眠、苦しい。
瞬間的に意識を失う回数が多い。
或いは患者の話す事と現実が時々一致しない。

心包経
臓象論:脾経との相生関係で使う場合が多い。
治療穴:心包は「心の臓」の邪実を表す、見逃さず、瀉法する。胸内苦悶・心痛・呼吸促迫・特に不安感。
心包経の実について、普通には左の肝経の太衝穴を補えば、右の心包経の正実になる。〕
しかし、― 心包経に邪が客していると、流注上に湿疹や皮膚炎や異常物が現れる状態になり邪実を表す。
これは速やかに瀉すべき状態である。

三焦経
三焦経「気」の特性合致。証に係わらず補瀉すると快適になる。
寒熱感・霧中感・不安定感・眩暈・思考力減退。
心窩部に物が痞える・疲れる・
 肝木の変動 

七情分類:怒ると肝 怒る。

 

肝木五精:魂。
肝木五常(情):仁
肝木五志:怒


魂:たましい、人間の霊、思い、心持ち、

仁:慈しみ、慈愛、情、思いやりの心、哀れみ、身近かな人から他人におよぶ愛、これを肝の主る人間の気持ちと考える。

怒るとカーッとなり気が頭に上る。
上りつくしてしまうと、
気が撃(う)たれ、
肝経の病気になります。

 ・
驚いた時は、
ただただビックリして、
何も入って来ないから、
気が乱れ、
胆の病、精神不安の病気になります。
 ・
肝木の変動

 ①心窩部につかえある。
②脇腹張り痛む。
③目眩する。
④筋ゆるんでくよくよする。
⑤内分泌疾患。


本間祥白編:肝木の変動

⑫ 足の厥陰肝経 :
実すれば、胸下堅く、気分不快、怒る。
虚すれば、心下堅く満ち、気力減ず、性欲減退、失禁、視力減退。

⑪ 足の少陽胆経
実すれば、口苦く腹が満つ、怒る。
虚すれば、ため息、面垢づき光沢なく、クヨクヨしてよろめく。

柳下先生、五大病症変動のまとめ1、2、

柳下先生、肝木の変動

実すれば、怒り。
虚すれば、取り越し苦労をする。

肝木五精:魂。
魂:たましい、人間の霊、思い、心持ち、

肝木五常(情):仁
仁:慈しみ、慈愛、情、思いやりの心、哀れみ、身近かな人から他人におよぶ愛、これを肝の主る人間の気持ちと考える。

肝木五志:怒
肝経・
変化は激しく変わり易い性格「経絡」。
人情に厚く、世話好き(魂仁)
眩暈も重い軽いメマイやや実。吐き気。怒る。。
虚せばクヨクヨと物事を案じ、欝状態に近づく。
肝の臓は意思や感情を支配し筋を主る・背の第九胸椎辺りが肝の変動ポイント。
陽性〔実証〕体質者は、病状があっても我慢するか、逆にテレビや健康雑誌を信じて実行し、病気を悪化させる場合がある。
陰性〔虚証〕体質の患者は、血色が悪く、病気を悪い方にばかり考えたり、わが身の不運を嘆き、気の病、脳神経障害等にも罹りやすい。
肝木が実し、世の中が嫌になり、涙を流してただ横になりたいという状態に陥る患者もいる。
特にそれが相剋的に現れるものを難病と診るのである。
m190 Animation1  脾土の変動

七情分類:思うと脾。 思い考え。

脾土五精:意智
脾土五常(情):信
脾土五志:思う

思い考え過ぎて、
いろんな物が頭に入り過ぎるから、
脾経の病気になります。

脾土の変動
①消化・吸収障害、
②疲れやすく、
③身体重く、
④関節が痛む。


本間祥白編:脾土の変動
 ・
④ 足の太陰脾経
実すれば、胸苦しく臥すること得ず。
虚すれば、疲れやすい、臥するを好む、 噫(あくび)、不眠、食不味。

③ 足の陽明胃経
実すれば、腹中堅く痛み熱して自汗、臆する、、狂う。
虚すれば、気鬱症。

柳下先生、五大病症変動のまとめ1、2、


柳下先生、脾土の変動

実すれば、思い過ごす。
虚すれば、思いが起こらない。

信:真剣な事、嘘でない、真実、訪れる宗教の信仰。

意智・知智:心ざし、思い、考え、意識してものを思う。

謀は、意味、訳、思う、考え。
【脾経の変動】:
食物はわずかしか摂っていないのに、ミゾオチにつかえ、もたれ、食欲無く、 冷たい飲み物や果物は特に欲しくない。
しばしば軽い腹痛を感じ、便意をもよおすが思うように出ないが、少しでも排便すると非常に気持ちが良く腸の中が空になった様な気がする。
睡眠は割り合い良いが、しばしば目が覚める。
疲れやすく少し動くとあちこちが痛くなり、寝ているのが一番楽だが、時々心蔵の鼓動が急に高まって思わず寝ていられなくなる事がある。
急いで歩いたり、小走りに走ると心蔵が非常に苦しくなる。

【胃経の変動】:熱も無いのに寒く、特に腹部が冷える感じがする。
太陰脾経
陰性〔虚証〕体質は、病が慢性に陥りやすく長引く。他愛も無い周りの環境にも左右され易い。
「頭位置変換性の眩暈」実が多く、虚は足が地に着かず身体がふらつく。

陽明胃経
欠盆穴辺りのナソ所見は、躁鬱の治療穴。
鳩尾穴上脘穴あるいは下脘穴にかけて、任脉経上に硬い紐の様な索条物を触れる。
施療〔鍼灸治療〕は、この反応物の下端より始めると、治療回数を重ねるつどに建里・中脘・上脘・巨闕穴の方向で解消されて行き、それにつれて病も癒えてくる場合が多い。
大腹も目に見えて病状の変化を現す部のひとつである。
実すれば食欲に異常を生じ、、特に冷たいものを好む。
虚せば食欲無く、体の前面が冷え、寝るときはうつ伏せになり、人と接することを避ける。
実した時も人ごみを嫌い、他人との係わりを忘れ、発作的に荒々しい行動発作を起す。
しかもその行動について本人はハッキリと意識している。
意識しているのに、異常な行動を抑えられないという悲しむべき状態が起こる。
また虚した時は周りとの係わりを嫌いじっと動かず、部屋に引きこもる。(引きこも裏症候群となる)
経絡治療では、胃経を補瀉して効を奏することが多い。
患者の訴えで、身体の前が寒く、何もしたくないと言う時は虚を認める。
胃経の実で起こる症状:
じっとしていられず、走り、高き所に登り叫びたいという患者がいる。
 腎水の変動

七情分類:恐れて腎
七情分類:驚きて胆

腎水五精:精志
腎水五常(情):智
腎水五志:驚く

恐れ過ぎると、
気が下に下がり、
怯(おびえ)る、
腎経の病気になります。

腎水の変動(五大病症)
①足の冷え、のぼせ、
②体液の漏れ出血、
③元気衰弱、
④泌尿器・生殖器疾患。


本間祥白編:腎水の変動

⑧ 足の少陰腎経
実すれば、胸騒ぎ、恐れる。
虚すれば、物忘れ、性欲減退。
⑦ 足の太陽膀胱経
実すれば、脳の病気。
虚すれば、後頭痛、腰痛。
柳下先生、五大病症変動のまとめ1、2、
柳下先生、腎水の変動

実すれば、何者とも知れないものに捕らえられそうになって、じつとしていられないで逃げ回る。
虚すれば、足腰が立たない、動けない、わずかの光、小さな音などに恐れおののく。

智:頭の働き、知恵、悟る、賢い、謀が事が腎の働きです。

精志:精志、精は米などをついて穀物を取り白く混じり気がない様。
:えり抜きの精密さ、心、気力、精気、精神、巧み、高名、正しい。
明らか、清潔、鋭い、志は心の向かう所、考え、思慮、目的、物を贈る、気持、望み、希望、目指す心、覚えている、書き記す、記録する。
腎経
腎経の虚は人を老いさせ、日常生活が過ごし難く、慢性疲労症候群に似た状態になる。
腎経は基本的には生殖・利尿に関与し、耳・骨・髪に症状が現れ、逆気して泄らす、殊(こと)に心が脅かされ、恐れ慄いて心休まず、身痩せて心身ともに衰弱する。
腎経を考える時これらの病症に対して宜しく対処できるものである。
腎水体質:虚体・実体共に手足、特に足先が本人の自覚が無くても冷たく、また本人が冷えを自覚している場合もあるが、逆気が元で起こる病気に罹りやすい。
陽性〔実証〕体質者は運動器疾患は骨の変形になり、症状が激しく重症に見えても治りが良い。
陰性〔虚証〕体質者の改善は中々はっきりしない。
【湧泉穴は障害児が痙攣を起こし意識不明時の治療穴である。鍉鍼の頭部を湧泉穴に当て、尾部を「トットーン、トットーン」と叩く。
その際、湧泉穴は適応側であるという条件が必要である。】
【救急法:腎経。治療穴:復溜穴は逆気している時の補法が有効だが、顔色が青ざめて、手足の先が冷え手いるときには注意が必要である。】
【治療穴:子宝のツボ:先天の原気と後天の原気を組み合わせると子宝に恵まれる。】
【腹診:臍下丹田付近の虚実を確実に察知する事から始めるのが良い。】
【治療穴:復溜穴は腎臓疾患・排尿器疾患に効果あり。 】薬害。

膀胱経
膀胱経は外邪性に関する実の病から、慢性的な虚に起因するものに至るまでその範囲が広く、部分的にも脳神経・目・鼻・耳に始まり臓腑に纏わる兪穴で構成されてい。
【左志室穴辺りの左の固い骨の様な結状物は腰、下肢の異常、腹内・骨盤内の臓腑周辺の病変に係わ。】
涙目には晴明穴。天柱穴はその名に相応しく、上焦の病に対し或いは全身の種々な病症に対し用いて、陰に陽うに働き有効な経穴である。
心兪穴・魄戸・膏盲穴等は心臓疾患・精神神経障害、心気症等に有効なツボである。
腎経は反応が深いが、腎臓疾患の時には浅く反応が出る。
この経は、浅き処置して効を上げる時、後に誤治反応の様な不快感を残さない。
 肺金の変動

七情分類:憂えて肺

肺金五精:魄
肺金五常(情):義
肺金五志:憂い

憂(うれ)が大き過ぎると、
気が萎(ちぢ)んで胸に集まり、
肺経の病気になります。
 ・
 経金の変動(五大病症)
①咳嗽、
②寒熱往来、
③肩こり、
④気の病、
⑤皮膚病。
 ・
本間祥白編:経金の変動


① 手の太陰肺経
実すれば、悲しみ愁い、肩こり、欠盆の中痛む、上気、喉の腫れ物、肺張って自汗。
虚すれば、呼吸困難あるいは微弱、咳嗽、咽乾き、皮膚感覚麻痺。

② 手の陽明大腸経
実すれば、悪寒、戦慄、身熱し、喉痺れ。
虚すれば、腸鳴り白き大便を泄す。咽渇き、唇が乾く。
柳下先生、五大病症変動のまとめ1、2、

柳下先生、経金の変動

実すれば、悲しみ、憂い、原因も無く泣けて涙が止まらない。
虚すれば、体も心もじっと動かず悲嘆に暮れる。
肺経
肺臓の生理:肺臓は天空の清らかな気を全身に送り、 全身に生じた老廃物を放出する。
「肺の働きの変調」として 心気症・神経症・精神疾患 。
陰性〔虚証〕アトピー性皮膚炎、清潔潔癖症。
心及び心経の実に相剋されて虚す場合もあって 肺、肺経の虚を救う目的で心火に処置を加える事もかなりの例がある。
精神的、病は肺経の気を整えつことによって好転させれれる。
夢診断:
気が休まらない夢は、肺実。
気がゆったりするような夢なら肺虚。
肺経は気を主っているので十分に気を捕え、気を漏らさない様に左右圧を十分かけることを忘れてはならない。

五行の色体(表・図) コーナーHPより。

http://yukkurido.jp/keiro/bkb/c101/c202/

五行  木  火  土  金  水
 五臓  肝  心  脾  肺  腎
 五腑  胆  小腸  胃  大腸  膀胱

 

 

 

病因 部門
五行  木  火  土  金  水
五精  意智 精志
五常(情)  仁

 

 

 

 

 

五志 笑う 思う 憂い  驚く

 

 

 

 

 

南北経驗醫方大成による病証論 第 十五、気(き)より。

原文:調攝非宜、致生多證
訳文:調攝(チョウセツ)宜(よろ)しきに非(あら)ざれば、多證を生ずることを致す。
解説:〔人体を流れる気が整い良く運行しないならば、いろんな病気の症状が出て来ます。〕
【井上恵理先生の講義解説より】〈不調和の症状〉p112下段-
気の調節の事です。気がうまく整っていないと「多證」いろんな病気の症状がでてくる。
原文:
故内因七情而得之、喜怒憂思悲恐驚者是也
喜傷於心者、其氣散
怒傷於肝者、其氣撃
憂傷於肺者、其氣聚
思傷於脾者、其氣結
悲傷於心包者、其氣急
恐傷於腎者、其氣怯
驚傷於胆者、其氣乱
訳文:
故に、内七情に因って而して之を得る。 喜怒憂思悲恐驚の者、是也。
喜んで心を傷(やぶる)る者は、其の気散し、
怒って肝を傷る者は、其の気撃す、
憂えて肺を傷る者は、其の気聚(あつま)る、
思いて脾を傷る者は、其の気結ばれる、
悲しんで心包を傷る者は、其の気急なり、
恐れて腎を傷る者は、其の気怯(つた)なし、
驚きて胆を傷る者は、其の気乱る
解説:〔気の病は、内傷の病であり、七情の大過によって発症する病気です。。〕
〔七情とは、怒、喜、憂、思、悲、驚、恐、の感情の事です。〕
〔怒ると肝、喜びて心、憂えて肺、思うと脾、悲しんで心包、驚きて胆、恐れて腎、が傷(きず)つきます。〕
〔喜び過ぎると、気が緩(ゆる)み、気が散って減少し、心経の病気になります。〕
〔怒るとカーッとなり気が頭に上る。上りつくしてしまうと気が撃(う)たれ、肝経の病気になります。〕
〔憂(うれ)が大き過ぎると、気が萎(ちぢ)んで胸に集まり、肺経の病気になります。〕
〔思い考え過ぎて、いろんな物が頭に入り過ぎるから、脾経の病気になります。〕
〔悲しみ過ぎると、気が引き締まり過ぎて、気(き)が急(せ)き、心包経の病気になります。〕
〔恐れ過ぎると、気が下に下がり、怯(おびえ)る、腎経の病気になります。〕
〔驚いた時は、ただただビックリして、何も入って来ないから、気が乱れ、胆の病、精神不安の病気になります。〕
【井上恵理先生の講義解説より】〈不調和の症状〉p112下段-
〔この古典理論は〕「黄帝内経・素問」第三十九.擧痛論篇(挙痛論)に出ています。
「故に、内七情に因って而して之を得る。喜怒憂思悲恐驚の者、是也。」
内傷の病、七情の大過によってくる病である。
「喜び過ぎれば心を傷る」
喜んで心臓が傷(やぶ)れるのでなく、心気が傷れるという事です。
怒ると肝、憂えて肺、思うと脾、悲しんで心包絡、恐れて腎、驚きて胆が傷れる。
これが調節宜しきに非ざれば多證を生ずる事です。
「多證」心虚、肝虚、肺虚、脾虚、心包虚、腎虚、胆虚の事です。
「喜び過ぎれば心を傷る者は、其の気散し」
喜ぶと気が緩まる「耗散」散ってしまう、減ってしまう。
逆にいえば、喜ぶ事は心を奪うが、過ぎると心を傷るのです。
これも東洋的考え方です。
戦前、あらゆる職業の寿命調査で、長命は喜劇役者で、短命は医者だそうです。
片方は人を笑わせ神を養い、医者は苦虫の患者ばかりで神が消耗される。
「怒って肝を傷ると気が撃す」
怒ると気が上せる、上りつくしてしまうと気が撃じ病になる。
人間はこういう物があるのです。仏様みたいではつまらないのです。
人間は欠点を掴(つか)む事を知っても、特長を掴む事が出来ないのです。
「憂えて肺を傷る者は、其の気聚る、」
憂いは大きすぎると、気が萎んで胸に集まる。
肝は頭に上る。
「悲しんで心包が傷れると気が急なり」
悲しむと気が消える、縮む陰性である、気が引き締まり過ぎで急迫になる。
「恐れて腎を傷る者は、其の気、怯(つた)なし、」
恐ると気下る、過ぎると生気下に下がる。肝は上る。
「驚いて胆が傷られると、其の気乱れる」
驚くと気が乱れる。
胆の発生の気が乱れ精神的安定性がなくなる。
悲しみ、憂い、思いの時は、いろんな物が入り過ぎるから傷れるが、
驚いた時は、何も入って来ないから気が乱れ、気が乱れるから何も入いって来ないのです。
原文:
雖七證自殊、無踰於氣
又有體虚者、外為風冷乗之
入於腹中、遂成諸疝
訳文:
七證自ら殊(こと)なりと雖(いえど)ども、気踰(こえ)る事なし、
又體虚の者有り、外風冷の為に乗(じょう)ぜられ、
之腹中に入りて、遂に諸疝(しょせん)と成る
解説:
〔七つの気の病証は、1,気散る、2,気集まる、3,気急す、4,気怯(つた)なし、5,気結ばれる、6,気乱れる、7,気撃す、と症状はそれぞれ違いますが、〕
〔元は一つの気より生じているので、気より踰(こえ)る事はありません。〕
〔身体が虚弱な人が気の病に罹患している時、外邪の冷風に曝(さら)されると、〕
〔外邪が腹に入り、色々な腹痛が出ます。これを「疝の病気」と言います。〕
【井上恵理先生の講義解説より】
〈不調和の症状〉p113上段-
七つの症、散る、集まる、急す、怯(つた)なし、結ばれる、乱れる、撃す、症状それぞれ違うが
「気踰(こえ)ることなし」
元は一つの気より生じる。だから気より踰(こえ)る事はない。
動き方によって、一つの気の動き方が違うだけで、気その物の病気には変わりない。
「体虚の者あり]形態が虚証の物、気の方がしっかりしていても、体の方が虚弱である為、形態を成していない為、
外の風とか冷えに乗ぜられ、腹に入られ「諸疝(しょせん)」色んなお腹の痛み、「疝」腹中の痛みと思えばよい。
体虚の者も、七情もあるが風冷の為、気が結ばれて腹に入り、色んな疝病を成す。


南北経驗醫方大成による病証論 第 十五、気(き)・〔気の病:疝気(せんき)証〕
http://yukkurido.jp/keiro/bkb/mk/c335/

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本間祥白編 経絡の五行変動分類
http://yukkurido.jp/keiro/bkb/c102/c209/%ef%bd%83301/%ef%bd%83415/
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本間祥白編:肝木の変動

⑫ 足の厥陰肝経 :
実すれば、胸下堅く、気分不快、怒る。
虚すれば、心下堅く満ち、気力減ず、性欲減退、失禁、視力減退。

⑪ 足の少陽胆経
実すれば、口苦く腹が満つ、怒る。
虚すれば、ため息、面垢づき光沢なく、クヨクヨしてよろめく。

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本間祥白編:心火の変動

⑤ 手の少陰心経 ・・
虚すれば、心下痛、不安、言難く、意識朦朧。

⑨ 手の厥陰心包経
実すれば、心痛、胸脇張りお苦しい。
虚すれば、胸苦しい、手掌熱し、動悸甚だしい。

⑩ 手の少陽三焦経
虚すれば、腹冷え、呼吸苦しく、或いは呼吸微弱。

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本間祥白編:脾土の変動

④ 足の太陰脾経
実すれば、胸苦しく臥すること得ず。
虚すれば、疲れやすい、臥するを好む、 噫(あくび)、不眠、食不味。
③ 足の陽明胃経
実すれば、腹中堅く痛み熱して自汗、臆する、、狂う。
虚すれば、気鬱症。
ーーーーーーー
本間祥白編:経金の変動

① 手の太陰肺経
実すれば、悲しみ愁い、肩こり、欠盆の中痛む、上気、喉の腫れ物、肺張って自汗。
虚すれば、呼吸困難あるいは微弱、咳嗽、咽乾き、皮膚感覚麻痺。
② 手の陽明大腸経
実すれば、悪寒、戦慄、身熱し、喉痺れ。
虚すれば、腸鳴り白き大便を泄す。咽渇き、唇が乾く。
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本間祥白編:腎水の変動

⑧ 足の少陰腎経
実すれば、胸騒ぎ、恐れる。
虚すれば、物忘れ、性欲減退。
⑦ 足の太陽膀胱経
実すれば、脳の病気。
虚すれば、後頭痛、腰痛。
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柳下先生、五大病症変動のまとめ2、コンパクト版
http://yukkurido.jp/keiro/bkb/c102/c209/%ef%bd%83301/c417/

柳下先生、五大病症変動のまとめ1、
http://yukkurido.jp/keiro/bkb/c102/c209/%ef%bd%83301/%ef%bd%83416/
柳下先生、肝木の変動

実すれば、怒り。
虚すれば、取り越し苦労をする。

肝木五精:魂。
魂:たましい、人間の霊、思い、心持ち、

肝木五常(情):仁
仁:慈しみ、慈愛、情、思いやりの心、哀れみ、身近かな人から他人におよぶ愛、これを肝の主る人間の気持ちと考える。

肝木五志:怒
肝経・
変化は激しく変わり易い性格「経絡」。
人情に厚く、世話好き(魂仁)
眩暈も重い軽いメマイやや実。吐き気。怒る。。
虚せばクヨクヨと物事を案じ、欝状態に近づく。
肝の臓は意思や感情を支配し筋を主る・背の第九胸椎辺りが肝の変動ポイント。
陽性〔実証〕体質者は、病状があっても我慢するか、逆にテレビや健康雑誌を信じて実行し、病気を悪化させる場合がある。
陰性〔虚証〕体質の患者は、血色が悪く、病気を悪い方にばかり考えたり、わが身の不運を嘆き、気の病、脳神経障害等にも罹りやすい。
肝木が実し、世の中が嫌になり、涙を流してただ横になりたいという状態に陥る患者もいる。
特にそれが相剋的に現れるものを難病と診るのである。

柳下先生、心火の変動

実すれば、喜ぶ。良くない事も非常に喜んだり笑う。
虚すれば、無感動、何も感動しない状態になる。

神:尊い、神秘的なもの変化して極まりない、精神。
礼:人と人の道、礼儀作法、立ち振る舞い、人に敬意を示す、社会の秩序。

【体内で熱が亢進すると】
物を読んだり、見たり、聞いたり、特に考えをまとめようとすると意識がハッキリせず、 意識がぼやけ、疲労感がして眠くなる。

心包経の変動:
人が傍にいないと不安でたならない、寒さがこたえる。
手足が冷たくなかなか温まらない、鼻の奥に濃い鼻汁が留まる。

心経・
注意欠陥他動性症候群・老人性の痴呆症・欝症状、
舌が痺れる・舌の先が苦い・喋る時に舌の動きが悪い・無気力、不眠、苦しい。
瞬間的に意識を失う回数が多い。
或いは患者の話す事と現実が時々一致しない。

心包経
臓象論:脾経との相生関係で使う場合が多い。
治療穴:心包は「心の臓」の邪実を表す、見逃さず、瀉法する。胸内苦悶・心痛・呼吸促迫・特に不安感。
心包経の実について、普通には左の肝経の太衝穴を補えば、右の心包経の正実になる。〕
しかし、― 心包経に邪が客していると、流注上に湿疹や皮膚炎や異常物が現れる状態になり邪実を表す。
これは速やかに瀉すべき状態である。

三焦経
三焦経「気」の特性合致。証に係わらず補瀉すると快適になる。
寒熱感・霧中感・不安定感・眩暈・思考力減退。
心窩部に物が痞える・疲れる・

柳下先生、脾土の変動

実すれば、思い過ごす。
虚すれば、思いが起こらない。

信:真剣な事、嘘でない、真実、訪れる宗教の信仰。

意智・知智:心ざし、思い、考え、意識してものを思う。

謀は、意味、訳、思う、考え。
【脾経の変動】:
食物はわずかしか摂っていないのに、ミゾオチにつかえ、もたれ、食欲無く、 冷たい飲み物や果物は特に欲しくない。
しばしば軽い腹痛を感じ、便意をもよおすが思うように出ないが、少しでも排便すると非常に気持ちが良く腸の中が空になった様な気がする。
睡眠は割り合い良いが、しばしば目が覚める。
疲れやすく少し動くとあちこちが痛くなり、寝ているのが一番楽だが、時々心蔵の鼓動が急に高まって思わず寝ていられなくなる事がある。
急いで歩いたり、小走りに走ると心蔵が非常に苦しくなる。

【胃経の変動】:熱も無いのに寒く、特に腹部が冷える感じがする。
太陰脾経
陰性〔虚証〕体質は、病が慢性に陥りやすく長引く。他愛も無い周りの環境にも左右され易い。
「頭位置変換性の眩暈」実が多く、虚は足が地に着かず身体がふらつく。

陽明胃経
欠盆穴辺りのナソ所見は、躁鬱の治療穴。
鳩尾穴上脘穴あるいは下脘穴にかけて、任脉経上に硬い紐の様な索条物を触れる。
施療〔鍼灸治療〕は、この反応物の下端より始めると、治療回数を重ねるつどに建里・中脘・上脘・巨闕穴の方向で解消されて行き、それにつれて病も癒えてくる場合が多い。
大腹も目に見えて病状の変化を現す部のひとつである。
実すれば食欲に異常を生じ、、特に冷たいものを好む。
虚せば食欲無く、体の前面が冷え、寝るときはうつ伏せになり、人と接することを避ける。
実した時も人ごみを嫌い、他人との係わりを忘れ、発作的に荒々しい行動発作を起す。
しかもその行動について本人はハッキリと意識している。
意識しているのに、異常な行動を抑えられないという悲しむべき状態が起こる。
また虚した時は周りとの係わりを嫌いじっと動かず、部屋に引きこもる。(引きこも裏症候群となる)
経絡治療では、胃経を補瀉して効を奏することが多い。
患者の訴えで、身体の前が寒く、何もしたくないと言う時は虚を認める。
胃経の実で起こる症状:
じっとしていられず、走り、高き所に登り叫びたいという患者がいる。
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柳下先生、経金の変動

実すれば、悲しみ、憂い、原因も無く泣けて涙が止まらない。
虚すれば、体も心もじっと動かず悲嘆に暮れる。
肺経
肺臓の生理:肺臓は天空の清らかな気を全身に送り、 全身に生じた老廃物を放出する。
「肺の働きの変調」として 心気症・神経症・精神疾患 。
陰性〔虚証〕アトピー性皮膚炎、清潔潔癖症。
心及び心経の実に相剋されて虚す場合もあって 肺、肺経の虚を救う目的で心火に処置を加える事もかなりの例がある。
精神的、病は肺経の気を整えつことによって好転させれれる。
夢診断:
気が休まらない夢は、肺実。
気がゆったりするような夢なら肺虚。
肺経は気を主っているので十分に気を捕え、気を漏らさない様に左右圧を十分かけることを忘れてはならない。
柳下先生、腎水の変動

実すれば、何者とも知れないものに捕らえられそうになって、じつとしていられないで逃げ回る。
虚すれば、足腰が立たない、動けない、わずかの光、小さな音などに恐れおののく。

智:頭の働き、知恵、悟る、賢い、謀が事が腎の働きです。

精志:精志、精は米などをついて穀物を取り白く混じり気がない様。
:えり抜きの精密さ、心、気力、精気、精神、巧み、高名、正しい。
明らか、清潔、鋭い、志は心の向かう所、考え、思慮、目的、物を贈る、気持、望み、希望、目指す心、覚えている、書き記す、記録する。
腎経
腎経の虚は人を老いさせ、日常生活が過ごし難く、慢性疲労症候群に似た状態になる。
腎経は基本的には生殖・利尿に関与し、耳・骨・髪に症状が現れ、逆気して泄らす、殊(こと)に心が脅かされ、恐れ慄いて心休まず、身痩せて心身ともに衰弱する。
腎経を考える時これらの病症に対して宜しく対処できるものである。
腎水体質:虚体・実体共に手足、特に足先が本人の自覚が無くても冷たく、また本人が冷えを自覚している場合もあるが、逆気が元で起こる病気に罹りやすい。
陽性〔実証〕体質者は運動器疾患は骨の変形になり、症状が激しく重症に見えても治りが良い。
陰性〔虚証〕体質者の改善は中々はっきりしない。
【湧泉穴は障害児が痙攣を起こし意識不明時の治療穴である。鍉鍼の頭部を湧泉穴に当て、尾部を「トットーン、トットーン」と叩く。
その際、湧泉穴は適応側であるという条件が必要である。】
【救急法:腎経。治療穴:復溜穴は逆気している時の補法が有効だが、顔色が青ざめて、手足の先が冷え手いるときには注意が必要である。】
【治療穴:子宝のツボ:先天の原気と後天の原気を組み合わせると子宝に恵まれる。】
【腹診:臍下丹田付近の虚実を確実に察知する事から始めるのが良い。】
【治療穴:復溜穴は腎臓疾患・排尿器疾患に効果あり。 】薬害。

膀胱経
膀胱経は外邪性に関する実の病から、慢性的な虚に起因するものに至るまでその範囲が広く、部分的にも脳神経・目・鼻・耳に始まり臓腑に纏わる兪穴で構成されてい。
【左志室穴辺りの左の固い骨の様な結状物は腰、下肢の異常、腹内・骨盤内の臓腑周辺の病変に係わ。】
涙目には晴明穴。天柱穴はその名に相応しく、上焦の病に対し或いは全身の種々な病症に対し用いて、陰に陽うに働き有効な経穴である。
心兪穴・魄戸・膏盲穴等は心臓疾患・精神神経障害、心気症等に有効なツボである。
腎経は反応が深いが、腎臓疾患の時には浅く反応が出る。
この経は、浅き処置して効を上げる時、後に誤治反応の様な不快感を残さない。
相剋つり合いについて。
  相剋つり合いが悪いと。
脾と肝    興味の減退
肝と脾   考えがまとまらない
腎と心   計算障害
腎と脾   物忘れ
心と肺   注意力減退
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参考HP;経絡の変動 比較図表 コーナーHP
http://yukkurido.jp/keiro/bkb/c102/c209/%ef%bd%83301/

 

 

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