五行論 相生関係 相剋関係 相剋調和 c203

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 五行論

相生関係

相剋関係

相剋調和

                                           小項目 番号 c203

 五行とは、陰陽がさらに発展し、自然界の活動のルールを現したものです。

これは、自然界の森羅万象を「木・火・土・金・水」の五つのパートに分類しています。

五行論は三つの理論より構成されます。

相生関係・相剋関係・相剋調和です。

そして、「相剋調和」は現代の経絡鍼灸の発展的五行論です。

それは、現代人の臨床実際から相克する経が共に虚する患者を治療する為に生まれた実践理論です。

 ① 相生関係 (ソウショウ)

これは母子関係ともいわれ、互いに生み生まれた、仲の良い間柄です。
これを、木生火・火生土・土生金・金生水・水生木と、呼称します。
その意味は、
木生火とは、木が燃えて火になる。
火生土とは、火によって灰(土)ができる。
土生金とは、土の中より金属が掘り出される。
金生水とは、金属のある所から水が生まれる。
水生木とは、水によって木が育まれる。

等の循環関係を言います。

gc111 相生関係図

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また、母子関係とは例えば自分が「金」なら、

その母は「土」になり、その子は「水」になります。

gc121 肺金経の母子関係図

gc121

gc41

② 相剋関係(ソウコク)

これは、互いに抑制する関係です。
これを、木剋土・土剋水・水剋火・火剋金・金剋木と、
呼称します。
その意味は、
木剋土とは、木は土壌より栄養分を吸収して生長します。
土剋水とは、堤防(土)によって水の氾濫を防いでいます。
水剋火とは、水により、火を消します。
火剋金とは、火は金属を溶かします。
金剋木とは、斧(金属)で木は伐採されます。
等の抑制関係を言います。

gc211 相剋関係図

gc211

経絡鍼灸のでは、相剋する一方の経の虚実が証決定と治療穴の判断で重要です。

それは、一方が虚すと、もう一方が実する「シーソー関係」になります。

gc221 木剋土 相剋関係図

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gc23 肝木脾土 シーソー関係図

gc23

 ③ 相剋調和

これは、互いに抑制と調和の関係です。

これを、木調土・土調水・水調火・火調金・金調木と、呼称します。

その意味は、

木調土とは、木は土壌より栄養分を吸収して生長しますが、
秋になるとその落ち葉を土に返しその肥沃に役立ちます。

土調水とは、堤防(土)は水の氾濫を防いでいます。
適度な水分を含有しているから土は粘度を保てるのです。
土に水分がなくては砂塵となり堤防は決壊します。

水調火とは、火は五行の内で最も激しい性格をもちます。火だけが優位になれば、
森羅万象すべて焼き尽くされます。水が抑制していることで、均衡が保てます。
また、水だけの世界なら、冷え凍え、森羅万象凍結するでしょう。
火が抑制していることで、均衡が保たれているのです。
陰陽を表す太極図の中にある黒丸、白丸は水と火を表しています。

120px-Yin_yang_svg

火調金とは、火は金属を溶かします。玉鋼(たまはがね)は火に鍛えられ名刀になります。
火は銀の燭台に飾られ部屋を明るくします。
また、薪ストーブは暖炉となって共 に人々に暖を与えてくれます。

金調木とは、木は刃物(金属)により削られ加工され、椅子や机など家具となり、
人類に益しています。又一方、刀は木で作った鞘に収められ安全を保たれ、
包丁や斧もその握り柄は木によって作られ用を成しています。

gc311 相剋調和関係図

 

gc311

参考

リンクしてご覧ください。

難経七十七難と五行理論

※ 七十七難のポイント其の三は、難経は経絡治療の実践理論書である。
難経は経絡治療の実践理論書であることの『未病を治す』神髄が述べてあります。
『未病を治す』と言う言葉の意味は、
鍼術(はりのじゅつは)相生相剋の五行理論に基ずき「経の治療」を施すことで成立している事を意味しています。

 

八木下翁は「相剋調整」の刺鍼法を実践されていた。?

岡部素道氏の「鍼灸経絡治療」を読んで思った事。

相剋調整の基本理論を考える。

「相剋調和」は現代の経絡鍼灸の発展的五行論です。

それは、 現代人の臨床実際から相克する経が共に虚する患者を治療する為に生まれた実践理論です。

先日、岡部素道氏の「鍼灸経絡治療」績文堂刊 昭和49年5月10日印刷発行を読んでいて、

鍼灸折々の記より、「八木下翁のこと」の文中に、p286

― 神経衰弱のときは、肺経と心経の虚している場合が多いから、

肺経の太淵穴、尺沢穴、心経の神門穴を補う、

といった風で、八木下翁は相生相剋の関係として取り上げなかった。

・・・とあるが。

これは、相剋調整の「肺虚心虚相剋調整証」になります。

 

東洋はり医学会が 相剋調整の基本理論を整理し決定する以前に、

鍼灸重宝記をバイブルにして経絡治療をしていた八木下翁の経験の必然から

「相剋調整」の刺鍼法をしていたという事です。

2011.7.29

 

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